これまでの俺達からしたら、あり得なかったまさかのバグスターをCRに連れて行く事。
それに対して、驚きながらも、俺達は、そのまま、小星作さんから、詳しい事情を聞いた。
幻夢コーポレーションの開発部に勤務する男性。
社長である檀黎斗の失踪後、会社の立て直しの為に開発中止になっていたゲーム「ジュージューバーガー」の開発を着手して無事に完成にこぎつけたが、その直後に「ジュージューバーガー」のデータに潜んでいたバグスターウイルスに感染、ゲーム病を発症しバガモンバグスターを生み出してしまった。しかし、自らがデザインしたキャラクターそのものという理由で愛着が沸き、むしろ実の息子同然に可愛がるようになった。
こういった経緯からバグスターが傷つくとストレスが増幅して命の危機に晒されると言うレアなケースのゲーム病患者となった。
5年以上前からライダーガシャットの開発に携わっていた技術者としての一面も持ち、万が一に備えてバガモン誕生後に新しいライダーガシャットであるジュージューバーガーガシャットを独力で完成させてみせた。
「なるほど、そういう経緯で誕生した訳か」
「うぅ、どうすれば、何か分かりますか、杏子さん?」
そうしながら、姉さんに詳しい事を聞く永夢さん。
それと共に、姉さんは。
「本当に、これが本当だったら、現在のバグスターを造りだしたのは、間違いなく檀黎斗が造りだしたんだろうな」
「えっと、それは一体どういう事なの?」
「現状、蔓延しているほとんどのバグスターウイルスは、檀黎斗が最初のバグスターウイルスを作り直した存在だ。故に、人間に対して敵意のあるバグスターがほとんどだと理解出来る」
「えっと、それって」
「小星さんは、開発中止になったガシャットを元に造りだしたという事は、そこから改良された事によって、人間に害を与えるバグスターではなく、人間に友好的なバグスターを生み出す事が出来た」
「それって、結構凄くないの!?」
「おぉ、何を言っているんだ?」
すると、バガモンは首を傾げる。
「まぁ、つまりは彼はこれまでのバグスターとは少し違った方法で生まれたという訳だ」
「だけど、このままじゃ、小星さんは」
「あぁ、檀黎斗が途中まで開発した以上、感染して消滅は変わらないだろ」
「うぅ、だとしたら」
「バガモン」
それに対して、少し悲しそうにする。
だけど。
「姉さん、方法は」
「バグスターウイルスである以上は、ゲームをクリアしなければならない。そして、今後も感染する可能性はあるだろう」
「そんな」
「バグスターウイルスのままならばな」
「えっ?」
それと共に、姉さんは笑みを浮かべる。
「バガモン、君がもしも死ぬ覚悟があるんだったら、私の誘い乗ってみる気はないか?」
「しっ死ぬって、まさかバガモンを」
「ある意味、間違ってはいない」
そう言うと、ジュージューバーガーのガシャットを取り出す。
「少しだけ、借りるぞ」
「えっはぁ」
そのまま姉さんは、ジュージューバーガーを起動させる。
既に複製させていた二本目のジュージューバーガー。
それを操作させると共に、バガモンの姿が変化していく。
「えっあぁ、バガモン!?」「うわぁ、これって一体!?」
そう、バガモンは驚きを隠せなかった。
それは、小星さんも同じだ。
だが、バガモンの身体は徐々に小さくなる。
それは消滅ではない。
「あれ、いつものバグスターの消え方とは違うような」
「というよりも、あれ!?」
そうしていると、その姿の変化に、俺達は全員が驚きを隠せなかった。
やがて、バガモンは。
「バーガモン!」
「なんか変わった、これって」
「デジモンへと書き換えて見たぞ」
そう、姉さんはさらっと言った。
「そんな事が出来るの」
「まぁ、なんとかな」
「あれ、本当だ、治っているのか!」
「おぉ、作が元気になったのかぁ!」
それに対して、バーガモンは嬉しそうにしていた。
「これって、他のバグスターには」
「さぁな、ある意味、失敗しても可笑しくなかったからな」
「それじゃ、どうして?」
そう、尋ねられた姉さんの答えは。
「そうだな、あえて言えば、本来ならばなかったバグスターと人間。種族を越えた絆が出来た事としか言えないな」
姉さんは、それだけを言った。