「君達に、頼みたい事がある」
その日、飛彩さんから、とあるパソコンを持ち込まれた。
「これは」
「監察医が遺した物だ」
「貴利矢さんの!?」
その言葉には、驚きを隠せなかった。
「どうやら、生前に何かを発見して、それをこの中に遺していたらしい。残念ながら俺では開けれなかったが」
「俺達ならば、出来るかもしれない」
それに対して、頷く。
「けど、なんで」
「俺達の中で、最もバグスターに、さらにはガシャットを造る能力に長けているのは君達だ。不死身のゲンムに対抗できる可能性を探る為にも」
そう、飛彩さんは言う。
「彼からも、何か重要な情報があると聞いていた。試す価値はあるだろう」
姉さんは、その言葉と共に貴利矢さんののPCを調べ始める。
「すまないが、急患が入った。頼めるか」
「任せてください」
それと共に飛彩さんは、すぐに出ていく。
パソコンの中にあるプロテクトは、それ程強固ではなく、簡単に開ける事は出来た。
そこから見つけたのは。
「リプログラミング」
そこには”ヒトのDNA配列に組み込まれたバグスターウイルス因子を消去し、ヒトの正常なDNA配列に再構成すること”と書かれていた。
「貴利矢さん、ここまで調べていたなんて」
「ふむ、それだけではないようだ」
姉さんは、その言葉と共に別のページが表示されていた。
それは、俺と姉さんの事についてだった。
「バグスターウイルスが現状では寄生型であり、宿主を殺すウイルスに対して、デジモンはいわば共生型のウイルスと」
「感染者の命を守り、自身を進化させるという事か」
それは、俺と姉さんのこれまでの関係性を考えれば、確かに理解出来る。
「だが、共生型故に、進化の方向性を間違えれば、身体の負担が大きい」
それを聞くと共に、俺はこれまでの変身を思い返す。
俺と姉さんの進化は、様々なガシャットを使った変身だ。
他の皆は、デジモンの進化に関しては、あまり負担がないように思えるが、俺達の場合は違う。
完全体レベルも完璧に制御が出来るようになったのは、ドラゴナイトハンターZのガシャットから進化したドルグレモンとクレイドモンに進化出来るようになってからだ。
「姉さん、もしかしたら」
「あぁ、私達が未だにレベル50の、究極体を完全に制御出来ていないのは、未だに進化の方向性が分かっていないからだ」
だとすれば、どこに手掛かりが。
「それが、ここにあるかもしれないな」
そう、貴利矢さんが残したデータ。
ここに、俺達の可能性がある。
「これは、面白くなってきたじゃないか」
そう言った姉さんは笑みを浮かべる。