フェンリルガモンという新たな姿を得るのと同時に、俺達はそのまま構えた。
マキシマムゾンビ。
それは、マイティアクションXオリジンの内部にあったデータから生成されたガシャットであり、現状、檀黎斗自身でも制作するのは難しいとされたガシャット。
生前の彼がそれを諦めたのは、まだ開発する設備が整っていないという事だったらしいが、生前以上に開発が行える状況があった為だと、推察出来る。
だが、このマキシマムゾンビの負荷は凄まじい、
少しでも気を緩めば、暴走する。
まさしく、ゾンビ。
「「けどっ!」」
俺達は、声を合わせると共に走り出す。
フェンリルガモンは、究極体という事もあり、そのスピードはこれまでの、どの姿よりも早い。
その速度は、かなりコントロールが難しい。
「ちっ、この俺が見えないとは、パラド!」「まったく、こっちも忙しいってのによぉ!」
アルクトゥルスモンは、その状況では倒しにくいと判断したのか、すぐにパラドに向けて叫ぶ。
すると、パラドは、瞬時にアルクトゥルスモンの左手には鎖が、右手には鎌という凶悪な物に変わっていた。
そのままアルクトゥルスモンは、俺に向けて、真っ直ぐと鎖を放つ。
「っ!」「お前達は、その自分のスピードを未だにコントロール出来ていないようだな!ならば、それを突ければ良い話だ」
そう、アルクトゥルスモンは、まさしく俺達が向かう先を狙うように鎖による罠を張った。
しかし、それは俺達だけだったら、対象は難しかっただろう。
「おい、こっちを無視するなよ」
「っ!!」
それは、この場においての共闘相手であるベルゼブモンの存在。
彼をすっかりと忘れていた。
ベルゼブモンは、両手に保っていた銃の狙いを、真っ直ぐとアルクトゥルスモンに向けて放った。
その銃から放たれた攻撃を、無視する事が出来ないアルクトゥルスモンは、すぐに防ぐように右手の鎌で防ぐ。
だが、少しでも力が緩めば、問題ない。
この戦っている場所がダム近くという事で滝。
だからこそ、俺達は、鎖に巻き付かれながら、そのまま、ダムから落ちる事を決行する。
「なぁ!?」
その行動は予想外だったのか、アルクトゥルスモンは、そのまま引っ張られる。
対して、俺達は空中では、縛り付けていた鎖は多少緩んだ。
それを利用して、俺達は近くにある壁に脚をつける。
「「はぁぁぁぁぁ!!!」」
そのまま、俺達は壁走り、壁から跳ぶ。
それらを繰り返し行い、こちらに落ちようとしているアルクトゥルスモンを反対に引き寄せ、そして拘束する。
「なっ」「ほぅ、反対に鎖を利用したか、ならば!!」
同時にベルゼブモンも、壁走りをしながら、迫る。
俺達もまた、近くの壁に脚を付けると共に。
『キメワザ!マキシマムクリティカルストライク!』
それと共に、四肢から出る青い炎。
それを纏った爪で、真っ直ぐとアルクトゥルスモンに向かう。
「「ヨトゥンヘイムゲイル」」「ダークネスクロウ!」
互いに行う爪による斬撃。
それが、アルクトゥルスモンに確実に当たる。
「ぐっ、ここまでか!」
するとアルクトゥルスモンは、自ら纏っていたデータを剥がして、その場から離れる。
それによって、俺達の戦いが終わる。
すぐに永夢さん達の所に向かうと、そこでの戦いも既に終わっている様子だった。
「さて、果たしてこれからどうするか」
未だに動きが分からない檀黎斗。
それは決して油断する事は出来ない相手だ。