ペルソナ5 The My Star 作:アカトンボ
「おい、あれリュージじゃないか?」
4月12日水曜日、朝。
蓮はモルガナに言われて陽東の校門前で竜司を見かける。竜司も蓮の姿に気がつくと、蓮に近寄りながら言った。
「……よう」
>待ち伏せか?
「人聞きの悪ぃこと言うなよ…ちょっと話したいことがあるだけだって」
元の世界でも何回かこのやり取りをして懐かしい気分になるが、今は関係のないことを考えるのはよそう。蓮が「どうしたんだ?」と聞くと、竜司はばつが悪そうに言い出した。
「昨日の昼休みのことなんだけどよ。その…あの時は悪かった。止めてくれてありがとな。あのままハンニャ殴ってたら、陸上部も俺の人生もマジで終わってたわ」
こっちの竜司も、蓮の知っている竜司と根は同じで悪い奴じゃないらしい。秀尽で最初に出会った頃を思い出す。あの時の竜司は鴨志田に陸上部を潰されて、やさぐれて秀尽の問題児になっていたが、こっちの竜司はまだ陸上を続けているようだ。
「そういえばお前の名前まだ聞いてなかったな。俺は1年の坂本竜司、よろしくな。これでも俺、陸上推薦で大学狙ってるんだぜ? 今はスランプ中だけどな……」
きっと母親に楽をしてあげたい気持ちが、こっちの竜司にもあるのだろう。しかし、昨日反谷が言っていた『中等部の頃から記録が伸びていない』のは本当だったらしい。元の世界の竜司はエースと呼ばれていたが、こっちはスランプになっているみたいだ。
蓮も適当に自己紹介をして、どうして昨日反谷に説教されてたのか聞いた。
「ああ、あのクソ教頭。俺のダチと池田先輩の事を、実績の無い使えないクズ共とか抜かしやがったから腹が立ってよ……思い出したらまたムカついてきたぜ」
自分のことより、他人のことを悪く言われて怒るのも元の世界の竜司と同じだ。人柄が変わらない竜司にどこかホッとする蓮だが、それが逆に心配でもあった。
「でもアイツ、都内の色んな大学の教授や大きいところの芸能事務所とも通じててさ。今のところ、ハンニャから推薦貰うとほぼ内定くれるから皆も我慢させられてる……学校の先生達もアイツの言いなりみたいなもんだ」
聞けば次期校長との噂もあるそうだ。なるほど、権力を持っているのは校長ではなく、教頭の反谷か。なんだか鴨志田の時と少し状況が似ている。
「俺は昨日逆らっちまったし、推薦は絶望的かもしれねぇな……尊敬する先輩になんて言えばいいか」
>尊敬する先輩?
「知らね? 3月に卒業して今はもういねーけど、吉栄杏奈っていう高校陸上期待の星って言われてた人だよ。インターハイにまで行ったんだぜ」
そんなことを話してると、予鈴のチャイムが鳴る。竜司と話すのに夢中で気が付けば時間が経っていたようだ。いい加減教室に行かないと、遅刻してしまうだろう。
「と、いけねっ! 早く行こうぜ!」
○○○○○○
4限目までの授業を終えて昼休みとなる。蓮は机の中にいるモルガナを鞄で隠すようにして、そのままモルガナを鞄の中に入れさせる。この作業も今では手慣れたものである。
「行くのは昨日と同じ中庭だよな? アケチのヤツ、今日は来られるといいんだが……」
一応今日も中庭のベンチで待ち合わせをしているが、またクラスメイトの女子達に捕まっているかもしれない。その可能性がありそうと思いながら、教室から出て中庭に行こうとすると、中庭に通じるドアの前で竜司が思い詰めた顔をして立っていた。放っておけない性分をしている蓮は、見過ごせずに竜司に声をかけた。
「雨宮か…俺、とんでもねぇことしちまった…」
何があった?と聞く蓮。すると竜司は声を震わせながら言った。
「池田先輩の大学推薦の話…無しにされた。俺が昨日アイツに我慢せずに言ったから…! 俺がっ、俺のせいで…」
「ふん、そんなところで誰かと思えば坂本と雨宮か」
後ろからカツ、カツ、と靴の音を立たせてそう言ってきたのは、教頭の反谷だった。
竜司は反谷をこれ以上ないくらいの怒りをぶつけた。
「ハンニャ…てめぇ! 池田先輩は関係ねえだろが!? なんで先輩を巻き込むんだよ!」
「おかしなことを言う。そもそも貴様が私に歯向かったのが原因だろう? それに未遂だったが、この私に手をあげようとした――私の顔の広さは貴様も知っているはずだ」
「ふざけんな! 先に煽ってきたのはお前の方だろ!」
「ククク…だがな、私も鬼ではない。今すぐにでも池田の推薦取り消しを無しにしてやっても構わんぞ」
「なっ…マジで言ってんのかそれ?」
そこで反谷はニヤリと笑う。蓮は嫌な予感がしてならなかった。人がそういう顔をするということは、大抵ろくでもない条件が待っているのだ。
蓮の予感は――的中した。
「坂本、貴様が陸上部を辞めるなら、この話は無かった事にしてやろう。他の陸上部員達にも手厚い支援をしてやってもいい。悪くない取引だと思わんか?」
「…俺が…やめれば…」
弱気になっている竜司を尻目に、反谷は竜司の隣で反逆の意志がありそうな目をしている蓮に目を向ける。
「それとも…雨宮が代わりに坂本の責任を取るというのはどうだ? 貴様を停学処分にしたら、坂本も部を辞めなくて済むぞ?」
「はぁ!?」
思わず竜司は声を上げる。蓮としては、そもそも此処は別の世界なので停学を喰らってもあまり痛くはない。しかし、五反田家に迷惑をかけてしまうのは蓮としても好ましくないのだ。だが、退学ではなく停学……竜司が陸上部を辞めさせられるくらいなら、自分が――と思い始めたその時だった。
「コイツこそ関係ねぇだろ! 雨宮もとっとと向こうに行け! あとは俺が……なんとかするからよ」
「ほう、友達思いだな。予想外な展開だ」
「友達じゃ…ねえ。ただの知り合いだ。ほら、早く行けって!」
なんとしてでも蓮を巻き込もうとしない竜司。初めて鴨志田のパレスに入った時、檻の中で鴨志田のシャドウから逃がそうとした時のことを思い出す。この世界でも竜司は竜司のようだ。
鞄の中にいたモルガナが蓮にだけ聞こえるような小さな声で呟いた。
「……オマエの気持ちはわかるが、今のリュージには何を言っても無駄だと思う。行こうぜ」
今すぐにでもなんとかしたいという気持ちがありながらも、蓮は中庭に向かうことにした。いつの間にか15分ほど過ぎているが、明智はいるだろうか。チャットアプリを確認してみると、明智から何件か来ている。確かめると、教室をなんとか抜け出すことが出来たから待ってると言った内容だった。だとしたら今頃、首を長くして待っていることだろう。蓮もチャットで「ごめん、今から行く」と送っておいた。
蓮が早足で中庭に出てまわりを見渡してみると、あまり目立たなそうな端の方にあるベンチに明智が座っていた。しかし、その両隣りには2人の女子生徒が一緒になって座っており、蓮はどうしようかと悩む。この様子だと蓮のチャットも気付いてなさそうである。
「アケチのヤツ、この世界でも人気だな。ワガハイは別に羨ましいとかこれっぽっちも思ってないぞ」
わざわざ口にだして言う辺り、本当は羨ましそうだ。モルガナはそのままでいいと蓮はフォローする。
「優しいなオマエは。しかしどうする? アケチもアケチでなんか困ってそうだぞ?」
遠目で明智を見ると、笑顔で女子生徒達と話してはいるが、なんだかぎこちない感じに見える。おそらく、彼女達の愚痴に対して相槌をうっているのだろう。
蓮は元の世界で鍛えた『度胸』で意を決して、明智が座っているベンチへと近付いた。
「あ、蓮。待ってたよ」
「何この子? 明智くんの友達?」
「よく見たら顔立ち整ってない!? 眼鏡はずしたらイケてるかも」
芸能科でしかも先輩であるだろう女子生徒にそう言われて、照れそうになるが、顔には出さないようにして前髪をいじる仕草をする。秀尽の時は犯罪者扱いをされてきて、そんなことを言われたことがなかったので、思わず蓮も嬉しいという気持ちも出てくるものだ。
蓮が来て丁度いいと思った明智は、ベンチから立って女子達に言った。
「ごめん、さっき言ったように彼と待ち合わせの約束してたから。もう行かないと」
「そっか〜、話聞いてくれてありがと! また教室でね!」
「またね、明智くん!」
2人の女子生徒と別れて、蓮達は人目のつかなそうな校舎裏にやってきた。
すると、明智はため息混じりで蓮に言った。
「ハァ…遅れるなら遅れるって連絡くらい寄越しなよ。おかげで、あの子達から延々と愚痴を聞かされるところだったんだけど」
聞くと2人の女子のうち1人はモデルで、やれスタッフがウザいだの、マネージャーが頼りないだのと色々聞かされていたらしい。例え、両手に花でも明智は明智で苦労したようだ。
「それで、君はどうして遅れたわけ? もちろん理由があってのことだよね」
蓮はさっきに起きた出来事を説明する。反谷に竜司の先輩が大学推薦を取り消されたこと、それで反谷に竜司が責任を取って陸上部を辞めさせられようとしていることを話した。あと、竜司の代わりに自分が停学となって竜司を庇おうとしたらその竜司に止められたことも――。
「なるほどね。ほんと君っていつも何かの事件に巻き込まれがちだよね。お人好しも程々にした方がいい。じゃないと身を滅ぼすよ?」
明智の言うことは最もではある。だが、困ってる人を見過ごせない蓮は、それでも放っておけないと強い意志を持って言う。
「君ってヤツは本当に…ハァ、協力すればいいんだろ」
「よし、やることは決まったな。ハンヤのパレスに侵入したいところだが、キーワードを早く特定しないと……」
「……」
また明智が何か考え込んでいる。しかし今度はキーワードを推理しているようだ。
「般若は本来、女性の嫉妬や恨みを表現した怨霊の面のことだけど、単なる鬼のイメージも強い。そしてその鬼から連想する場所…もしかすると、そのまま『鬼ヶ島』だったりしてね」
『候補が見つかりました』
イセカイナビがヒットする。なんと明智の推理は見事的中した。モルガナも思わず感心している。
「アケチ…お前すげぇな」
「こんなの大したことないよ。それより、これでいつでもパレスに侵入出来るようになったわけだけどどうする?」
蓮は早速、今日の放課後に集まろうと提案する。ぐずぐずとしていたら、竜司が陸上部の退部届けを出してしまう。そうなる前に反谷を改心させたい。
「ワガハイは構わないが、アケチは大丈夫か?」
「ちょうど今日はオフだし大丈夫だよ。じゃあ放課後、一旦校門前に集まろう」
全会一致で決まり、蓮達は5〜6時限目の授業を受け終えて、ついに放課後となる。いつでもパレスに行けるように、傷薬もいくつか持っている。抜かりは無しだ。本当は武見妙の薬が欲しいところだが、今は我慢するしかなさそうだ。
「準備はいいな? 行くぞ!」
「じゃあ、行こうか」
人目が無いのをよく確認してイセカイナビを起動する。『反谷孝志』『学校』『鬼ヶ島』で音声入力をして、蓮達はついにこの世界で初めてのパレスに侵入した。
蓮――ジョーカー達が着いたのは海の砂浜だった。波は荒く、とてもじゃないが泳げるような状況じゃない。なんならもうすぐ嵐になりそうな雰囲気すらある。
「服装、変わってないね」
ジョーカーもクロウも陽東の制服のままだ。どうやら、反谷に警戒されてないか、それともテリトリーにまだいないかのどちらかだろう。その中で、モナだけが異世界の姿になってるのは『あえて』とのことらしい。
「おい! あれを見ろ!」
モナの目線の先には、鬼のような顔の形をしている山のような建物があった。おそらくあれが
またヘリになれないか?とジョーカーはモナに駄目元で聞いた。
「無茶言うなよ…あの時は『ホシ』があったからなんとかなったんだ。流石に今は――」
その時、ジョーカーのポケットが輝き始める。その光っているものを出してみるとジョゼからもらった『ホシ』が再び光を放っていた。再び、異世界に入った影響で復活したのだろうか。
「マジか! ということはもしかしたら…なれるかもしれねぇ」
モナは気合いを入れて集中する。ジョーカーとクロウもモナを見守っている。
「もるがなぁーー! 変…身ッ! うおぉぉおぉ!!」
謎の変身ポーズと共にモナの身体が光に包まれる。あまりの眩しさにジョーカーとクロウは思わず目を閉じてしまう。次に2人が目を開けた時には、その際出た砂煙も落ち着いて、ある姿に変身出来ていたモナがいた。というかあった。
「…って、
砂浜の上にあったのは、モルガナカーと似たデザインをしたモーターボートだった。これでも別に行けると言えば行けるのだが、てっきりヘリになったと思っていたジョーカー達は呆気に取られる。
その様子を見たモナは、何か言いたげな表情をしている2人に文句を言った。
「なんだよ、不満か!? これでもワガハイ頑張ったんだぜ!」
「いや…前みたいにヘリになると思ってたからさ。でも凄いと思うよ」
流石モナだ、とジョーカーもクロウに続いて褒める。モルガナカーではあそこまで行けないので、ヘリじゃなくても十分ありがたい。だが、あえて言うなら――
「…ねえ、モナ。もう少し大きく出来なかった?」
大きさはちょうど、2人乗りくらいのサイズだ。これ以上乗れば沈んでしまいそうな感じである。
「贅沢言うなよ…それくらい我慢しろ。ほら、さっさと乗れ!」
モナに促されて、2人はモルガナボートを海の上まで押すと、そのまま乗りこむ。モーターの音がした瞬間勢いよく海上を進み、ジョーカー達はハンヤ・パレスへと向かったのだった。
「着いたぞ」
荒波の中、途中で沈むことはなかった。サイズの割に意外と丈夫なようで、難なくパレスのある島にたどり着く。ジョーカーとクロウは、モルガナボートから降りて島に足を踏み入れる。まわりには刺々しい岩がいくつかあり、まさに鬼ヶ島を連想する。奥の方にあるのは、先程異世界に侵入した時に見えた鬼の顔を模した建物だ。口に見えるのがどうやら入口になっており、あの中に怪盗団が狙っているオタカラがありそうな予感がした。
2人の服装が陽東の制服から怪盗服に変わった。
「どうやらここから警戒されてるみたいだね」
「ああ、くれぐれも用心しろよ?」
ボートの姿から戻ったモナは、ジョーカー達より前に出てまわりをキョロキョロと見る。シャドウがいないか確認するためだ。
「よし! 行くぞ、ワガハイに付いて来い!」
「足元には注意して進もう」
ついにジョーカー達は、ハンヤ・パレスでのオタカラルート確保に向けて活動を開始する。モルガナも久しぶりのパレス攻略に張り切っているようだ。
鬼の顔を模した建物へは一本道の真っ直ぐなので、このまま走っていけばすぐに入ることができるだろう。しかし、そんな甘くはなかった。
「止まれッ! 賊ども!」
走っていたジョーカー達の目の前に、1体の悪魔が地面から湧いて出てくる。その姿はまさに般若の面を被っていて、ジョーカーよりひとまわり体が大きく、鬼が履くようなパンツを履いてあるシャドウだった。
「チッ…雑魚に用は無いんだよッ! 消えやがれ!」
クロウが先手を取って、自分の武器である片刃にギザギザのついたノコギリサーベルをシャドウの顔にぶっ刺した後、シャドウは消滅して、クロウの刺したサーベルだけが地面に落ちた。
「手応えがないな」
そう言いながらノコギリサーベルを拾うクロウ。シャドウに変身させず、颯爽と勢いで倒すのは流石と言うしかない。
「次出て来たら切り刻んでやるよ。さあ、とっとと行くぞ」
敵を警戒しながら進むジョーカー達はとうとう建物の入口まで辿り着く。この場から見るだけでも中は薄暗く、奥の方には松明があった。おそらくオタカラはこの奥にあるのだろう。
ジョーカーが先行して中に入ろうとすると、パレスの主の声が辺りに響いた。
『ハイ、そこぉ! 私の島で何をやっている!!』
ついにハンヤのシャドウがジョーカー達の目の前に現れる。全身が赤い肌で金色の瞳、頭には般若の面のような2本の角が生えている。服装はいつもの反谷が着ているスーツだが、さっきに出て来たシャドウの見た目が、有名な鬼の格好だったため、スーツでは何処か違和感がある。
『私の島を荒らしに来たか、この賊どもがぁ! 貴様らを生かして帰すわけにはいかんな』
ハンヤのシャドウがその長く黒い爪の生えた指をパチンと鳴らすと、ジョーカー達の前に鬼のシャドウが現れる。そして鬼のシャドウは正体を現して、ペルソナのラクシャーサのような見た目に変貌した。
『此奴らを決して逃すな! やれ!』
ラクシャーサがジョーカーに向かって2つの刀を振り下ろし、ジョーカーはそれを武器のナイフで受け止める。ジョーカーのナイフと違い、ラクシャーサの刀の方が長いので、いつまでも受け止めていられないだろう。
「ジョーカー、ソイツから距離を取れ! ワガハイがやる!」
ラクシャーサとまるで鍔迫り合い状態になっていたジョーカーは、モナの言う通り、ラクシャーサから距離を取る。そこにモナの風属性スキル『ガルダイン』がラクシャーサに向けて放たれる。風属性のスキルはラクシャーサの弱点なので、当てればダウンできる。
「威を示せ、ゾロ!」
しかし、ラクシャーサの身軽な動きでゾロの攻撃を躱されてしまう。それどころか、ラクシャーサはチャンスとばかりにモナに狙いを定めて距離を詰めて行く。
「ま、まずいっ……!」
「僕の事も忘れてもらっては困るな。射殺せ――ロビンフッド!」
敵がモナに接近したところに、クロウのペルソナ『ロビンフッド』が光属性スキルのコウガオンでラクシャーサの体を射抜く。光属性スキルもラクシャーサの弱点なので、当然相手はダウン中だ。ジョーカーはモナとクロウに総攻撃の号令をかける。
「ワガハイらの恐ろしさを味わえ!」
「この瞬間……ヒャハアァァッ!」
総攻撃を仕掛けて、ラクシャーサは消滅する。怪盗団の連携は全く衰えておらず、むしろ絶好調である。
「次はオマエだ――っていない!?」
さっきまでシャドウ反谷がいたところに、指を差しながら言うモナだが、既にシャドウ反谷の姿はなかった。一体どこに消えたのだろう。
「ワガハイ達に恐れをなして逃げたようだな。この様子じゃ、オタカラも簡単に盗めちまうかもな!」
「油断はしない方がいいよ。もしかしたら体勢を整えてるのかもしれないしね」
慎重に行こう、とジョーカーも注意する。
シャドウもいなくなったので、3人はいよいよ中に入る。やはり、中は薄暗く慎重に進むジョーカー達。しばらく、薄暗い状態が続く中、ついに松明のあるところへと無事に着く。すると、奥にはモヤモヤとした空中に漂ってる物が浮かんでおり、これがオタカラだと3人は確信する。
「あったぞ! オタカラだ!」
「どうやらこの世界のパレスでも、『予告状』を出さないとオタカラは盗めないみたいだね」
「だな。ルートも確保したし、現実に戻ったら、早速予告状の準備に取り掛かるぞ」
ジョーカー達は一旦パレスから撤退して現実に戻ることにした。反谷に予告状を出して、オタカラを具現化させるためである。
「オマエら! この世界で初めての怪盗団の任務だ。覚悟はいいな?」
「もちろん、僕がいるからには必ず成功させてみせるよ」
>ショータイムだ!
自分にしては頑張った方だと思ってます…