リアルではモブなわたしは、GBNでずっと暮らしたい。   作:ゼラチナマスター

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ミッション1-5.ガンプラを操縦させてもらってみよう!

 

「You have control ?」>ロウジ

「い、いえす! アイハブ、コントロール!」>エニル

 

 思い切りカタカナ英語で返答し、ロウジは慌ててダイバーギアを握り直す。

 結果、慌てて触ったサブボタンが暴発し、ジェガン・Cの頭部バルカンが虚空へ暴発した。

 

「う、うわわ!? すいません無駄弾っ」

「落ち着いて。NPC戦は開始時は合図があり、PVPも奇襲はまずない。

 焦らず、まずはガンプラの操縦に慣れるんだ」

 

 操縦桿を倒すと、ゆっくりとガンプラが左右に揺れながら歩き出す。

 深く倒すと同時に、歩行の速度が上がり、身体を左右に振りながらジェガン・Cが走行へと速度を上げた。

 

「バイザーのジャイロとガンプラが多少連動している。

 揺れてる気がするのは判るが、背筋をしっかり伸ばせ。そうすればガンプラの重心が安定する」

 

 エニルの説明を聞きながら、ロウジは内心ため息をつく。

 扱うギアは同じなのに、どうしてこう動きにスムーズさがないのか。

 

「崖や地形からは必ずガンプラ一歩分距離を取る。

 近すぎると、格闘や回避でオートマ操作を行った時にガンプラの腕がぶつかり、

 武装を取り落としたり、マニピュレーターを破損してしまう」

「は、はいぃ!」

 

 ロウジは手汗でギアをびしょびしょにしながら、エニルの指示に一つずつ従っていく。

 

『エリア:【グランドキャニオン(AW)】』

 

 モニター上部にエリアの名前が、左隅にレーダーと地形の概略図が映っている。

 

「す、すごい! ザクの5倍のエネルギーゲインがある……」

「気持ちは判るが、作り込みが互角ならザクもガンプラパワーは同じだ」

 

 エニルの厚意でガンプラ操縦権を借り受けたロウジは、

 この上下に広い戦闘エリアで、ガンプラ操縦を体験させてもらっていた。

 

「飛べ、ガンプラ!」

 

 操縦桿を押し込み、ブーストボタンを握りしめる。

 スラスターの噴射音と同時に景色があっという間に後方へと流れていき、

 画面端のブーストゲージがあっという間に減っていく。

 

「う、うわ。速いけどすっごい操作感が重い!」

「背負いものがコンテナだからな、スラスター数が足りてない。

 谷上に上がるのは諦めてろ。地上の高速機動には十分なよう調整している」

「崖を飛び越えれば、ショートカット出来たのに……」

 

 切り立った断崖を、ロウジはモニター越しに恨めしげに見上げた。

 今、ロウジとジェガンがいるのはグランドキャニオンエリアの深い谷底だった。

 ところによってはガンプラ3台分ほどしかない幅の場所もある、まるで迷路のような場所だ。

 

「ロウジ、ストップ」

「え!?」

 

 慌てて操縦桿をニュートラル。ガンプラが反応し、素早く足を止める。

 

「操縦の練習、もう慣れた?」

「え、ええ。転んだり崖にぶつけたりは大丈夫だと思いますけど……」

 

 一体なぜストップなのか。

 クールなエニルの台詞の意図を探ろうと、ロウジは眉根をぎゅっと寄せ、モニターを注意深く見まわす。

 

「じゃあ、後は心の準備だ」

 

 怪しいものと言えば、ジェガン・Cの前方地面に、半壊した武装車両の残骸があるぐらいだ。

 エニルの指先が動き、武装車両の前方地面にロックオンカーソルが映る。

 

「準備が出来たなら、サブウェポン一斉射」

「……? いきます」

 

 射撃練習だろうか。首を傾げ、ウェポントリガーを押し込む。

 ロウジの操作に応え、ジェガン・C頭部バルカンポッドが火を噴いた。

 瞬間、爆発音とともに大きな土煙が吹き上がる。

 ロウジは目をひん剥き、ひっくり返りそうなほどに背を反り返らせる。

 

「うわーっ!? ……な、何、なんなんですか!?」

 

 警告音と共にガンプラのオートジャイロが働き、ジェガン・Cは数歩あとずさりするだけですんだ。

 

「対MS地雷。アフターウォーの風物詩だな」

「知らないですよそんな常識っ?!」

「このエリアのステージギミックだ。目印は地雷で壊れた戦闘車両」

 

 同時に警告音が鳴り響き、レーダーに複数の光点が映し出される。

 

『敵機が接近中です。気を付けてください!』

 

 どこかで見た事あるようなカットインと共に、AIオペレーターの人工音声が響く。

 

「そして、非戦闘時に地雷を踏むと、

 そのまま楽しいCPU戦の始まりだ」

「……最初からそう言っておいてくださいよ!?」

 

 エニルを恨めしそうに睨みつけ、ロウジはダイバーギアを握り直す。

 

『バトルBGM承認、リクエスト了解 BGM:颯爽たるシャア・アレンジ』>エニル

「Thank You。モーリン」

 

 エニルの選曲か、アップテンポのBGMが操縦席に流れ始めた。

 遠くで重いものが動く音と振動が響き、それが近付いてくる。

 ロウジは無言のまま、唾をのみ込み、待つしかなかった。

 

●読み飛ばしても構わない巻末プチ解説

 

・CPU戦

 NPCが操る非ダイバー機と戦うガンプラバトルの事を示す。

 敵の機体は既存のガンプラの他、頭部を運営仕様にすげかえたもの、モックなどの全身オリジナルで構成される。

 敵ガンプラのパラメータは総じて低めだが、ダイバーの階級に応じて難易度に補正がかかる。

 レイドボスなどには戦闘用AIが搭載され、かなり歯ごたえがある。

 戦闘中は自動でBGMがかかるが、オペレーターに頼んで選曲することも可能。

 このアレンジはスーファミ音源のBGMです、懐かしいね。 

 

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