ペルソナ5 The My Star   作:アカトンボ

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暦の上では秋だというのに暑いですね…


第十一話 新たなペルソナ使い

 4月20日、木曜日。

 喉元過ぎればなんとやら――怪盗団の話題も予告状が貼られていた頃よりそれなりに落ち着き、陽東高校は日常を取り戻しつつあった。しかし、反谷の心変わりは怪盗団の仕業だと言う生徒も多く、怪盗団に感謝している生徒もいるくらいだ。

 

 そんな中、星野アクアは午後の6限目の授業中であるにも関わらず考え事をしていた。

 

(怪盗団…もしいるなら正体は陽東の生徒か先生か…)

 

 アクアはあれからと言うもの、怪盗団の正体について考えていた。あの高圧的だった反谷が急に人格を変えたようにして、全生徒の前で謝罪と土下座をしたのだ。人というのはそう簡単に心変わりするわけではない。誰かに脅されたのかもしれないとも考えたが、多分そうではないとその考えを切り捨てる。

 そこで、アクアはある疑問を持ち始めた。前の席に座って授業を受けている蓮の方に目を向ける。もしかしたら怪盗団は蓮ではないか?と中庭で反谷に怒鳴られているところを、偶然目撃していたアクアはそういう疑いが出ていた。上級生にも今まで反谷に怒鳴られていた生徒がきっといるはずだ。それ以前に改心されていても不思議ではない。ならば何故、新学期になった途端急に改心された?それは今年に入って来た新入生の仕業であることを裏付けるのに決定的なものだ。それに蓮は年の割に肝が据わっている……いや、据わりすぎていると言っても過言ではない。結果的に逃げられこそはしたが、あのみなみのストーカーにだって臆することなく、取り押さえていた。今は明智と一緒になって調査をしているそうだが――。

 

(あ…)

 

 アクアは蓮の机の中に入っていた黒猫と目が合う。モルガナという名前らしいが、本当にどうして学校にまで連れて来ているのか、そして何故自分以外のクラスメイトにはバレていないのか謎だ。蓮の隠し方が上手いと言われればそれまでだが、少し無理がある気もする。

 モルガナはしばらくアクアと視線を交わしていたが、すぐに下を向いて目を瞑った。どうやら寝たのか、そろそろアクアも授業に専念しようと思った時だった。

 

「おい、星野! 今考え事をしながら余所見をしてただろう! それが人の話を聞く態度か!!」

 

 実は今受けている授業は公民で、見た目通り厳しい先生だ。次の瞬間、眼鏡をかけた公民の先生から物凄いスピードでチョークがアクアに目掛けて飛んでくる。それに気付いたアクアはもはや避ける余裕もなく、おでこに当たるのを覚悟した――。

 

(…ん?)

 

 いつまでもおでこに衝撃が来ないことを不思議に思い、ゆっくりと目を開けると目の前には人差し指と中指でチョークを挟んでいる手があった。なんと、蓮がアクアの頭にチョークが当たる寸前にガードしてくれていたようだ。それを見ていたクラスメイト達はガヤガヤと「おぉ…」「雨宮すげぇ!」「牛丸のアレを防ぐなんて!」などと言いながら羨望の眼差しを蓮に向けていた。当の蓮はというとファッショングラスの位置を直しながら「どうだ」と言わんばかりの雰囲気を出している。

 

「チッ…まあいい。授業を続けるぞ」

 

 舌打ちをしながらそう言う公民の牛丸。先程まで色々と考えていたアクアも気を取り直して授業に集中するのだった。

 

 

 そして放課後になり、アクアは意を決して6限目の授業での礼を蓮に言う。

 

「蓮、さっきは助かっ――」

 

 最後まで言う前に、蓮はそそくさとダッシュで教室から出て行ってしまった。そういえば蓮は放課後になると、すぐに何処かに行くことが多いことを思い出す。もしかしたらこれから明智と一緒にみなみのストーカーを調べるのだろうか。

 

(これは…)

 

 蓮の通っていったところにハンカチが落ちてあるのを見つける。さっきまではハンカチなんか無かったのでおそらく蓮のものだろう。今から追いかければ間に合うかもしれない。さっきの礼も兼ねて、アクアはルビーに『後から行く』とチャットを送ってから蓮を追うことにした。

 

 〜〜〜

 

 電車を乗り換え渋谷駅に着き、蓮と明智はメメントスに渋谷駅前広場へ向かう。モルガナも蓮の鞄から出て状況を整理するように話し出した。

 

「よく聞け、ターゲットはコトブキのストーカー男の『桑原慎』だ。一目惚れだかなんだか知らねぇが、一方的な好意なんざ迷惑なだけだな」

「とっとと改心させるついでにメメントスも先に進めるようになってると思うから、慎重に行こう」

 

 

 イセカイナビを起動してメメントスへと侵入する。そして先日まで行き止まりだった最上部エリアまで到達すると、なんとそこには桑原慎のシャドウが待ち構えていた。桑原シャドウはジョーカー達に気がつくと、気味の悪い笑みをしながら言い放った。

 

『うひ、うひ、うひぃ〜! この世で1番みなみちゃんが好きだぁ〜。他の野郎に取られる前に俺が救わないと…ひひ』

「その大好きな寿さんに迷惑だと思われてるんだけどね。これ以上見苦しい真似はやめて自首しなよ」

 

 クロウの容赦ないストレートな言葉に、桑原シャドウは怒り狂いながらクロウに怒声を上げる。

 

『うるせえんだよぉぉぉ! みなみちゃんにふさわしいのは俺だぁぁぁ!! 』

 

 さっきのクロウの発言が効いたのか、桑原シャドウはペルソナのコッパテングの姿になり、ジョーカー達に襲いかかった。

 

「ワガハイ達が改心させてやるぜ! かかってきな!」

 

 モナの挑発に乗って桑原シャドウは風属性の技『ガル』でモナに攻撃するが、風属性に耐性を持っているモナにはあまり効いていない。モナは武器の剣で桑原シャドウに攻撃した。

 

『ッ…おめぇはあの時の猫かぁぁ!? めちゃくちゃ爪痛かったぞぉぉぉ!』

「猫じゃねーよ!」

 

 相手の猫発言に怒ったモナはさらにパチンコを桑原シャドウに向けて1発、2発と放つ。なんだかモナだけで戦闘が終わりそうである。

 

『おわぁぁぁ!?』

 

 何回も撃っているうちに、モナのパチンコがなんかクリティカルヒットしたようで、桑原シャドウは体勢を崩す。もちろん、ジョーカーは総攻撃の指示を出して、桑原シャドウをボッコボコにした。どうやら前にモナに顔を引っ掻かれてトラウマになっていたようである。

 すると、桑原シャドウはコッパテングの姿から元の姿に戻ると未練がましく言った。

 

『こんなに好きなのに…こんなに想っているのに…諦めないといけないのかい…?』

 

 どうやら倒したにも関わらず、まだ懲りていないようである。呆れたジョーカーは、みなみの気持ちはどうでもいいのか?と桑原シャドウに説得するように言う。すると、桑原シャドウはハッと何かに気付いたようだ。

 

『そうか…みなみちゃんを怖がらせてしまったのか…俺は推しになんてことを…!』

「フン、わかったならさっさと現実の本人のところに戻りなよ。僕達に消されないうちにね」

 

 クロウが言ったのはおそらく冗談ではなさそうだ。

 脅しが効いたのか、桑原シャドウがきらきらした光の玉に変化する。これこそ『オタカラの芽』だそうで、これを放置するとパレスになるかもしれないものだ。ジョーカーは目の前に現れたオタカラを取る。オタカラの正体は『みなみのグラビア写真』でしかも水着姿だ。

 

「これがクワバラのオタカラか? まあ、らしいと言えばらしいけどな…」

 

 モナは少し引いているようで、クロウに至ってはノーコメントである。とりあえず、オタカラはオタカラなのでジョーカーは懐にしまっておくことにした。

 

「なんにせよ、これで桑原は改心されたはずだ。さあ、気を取り直してメメントスの先に――」

 

 進もう、とクロウが最後まで言おうとしたその時、メメントスの入口の方から大きな音と何かが燃えるような音が聴こえてくる。どうやら外で何か起こっているみたいだ。

 

「な、なんだ?」

「…行ってみよう」

 

 一旦メメントスの入り口に戻ることにして、ジョーカーとクロウはモルガナカーに乗り込む。

 

 

 

 時はジョーカー達が桑原シャドウと対峙していた頃に遡る――

 

「なんなんだこれは……何故人が誰もいない?」

 

 一人、メメントス内の渋谷駅広場でアクアが動揺しながら呟く。確か俺は蓮を追っていたはずだ。それで蓮にハンカチを渡そうと声をかけようとしたら……どうしてこのような事態になっているのだろうか。突然目眩がしたと思ったら、渋谷全体が異様な感じになっていたのだ。スマホを取り出してみるも、何故か起動しない。この状況でスマホが使えなくなるとは運が悪いとアクアは思っていた。

 

「どうなってるんだ……」

 

 流石のアクアにも焦りがで始める。せめて人がいればこの状況について話が聞けるかもしれないが、まわりには人どころか生き物すらいない。しばらく外で人を探していたが、どんなに見渡してもいない。それなら渋谷駅内はどうだと思い、アクアは渋谷駅に入ろうとする――。

 

「ヒャハ! まさかお前、こんなところにいるってことはよぉ、ペルソナ使えんのかぁ?」

「誰だッ!」

 

 振り返ってみるとそこには黒の戦闘服に黒いコートを羽織り、白と金を基調として額のところに赤い宝石を埋め込んである仮面をつけ、たてがみのように伸びきってボサボサの白髪に特徴のあるハスキーな声質をした男が立っていた。さっきまで気配が無かったのに突然現れた男に、アクアは警戒せざるを得なかった。

 

「他のペルソナ使いがいるとよぉ、あのお方(・・・・)の邪魔になるんだ。だから――俺がお前を殺してやるぜぇぇ!」

 

 男の頭上に、赤い目を持つ黒い巨大な犬のような怪物が顕現する。次の瞬間、男は得物である大きなナイフをアクアに向けて叫んだ。

 

「ヒャーハハハァァ! あいつを殺せぇぇ! ヘルハウンドォォォ!」

 

 ヘルハウンドと呼ばれた犬の怪物の口からアクアに向けて炎が放たれる。アクアはそれをなんとかギリギリで避けるが、さらにヘルハウンドは次から次へと炎を口から放つ。気がつくとまわりには炎が燃え広がっており、チリチリと燃える火の匂いが立ち込めている。

 

(くそっ…このままだと…)

 

 なんとしないと――と色々考えるも硫黄の煮える匂いが鼻につき思考が段々と鈍ってくる。あの怪物のせいだろうか、もはや火だるまになるのは時間の問題だ。気が付いた頃には、ヘルハウンドがアクアの目の前に現れ、そのまま強烈な体当たりをくらってしまう。

 

「……がっ…」

 

 アクアの体は勢いよく倒れ、地面に強く撃ちつける。その衝撃で痛みが全身に伝わり、そのまま立ち上がれなくなってしまう。すると、仮面を付けた男はニタリと笑い、倒れているアクアの前までやってくる。

 

「ヒャハッハッ! これも運命ってやつさ…今楽にしてやるからよぉ…」

 

 男はナイフを振り上げてアクアの心臓に狙いをさだめる。自分の死を覚悟して目を閉じたその時、アクアの頭の中に声が響いた。

 

『このまま志半ばで果てるつもりか?』

「ぐっ…ア、アぁァあぁ!!!」

 

 声が脳に響くと同時にアクアは普段とは想像のつかない声を上げる。仮面を付けた男は先ほどとは打って変わり、アクアから何かを感じたのか距離を取った。

 

『お前が今死ねばアイの仇はどうなる? 母であるアイが殺されたあの日、お前は誓ったはずだ。アイを殺した奴を必ず同じ目に遭わせると――それがこのザマとはな』

 

 まるで失望されたように言われたアクアは無理矢理立ち上がり、いつの間にか額にくっついていた仮面を思いっきり引き剥がす。

 

「あいつを倒す…力を貸せ……」

『我は汝、汝は我…いいだろう、俺が力になってやる。あの時に誓った、お前の復讐が果たされるその時まで――』

 

 

 騒ぎに駆けつけ、ジョーカー達はメメントスの入口に戻る。まわりは火だらけになっており、何事かと思い見渡していると、センター街のスクランブル交差点でアクアがいた。どうやら何者かと対峙しているようで、アクアの姿に気付いたモルガナも思わず声を上げる。

 

「お、おい! アイツ……アクアじゃねえか!?」

「どうしてこんなところに…それよりもアレはまさか――」

 

 なんとアクアがペルソナを顕現させていた。ハルパゴスと呼ばれたペルソナはまるで紀元前の将軍のような男性の姿をしており、アクアの格好も青と黒を基調とした儀礼服に黄色の手袋――あれがアクアなりの反逆のイメージである怪盗服になっているのだろう。

 覚醒したアクアはまるで、ジョーカーの仮面と色違いのような青とシルバーのドミノマスクに手をあて、ペルソナの名を叫ぶ。

 

「行くぞ――ハルパゴス!」

 

 ハルパゴスと呼ばれたペルソナは、相手のヘルハウンドに目掛けて大剣を振り上げながら襲いかかる。

 あまりの展開にジョーカー達はしばらく立ちつくしていたが、ふと我に返り、モナとクロウに自分たちも加勢するぞと指示を出す。2人も首を縦に振り、ジョーカー達はアクアのいるところまで一気にダッシュするとそのまま戦闘に入る。

 すると、アクアは怪盗服姿のジョーカーとクロウを見て目を丸くする。

 

「お、お前…もしかして蓮か?」

 

 説明は後だ、と言うジョーカーにクロウも続いて言った。

 

「そうだね、ところであの男に訊きたいことが山ほどあるんだ。星野くん、僕たちも加勢するけどいいよね?」

「その声は明智…一体どうなって――ぐっ」

 

 アクアはその場で膝をついてしまう。どうやらペルソナを覚醒させて反動がきたのかもしれない。

 理解が追いついていないアクアに、モナは一蹴するように声を上げる。

 

「状況が状況だ! ジョーカーも言ったが説明する暇がない!」

 

 さっきとは打って変わり、アクアにジョーカー達の加勢が入り、ペルソナ使いの男は状況が不利にもかかわらず、高らかに笑い出す。

 

「…ヒ…イヒ…ヒャハ! ヒャーハッハッハッ!! まさか俺とあのお方以外のペルソナ使いがこんなに居やがるとはなぁ!」

 

 意気揚々と叫んでいる男に対して、クロウは冷徹な目を向けて本性を出している時と同じような声色で言った。

 

「どうでもいい、それよりお前の言っている『あの方』とは誰の事だ? 答えないなら無理矢理にでも吐かせるぞ」

 

 そう言いながらクロウは男に銃を向ける。どうやら元の世界に戻る手掛かりを見つけたと踏んでいるのだろう。この男の言っていた『あのお方』がいるのが本当であれば、間違いなくこの男の後ろには何者かがいる。

 クロウに銃を向けられても不敵に笑っている男に、ジョーカーは最近起こっている廃人化事件の犯人はお前か?と訊く。

 

「ああそうだぜ。あのお方が出る幕でもねぇ奴は俺がぶっ殺してんだ。これから売れるって時の調子に乗ってる芸能人を殺すのは凄ぇ気持ち良いぜ…ヒャハァ!」

 

 あまりにも人として終わっているクズな発言に、怒りの感情が湧き上がるジョーカー達。しかも自分が殺してきたと暴露した――この男は絶対にここで逃してはならない。逃せばまた罪のない人々が犠牲になってしまうだろう。

 

「そういえば名前を言って無かったな。俺のことは『レオ』と呼んでくれていいぜ…心の怪盗団さんよぉ…」

「――ジャアクフロスト!!」

 

 次の瞬間、クロウはレオと名乗った男に向けて氷属性の『マハブフダイン』で攻撃する。まわりで燃えていた炎が、次々と氷漬けになっていく。レオの足元にまで及ぼうとしたその時、レオは跳躍して建物の上で着地しようとする。

 

「チィ…! 人が気持ち良く喋ってる途中だろが!」

「今だジョーカー! 絶対にヤツを逃すな!」

 

 クロウに言われ、ジョーカーは即座にワイヤーでレオのいる建物まで飛ぶと、そのまま得物のナイフでレオに攻撃するが寸のところでレオの大物で長いナイフで受けられる。

 

「うぜぇなクソがァァ!」

 

 鍔迫り合いの形になるも、ジョーカーはレオを建物の上から押し出すことに成功する。建物の上から落ちてくるレオをクロウは当然見過ごさない。

 

「顕現しやがれぇ! ロキィィ!」

 

 クロウはロキの超特大の物理技『レーヴァテイン』を放つ。ロキの剣から放たれる一撃にレオはガードをするよりもモロに喰らい、そのまま勢いよく、先ほどクロウがジャアクフロストで氷漬けにした地面に『ドォオォォン!』ともの凄い音を立てながら落下した。

 

「こ、こいつら…まさかこれほどとは…い、痛え、痛えよぉ…」

 

 うめき声をあげて、倒れて動けなくなっている状態のレオにクロウはノコギリサーベルをレオの顔近くに突き刺す。その際にレオの頬からツーと血が出ていたが、クロウはそんなことを気にせずに冷ややかな態度で接する。

 

「動いたら殺すよ? さあ、さっきの僕の質問に答えてもらおうか。お前の言っていたあの方とは誰の事だ?」

「ヒヒッ…俺を導いてくれる方だ。お前らに言うわけねぇだろぉ、バァカ――」

 

 挑発的なことを言いながらパチンと指を鳴らすレオ。すると、凍っていたはずのまわりが再びメラメラと炎が立ち込める。笑みを浮かべるレオの表情にジョーカーはなんだか嫌な予感がした。気がつくとジョーカーの身体はレオを抑えていたクロウを突き飛ばし、一緒に地面を転がる。

 

「おいジョーカー! 一体何のつもり――」

 

 ジョーカーの行動にキレそうになっていた次の瞬間、さっきまでクロウのいた位置が爆発した。あのままレオを取り押さえていれば、クロウは確実に爆発に巻き込まれていた。

 

「オマエら無事か!?」

 

 モルガナカーとなったモナがジョーカーとクロウの前に止まる。見ると後ろの席には陽東の制服に戻ったアクアが乗って横になっており、呼吸が荒く、肩で息をしている。どうやらレオと戦闘をしている間に、モナはアクアの様子を見ていたようだ。

 そして今度はレオの倒れていた場所を見ると、なんといつの間にか既にいなくなっていた。爆発に乗じて結局逃してしまったみたいだ……まさかあんな罠みたいなものを瞬時に仕掛けることが出来るとは……。

 だがどこか違和感を感じる。昨日の夢の中でラヴェンツァの言っていたことを思い出す。確か彼女は廃人化を起こしている犯人はシャドウ反谷を凌ぐ力を持っていると言っていた。しかし、実際に対峙してみると、あともう少しというところで追い詰めることが出来たのだ。もしかすると、レオが言っていた『あのお方』こそがラヴェンツァの言っていた人物だろうか? 彼女が蓮に嘘をつくとは到底思えない。

 ――まさか、廃人化の犯人は一人ではない(・・・・・・)…?

 ジョーカーが必死に思考を巡らせていると、クロウもレオがいなくなっていたのに気付いたようで思わず声を上げる。

 

「くそ! あの男、まだ動けたのか…」

「…そうみたいだな。だが今はコイツを休ませてやんねえと…」

 

 アクアが心配だ、とジョーカーもアクアの体調を案ずる。レオに襲われた上にペルソナまで覚醒させたのだ。大した怪我こそしていないが、疲労感は限界を越えていることだろう。

 渋谷駅前までモルガナカーで一気に進み、ジョーカー達はメメントスから出ることにした。

 




まずはアクアの怪盗服についてですが、コミック3巻の表紙の儀礼服を参考にしています。

次にアクアのペルソナのハルパゴスです。
アルカナは星。氷、雷属性、ラクカジャ、回復スキルを使う。雷と氷に耐性を持ち、弱点は火。

レオのペルソナもオリジナルですが、能力はストーリーを進めていく中で書いていこうと思います。
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