仮面ライダークロニクルに関する攻略を、永夢さん達に任せた後、俺と姉さんはすぐに決戦用のガシャットの開発に取りかかった。
ゲムデウスは、聞く限りでも、全てのガシャットの力を備えた存在。
それに対抗する為に、現状、残っている限りのデータだけでは、まだ数が足りない。
「決戦用のガシャットを造る為にも、そして消された人達を取り戻す為にも、やはりプロトガシャットが必要だからな」
「飛彩さん達が、既に衛生省に連絡をしてくれたおかげで、プロトガシャットの受け取りはすぐに行えそうだな」
俺と姉さんは、既に目的であるプロトガシャットを受け取りに、衛生省の本部へと向かった。
「それにしても、まさかプロトガシャットがここで関わるなんてな」
「何よりも、私達自身、このゲーマドライバーがプロトタイプだからな。そういう意味では、まさしく因縁深いと言えるだろう」
そうして、俺達が辿り着いた時だった。
足音が聞こえた。
深夜という事で、響いたのだろう。
俺と姉さんは、その事になぜか気になってしまった。
「姉さん」
「あぁ、分かっている」
それは、何か嫌な予感がした。
仮面ライダークロニクルにおける残るバグスターは少ない。
それを考えれば、バグスター側が、プロトガシャットを奪い取る可能性もある。
それを考えた俺達はすぐに向かった。
「確か、足音は」
「ほぅ、まさか、君達だったか」
「えっ」
そこに立っていた人物。
その人物は、この場にいるのはあまりにも可笑しい人物だった。
「檀正宗」
檀正宗。
事件の調査を行っていた際に、情報は確かに手に入れていた。
黎斗の父親であり、彼のゼロデイの罪を背負って、警察に捕まった人物。
だが、そんな彼が、この場にいるのか。
「なぜ、あなたがここにいるのか、聞きたい事はあります。ですが、一番に気になるのは、なぜあなたがプロトガシャットを持っているんですか」
そう、檀正宗の手元にあるケース。
それは、事前に聞いていたプロトガシャットが入っているケース。
それがなぜ、檀正宗の手にあるのか。
「何、私の会社の商品だったのでね、すぐに返して貰わないと困るのでね」
「商品だと?何を言っているんだ、それは仮面ライダークロニクルの犠牲者のデータがある大切なガシャットだ。それを商品なんて」
「商品さ、仮面ライダークロニクルを盛り上げる為のね、相羽タクミ君、暮見杏子さん。いや」
その言葉と共に、正宗の目は、見開き。
「サイバースルゥース」
「「っ」」
それは、俺達が変身に使っているガシャットの名。
それをわざわざ言うのは。
「君達のおかげで、仮面ライダークロニクルは大きく盛り上がった。デジモンというパートナーがいる事で、人々はより仮面ライダークロニクルに愛着を持ってプレイする事が出来た。インディーズゲームとしては、大成功したではないか」
「インディーズゲームっ」
「そう、私の会社で開発したゲームを元に新たなゲームを生み出す。だが、少しの間だが、君達には消えて貰おう」
その瞬間、檀正宗が取り出したのは、仮面ライダークロニクルとガシャコンバグヴァイザーⅡ。
「それは」
それに対して、俺達が困惑している間にも、檀正宗は、そのまま仮面ライダークロニクルを機動させる。
『仮面ライダークロニクル!ガシャット!』
機動した仮面ライダークロニクルは、そのまま宙を浮く。
そして。
「変……身」『バグルアップ!天を掴めライダー! 刻めクロニクル!今こそ時は、極まれりィィィィ!!』
鳴り響く音声。
それと共に、檀正宗の、姿が変わる。
それは、見覚えがあった。
仮面ライダークロニクルというガシャットに、一番目立つように刻み込まれた緑色のライダー。
おそらくは、檀黎斗が言っていたゲムデウスに対抗出来るライダー。
「まさか、クロノスっ」