永夢さんがパラドに攫われた事を聞き、俺と姉さんはすぐに衛生省に戻った。
それは、今後、永夢さんを見つけて、どう対処するのか。
「研修医のバグスターがパラドである事は分かった」
「それは、確かに良い事かもしれない。だが、同時にこれは厄介な事でもあるぞ」
そう姉さんは言う。
「厄介な事」
「忘れているかもしれないが、彼は仮面ライダーになる為の手術を受けていない。それは彼が元々バグスターに感染している事も大きく関係している」
「それじゃ、このままパラドを倒してしまうと、永夢さんは仮面ライダーに変身出来なくなってしまう」
それは、これからの仮面ライダークロニクルをクリアする際の、最高戦力が1人いなくなってしまう事を意味する。
未だに、上級バグスターが残っている現状では、それは危ない。
だけど、それは永夢さんが危険な状態を放置する理由にはならない。
「どうすれば」
「・・・どちらにしても、研修医を見つける事が最優先なのは変わりない。すまないが、捜索を」
そう、飛彩さんが言おうとした時だった。
突然通報が来る。
このタイミングで来るとは、運が悪い。
そう考えていた時だった。
「はい、衛生省、それはっ本当ですか」
すると、飛彩さんは驚きを隠せない表情をしていた。
「分かりました、すぐにそこから避難してください」
それと共に飛彩さんは立ち上がる。
「研修医の居場所が分かった」
「本当ですかっ」
その言葉に、俺は聞き返してしまう。
「この近くの公園にて、エグゼイド同士が戦っているらしい」
「エグゼイド同士、はっ」
それと共に、思い出したのは、ガンマモンが現れた時。
ガンマモンは、最初に現れた時に、ダブルアクションゲーマーの片方に乗り移った。
その時と同じ状況。
「バグスターとデジモンが同じだとすれば、おそらくは片方のエグゼイドはパラドである事は間違いない。けれど、なんで」
それが一番の疑問だった。
レベルは、ダブルアクションゲーマーよりも高いガシャットを持っているはずのパラドが、わざわざそれを使っている理由。
「パラドは研修医と戦う事に執着していた。だからこそ、変身したんじゃないのか?」
「自分のレベルをわざわざ下げてか?あのパラドがそう考えるとは思えない」
だとすれば、目的は。
そんな考えの最中、檀黎斗が残した資料で一つの事を思い出した。
ゲーマドライバーは、バグスターに奪われて人間を脅かす存在となる事態を防ぐ為か人間であることも条件とされており、人間の遺伝子を持たないバグスターには使用できない。
「まさかっ」
同時に俺は最悪な考えに至った。
「早く、戦いを止めないとっ」
「どうかしたのか?」
俺の言葉に、飛彩さんは問いかける。
「このままじゃ、最強のバグスターが生まれてしまう」