謎のゲーマーからの誘い
黒いエグゼイドを含めて、バグスターの事に関して、俺達は未だに知らない事が多すぎる。
その情報を集める為に、俺達は様々な所を調査を行っていた。
「やはり、インターネット上で、それらしき情報はないよな」
「CRの話でも、これまでバグスターの事に関しては国家レベルで極秘扱いされていた。
それを考えれば、そう簡単に情報が集まるとは思えない。
まぁ、何よりも、気になるのは」
そう姉さんはこれまでの情報を振り返りながら、一番の疑問を口に出す。
「なぜ、5年間、誰もゲーム病に感染しなかったのか」
「・・・」
CRが5年前から既に活動していた。それはつまり、事前にバグスターに関する情報を知っていたからだ。
ならば、その情報源はどこにあるのか。
「やはり、鍵を握るのは、幻夢コーポレーションで間違いないな」
聞けば、俺達以外のライダーは全て、幻夢コーポレーションからの支援を受けて、ゲーマドライバーとガシャットを手に入れた。
だからこそ、そこに疑うのは無理はないけど。
「さすがに、その会社にハッキングするのは無茶だよ」
そうしながらも、俺達はそのファイヤーウォールの厳重さを痛い程知っている。
姉さんもまた、幾度となくハッキングを試みているが、まるで成功する気配はない。
「それだったら、永夢さん達から紹介して貰った方が」
「助手よ、それは危険だ。わざわざ罠の可能性が高い場所に向かう必要はない」
「けど」
そう、俺の言葉に対して、姉さんは続ける。
「ないかもしれないけど、あるかもしれない。未だに疑いがあり、情報が少ない状況に向かうべきではない」
「うん、そうだね」
そう、姉さんの冷静な言葉に対して、俺は頷く。
そんな俺達の会話の最中。
突然、メールが届いた。
「えっ、メール?」
疑問に思う俺と共に怪しむ姉さん。
ウイルスの可能性を考慮しながら、俺達はゆっくりと開く。
『お前達に勝負を申し込む。勝てたら、バグスターの情報を一つやる。天才ゲーマーMより』
「これって」
そのメールの内容に対して、俺は首を傾げる。
メールの内容と共に、場所の指定がされていた。
「これ、どう見る姉さん」
「罠の可能性は高いだろうな」
冷静に姉さんはそのメールの内容を見て、判断する。
その言葉には俺も同意であり、この誘いに乗る危険性は高い。
だけど。
「同時に、これ以上の情報を得る為には、この危ない橋になる必要がある」
「それじゃ」
「あぁ、行くぞ」
姉さんの言葉と共に、俺は頷くと、すぐにメールで指定された場所に向かう。
そこは、都内から少し離れた場所。
周囲は荒野となっており、誰も寄りつかない雰囲気がある。
そこで、俺達は歩いて行く。
「ここに、メールの持ち主が」
そう、俺は周囲を見渡す。
だが、その最中、姉さんは気づく。
「出てきたら、どうだ、天才ゲーマーM」
「っ」
その言葉と共に、俺は、姉さんの向けて視線の方へと目を向ける。
そこに立っていたのは1人の青年だった。
だが、俺はその青年に対して、どこか恐怖を感じた。
これは一体。
「それで、君の言葉は真実だと思っても良いのかい?」
「あぁ、勿論だ。まぁ、どちらかと言うと、俺はお前達の事を知りたいんだけどな」
「俺達の?」
それに対して、首を傾げる。
「あぁ、どうしたらお前達みたいに出来るのか、それを確かめる為にな」
そう、青年は一つのアイテムを手にする。
それは。
「ガシャット」
「体験版だけどな」『KNOCKOUT FIGHTER!The strongest fist! "Round 1" Rock & Fire!』
同時に、その青年は、そのガシャットを起動させる。
ノックアウトファイター。
まるで聞いた事のないソフトに対して、困惑している間にも、青年は、そのガシャットを構えたまま、そのままスイッチを押す。
「変身」『DUAL UP!Explosion Hit! KNOCK OUT FIGHTER!』
鳴り響く音声。
同時に目の前に現れたのは1人のライダー。
胸部にはブルーを背景に赤い炎が燃え盛るグラフィックが見える。
「なっ」
「仮面ライダーパラドクスファイターゲーマー。
先行体験版という事で、レベルはお前達に合わせて、3にしたぜ」
これまで見た事のないライダーに対して、俺は困惑を隠せない。
だが。
「なるほど、どうやら何かしらの関係者である事は間違いないようだな」
「姉さん」
「ならば、ここで勝負に応じる事に何も問題ない」
「それは助かるよ、こっちも、あいつらに気づかれる前に楽しみたいからな」
同時にパラドクスの言葉と共に、彼には仲間がいる事が分かる。
なるほど、確かに、どのような奴か確かめる必要がある。
ならば。
「それじゃ、行こう姉さん」「あぁ」
それと共に、俺はゲーマドライバーを腰に回し、同時にガシャットを2本、起動させる。
「「変身」」『ガッチャーン!レベルアップ!僕らの物語は進化する!デジモンストーリサイバースルゥース!アガッチャ!ガガンガンガガン!ババンバンババン!バンバンシューティング!』
鳴り響く音声。
それに合わせるように、俺の背中には巨大な鋼鉄のアーマーを身に纏う。
背中にはウィングがあり、その脚にはキャタピラ、そして、腕と一体化している戦車砲と盾。
まさしく、一つの巨大な戦車を思わせる姿へと変わる。
「仮面ライダースルゥース デッカーグレイモン レベル3」
「モンねぇ」
そう、俺達の変身を見て、パラドクスは頷く。
「さぁ、やろうぜ、スルゥース、俺の心を踊らせろよ!」
ゲンム・メモリー
「ノックアウトファイターを貸せだと」
その日、私の元に来たパラドからの言葉に対して、思わず聞き返した。
「ちょっと戦ってみたい奴がいてな、その為に必要だからな」
「・・・それは、スルゥースの事か」
「おぉ、さすがに分かっているじゃないか」
パラドの奴はそう笑みを浮かべた。
スルゥース。
私が想定していなかったライダー。
CRからの情報によって、どうやら5年前のゲーマドライバーを使い、変身している事を知らされた。
だが、その際に私に疑問は確かにあった。
あのプロトゲーマドライバーには決定的な弱点として、通常のガシャットは使用出来ず、プロトガシャットしか使用出来ない。
それ以外の利点などあまりなく、役に立たない代物だと考え、これまで放置していた。
しかし、スルゥースは実際にそれを使っていた。
可能性があるとしたら、既にドライバーは別の何かに変えられたのか。
「まぁ、良い、どちらにしてもテストプレイが必要だったからな」
ノックアウトファイターは既に開発をしている。
「だが、本来、想定している力程ではない」
「体験版という訳か。良いねぇ」
それだけ言い、パラドは去っていた。
まぁ、スルゥースの情報を手に入れたら、儲けものか。