仮面ライダークロニクルに関する情報を、俺と姉さんは探っていた。
以前の衛生省からの記者会見。
そして、前回の戦いでポーンチェスモン達とナイトモンのパートナーとなったライドプレイヤーの人達。
彼らの声もあり、仮面ライダークロニクルの脅威を、知らせるには十分なはず。
はずだった。
だけど、その日、幻夢コーポレーションにて、天ヶ崎は仮面ライダークロニクルのついての会見を開いた
「皆様、おはようございます。幻夢コーポレーション代表取締役社長、天ヶ崎…恋です。当社で新発売したゲーム仮面ライダークロニクルについて、先日衛生省からリコールの発表がありました」
その内容こそ、まさしく先日、行われた仮面ライダークロニクルをプレイし、ゲームオーバーになると感染者は消滅、死に至ること。
それはさすがに放っておく事は出来ず、何もしなければ、仮面ライダークロニクルは売れない。
まさしく、奴ら、バグスターにとっても致命的なはずだった。
「しかしそれは、スリリングなゲームを楽しんで頂くための一時的な演出であって、商品の欠陥ではありません」
「なっ」
その一言は、俺達は思わず目を見開く。
以前から怪しいと思っていた天ヶ崎だが、まさか、それを堂々と言うのか。
「全てのバグスターを倒してクリアの証を集め、究極のバグスター…つまりラスボスを倒すことで、消滅した全てのプレイヤーを復活させる事ができるのです!
たとえ勉強や運動が苦手でも、仕事や人間関係が上手く行かなくても、誰でもヒーローになれる!レベルを上げてゲームを最後まで攻略すれば、人類を救える。それが…仮面ライダークロニクル」
天ヶ崎がライドプレイヤーへと変身する。「あなたがヒーローになるのは…今です」
そう、奴は、笑みを浮かべながら、堂々と言う。
同時に姉さんは、頭を抱える。
「やられた」
「やられたって」
「情報戦において、私達は、どちらにしても後手に回る。何よりも、既に仮面ライダークロニクルが発売された以上、より多くの人々が買うのは必然だろう」
「もしかして、消滅した人達を生き返るってのが」
「あぁ、既に被害者が多く出ている。そして、そんな消滅した人達が生き返るかもしれない。そんな希望があれば、それに引き寄せられるのは当たり前だ」
「それが、例え罠だとしても」
それは、理解してしまう。
俺もまた姉さんが同じような事があれば、命を賭けて。
「だとしても、このままでは」
「・・・まぁ、問題はない」
「姉さん?」
ふと、姉さんは思いっきり悪い笑みを浮かべる。
「以前から、奴がバグスターである事は掴んでいた。そして、奴が仮面ライダークロニクルのバグスターではない可能性は分かっている」
「それは、まぁ」
「そして、ときめきクライシスというゲームのバグスターは未だにいない事は分かった。ならば」
姉さんは、その手にある写真をこちらに見せる。
「これで攻略してやろう」