リアルではモブなわたしは、GBNでずっと暮らしたい。   作:ゼラチナマスター

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ミッション1-10 ベテラン同士の読みあいを制しよう。

 

「ミッション報酬のスモークグレネードか!」

 

 真っ黒に染まるモニターを睨み、愛機グフ・カスタムのコクピットでクランプは呟く。

 仕切り直しには強力な効果だ。ミノフスキー粒子の効果で600秒間通信とレーダーの使用が不可になり、60秒間煙幕により、効果内互いに目視が不可能となる。

 

「すまん、クランプ!」>クランプ

「良くやった。後は任せろ!」>コズン

 

 個人メッセージで仲間のコズンから謝罪が届く。

 コズンは良くやった。むしろ相手のエニルが上手だったと言うしかない。

 火器を失ったコズンを誘い込み、恐らくステージギミックを使って隙をついたのだろう。

 

「仇討ち頼んだぜ!」>クランプ

「火器なしの相手に、私のグフは負けんよ」

 

 そう言い残してコズンが黙り込む。

 クランプはグフ・カスタムを静かに歩行移動させながら、エニルのジェガンの出方を伺う。

 火器を失ったエニルは、サーベルでの格闘を挑んでくるはずだ。それも恐らく、死角からの奇襲。 

 右と左のウェポントリガーに指をかけ、スモークの効果切れを待つ。

 正面からならば、間違いなくこちらが勝つ。

 

「一応、コンテナを抑えておくか……」

 

 撃墜の完全勝利が望ましいが、最悪でも物資獲得の勝利でも構うまい。

 マップのオブジェクト配置を思い出そうとして、クランプは降って来た閃きに思わず目を見開いた。

 

「それが貴様の策か、エニル・エル!」

 

 物資確保の勝利条件を達成しようとすれば、クランプのグフ・カスタムはコンテナに近寄る動きを見せる

 先ほど巧みに誘いを見せたエニルなら、そこを奇襲してくるに違いない。クランプは確信した。

 

「ならば、それを逆手にとる!」

 

 スモークグレネードの黒煙が晴れる。レーダーはまだ死んだままだ。

 クランプの視界にジェガンの姿はない。それを確認し、クランプはグフ・カスタムをコンテナ目掛けて駆けさせる。

 コンテナまでの距離があっという間に縮まる。あと300m、200m、あと100m。

 ここだ!心中叫び、クランプはグフ・カスタムを鋭く背後に振り返らせる。

 そこにジェガンがいた。コンテナを狙う位置からすればほぼ背後、コンテナを背負う位置で180度振り返ったグフ・カスタムのちょうど真正面、低い建物オブジェクトからジェガンが跳ね起きる。ジェガンの足でスラスター光が輝く。

 

「とったぞ、エニル・エル!」

 

 突進するジェガンへ狙い定め、右のウェポントリガーをクランプは引き絞る。

 ワイヤーが飛び、狙い外さずジェガンを絡め取る。激しいショート音と電光が閃き、ジェガンが墜落する。

 ヒート・ワイヤー。命中した敵ガンプラをショートさせ数秒間スタン状態に陥らせる、グフ・カスタムの奥の手だ。

 強敵だった。電撃と激しい地面の激突に耐え、なお原型をとどめるジェガンを眺め、クランプは息を吐く。

 だが勝ったのは自分だ。余裕をもってガドリングシールドの狙いを定め、クランプは快哉を叫ぶ。

 

「……いい勝負だった。互いに、な!」

 

 その視界が、真っ赤なダメージアラートで埋め尽くされた。

 爆発音が響き、激しい衝撃にコクピットを揺らす。

 オートジャイロすら働かず、クランプのグフ・カスタムはもんどりうって地面へ倒れ込む。

 

「馬鹿な、背後など!?」

 

 ダメージアラートは背面の激しい損傷を伝えていた。

 困惑しながらグフ・カスタムを断たせようとするクランプの目に、モノアイカメラがとらえた背後の映像が映る。

 クランプは目を剥き、思わず叫ぶ。

 そこにあるのは、ジェガンがおろした物資満載のコンテナ……では、なかった。

 

「輸送コンテナが、サポートメカだとぉ!?」

 

 足回りに小型のキャタピラを履き、開いたコンテナからは三連装のミサイルポッドが覗く。

 機動力も火力も子供だましだが、それは間違いなく戦闘力をもったサポートメカだった。

 クランプの驚愕はわずか一瞬、だがそれが致命的だった。

 

●読み飛ばしても構わない巻末プチ解説

 

・サポートメカ

 Gアーマー、Gディフェンサー、Gファルコン、ビルドブースター、対MS用歩兵輸送車両など、

 ガンプラと離れて独立行動できるパーツの事をサポートメカと総称する。

 一人乗りの場合はAIが操ってくれるし、二人乗りの場合は片方の操縦者に操って貰う事も可能。

 操縦権の交代には10秒ほどのラグが発生するが、サポートメカに自分が映り、ガンプラをAIに任せて奇襲なども出来る。

 サポートメカとして申請し、システムに認識してもらうにはガンプラの完成度が必要で、難易度が高い。

 エニルの自走コンテナタンクはセイ君のビルドブースターよりだいぶ完成度が劣るため、

 平地の自走とミサイルの発射と、内部の生活空間によるキャンピングカーごっこぐらいしか出来ない。

 

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