「ぐっ」
クロノスの力。
それは、俺達の予想以上に厄介だった。
この場での撤退も考えた。
けど。
「言ったはずだ、ここで殺すと」『PAUSE』
一瞬、鳴り響いた音声。
それに合わせて、俺達の周囲の時が止まった。
疑問は一瞬だった。
そうしている間にも、檀正宗はゆっくりとこちらに近づく。
それに対して、俺達は身動きが取れない。
「時を止めた状態で、君を殺す事は出来ない。なぜならば、殺した場合、蘇らせる事が出来ないからね」
そうしながら、腰にあるガシャコンバグヴァイザーⅡの銃口を真っ直ぐと俺達に向ける。
そのまま、放たれたビームが、俺達の身体に当たる。
ビームは、何度か俺達の身体に当たるが、その場から動かない。
これが、PAUSEの力。
そうしている間にも、俺達が飛んでくるだろう方向に、既に檀正宗は構えていた。
「だが、安心したまえ。君達は、痛みに気づく前に、死ぬのだから」『RESTART』
その音声が再び鳴ると同時に。
『キメワザ!クリティカルジャッジメント!』
「っ!」『キメワザ!アブソリュートストライク!』
その音声が聞こえた瞬間、俺達はその攻撃が来るだろう方向に向けて、真っ直ぐとその氷の槍を放ち、相殺させようとした。
「なにっ!?」
だが、その威力は凄まじかった。
だからこそ、俺達には大きなダメージがある。
「これは、奇跡か。だが、それもここまでだ」
そう、檀正宗は、こちらに近づく。
このままでは、殺される。
それは理解出来た。
どうすれば。
『おい』
聞こえた声。
それは、どこからなのか、分からなかった。
見れば、それは先程の攻撃で散らばったプロトガシャットの一本。
爆走バイクのプロトガシャット。
なぜ、そこから声が聞こえたのか分からない。
聞き覚えのある声だった。
疑問はあったが。
『プロトガシャットには、消えた人間のデータが入っている』
「「っ」」
その檀黎斗の言葉を思い出すと共に、俺はすぐに、そのプロトガシャットを機動させる。
『爆走バイク!』
鳴り響く音声と共に、眼前にはゲーム画面。
「今更、そのプロトガシャットで、何が」
「「はあぁぁぁぁ!!!」」
俺達は、真っ直ぐとそのゲーム画面の中に飛び込んだ。
ゲーム画面の中に入ると、その画面の向こう側に広がっていた光景。
それは、爆走バイクの世界ではなかった。
「あれは」
見つめた先。
そこには一つの島を中心に、海が広がっている。
俺と姉さんは、そのまま島へと向かって、落ちていく。
「ここは、一体」
それは、ゲームの世界ではない別の場所。
俺達は、そのままその島へと向かっていく。
島へと、まるでふわりと着地すると共に、疑問に思う。
「姉さん、ここは」
「分からない、だが、なぜだ。酷く懐かしい」
そうして、俺達が疑問に思った時だった。
「ここは、デジタルワールド。プロトガシャットを通して、来れるもう一つのデジタルワールドだ」
「その声はやっぱり」
見つめた先。
そこには。
「貴利矢さん!?」「よっ」