「はぁはぁ」
「大丈夫なの?」
あの後、俺は気絶してしまった。
そこで、永夢さんは尋ねてきた。
「なんとか。けど、やっぱりレベル50はキツい」
「そんなに、影響は大きいの」
その言葉に対して、明日奈は思わず聞いてくる。
「元々、いきなりレベル5から10倍のレベル50ですから。データ量もそうですが、これには二つのガシャットのデータが組み込まれているので、そのバランス調整が未だに出来ていないので」
そうしながらも、俺達はボロボロな身体を引き釣りながら、そのまま永夢さんの方に目を向ける。
「それに、事態は、最悪なんですよね」
「・・・あぁ」
同時に永夢さんは、現状の説明を行ってくれた。
バーガモンは、完全に攫われてしまった。
さらには、俺の後に来てくれた花家さんもまた、ガシャットを取られてしまった。
これ以上のない最悪な事態に対して、頭を抱えるしかない。
「・・・バガモンを返して欲しければ、指定の場所へ僕達が行かなければならない。
そうしないと」
それに対して、永夢さんもまた表情は暗かった。
「行かないと」
永夢さんはすぐに向かおうとした。
だけど、その前に、飛彩さんが立ち塞がる。
「お前は、ここにいろ。オペは、俺が行う」
そう、飛彩さんが前に出て、止めた。
「邪魔しないでください!それとも僕に隠している事と、何か関係があるんですか?」
隠している事?
薄々は思っていたけど、飛彩さんも、花屋さんも何かを知っている様子だった。
けど。
「僕は作さんの笑顔を取り戻したいんです。患者の事情に感心のない飛彩さんには任せたくありません!」
「事情など知るかっ!」
そう、永夢さんは叫ぶ。
それに対する答えは。
「俺はただ、目の前の患者を治したいだけだ!」
その一言。
それが、何を意味するのか。
それは、俺も姉さんも理解出来た。
だけど、そのまま永夢さんは、すぐにその場から去った。
既に答えは理解出来ているから。
「ぐっ」
「すぐに向かわないとっ」
「あぁ」
その言葉と共に、ボロボロな身体を引き釣りながら、向かう。
向かった先には、待ち受けていたように、檀黎斗が立っていた。
「宝生永夢。君のガシャットを回収する」
「そうはさせない、お前からバガモンを取り返す」
「果たして、出来るかな」
それと共に、取り出したのは、新型ガシャット。
それも。
「レベル50っ」
「そう、君も使っているね」『タドルファンタジー』
同時に鳴り響く音声。
「タドルファンタジーは、主人公の魔王が勇者を倒して世界を征服するゲーム。君には叶わない。」
それと共に現れたのは赤い禍々しい鎧。
その鎧は、そのまま空中に舞い上がる。
「大っ」
そう、叫ぼうとした永夢。
だけど、それよりも前にその鎧によって、永夢さんは吹き飛ばされる。
「永夢さんっ」
「全く、始まる前に終わってしまったか。ならば」
すると、檀黎斗は、そのまま手に持っていたデジヴァイスを地面に落とす。
そのまま脚を振り上げる。
「まさかっ」
「用染みとなったこれは消去しなければな」
「止めろっ!」
そのまま、押し潰そうとした時だった。
檀黎斗を吹き飛ばした影が見えた。
「なに?」
「何の真似だ…。パラド!」
そう、檀黎斗を攻撃をした人物。
それは、なんとパラドクスだった。
「そのバガモンは、デジモンであり、バグスター。つまりは俺達の仲間だ」
「いちゲームキャラが、ゲームマスターに噛み付く気か!」
そのまま、互いにガシャットを取り出した。
既に戦いは止まらない様子。
だけど、なぜ、奴が。
「「変身」」
それと同時に、ゲンムとパラドクスが変身する。
ゲンムの横には、ヴァンデモンが。
パラドクスの横には、まだ進化していないガンマモンがいた。
「お前の全力、ここで見せてやろうじゃないか、ガンマモン」『ドラゴナイトハンターZ!』
「あれって、プロトガシャット」
それと共にパラドクスが取り出したのは、プロトガシャットのドラゴナイトハンターZだった。
それを起動させると共に。
「ガンマモン!超進化!」
それと共にガンマモンの姿が変わる。
それは、ガンマモンの進化した姿の一つであるカノーヴァイスモンに酷似している。
だが、カノーヴァイスモンとの違いは、その禍々しい姿。
同時に進化を完了すると共に。
「レグルスモン!」
そう宣言した。
パラドクス・メモリー
「・・・」
「おい、パラド」
その日、俺は苛つきを止められなかった。
そんな俺に対して、ガンマモンが話しかけた。
「なんだ?」
「お前、このままで良いのか?」
「良くないなぁ、正直に言うと」
互いに、今回の事に対して、苛つきしかなかった。
奴が行ったのは、俺達バグスターに対しても、ガンマモン達デジモンに対しても侮辱する。
「お前だって、そう思うだろ、グラファイト」
そうしながら、俺は檀黎斗の奴からくすねたドラゴナイトハンターZを取りながら、向かって行く。