リアルではモブなわたしは、GBNでずっと暮らしたい。   作:ゼラチナマスター

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3話直後、4話開始までの幕間シーンです。
リアルのロウジとセセリアがイチャイチャするだけの話となってます。


10/6(日)の19時から4話オープニングを投稿します。




~幕間~
ミッション3to4 幕間:ボクたちはガンプラが離れない


 

 ほんの一歩でも踏み出そう。

 決意はした。けれど、身に染み付いたおどおどぶりがそんなすぐに抜ける訳もない。

 

「ガンプラ生成、GBNとリンク、ミッション報酬。

 えっと、ダウンロードパスワード……?」

 

 タッチパネルを操作する手を止め、ロウジは慌てて手元のスマホに目線を落とす。

 ここはリアル、ロウジのおうちにほど近い、関西のとあるガンプラベースだ。

 レジカウンターの横に置かれた大型操作タッチパネルの前で、ロウジはスマホの画面を必死に読み直す。

 目の前にあるのは、ガンプラを成型する特製プリンターを操作するタッチパネルだ。

 土曜日のお昼すぎ、一番混み合う時間帯だ。ロウジの後ろには機械を順番待ちするお客さんがずらりと並んでいる。

 

「同送されているパスワードって何?

 メールにそんなの書いてなかったよ!」

 

 手元のスマホに開いた公式の利用手順を眺め、ロウジは小さく悲鳴をあげた。

 順番待ちする人達からの視線が心に突き刺さる。舌打ちが聞こえたのは気のせいだろうか。

 心臓の鼓動が痛いほど脈打ち、頭が真っ白になる。

 メールの文面を最初から最後まで三度見直す、それでもパスワードなどどこにもない。

 

「ほら、ちょっと貸して」

 

 横入りした手が、スマホをロウジの手からかっさらう。

 ロウジは目を見開き、少し遅れて小さく安堵の息を吐き出した。

 手の主は、セセリアだ。

 セセリアが慣れた様子でロウジのスマホを操作し、タッチパネルを叩いて文字入力を済ませる。

 その見慣れた背中の頼もしさといったら、もう。

 ロウジは浮かびかけた涙をこっそりぬぐい、セセリアに小声で頭を下げた。

 

「ごめん、ありがと……」 

「同送の二通目にダウンロードパスがあるんよ。ちょっちわかりにくいねー」

 

 明るい声でわざとらしく呟き、セセリアが行列に並ぶ人々へ軽く頭を下げてくれた。

 後ろからの責めるような視線は、もう感じない。

 ロウジはセセリアの服の裾を握り、申し訳なさそうにうつむいた。

 セセリアの手元に見慣れない小荷物があった。

 どうやらセセリアの分をマッハで済ませ、フォローに飛んできてくれたらしい。

 

「どんまいどんまい。

 ほら、最後の操作は自分でどうぞ」

 

 セセリアに背中をぽんと叩かれ、タッチパネルの前へ押し出される。

 タッチパネルには最終確認のシステムメッセージが示されていた。

 この3DプリンターはGBNともリンクしており、GBN内のミッション報酬をリアルのガンプラとして生成してくれる。

 ロウジとセセリアは、この前もらった勝利報酬を受け取りに来ているのだった。

 

『公式エキシビジョンマッチ“大型機を倒そう”クリア報酬です。

 無償でダウンロード可能です。生成しますか?』

 

 緊張に唾を飲み込み、イエスをタッチする。

 生成開始、完了まで約30分の文字がタッチパネルに映り、手元のスマホにメールが着信する。

 件名をみる限り、受取の時のパスワードが届いたのだろう。

 機械の動く音が響き、奥で機械がガンプラのランナーを生成し始める。

 サーベル、ライフル、キャノン。リアルタイムで成形されてゆくランナーの映像が大型モニターに映る。

 おっと、ここだと次の人の邪魔だね。 

 ロウジはモニターから視線を外し、素早く列から離れて後ろの順番待ちの列へ小さくお辞儀する。

 そのままロウジは小走りに、先に列を離れて壁際に待っていたセセリアのところまで駆けていく。

 

「ほんじゃ、ロウジのパーツ、出来上がるまて時間潰そっかー」 

「うん!」

 

 白い歯を見せて笑うセセリアに、ロウジは笑顔でうなずきを返す。

 なにせ今日はパパからもらったお小遣いが結構あるのだ。

 セセリアがのんびりした足取りでカフェの方へと歩いていく。

 ちょっと待ってよ、もう。ロウジは一瞬迷って、思い切ってセセリアの掌を握る。

 

「ガンプラコーナーいこ!

 次のガンプラも、水星の魔女系のどれかがいいなって思ってるんだ」

 

 はじめて手を繋いじゃった! 頬が赤くなるのを感じながら、ロウジはセセリアの手をぐいぐい引く。

 呆気にとられたように口をぽかんと開けたセセリアが、苦笑いしながら歩く方向を変えてくれる。

 

「はじめての”デート”なんだからさ。

 ちょっとはガンプラから離れてそれっぽいことしない?」

「ほーんと、おバカだよね、君は」

 

 口をとがらせるセセリアに、ロウジは悪戯っぽく笑って言い返す。

 何か特別な事をしたかった訳じゃない。

 今までと変わらない日々を、特別なものにしたかっただけだ。

 ちょっぴりオシャレもしたし、ママに相談して着る服も悩んだりしたけど。

 

「いつも通りがいいんじゃない。

 わたし、とっても新鮮で、たのしいよ」

「……ま、キミが満足ならいいけどさ」

 

 とびっきりの笑顔でロウジは言ってやる。

 むっと口元を引き結んだまま、セセリアがそっぽを剥く。

 でも、その頬が真っ赤なのをロウジは見逃すはずがない。

 ふふ、笑顔のこうかはばつぐんだ! 思わず心が浮き立つロウジなのだった。

 

 

 

 

 成形されたばっかりのプラスチックはホカホカだ。もちろんガンプラだって例外じゃない。

 

「まったくもー……ボクのカノジョってば欲張りさんすぎ」

 

 セセリアは呆れたように呟く。

 ロウジが成形指定したガンプラパーツは、あまりに大量だった。

 ランナーにつながったままのホカホカの組み立て前ガンプラが、セセリアの目の前にたっぷりある。

 

「かわいいカノジョのフォローぐらい、いくらでもするけどさ」

 

 別に誰がそばにいる訳でもないのに、随分言い訳がましいセセリアだった。

 そのロウジといえば、まだガンプラコーナーにいる。

 たぶんどのガンプラを買うかをまだ悩んでいるはずだ。

 パーツ成形完了の呼び出しにせかされ、セセリアは代わりに3Dプリンターの前にやってきていた。

 

「水星の魔女ウェポンフルセットかぁ……

 これ、ビームサーベル20本ぐらいあるんじゃ?」

 

 ロウジの希望した商品は、水星の魔女全ガンプラの武装とシールドのみをチョイスしたものだった。

 多分、デコトレーナーの強化に使うつもりなのだろう。

 セセリアはホカホカのランナーを手早く重ね、自前のMGガンプラの空き箱に詰めていく。

 

「絶対これ、ボクに持たせるつもりで来てるでしょ」

 

 他人には礼儀正しいロウジも、身内判定の相手にはめちゃめちゃ甘えてくる。

 ロウジは結構図々しいが、別に甘えられるのが悪い気分じゃない。

 セセリアはみっしり詰まったランナーでパンパンになった箱をエコバックに入れ、肩にかける。

 なんだかんだで結構時間がかかってしまった。

 ガンプラコーナーにロウジの背中がない。ならばと次はガンプラ製作ブースをのぞく。

 いた。背中を丸めてスマホを触るロウジを発見し、セセリアはおどかさないようそっと声をかける。

 

「お待たせ。何買ったの?」

「じゃーん。見てみて!

 ガンヴォルヴァ、通常仕様です」

 

 ロウジがHGガンプラの箱を得意げに掲げた。セセリアは頬を緩める。

 水星の魔女に出てくる機体のガンプラで、ルブリスタイプがガンビットとして使用した無人兵器だ。

 

「おー、お目が高い。

 作中だとカマセ扱いだったけど、関節の可動範囲が広くていいガンプラだよ!」

「えへへ。デコトレーナー自粛中にこれを一機仕上げて予備機にするんだ」

 

 セセリアはサムズアップでロウジをほめたたえる。

 これはエキシビジョンマッチ勝利の景品ではなく、ロウジがお小遣いで買ったものだ。

 

「思うけど、シショーやっぱしボクと違ってキミにゲロアマだよね」

「えへ。パパはわたしにいっつも優しいよ」

 

 うれしそーに言いおって、もう。

 ロウジの頬を指でぷにぷにつついてセセリアは笑う。

 セセリアのガンプラの師匠は、ロウジの実父だ。

 世のお父さんの例によって、娘には大変甘い。

 

「初のガンプラ作りひどいこと言われたって、

 優しいパパさんと距離置いてなかったっけ?」

「もう、いじわる。

 いーの。今は仲直りしたんだもん」

 

 くそうかわいいなこいつ。唇を尖らせるロウジに、セセリアは目を細める。

 まぁそりゃ、娘のカレシに厳しくなるのも当然だよね。

 いや、シショーがガンプラに厳しいのは前からだし何にも不満はないけど。

 

「楽しみだな。出来上がったら見せてね」

「うん! こんな風にピンクに塗ってブリオン社のマークつけるんだ。

 名付けて、デコヴォルヴァ!」

 

 スマホのツールに映る完成予想図をロウジが不安そうに見せてくれた。

 多分、ブリオン社が襲撃後のガンヴォルヴァの残骸を回収して改修したとかそんな設定だろう。

 カラーリングのセンスとマーキングのセンスは正直悪くない。

 

「うーん、これまたかわいい。

 けど、デコトレーナーがファンプラ寄りだし、ガチ機にした方がいいんじゃ?」

「ガチ機は君に任せたいかなーって。ダメ?」

 

 上目遣いに言われた。かわいいなキミほんとにもう!

 ロウジの不意打ちあざとい仕草に、どきんとセセリアの胸の鼓動が大きく跳ねた。

 

「……うん。判った、好きにしなよ」

「やったね、ありがと、大好き!」

 

 ダメだ、勝てない。セセリアは満足げに笑顔を浮かべ、あざといロウジの頭を軽くチョップする。

 こんなこと言われたら、かわいいカノジョのためにも頑張るしかないじゃん!

 

「じゃ、ここでガンプラ早速作っちゃう?

 それともなんか飲む?」

 

 一応デートの体裁を保とうと、セセリアはロウジの横の椅子へ腰かけ、気さくに声をかける。

 

「んっと、ガンプラは家で作りたいかな……

 この格好、今更だけどちょっと恥ずかしいし」

「えー、似合ってるよ」

 

 これはもちろんお世辞じゃない。でも、ロウジの気持ちもわかる。

 ただでさえ人見知りさんなのに、いつもよりずいぶんはりきってオシャレした格好だもの。

 かわいい女の子な格好だ。周囲の視線を気にしちゃうんだろう。

 

「だから、君のおうち行こ?

 久しぶりにセセリアの焼いてくれるたこ焼き食べたいな」

「こーの、くいしんぼさん」

 

 またその上目遣いするぅ! ロウジが頼み事するときはいつもこれだ。

 今までもこれからもまるで変わらない。

 セセリアがロウジの頼みに勝てたことなどないのであった。

 

 

 

「で、さ。

 ガンヴォルヴァは予備機だけどさ。ガンビットじゃん?」

「……なるほど。ルブリスのアレの時に使えるかもしれないね。

 キミのガンプラの出来次第だけど今度出来るか試してみよっか」

「うわぁん地味にプレッシャーかけるぅ」

 

 ガンプラベースからの帰り道、最寄り駅から横に並んで道を歩く。

 いつもの風景がこんなに新鮮だ、とっても不思議。ロウジはこっそり表情をほころばせる。

 

「あの大量の武装セット、デコトレーナーの強化プランに使うんだよね?」

 

 ロウジに歩調をあわせ、セセリアが車道側からエスコートしてくれる。

 なんでもない気遣いが、ロウジはとても嬉しい。

 

「うん、スラスターと武装を追加したフルアーマータイプでいこうかなって。

 ガンヴォルヴァ本体が出来たら、そっちに装備させてテストしてみるよ」

「なるほど、ガンヴォルヴァをサブ機として武装を共通化するんだ?

 ボクもその方向性、いいと思う」

 

 話す話題はガンプラとGBNから離れず、まったく色気もない。

 いつも通りじゃれあうような会話して、時々セセリアが肯定してくれる。

 でもそれだけで、いつもよりも心が躍る。

 

「プラン描けたらまた相談乗ってよ」

「うむ、整備主任としてアドバイスを授けようぞよ」

 

 セセリアが偉そうに口元に手を当ててふんぞり返る。

 なにその口調、ロウジは笑いをこらえるのに必死だった。

 商店街のアーケードを抜け、住宅街に入る。

 歩道のない狭い生活道路、いつも朝に見る景色だ。

 

「なんか、不思議な気持ちだね。

 通学路をオシャレしていっしょに歩くの」

 

 セセリアの横顔を見上げ、ロウジは上機嫌に呟く。

 この辺りはロウジとセセリアの通う公立中学の通学路なのである。

 

「知り合いとあったらヤじゃない?

 ルート変えよっか」

「どこも通学路なんだし、変わんないよ。

 今日はおやすみだから、だいじょぶでしょ」

 

 人見知りなロウジを、セセリアがやさしく気遣ってくれた。

 その気持ちがとてもうれしく、ロウジは気楽に応える。

 まさにフラグを立てた、と言うセリフだったのかもしれない。

 

「おーい、早く来いよ。次の列車に間に合わんぜ」

「待てって、ガンプラきっちりしまわないと!」

 

 曲がり角の向こうから、元気のいい男子達の声が響いてきた。

 ロウジはびくりと身を震わせる。めちゃくちゃ聞き覚えある。たぶん、同級生だ。

 

「わっ……あっ、わっ」 

 

 頭の中が真っ白に吹き飛び、ロウジは口を無意味にぱくぱくさせる。

 見られる。似合わないオシャレして歩いてる姿を、同級生に?

 まともに喋ることはないけど顔だけ知っている同級生だ。

 休日明けたら絶対に顔をあわせる。からかわれる、噂される!

 

「ダイバーギア空いてっかな。今日こそミッションクリアしよーぜ」

「フォースのランクちょっとでもあげねーとな」

 

 聞き覚えのある声と自転車の音が近づく。ロウジは血の気の引いた顔で立ちすくむ。

 ロウジの低い自己肯定感とコンプレックスがわーわー騒ぐ。

 すぐに来る。隠れなきゃ。そんな場所ない。どうしよう!?

 

「ちょっとごめんね!」

 

 今日もまた、手を引いてくれたのはセセリアだった。

 否だ応だと何か言うより前に、セセリアがロウジの肩を抱いてぐいと道の端へ押す。

 次の瞬間、ロウジの小さな体はセセリアに優しく抱きしめられていた。

 

「ーーーーーっ!?」

「ごめん、三十秒だけだから」

 

 さっきとは180度違う理由で、ロウジの思考が真っ白になった。

 何も見えない。何にも判らない。

 血の気が引いて真っ青な頬が、一気に朱色に茹であがる。

 え、何これ。意味わかんない!

 回されたセセリアの腕から体温が直に伝わる。セセリアの首元に押し付けた頬がめちゃめちゃ熱い。

 

「いよっし、今日も撃墜数勝負しよーぜ!」

「負けた方が缶ジュース一本おごりな!」

 

 同級生男子達の声と自転車が後ろを駆け抜けていく気配がする。

 そっか、セセリア、僕を隠してくれたんだ。混乱する頭でロウジはようやく悟った。

 ロウジは困惑と恥ずかしさでごちゃごちゃした頭の中で、必死に三十秒の時を数える。

 

「……うん、おっけー。もう向こう行ったと思う。

 ごめんね、汗くさかったっしょ」

 

 セセリアがゆっくり優しく、背中に回した手を離してくれた。

 意図は判る。でもさぁ! ロウジは慌ててセセリアから身を離す。

 道端でいちゃつくカップルのふりは、デート初心者にはあまりに刺激的すぎた。

 

「ガンプラバトル同好会のメンバーか。

 学校前で集合してガンプラベース向かうとこだったのかな……」

 

 顔がりんごよりも真っ赤な自信ある。とてもセセリアの方を見られない。

 ゆっくりゆっくり呼吸を繰り返しても、心臓の鼓動がちっとも落ち着いてくれやしない。

 のんびりしたセセリアの言葉を頭の中でなんとか嚙み砕きながら、ロウジは恐る恐る聞いた。

 

「……バレなかった、よね?」

「うん、ボクに気付いてすらなさそーだったよ」

 

 よかった。安堵の言葉の代わりに、ロウジは特大のため息をつく。

 汗くさいとかそれどころじゃない。むしろ焦りと恥ずかしさでこっちがめちゃめちゃ汗かいた気がする。

 

「やー良かった良かった。

 同級生にからかわれたりするの、キミはゼッタイ、ヤだもんね」

「……うん、良かった。

 こんなチンチクリンとデートしてやがる!とか。

 僕のせいで君が変にからかわれたら、ヤだもん」

 

 割と本音だ。ロウジは思わず自虐する。

 大人びて知的でかわいい同級生達はいっぱいいる。

 子供っぽくてどんくさい自分より、はるかにかわいい。

 うつむくロウジの額を、セセリアが思い切りデコピンしてきた。

 

「おバカ。

 いいよボクは見られたって」

 

 割とマジで痛い! 涙目で抗議するように見上げれば、セセリアが怒ったような顔をしていた

 

「その時は胸を張って自慢してやるさ。

 キミは、ボクの世界一かわいいカノジョだって」

 

 いじけた心に、クリティカルヒットだった。

 喜びがあふれ、色んなもやもやを押し流す。

 セセリアの掌をぎゅっと握りしめ、ロウジは上目遣いでねだる。

 

「……ね、もっかい言って!」

「恥ずかしいから二度はヤ!」

 

 セセリアの顔が真っ赤だった。ロウジだって多分負けずに真っ赤だ。

 言葉は断られたけど、重ねあわせた掌は繋いだまま、セセリアがゆっくり歩き始める。

 

「ほら、行くよ。

 また誰かに見られないうちに」

 

 ありがと、やさしいやさしいカレシさん。

 セセリアがゆっくり歩調をあわせて手を引いてくれる。

 君はほんとにいつもそうだ。照れ隠しにきゅっと唇を結んだセセリアの横顔に、ロウジは微笑む。

 とびっきりの想いを込め、ロウジは感謝の言葉をつむいだ。

 

「ありがと、わたしの守護天使」

 

 セセリアがびくりと立ち止まり、頬を真っ赤に染まる。

 右手で焦ったように顔を隠しながら、セセリアがぼやいた。

 

「ほんっと、キミの言語センスってば独特だよね……」

「ちょっと! そこは素直に喜んでほしいんだけど!」

 

 いつもの道に、いつも通りの会話が響く。

 唇を尖らせ抗議しながら、ロウジは静かに幸せを噛みしめた。

 

「よし、決めた、ロウジ用の新機体。

 名付けて……ルブリス・ガーディアンエンジェル!」

「え、マジ……?」

 

 え、まさか出撃時にガーディアンエンジェル!って叫ばないといけないの!?

 確かに、二度目はめちゃめちゃ恥ずかしい。

 今度はロウジが真っ赤になる番だった。

 

「ちょっとやめてよ、考えなおそ!?」

「いいやキミのセンスは周知されるべきだね!」

 

 デートの時でも話題はガンプラが離れない。

 それがロウジとセセリア、二人の関係だ。

 けれどその時間は、二人のかけがえのないものなのだった。

 

 

 

●読み飛ばしても構わない巻末プチ解説

 

・ガンプラベースの3Dプリンター

 

 ミッション報酬でもらったガンプラパーツのデータを実際のプラモとして出力してくれる。

 作中にもあったが現実より遥かに高性能で割とファンタジーな性能だ。

 キャプテンZのバイザーも同じ方法で出力された。

 利用には一定料金がかかり、通常ガンプラより大体は割高となる。

 エキシビジョンマッチの景品は使用料金込み、無料で生成可能となっている。

 欲しいガンプラの一部武装だけ、ブースターだけ、シールドだけと言う風に購入するよう使われたり、

 GBN内でカラーリング設定したパーツを成形色で出力して色変えガンプラを作るためなどに使用される。

 セセリアのようにネットワークから前日に生成予定パーツを入力しておくと、当日引き取りがスムーズに出来て便利です。

 ロウジみたいに当日に大量のパーツを頼むと機械が占有されてしまうのでなるべく避けよう!

 

 

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