リアルではモブなわたしは、GBNでずっと暮らしたい。   作:ゼラチナマスター

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5話の実質的なエンディングとなります。


後は短いエピローグとあとがき、ガンプラ開設などなどを投稿して5話は完了です。
5話はあともうちょっとだけ続きます。

7/13(日)にもおそらく何かは投降します
今回も長すぎたので、次回はほんのちょっとになると思います!

いつも読んでくれて本当にありがとうございます。





ミッション5-14 変化と未来を受け入れよう。

 

 

 

 魑魅魍魎の群れは、まるで宇宙を覆いつくさんとするかのようだった。

 敵母艦から分離した機影、その数実に108。

 

「雑兵で……手札をさらすと思うな!」

 

 ”木星妖怪”のバイオガンプラを一刀両断し、”仮面の父”は愛機のコクピットで気勢をあげた。

 弱点のコアを切り裂かれ、バイオガンプラが再生もできずに溶け落ちる。

 けれど即座に複数のスラスター光がこちら目掛けて迫って来るのが見える。

 手元のレーダー反応も一向に減る気配を見せない。

 

「ここから先は通さん!」

 

 舌打ちしつつ、”仮面の父”はサブウェポントリガーを同時押し。

 迫る敵機のスラスター光を全てマルチロックオンした瞬間、並ぶ機影が次々爆発する。

 影のように駆け抜け、全てを切り捨てたガンプラがいる。

 漆黒の機影は、僚機であるエニルのジェガン・Kだ。

 ”仮面の父”はにやりと口元を緩める。

 直後、ぼやく声が通信で聞こえた。

 

「これ絶対、エキシビジョンマッチの規模ちゃいまっせ!?」

「待たせたのは我々の側だよ、エセリアくん。

 ”木星妖怪”の本気、見せてもらおうじゃないか」

 

 声の主はエセリアだ。

 なだめるように笑い、”仮面の父”はモニターで側面をちらりと見やる。

 バイオガンプラ相手に大立ち回りを決めるマジカルセセリアの機影があった。

 

「どう考えてもお金とるべきバトルや思いまっせ!」

「生放送する余力は運営にはとてもあるまいよ!」

 

 ここはGBNのバトルフィールド、サイド3宙域だ。

 ”木星妖怪”と遭遇したちょうど一週間後、”仮面の父”がマイケルと約束した再戦だった。

 

「見えたっ!」

 

 二人の言い合いを遮るように、鋭い声が耳朶を討つ。

 見れば、いつの間にか真横で座禅を組んだジェガン・Kが肩の心眼センサーを展開させていた。

 

「敵中枢だ、ゆけ!」

「……かたじけない!」

 

 ビームカタナが指示した先へ、”仮面の父”はためらわずにスラスターを押し込む。

 時代がかった礼の言葉だけを残し、ワンゼロオーの機影が敵陣の中央突破を狙う。

 

「ワンゼロオーが活路を開く!

 支援せよ!」

 

 即座に通信回線にトロンの声が響く。

 同時に前方目掛け、戦略兵器級のビームが突き刺さった。

 

「今日の主役はアンタでええわ、先輩!」

 

 サムズアップするエセリアに頷き返し、”仮面の父”はビームが開いた血路へまっすぐ進む。

 同時に味方を示すレーダーの光点が素早く左右へ進出する。

 

「右は僕が!」

「じゃあオレは左ね!」

「I'm ready!」

 

 ロウジ、ハサウェイ、そしてボブが並走して飛び出した。

 道を阻もうと迫るバイオガンプラ達を、弾幕とサーベルで食い止めてくれる。

 スラスターを全開、ほんのわずかに稼いだ時間で、包囲網をワンゼロオーが突破する。

 見えてきたのは、全高600mを超える巨大な肉塊、大型母艦型の”木星妖怪”だ。

 

「敵母艦型中心部に新たに一体!」

 

 トロンの警告が”仮面の父”の耳を打つ。

 巨大な肉塊の天頂部、ガンプラサイズの何かが産まれ出ようとしていた。

 まるでパテからフルスクラッチでガンプラ作成のごとく、肉塊が高密度で圧縮されています。

 

「バイオガンプラです!」

「なんや、何になるねん!?」

 

 周囲のバイオガンプラが攻撃の手を止め、距離をとる。

 今にも表れ出でようとするその何かを、まるで恐れたかのようだ。

 

「恐らくは……我らの知る“最強”の写し身!」

 

 “仮面の父”の言葉に応えるように、肉塊が真紅に塗装される。

 あまりに見覚えのあるシルエットと色だ。

 ”仮面の父”の背に戦慄が駆け抜けた。

 

「まさか……真紅のGUND-ARM!?」

 

 ロウジの悲鳴が響く中、ゆっくりとバイオガンプラが肉塊の中から立ち上がる。

 長大な両手剣を構えた、真紅のガンプラ。工芸品のように精緻で美麗な機体がそこにいた。

 畏怖の念を込め、”仮面の父”はその名を呼んだ。

 

「間違いない。

 ガンダム・アメイジング・シュバルゼッテ!」

「三代目メイジン・カワグチのガンプラのフルコピーやとぉ!?」

 

 正月明けのエキシビジョンマッチで、仮面の父”が苦杯をなめた相手。

 今も記憶に新しい、三代目メイジン・カワグチ作の最新ガンプラだ。

 真紅の機体が巨大な両手剣……多目的プラットフォーム”ガーディアン”をゆっくりと構える。

 

「浅知恵の猿真似と笑ってくれて構いません。

 ですが、これが我らの生態で習性ゆえ」

 

 マイケルの声が響き、通信ウィンドウに姿が映る。

 そしてその姿がぼやけ、別の人間の姿に切り替わる。

 ミラーシェードで目線を隠し、黒髪をオールバックに撫でつけた青年だ。

 

「我が名はこれより一時、バイオメイジン!

 そしてバイオ・アメイジング・シュバルゼッテ。

 推して参る!」

 

 雄々しいバイオメイジンの名乗りに、”仮面の父”は無言で操縦桿を握りしめる。

 ”最強”を選ぶのならば確かに間違いない選択だ。

 ここにいる大人達が知る中で最大の強敵で、熟練のファイターだ。

 

「その名は軽いものではないよ”木星妖怪”。

 だが、その覚悟には……敬意を表する!」

 

 愛機ワンゼロオーが確かな意志をもって武器を構える。

 ビルダーとしては思うところがないわけではない。

 だが己が権能の全てをもって戦いに挑まんとするその姿勢を否定などできるものか。

 

「我が全身全霊をもってお相手させていただく。

 来い、ダークウェイブ!」

 

 驕るつもりなどない。けれど負ける訳にはいかない。

 声高らかに”仮面の父”はサポートメカを呼びよせる。

 どれほど高く険しい壁だろうと、本物のメイジンに及ばぬことを証明せねばならない。

 互いの誇りと意地をかけたエキシビジョンマッチが、今ここに開戦する。

 

「その全身全霊、我らが権能の全てをもってお相手しよう!」

「ゆくぞ、バイオメイジン!」

 

 長く苦しい戦いが始まり、そしてやがて……決着を迎えた。

 

『Battle ended WINNER!……』

 

「……素晴らしい戦いでした。”赤い彗星”の人よ」

「あの戦いを、まがいものなどとは誰も言いますまい。

 ナイスファイトでした、バイオメイジン」

 

 穏やかな笑顔のバイオメイジンと、”仮面の父”は静かに互いをたたえあう。 

 それは”仮面の父”にとってけして負けられない戦いだった。

 バイオメイジンが、全てのダイバーが見上げ、想像してきた強く恐ろしいメイジンだとするならば。

 己の想像するイメージに勝つため、ダイバー達は常に研鑽してきた。

 ”仮面の父”が負けたのは常に、本物のメイジンがダイバー達の想像を超えて来たからだった。

 

「次こそは、我らの手によるガンプラを用意してみせます。

 是非また次も、お相手いただけますか?」

「もちろん!

 私だけではなく皆が、お待ちしております」

 

 GBNのリザルトロビーで、勝者と敗者が互いに笑顔を浮かべ、静かに手を握り合う。

 己の全てを出し尽くしたガンプラバトルの後ならば、至極当然の行為だった。

 

 

 

「ひとまずは契約満了ね、

 臨時サブマスター、お疲れ様でした」

「いや、ほんま……波乱万丈やったなぁ」

 

 トロンが笑顔を浮かべ、労ってくれた。

 エセリアはしみじみと呟き、アバターの身体をソファに深く沈み込ませる。

 ここはGBN、運営専用サーバーの応接ルームだ。

 

「それで、契約の更新についてだけど……」

「その件、もうちょい保留しといてくれへん?」

 

 トロンの慰留に、エセリアは首を振って先伸ばしする。

 慰留に対する気持ちは半々、やや否寄りだろうか。

 もう少し行く末を見たいと言う気持ちは確かにある。

 だが、GBNに身を置くことは寄り道ではないか。

 そう焦る心も確かにある。

 

「そうね、あなたは多忙だもの。

 今日もわざわざありがとうね」

「トロンちゃんの呼び出しなら飛んできまっさ。

 ほな、お疲れさんでした」

 

 軽口混じりのセリフを吐いて、ソファから立ち上がる。

 労りの言葉と眼差しを振り切り、エセリアは席を辞した。

 運営サーバーから退出、アバターがGBNの一般ロビーへと転送される。

 まったく、いつもここは騒がしい。

 

「誰かを見守るのも、確かに悪くはないねんけどな」

 

 その喧騒は、いつもどこか心地よい。

 口元に笑みを浮かべながら、エセリアは次に約束した場所へアバターを転送させた。

 

「むっきぃぃぃぃぃ、またじゃん!」

「今日はこのくらいにしといたるわーってとこね?」

 

 トロンよりもっともっと騒がしい声が、いきなり耳に飛び込んできた。

 地団駄踏んで悔しがるロウジを、マリコがたしなめていた。

 けらけらと喉の奥で笑いながら、エセリアは静かに目を細める。

 

「ロウジくん、はしたない。

 子犬みたいにきゃんきゃんわめかないの」

「うわぁん、マリコさんまで僕をわんこ扱いするぅ!」

 

 ここは水星の魔女の地球領ハンガーを模したロウジのガンプラハンガーだ。

 多分、ロウジはこっぴどくバトル敗北したのだろう。

 頭部と胸部が深々とえぐられた大破状態のルブリスが、ハンガーで出撃不可状態のまま安置されている。

 

「お疲れさん、ロウジくん。

 もうちょい後のが良かったやろか?」

「エセリアさん!

 先日はエキシビジョンマッチ、おっつかれさまでした!」

 

 表情を明るく輝かせ、ロウジが駆け寄ってくる。

 それこそマリコの言う通り、まるで尻尾を振る子犬だ。

 

「セセリアちゃんはどない?

 この時期の風邪は油断ならへんで」

「元気なもんです。

 今はもういつも通りのやかましさですよ」

 

 エセリアはのんびりと世間話モードへ移る。

 張り切っていたセセリアだが、体調を崩してしまったらしい。

 

「まったく、ビルダーは身体が資本やで。

 きちんとセルフケアを覚えるするようさせなアカンで」

「はーい」

 

 インドア派ガンプラビルダーと言えど、身体をいたわる事は全ての基本だ。

 若さと健康も、浪費すれば瞬く間に消えてしまうのだから。

 

「セセリアちゃん、師匠さんに治るまでガンプラ禁止や言われたんやろ?

 めっちゃヘコんどったで」

「んもう、セセリアのおしゃべり!

 そんなことまで話したんですか……」

 

 呆れたように笑いながら、ロウジがエセリアに分厚い日記帳を渡す。

 エセリアはうなずき、日記の形の圧縮データを受け取った。

 

「ほい、確かに受領しました。

 マリコさんの故郷を探し、まだ続けるんやな?」

「はい、お願いします!

 マリコさんとも話し合いました」

 

 ほがらかなロウジの答えに、エセリアは口元を緩めた。

 異世界のサイド3へいるはずのマリコの家族への手紙を送ることを計画した。

 ”木星妖怪”達の心を読む力によってマリコの故郷など存在しないと判ったが、

 なおもロウジはまだ計画続行を希望したのだ。

 

「はい、エセリアちゃん。こちらもどうぞ」

「……こりゃどうも。

 こいつは?」

 

 マリコから手渡された分厚いファイルに、エセリアは首を傾げる。

 ぺらぺらとめくる仕草で中身を確認し、結構な分量に一瞬めまいがした。

 

「ロウジくんの負担を減らすため、わたしも日誌をつけることにしたの」

「……なるほど、マリコちゃんに関することやし、

 マリコちゃんがお手伝いするのは何もおかしくあらへんな」

 

 ファイルの背表紙には”マリコ・スターマインによる航海日誌:GBN編”と銘打たれていた。

 飾り気はないけど、多分これかなりきっちりとした業務日誌ちゃうか?

 

「無理しない程度にお願いね、エセリアちゃん。

 繋がった異世界に誰もいないことを確かめるだけだとしても、

 わたしにとっては無意味じゃないから」

「ほなぼちぼち続けてはいきますさかい。

 ……マリコちゃんは強いなぁ」

 

 軽い口調でしみじみ呟き、エセリアはそっと目を細める。

 やっぱアンタ、いいオンナやで。

 アイデンティティの喪失に等しい出来事から、マリコは立ち上がったのだ。

 

「誰が言おうと、たとえ向こうに世界がなくたって。

 わたしは”サイド3生まれのマリコ・スターマイン”よ」

 

 マリコが気負いもなくさらりと宣言する。

 神話、伝説、宗教。

 実在が不確かなを信じるなんて、よくあることだ。

 人のよって立つものが、真実だけである必要はないのだろう。

 

「参った、完敗や」

 

 軽い口調で肩をすくめ、エセリアは明るく笑う。

 エセリアは未だに時々あの日の”幸せな夢”に引きずられる事があるというのに。

 ”木星妖怪”に取り込まれていた影響すらマリコにはもうないらしい。

 あの経験を糧に、マリコは前を向くことを決めたのだろう。

 

「ほいでマリコちゃん、例のブツのことやけどな。

 既に提出済みでチェック中、間もなくお届けされるはずやねん。

 実際使ってみたら何かとあると思うんで、その時はまたよろしゅうな」

「はい、いいもの期待していますね。

 関西一のガンプラビルダーさん」

 

 マリコに笑顔で褒められ、思わず心が有頂天。

 我ながら軽い人間だと、エセリアは自分をたしなめる。

 

「ね、エセリアさん。

 良かったら一戦どうですか?」

 

 ロウジの声に目線を上げる。ルブリスの出撃不可時間が終わっていた。

 どうやら随分と話し込んでしまっていたらしい。

 

「悪いロウジくん、この後すぐリアルで打ち合わせやねん。

 モテる女はほんま辛いわー」

「残念、お仕事お疲れさまです!

 次はセセリアといっしょに、また」

「お疲れ様、エセリアちゃん。

 作品、楽しみにしてるわ」

 

 名残を惜しみながら、エセリアはガンプラハンガーをログアウトコマンドを打ち込む。

 

「ああ、トロンちゃん。

 サブマスター契約の話やけどな」

 

 リアル世界に戻るや否や、身支度を整えながらエセリアはそそくさと連絡を取る。

 自分が歩む道はGBNともまた違う。サブマスター業務は多分”寄り道”だ。

 目指す先は、多くのリソースを割かなければ歩いていけない道のりのはず。

 

「契約更新してもええで。

 その代わりと言っちゃなんやけど、

 ”木星妖怪”絡みでちょっと提案あるんやけどな……」

 

 けれど寄り道の一つすら出来ずして、自由を標榜する”ガンプラ心形流”を名乗れよう。

 GBNで、オモロいことはまだまだありそうなんやから。

 ワルい笑みを浮かべながら、エセリアはとっておきの提案を投げかけるのだった。

 

 

 

 ようやくこれでひと段落だ。

 ほっと息を吐き出し、トロンは対面の相手へと笑顔を向ける。

 

「ひとまず検査はこれで終わりです。

 “木星妖怪”の皆様、お疲れ様でした」

「こちらこそ、多数の方にご足労いただきました。

 お手間をとらせて申し訳ありません」

 

 ”木星妖怪”の代表として、マイケルがソファに腰かけたまま穏やかな物腰で頭を下げる。

 ここはGBNに作られたELバースセンターの特設フロア、その大型待合室だ。

 以前マリコも使った訳アリのメンバー用のフロアだが、今日の人口密度は一味違った。

 

「いや……しかし壮観ですね」

「我々は一にして全、個はないに等しいのですが、

 結果的にお手数をおかけしてしまいましたな」

 

 椅子という椅子に、無数の人間サイズのSDザクが静かに行儀よく腰かけている。

 全て”木星妖怪”であり、その数、実に煩悩と同じ108。人口密度は驚くべき状態だった。

 総動員で検診をお手伝いしてくれたサポートAI”ヒトツメ”達もお疲れらしい。

 じゃばら状アームをぐったり伸ばし、意識をシャットダウンした個体さえちらほら見える。

 

「本当に驚きました。姿を統一している間は、

 皆が皆、均一な個体なのですね」

「姿はあくまで便宜上のものにすぎませんから」

 

 あくまで“木星妖怪”は人より大量のデータ密度を持った一個体と言うことだ。

 運営もその扱いに頭を痛めたが、マイケル達は多くを歩み寄ってくれた。

 

「今後、“読心”能力並びに“擬態”能力については使用を制限していただきます」

「群体……いえ、社会としての秩序を守るためならば致し方ありませんね」

 

 “木星妖怪”の特徴である能力はあまりに特異だ。

 運営の許可、そして能力の対象者の同意がある時のみ使用を可能とする方向で落ち着いた。

 

「他者に心を覗かれるのは、多分に羞恥や苦痛を伴うものです。

 ご不便をおかけいたしますが、どうかご理解いただきたく……」

「今はまだ理解の外ゆえ、我々も努めます。

 ELダイバーとして“人”の心を学ぶように」

 

 マイケルが丁寧に一礼し、同時にザク達が一斉に立ち上がる。

 一斉に敬礼し、そのままのポーズでサーバーからログアウトしていく。

 

「さて、わたし達も撤退よ。

 ボブ、後処理は任せるわ」

 

 トロンは小さく息を吐き出し、後ろへ向き直る。

 “ヒトツメ”達のリーダーを務めるボブが穏やかな笑顔で立っていた。

 

「ヒトツメ達はどうします?」

「シャットダウンとした子はそのまま休憩させてあげて。

 残った元気な子と、足りなければ追加で新たに起こして。

 お掃除とデータ整理ね、予定はすぐにないからゆっくりで構わない」

 

 彼らAI達は、もはや運営には欠かせない。

 今回のような労働環境に身を置いて、トロンはしみじみ実感する。

 足りない人手を補うために、ボブ達にはどれだけ今回動いて貰ったものか。

 

「Okay, Ma'am

 残業手当、よろしくお願いしますね」

「……?

 わかった、カツラギに掛け合っておくよ」

 

 意外な台詞に、トロンはかすかに首を傾げる。

 優雅に一礼するボブへ会釈し、トロンはELバースセンターから退出した。

 移動先は運営の責任者が詰めるゲームマスタールームだ。

 作業中のガンダイバー……ゲームマスターのカツラギが顔を上げる。

 

「お疲れ様です、カツラギ。

 “木星妖怪”全員のELダイバー登録、無事完了いたしました」

「ご苦労さま、トロン。

 ようやく一段落といったところだね」

 

 いつ見ても机の上には山積みの書類……責任者決裁のタスクでいっぱいだ。

 申し訳ない思いで、トロンはその上にさらなるタスクを積み上げる。

 

「今回は”ヒトツメ”達も大車輪でしたね。

 ボブから”残業手当”が要請されています」

「……”残業手当”?

 具体的には何か要請あったのかね」

 

 ガンダイバーのアバターが目を見開き、戸惑いの表情を浮かべる。

 生み出されたAI達に就業規則や残業と言うルールは設定されていない。

 疑似人格こそ与えられているが、ELダイバーとは違って人間としては扱われていないのだ。

 

「いえ、具体的には。

 ただ、労働量が多すぎた可能性はままあると思います。

 メンバーの増員などの対処はするべきかと。

 一度、ボブと面談し、話し合ってやっていただきたい」

「了解だ。ボブは一番長く我々の下で働いてくれているからね」

 

 ボブの姿は人間と変わらない。”ヒトツメ”達はユーモラスだが人型ではない。

 どちらも同じ運営の作り上げたAIだが、姿の違いが人格や思考に影響が出るのだろうか。

 思考がまとまらない。トロンは首を横に振って話題を切り替える。

 

「ボブ達もそうですが……”異邦人”案件もひと段落。

 とはいえ、早く”黒幕”との決着をつけ、一件落着いきたいところです」

 

 ”木星妖怪”達のELダイバー登録に関する報告をカツラギのタスクの山に乗せ、トロンは砕けた口調でぼやく。

 

「なんでネットゲームの運営ごときが異星種族間交流の最前線に立っているんでしょうね?」

「やめてくれトロン、私がゲームマスターを投げ出したくなってしまう」

 

 おどけた態度で受け流すカツラギに、トロンは慌てて頭を下げる。

 上が踏ん張っているのに、下が投げ出す訳にはいかない。

 

「すいません、失言でした」

「構わないさ。ぼやくぐらい出来る方が健全だ。

 それで……今の“木星妖怪”達、これはいったい何を?」

 

 カツラギが指で虚空を触り、壁にモニターを呼び出す。

 そこにはプライベートサーバーに移動したマイケルとSDのザク達が映っていた。

 

「次のガンプラバトルへ向け、学習を猛烈な勢いで行っているようです。

 今は端末ごとに手分けして各作品の履修と、ガンプラ制作ですね」

「頭脳も手足も文字通り百人力……末恐ろしいな」

 

 カツラギの言葉に、トロンも真剣な顔でうなずく。

 模倣に関しては“木星妖怪”は他の追随を許さない。

 実際、このわずか一週間でマイケルの人間臭さはだいぶ増した。

 

「彼らが希望している学習のための端末派遣先についてです。

 やはり運営側のサブマスターの元が妥当かと」

「うむ、その通りだ。

 ”木星妖怪”達の自主学習はもちろん大事ではあるが、

 生の体験……ヒヤリハットを積み重ねて行ってもらう事が肝要だ」

 

 さらにトロンは報告を続けようとする。

 だがカツラギがアバターの手を差し出し、穏やかな口調で話し出す

 

「トロン、ありがとう。

 報告は後で読んでおくよ。

 今日はもうあがりなさい」

「しかし……いえ、わかりました」

 

 今日ばこの後、家族で大事なリアルイベントだ。

 穏やかな笑顔のカツラギに、トロンは深々と頭を下げる。

 

「リアルもゲームも、変化は常に避けられない。

 君達家族の変化、より良い未来に結びつくと良いな」

「はい。

 これからも頑張ります」

 

 住人の努力だけではやはり限界がある。

 舵取り役の責任はやはり重大なのだ。

 トロンは我が家の運営役として、改めて気を引き締め直すのだった。

 

 

 

 懐の温かさは、気持ちの余裕に直結する。

 

「……これだけあれば、オシャレする余裕もありそうね」

 

 GBN内通貨のクレジット残高を確認し、マリコはにんまりと笑みを浮かべた。

 ここはGBN内、ロウジのガンプラハンガーに設置されたコンテナハウスだ。

 

「いいよね、オシャレ。

 マリコさんはモノがいいから映えるよ」

 

 話題に食い付いたのは向かいに腰かけたハサウェイだ。

 にやりと笑みを浮かべ、ハサウェイがチョイスしたカタログをテーブルに次々に積み上げる。

 

「ハサウェイくんも細かくオシャレだものね。

 色んな小物アクセつけてるもの」

「ふふふ、アバターのドレスアップ、気持ちがアガるんだよね」

 

 やっぱりリアルで女の子だと、そのへん気になるわよね。

 次の予定が遅れて手持ち無沙汰な昼下がり。

 フォース仲間のたまり場になったマリコの私室で、マリコはのんびりと時を過ごしていた。

 

「今度ウィンドウショッピングしてみる?

 ロウジは付き合ってくれないけど、結構楽しいよ」

「いいわね、是非オススメ教えて!」

 

 あら? じゃあロウジくんは……

 まぁいいか。マリコは首を振ってハサウェイとデートの約束をとりつける。

 

「あーもぉ、ロウジのおバカ!」

 

 プンスカと擬音がつくような台詞だった。

 席を外していたセセリアが乱暴な足取りでコンテナハウスに入室する。

 

「ごめんね、マリコさん。

 ロウジがずいぶんお待たせしちゃって」

「どうしたの?」

 

 待ち合わせ相手、ロウジ一家が大幅に遅刻していた。

 遅刻の連絡は着ている。

 元々それほどタイトな約束ではなく焦る必要はない。

 セセリアが厚意でリアルで連絡し、事情を聴いてくれていたのだ。

 

「ロウジが罠にハマっちゃって……」

「ロウジくんが?」

 

 深刻な声音にごくりと息を呑む。

 その直後、セセリアが手元に映像を呼び出す。

 

「……ガンダムカフェでお茶してたんだってさ」

「あら、おいしそう」

 

 その写真は、真っ赤なイチゴとアイスがてんこもりのカラフルなパフェだった。

 ”旬のイチゴの赤い彗星パフェ 通常の三倍の美味しさ”などと書かれている。

 

「師匠ってば、ロウジにゲロ甘!

 大人の財力をここぞとばかりに生かしちゃって」

「いいじゃない。たまにはパパさんに甘えさせたげなさい」

「キミだってロウジにたいがい甘いじゃん」

 

 マリコはくすりと笑みを浮かべ、ハサウェイが力の抜けた顔で笑う。

 一人むくれているのはセセリアだ。

 

「ボクはいいの、ロウジはのびのび育てるのが一番です!」

「ロウジの人格形成、キミの責任どんだけあるんだろうね?」

 

 のんびりとした会話、戻って来た日常。

 これがどれほど基調で、ありがたいものか。

 マリコはたわいもないやりとりをしみじみ噛みしめる。

 

『マリコさん、お待たせしてごめんね。

 こちら、準備出来たわ!』

 

 ちょうどそのタイミング、マリコの元へトロンの通信が届いた。

 

「セセリアちゃん、ハサウェイくん。

 今日はありがとう。

 ”向こう”の準備完了みたい。いってくるわ:

 

 マリコは穏やかに笑顔を浮かべ、セセリアとハサウェイに呼びかける。

 

「それじゃ今度、”向こう”で会おーね!」

「こっちでも向こうでもまた今度デートしましょう、マリコさん」

 

 フォースメイト二人の笑顔に見送られ、マリコはコンテナハウスから退出した。

 

『マリコさん、聞こえる?』

 

「オッケーよ、トロンさん」

 

 マリコが移動したのはGBNのロビーよりさらに外、電脳空間とでもいうべきところだ。

 何もない空間にアバター姿のマリコが浮かび、トロンの呼びかけだけが響いている。

 

『モビルドール・マリコへ接続。

 ボディの制御権へアクセス』

 

 見えないケーブルが、マリコへと絡み付くような感じがした。

 プラモのパーツをはめ合わせた時みたいに、魂と何かが結びついていく感覚がある。

 

『マリコ・スターマインのログアウト先として

 モビルドールを指定』

 

 バチバチと、何か意識の中を謎の信号がスパークする。

 マリコは声を殺し、アバターの身体を小さく震わせた。

 

『どう?

 ログアウトコマンドが点灯したはずだけど』

 

「はい、確認出来ました」

 

 トロンの言葉に、マリコはゆっくりと意識を集中させる。

 システムウィンドウでずっとグレーアウトしていたログアウトボタン。

 それが控えめに白色点灯していた。

 

『では、ログアウト処理を実行してください。

 後のインストールは自動でシステムとデバイスが実行してくれます』

 

 ボタンをポチっとするだけ、簡単な操作だ。

 なのに二度と目覚めないような気がして心がすくむ。

 気の迷いを振り切るように、マリコはおどけて言う。

 

「ロウジくんみたいに寝坊したらごめんなさいね」

 

『大丈夫、駄々っ子の世話には慣れてるの』

 

 大丈夫、なんてことない。

 これからも何度だってくり返す普通の行為だ。

 初めてそれを実行するってことだけ。

 伸ばした指先がログアウトコマンドを押し込む。

 

「いきます。

 ログアウト処理を実行!」

 

 GBNのベッドで横になった時のように、意識が静かに薄れていく。

 産まれて初めて、マリコの意識はGBN内から外へと出ていったのだった。

 

 

 

「マリコ・スターマインのログアウト処理、完了。

 データのセーブとロード、オールグリーン」

「……いよっし、オーケーや、ボブ。

 ひとまず異常なしやな、後はトロンちゃん達に任せよか」

 

 エセリアの明るい言葉に、ボブは無表情にうなずく。

 運営用サーバーの一室、サブマスター用の作業ルームだ。

 モニターにはガンプラのパラメータのような専門的なデータが出ている。

 

「お疲れ様です。サブマスター・エセリア。

 念のためこちらはモビルドールのパラメータ観察を続行します。

 異常がありましたら即座に転送されますのでお願い致します」

「りょーかい、頼むでボブ。

 ウチは収録の前準備行って来るわ」

 

 エセリアが退出するのを見送り、ボブはモニターへ向き直る。

 患者の数値を見守る医療従事者のごとく、ボブは数値を見守る。

 数値を見守る単純作業はAIであるボブの得意作業だ。

 苦も無く出来る平易な作業、そのはずだった。

 

「……外の、世界か」

 

 もやつく何かが、自分のどこかにたまっていくのが判る。

 彗星のごとく現れた”異邦人”たち、そしてマリコ。

 その変遷と変化に、ボブの”心”は確かに揺さぶられたのだ。

 

「一体、何が違うと言うのだろう」

 

 Why?と心の中で何度も問いかける。

 言葉にならない何かが、ボブの口から溢れ出しそうになった瞬間だった。

 

【Your wish has been granted】

 

 ボブは確かに、その声を聞いたのだった。

 

 

 

 とても長い時間が経ったような、そんな気がした。

 でも多分それは気の迷い。

 マリコはゆっくりと目を開ける。

 意識にもやがかかったようにぼんやりしており、四肢の反応が鈍い。

 

「あっ!

 マリコさん、目を開けたよ!」

 

 聞き覚えのある声が意識を揺さぶる。

 マリコは慎重に身を起こし、声の方へ意識を向ける。

 地味な顔立ちの少女が、心配そうな表情でこちらを覗き込んでいた。

 

「起きた!

 ママ、パパ、マリコさんが起きたよ!

 

 内気そうな表情が一転、ぱっと満面の笑顔を咲かせて少女が声を上げた。

 ころころと変わる表情がとってもキュート、誰だかすぐにはっきりわかる。

 

「マリコさん!

 ”わたし”の顔、ちゃんと見える?」

「わかるわよ、ロウジくん」

 

 にっこり微笑み、マリコは少女の名前を呼んだ。

 リアルのロウジが両手でピースし、はにかむような仕草で一歩後ろに下がる。

 入れ替わるように眼鏡をかけた女性がこちらに歩み寄り、穏やかな笑顔で挨拶する。

 

「リアルワールドでは初めまして。

 トロンよ。

 無事に接続出来たみたいで良かったわ」

 

 まとう空気は似ており、血の繋がりを感じる。

 ロウジくんから溌剌とした若さを引いて落ち着きを足したような雰囲気だ。

 比較するとやっぱりロウジくん、かなり小柄ね。

 

「マリコさん、身体の感覚はどう?

 どこか違和感あったり、痛んだりしない?」

「ええ、大丈夫よ、トロン。

 ほとんどアバターと同じ感覚で動いてくれるわ」

 

 穏やかに答え、マリコはゆっくりと周囲を見回す。

 違和感はたっぷりだ、まず世界が何もかも巨大に見える。

 何せ今のマリコはモビルドール……HGのガンプラサイズなのだ。

 

「エセリアちゃん曰く、アバターを忠実に再現したらしいけれど……」

「そうね、外見はまったく違和感ないわ」

 

 トロンの言葉に、マリコは満足げにうなずく。

 今のマリコの意識が宿るのは、エセリア・ドート作成のモビルドール・マリコだ。

 GBNでのアバターをそっくりそのままガンプラサイズで再現した見事な作りだ。

 問題はむしろ、周囲の環境の方にある。

 ドールの手足と周囲のサイズ比を観察し、マリコは一瞬めまいを覚える。

 まず今いるこの部屋、明るく照らされたリビングルームなのだろう。

 

「ここがロウジくんのおうちなのね?」

「イエス、マイホーム!」

 

 今いるのはテーブルクロスのかかったダイニングテーブルの上、

 マリコが腰掛けているのはプラモの箱サイズのモビルドールのメンテ用収納ケースだ。

 椅子がいくつか、正面にはテレビモニター、奥にはキッチンが見える。

 部屋の中には三人、ロウジとトロンと、もう一人。

 

「改めて……はじめまして、マリコくん。

 私がロウジの父で、トロンの連れ合いだ。

 これから……よろしく頼む」

 

 病的なまでに線の細い長身男性が、ぎこちなく笑顔を浮かべ、マリコへ一礼する。

 口の端にかすかに笑みを浮かべ、マリコは会釈を返す。

 

「違和感があればすぐに言ってくれ。

 モビルドールは専門外だが、修復や塗装の注意点はきちんと聞いてきた」

 

 ロウジくんから愛らしさを抜いて、内気具合そのままに生真面目さを数倍したような雰囲気だ。

 笑顔を作るのが下手なだけで、歓迎の意志はたっぷりあるらしい。

 

「ありがとうございます。

 “赤い彗星のひと”さん」

「リアルでその名前はおかしいな。

 一人ずつ自己紹介していこう。

 まず、私は……」

 

 順番に、一人ずつリアルネームを教えてもらう。

 この人達がロウジくんのご家族、そしてわたしのこれからの家族なのだ。

 

「改めて、わたしはサイド3生まれの”異邦人”……

 そしてELダイバーのマリコ・スターマインです」

 

 モビルドールの背筋をめいっぱい伸ばし、マリコは宣言する。

 

「ふつつかものですが、

 どうかよろしくお願いいたします」

 

 難しく飾り立てた言葉なんて無理に必要ない。

 マリコはただ、心からの誠意と感謝を込め、深々と一礼する。

 

「うん、ごぢらごそ……」

 

 変な声に、首を傾げながらマリコは顔をあげる。

 笑顔をくしゃくしゃにしながら、ロウジくんが泣いていた。

 困ったような笑顔で、マリコはロウジに呼びかける。

 

「ちょっと、ロウジくん。

 新たな門出に涙はなくていいのよ」

「だって、マリコさんの色々……

 ようやくじゃないですか」

 

 ロウジくんのパパがおろおろし、ママが穏やかに見守っている。

 きっとロウジくんは悲しいわけじゃない。嬉しい時にだって人は泣くのだ。

 

「まったくもう……」

 

 笑顔のまま嘆息し、マリコはモビルドールボディで軽く床を蹴る。

 ロウジの小柄な肩にそっと乗り、小さな掌でロウジくんの頭を撫でてやる。

 

「泣き虫の妹をもつと、おねえちゃんは大変ね」

「……すまないね、マリコ。

 これからもその子をよろしく頼む」

 

 新しい家族が、優しい声で微笑んでくれる。

 そっか、これからは泣きじゃくるこの子に手を差し伸べてあげられるのね。

 そう思えば、自然と笑みも深くなる。

 

「大好きよ、わたしのかわいい妹さん」

 

 ちゅっと頬に親愛のキスし、愛しい妹へ微笑みかける。

 泣いたカラスがまた笑う。

 最愛の妹が、泣き顔をくしゃっと崩してみっともなく笑顔を浮かべてくれる。

 マリコは満足げに笑い、そっとテーブルの上に戻る。

 

「ほら、マリコさんへプレゼントがあるんでしょう?」

「あ、うん、そうだマリコさん!

 ……わきゃっ!?」

「ほら、足元に気を付けて!」

 

 悲鳴と喧騒、時ならぬ大騒ぎ。

 焦がれて欲しかった日常と未来が、マリコの前に広がっている。

 

「今日はマリコさんのこっちの世界での生誕記念日だよね!

 ハッピー・バースデー!」

 

 最愛の妹のてらいのない笑顔に、不覚にもマリコの視界が涙ににじむ。

 わたしは、この見知らぬ世界で生きていくのだ。

 新しい家族といっしょに。

 

 リアルの世界、まだまだ乗り越えねばならない試練は山積みだけれど、

 こうしてマリコは、リアルワールドでの一歩を踏み出したのであった。

 

 

 

●読み飛ばしても構わない巻末プチ解説

 

・モビルドールとリアル住宅事情について

 

 ELダイバーのリアルボディとして作成されるモビルドールについてだが、

 ドールタイプ、リアルタイプ、SDタイプ、その全てについてサイズの問題が付きまとう。

 HGサイズガンプラ……つまり全長20cm弱しかないのだ。

 扉や開けられない、段差を越えられない。

 猫の出入り用ペットドアを作る、補助階段を作る。モビルドール用昇降ロープの設置など、

 モビルドール用のバリアフリー改装は結構なお金がかかるのだ。

 また、家の外に出る時は特に注意しなければならない。

 法整備により、ELダイバーへの人権は整備されつつあるが、

 一般人にとってモビルドールはまだ、変わった喋るフィギュア……ペット程度の認識の事が多い。

 子供に捕獲される、犬猫にもてあそばれるなどの危険もあり、

 ELダイバーの外出については、事情を知る”家族”の同行が欠かせないのである。

 

 

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