リアルではモブなわたしは、GBNでずっと暮らしたい。   作:ゼラチナマスター

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ミッション1-6 襲い来るバルチャーを迎撃しよう。

 

 

『エンゲージ、敵性ガンプラ数、5!』

『ひゃっはぁー! さあ、水と物資とMSを置いていきな!』

 

 オペレーターの警告音声と同時に、モヒカン頭に肩パッド。いかにも世紀末やられ役な顔が叫ぶ。

 

「エニルさん!」

「任せた、ロウジくん」

 

 操縦権を返上するつもりで叫ぶ台詞に、短い返事が返ってくる。

 

「エニルさん!?」

「武器は右がライフル、左がサーベル。サブウェポンはバルカン。

 バルカンと切り替え式のハンドグレネードは忘れていい」

 

 ロウジは思わず目を剥く。エニルはロウジに戦闘を任せるつもりだ。

 クールにボタン配置を告げるエニルの、紅色の唇が楽しげに吊り上がっている。

 間違いない、この人、きっと面白がってる。

 

「……知りませんよ、自慢のガンプラ壊しちゃっても!」

「CPU機相手に押し負けるほど、アタシのガンプラ、やわくないよ」

「じゃあ、壊したら僕の腕の問題って事じゃないですか!?」

 

 悲鳴交じりの声を吐き出し、ロウジはもう一度大きく深呼吸。

 エニルのガンプラを壊す訳にはいかない。覚悟を決め、ダイバーギアを強く強く握りしめる。

 

 やがてレーダー上に強い光点が明滅し、ジェガン・Cの前方と後方へと複数のガンプラが姿を現す。

 

「わぁ、ドートレス!」

「もちろんアフターウォーのバルチャー仕様だな」

 

 こんな時だと言うのに、ロウジの声が感激で裏返る。

 三つ目状のモニターカメラの頭部を備えたすっきりした形状のガンプラは、

 機動新世紀ガンダムXの量産機、ドートレスだった。

 

「後方一機、撃って来る!」

 

 エニルの叫びとロックオンアラートに、ロウジは反射的に操縦桿を素早く切り返す。

 鋭いステップを刻んだジェガン・Cのモニター画面で、画面に刻まれたサブマシンガンの弾着が映る。

 前2、後1……なら、挟撃危険性を潰さないと!

 瞬時に判断した思考が、ロウジにダイバーギアを握り直させた。

 切り返しの勢いそのまま、スラスターを吹かし、ジェガン・Cは後方のドートレスへとジグザグに迫る。

 

「落ちろっ!」

 

 再度のサブマシンガンの斉射を避け切り、右のウェポンボタンを押し込む。

 必殺の気合と共に放たれたライフルのビームを、ドートレスは素早いステップであっさりと回避してみせる。

 

「嘘、避けるの!?」

「HARDの難易度かな。雑魚だって回避くらいするさ」

「ああ、もうっ!」

 

 叫びと共にブーストボタン、スラスターを全開、低い軌道でドートレスの頭上を飛び越える。

 

「この距離……ならっ!」

 

 スラスター解除、機体をひねって自由落下。

 振り向くドートレスの首元に銃口を差し込むように引き金を絞る。

 メガ粒子の光が今度こそ敵機を吹き飛ばし、撃破判定をモニターに映す。

 

「まず一機っ!」

「……やるね」

 

 ロウジの叫びとエニルのお褒めの言葉とほぼ同時、

 ガンプラの爆煙を裂くように、サブマシンガンの連射が押し寄せる。

 ロウジは舌打ち、操縦桿を切り返す。

 身を翻したジェガン・Cの装甲で弾着が弾ける。

 

「……しまった!?」

「大丈夫、装甲表面かすめただけ」

 

 モニターを睨むロウジの視界に、武器を構えて駆けて来る2機のドートレスが映る。

 斉射のタイミングをはかって崖から飛び出し、ライフルを2連射、ドートレスは左右に別れて機敏に避ける。

 その動きに、ロウジは確信した。

 

「いくら反応が良かったって……」

 

 遮蔽の崖に飛び込んだ直後、敵機のマシンガン射撃が虚しく空を撃つ。

 タイミングは一定、いかにも敵機の動きは、プログラミングに従う機械的なものだ。

 

「そんなのに、負けるもんか!」

 

 もう一連射をやりすごし、ジェガン・Cが崖から飛び出す。

 スラスターを吹かし、低空を滑りながらライフルを構える。

 一撃、そしてずらしてもう一撃。

 機械的な回避行動を読んだ二撃目が、ドートレスのステップ先に吸い込まれるように着弾する。

 

「狙いも定めずだとか!」

 

 もう一機が放った地対空射撃を機体をひねってやり過ごし、左のトリガーを押し込む。

 サーベルを抜き放ち、スラスターフル噴射。

 懐に飛び込み、ジェガン・Cのサーベルがドートレス目掛け斜め一閃。

 着地際にもう一撃、右から左に腰だめに横薙ぎ。

 残るは2機、けどまるで負ける気がしない。

 一蹴した敵機の残骸を眺め、ロウジは気取ってつぶやいた。

 

「圧倒的じゃないか、我がガンプラは……」

「アタシの、ね?」

 

●読み飛ばしても構わない巻末プチ解説

 

・ガンプラの武装とボタン配置の独自解釈設定

 

 ダイバーギアの操縦桿には左右にウェポントリガーが一つずつ。サブウェポンボタンが付いています。

 ボタン同時押しなどをすれば使用可能武装は増えるが、エニルはミスを嫌って単純な設定にしています。

 イメージ元の操作感はバーチャロンや連邦VSジオンなどを想像しています。

 ロウジは操作しながら凄く喋っていますが、多分音声認識操作は採用されていないと思います。

 シャイニングフィンガー使おうとして、セリフミスって不発する未来したら凄く恥ずかしい。

 

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