リアルではモブなわたしは、GBNでずっと暮らしたい。   作:ゼラチナマスター

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なんだが文章量がえらいことになってしまいました。

その分次回はちょっと短めになる可能性があります

次回予定は10/19(日)予定です。


ミッション6-5 家出”娘”を捜索しよう

 

 数学、英語、ガンプラ座学。

 普段通りの授業を爆速でスキップし、昼休みへ。

 

「ずっこいなー、選抜科。

 朝からずっとガンプラ実技ばっかし!

 そりゃ勝てるわけないっていうよ」

「ん、そう……だね」

 

 日替わりのチキンカツ定食のミニうどんセットを前に、セセリアはぼやく。

 もしゃもしゃとチキンカツを口に運びながら、ロウジが生返事する。

 ここはガンプラ学園の学食、その屋外テラス席だ。

 長テーブルがいくつも並ぶ大混雑の室内と違い、テラス席は蒸し暑いけどガラガラだ。

 

「ま、午後からは待ちに待ったガンプラ作成実習だもんね。

 ボクの真の実力、見せてあげるよ」

「ね、セセリア……」

 

 とはいえ、この調子だと一般科の授業はだいぶぬるいかもね。

 ぼんやりしたセセリアの思考を、ロウジの控えめな声が止めた。

 うどんスープを一口すすり、ロウジが勢いよく言ってきた。

 

「おかしいよ、ここ。それと僕ら。

 なんだかよくわかんないけど、絶対おかしい!」

「あー……うん」

 

 やっぱ、ロウジもそりゃ気付くよね。

 周囲に素早く目を配り、セセリアは小さくうなずく。

 たぶん気付かずにいた方が平和だったんじゃないかって思う。

 けど、気付かずにいるには、この世界には違和感がありすぎた。

 

「ログアウトしたのにこのカッコで、

 塾の夏期講習のはずが学校通ってて、それに……」

「……うん、おかしいね。

 多分この姿、GBN用に設定したロウジとセセリアのアバターだよ。

 けど、いつのまにか知らない制服で、知らない学校に通わされてる」

 

 もやつく違和感が、言葉を交わすうちに明瞭に形となってきた。

 人差し指を口元に当て、しっとジェスチャーしながらセセリアはロウジに応える。

 軽く見回しみても、声が聞こえる範囲の周りに人はいない。

 けれどここがGBNと同じなら、どこにいたって運営さんはログをたどれる。

 

「……僕ら、いったいどこにいるんだろ」

「ボクがセセリアじゃなかったころ、

 聞いた噂があるんだけどさ……」

 

 けどやっぱ、多少危険でも状況把握はしとかないとね。

 声を潜めたまま、セセリアはロウジと密談を続ける。

 ふわふわと足元が定まらないまま。この先ずっと暮らしていくわけにはいかない。

 

「そっか、セセリア、GBNが出来てすぐ、ちょっとGBN触ってたんだっけ」

「うん、フレンド絡みでいろいろあってアカウント削除しちゃったんだけどね。

 ……で、その当時、ミッション情報に乗らないシークレットミッションの噂があったんだ。

 特定のポイントに特定の条件を揃えて向かうと、特殊な専用サーバーに転送される。

 そこにはケモミミのNPCや特殊なボスガンプラがいるんだって」

 

 自称情報通というフレンドの与太話を思い出しながら、難しい顔でセセリアは推論を述べる。

 自分たちのアバター、そして見慣れた自作のルブリス・GKだ。

 ここがGBNと似た系列の場所なのはほぼ間違いあるまい。

 GBNと無関係だとするには、アバターやガンプラデータがあまりにそっくりすぎる。

 

「……ここは、その特殊な専用サーバーで、

 僕らは何らかの事故で紛れ込んじゃったってこと?」

「場所はたぶんね。何故かはわかんない。

 ログアウトできないし、システムウィンドウも出てこない。

 ガンプラを召喚出来たりもしないけど、たぶんそう言うリアルに似せたサーバーなんでしょ」

 

 だが、問題は”なぜ自分たちがここにいるのか”の方だ。

 偶然なのか、何者かの意図によってのものか。その情報は全くない。

 

「そのシークレットミッションのクリア条件はなんだったの?」

「ごめん、さすがにうろ覚え。

 ミッションなんだし、ボスガンプラの撃破だと思うんだけど……」

 

 期待のまなざしを向けてくるロウジに、セセリアは申し訳なそうに返す。

 そもそも、完全に前例と同じだと決めつけるのは危険だ。

 

「ぶー。肝心なとこで約立たないんだから」

「結局、相手の出方を見るしかないよ。

 ”現状に気づいていないフリ”を続けながらね」

 

 頬を膨らませるロウジを、セセリアは穏やかに諭す。

 幸いなのは、害意をもって対してくる相手が今のところいないところだ。

 フェルシーだって負ければ引き下がったし、悪意は感じない。

 

「もっとわかりやすく!」

「ボクといっしょに、この世界をのんびり楽しもうって事さ。

 とりま、ランチ食べよう。冷めちゃうよ」

 

 ロウジのブーイングに、セセリアは出来る限りのんびり言ってあげる。

 

「つまり、いつも通りってことさ。

 むつかしいことはボクがなんとか頑張ってみる。

 キミはキミらしくいてちょーだい」

「それ、君の負担だけでっかくない?」

 

 微妙に不服そうなロウジに笑いかけ、ちょっと冷めたチキンカツをもしゃっと口に運ぶ。

 腹芸の苦手なロウジといっしょに、誰が敵で誰が味方かもわからない世界を行く。

 切り札がロウジ、状況を整えるのがセセリア。

 やることはいつもとほんとに変わらないんだから。

 

「惚れ直してくれてもいいよ?」

「はぁぁ!?

 うぬぼれるなし!」

 

 真っ赤になって叫ぶロウジへ、セセリアはかわいくウィンクする。

 口元を抑えて深呼吸し、ロウジが怒ったような表情で猛然とランチに挑みかかる。

 

「学食ってなめてたけど、

 美味しいね、この定食」

「美味しいけど、なんかこれ、

 中学の時に食べたような気がするなー」

 

 うん、それでいい。今は気付かないフリのままでいよう。

 ご飯に目がないロウジのセリフに、セセリアはこっそり心の中でメモをとる。

 つのる違和感をカウントしろ。

 ロウジの身を守れるのは、セセリアだけかもしれないんだから。

 

「お、いたな、ヒーロー」

「やほ、アリヤちゃん」

 

 アリヤの声に、セセリアは笑顔で手を振る。

 今朝出会った同級生の美少女アリヤが、チューブのゼリー片手にこちらへ歩いてくる。

 

「今朝はサンキュ。おかげでケガせず済んだよ」

「次からは気をつけるように」

 

 さてさて、いったいこれはどんなイベントだ?

 のんびりした言葉を交わしながら、セセリアはアリヤの様子をうかがう。

 その横でロウジが慌てて口いっぱいに頬張ったご飯をうどんスープで強引に流し込んでいた。

 

「で、どしたのアリヤちゃん。

 ロウジはあげないよ?」

「セセリアのモノでもないんじゃないかな!」

「うん、そうだな。

 今朝のヒーローとご友人に提案があってね」

 

 ジト目のロウジの抗議をセセリアは聞き流し、うなずいてアリヤに言葉の続きを促す。

 

「うんうん、聞かせて?」

「君達、ガンプラバトル実行委員の活動に興味はないかい?」

 

 そう来たか。

 情報はほしい、悪くない提案ではある。

 慎重に答えを返そうとしたセセリアした制服の裾を、ロウジがくいくいと引く。

 あ、はい。そう来るのね。

 ロウジが好奇心に目を輝かせ、上目遣いでセセリアにねだっていた。

 

「……えっと、体験入部とか、ある?」

「オッケー、まずはそこからにしよう!」

 

 苦笑しながらセセリアはアリヤに問い返す。

 部活に誘われてうれしかったんだね、ロウジ。

 かわいくねだるロウジを前に、選択肢などあるはずもなかった。

 

 

 

「さぁ諸君、いよいよ交戦開始だ。

 珠玉のバトル、瞬き厳禁だぞ!」

 

 実況席のアリヤが、マイクを片手に声を張り上げる。

 壁一面に設置された大型モニターで、交戦距離に入った2機のガンプラが地対空の射撃戦を開始する。

 フェルシーのガンプラが、手にしたビームライフルを空のロウジのガンプラめがけて速射する。

 ルブリス・GKが余裕のスラスター機動で回避した先に、連射されたビームがそこに置かれていた。

 けれどもちろんロウジだって甘くない。左腕の大型シールドでビームをしっかりと受け止める。

 

「ここ、フェルシーの回避を誘っての偏差射撃だよ!」

 

 アリヤの横に座るロウジがそつなく解説し、観客たちがおおっと歓声をあげる。

 今は放課後、ここはガンプラバトル実行委員が借りて解放中の視聴覚教室だ。

 

「地対空の地道な射撃の差し合いに見えて、

 確かな技量がうかがえるポイントだね」

 

 いやあ、大入り満員だね。

 観客の学生で埋まった座席を眺めながら、セセリアはロウジの解説にコメントを付ける。

 

『やるな、編入生!』

『すごいよ、フェルシー!』

 

 大型モニターのスピーカーから、互いを称賛するフェルシーとロウジの声が響く。

 上映中の演目は今朝のロウジとフェルシーの決闘……ガンプラバトルの再上映だった。

 

「彗星のように現れた一般科のヒーロー、ロウジ・チャンテ。

 これはひょっとしたら伝説の序章なのかもしれない……」

「ほめすぎ!」

「さすがに過大評価だって!」

 

 アリヤの実況にロウジが真っ赤になり、セセリアが呆れたようにコメントする。

 ガンプラバトル実行委員会の無地の腕章を身に着け、ロウジとセセリアはアリヤの横で好き放題にコメントをつける。

 人気バトルの再上映と解説、どうやらこれもガンプラバトル実行委員の仕事らしい。

 

『いいさ、それなら!』

 

 決闘で戦場となったのはバリアーエフェクトに守られた学園周辺の路上だ。

 モニターの中でフェルシーが叫び、フェルシーの愛機が手にしたビームライフルを路面へ放り捨てる。

 フェルシーのディランザがシールド裏から白兵武装のビームトーチを勢いよく引き抜き、それぞれ右腕左腕に装着した。

 

『ディランザ・G(ガルム)の本領、見せてやる!』

 

 フェルシーの愛機はディランザ・G(ガルム)。

 ジェターク社の誇る主力量産機ディランザの近接白兵カスタム機だ。

 

「さぁ諸君、幾度も見ただろう。

 ここからが選抜科の”切り込み隊長”フェルシーの本気だ!」

 

 アリヤの実況が響く中、モニターの中でディランザ・Gが獣のようにしなやかな動きで跳ね飛ぶ。

 スラスターで地面を蹴り、垂直のバリアーエフェクトの壁面へ。

 そのまま壁面を忍者のように駆け上がり、さらに壁面を蹴って飛ぶ。

 ロウジの愛機、空中のルブリス・GK目掛け、両手のビームトーチをふりかざして襲い掛かる。

 

「ロウジ・チャンテ危うし!」

 

 煽るアリヤの実況とは裏腹に、動画のロウジは冷静に対処する。

 ルブリス・GKが右手のビームガンでブレイドを展開し、ディランザ・Gの突進を迎撃する。

 激しいつばぜり合いエフェクトがディランザ・Gを上方へ跳ね飛ばす。

 だが、ディランザ・Gが空中でまるで猫のように体をひねる。

 回転の勢いのまま、もう一度上空から強襲!

 

「何という動き!

 二対のビームトーチはまるで魔犬の爪だ!」

 

 右と左の連撃がビームブレイドをからめとり、左のシールドに深々と突き刺さる。

 至近距離でディランザ・Gの胸部からビームバルカンが光る。

 致命的な着弾の直前、ルブリス・GKのシールドバッシュが両機の距離を強引にもぎ離す。

 

「フェルシー・ロロの猛攻だ。

 だがロウジ・チャンテが粘る粘る!」

 

 実況席のアリヤがマイクを片手に観客を煽る。

 横のロウジが照れ臭そうにうつむき、セセリアはにやつく。

 体験入部させてもらったガンプラバトル実行委員だが、ロウジも随分と楽しそうに見える。

 

「粘りも当然。ロウジは百戦錬磨さ。

 さてお立合い。

 こっからが見せ場だぞ!」

 

 アリヤの目くばせに、セセリアはマイクを片手に観客を煽る。

 やれやれ、ロウジってば人気者じゃん。どっと沸きあがる観客席を眺め、セセリアは口元を緩めた。

 最前列に座るのは水星の魔女で見た地球寮の面々だ。後ろの方にジェターク寮の人間の顔もちらほら見える。

 他はモブだろうか、印象に残らない学生ばかり。湧き上がる小さな違和感をまた心のメモに書き留めてゆく。

 

『そっちがその気なら、こっちだって!』

 

 モニターに映るバトル中のロウジが楽しげに叫ぶ。

 ルブリス・GKがスラスターをカット、重力にひかれて優雅に着地する。

 低い姿勢で構えるディランザ・Gの白兵間合いの少し外、ルブリス・GKが元気よく構えを取った。

 まるでフェルシーを真似るようにビームガンを放り捨て、ビームトーチに焼かれたシールドを投棄する。

 

『今度は、僕の番!』

 

 投棄した大型シールドが赤いパーメット粒子の輝きを放つ。

 シールドの外周パーツが分離し、意志を持ったように宙を舞う。

 無線誘導のドローン兵器、ガンビットだ。

 6基のガンビットの4基がルブリス・GKの背面、2期がルブリス・GKの両腕にそれぞれ装着される。

 

「四つのガンビットをスラスターに装備した高機動モード、ビットオンフォーム。

 余った残り二つのガンビットをどう使うかっていうと……」

「近接格闘戦を好むロウジが、自分の扱いやすいように編み出した、それがこの形態!」

 

『ガントレットモード!』

 

 ロウジとセセリアの解説に応えるように、モニターの中でロウジが吠える。

 

『GUND-ARM……

 普通科にしてはおしゃれなガンプラじゃないか、編入生……!』

 

 警戒の声を上げるフェルシーの前で、ロウジが動いた。

 ルブリス・GKが悠然とビームサーベルを抜き放ち、そして槍のように投擲する。

 

「ロウジ・チャンテの猛攻撃!」

 

 アリヤの実況とともに、ディランザ・Gの右のビームトーチが投擲サーベルを弾く。

 それと同時にルブリス・GKが突進した。

 バリアーエフェクトで強化された路面を抉り取るように鋭く蹴り、前へ。

 あっという間に距離が詰まり、右腕のガンビットが突きこまれる。

 ディランザがビーム接射を首を傾けて避け、左のビームトーチを突き込む。

 左腕のガンビットが、右のビームトーチが、目まぐるしく至近距離での差し合いが続く。

 

『こ、のぉっ!』

『に、ゃにぃ!』

 

 フェルシーとロウジが叫び、互いの装甲が裂かれて火花がスパークする。

 マイクを手に、アリヤが熱く実況する。

 

「選抜科の”切り込み隊長”フェルシーのもっとも得意な至近距離!」

「いいよね。近接白兵戦。僕も大好き」

「ロウジの足癖の悪さに注目!」

 

 ロウジとセセリアのコメントに合わせ、バトルはさらに加速する。

 ビームの刃を備えた両腕同氏の激しい攻防だ。

 そこに紛れ、足払い、膝蹴り、ロウジの地味な足技がフェルシーを劣勢に追い込んでいく。

 たまらず距離をとったのはフェルシーの方だった。

 

『……ロウジ・チャンテ!』

『フェルシー・ロロ!』

 

 忌々しげにフェルシーが叫び、ロウジが楽しげに応える。

 フェルシーがロウジの名を呼んだ。

 隣のロウジがはにかむ。セセリアもにやりと笑ってコメントする。

 

「ここ熱いよね。きちんとロウジの名前呼んでくれた」

「へへ、僕の実力、認めてくれたのかな」

 

 白兵間合いの少し外、両者が静かに間合いをはかる。

 ディランザが咆哮するように身を震わせ、フェルシーが叫んだ。

 

『それでも……勝つのはアタシだ!』

 

 そしてディランザ・Gの足が地を蹴る。前へではなく斜め後方。

 地を蹴り、バリアーエフェクトを蹴って三角跳びする。

 

「ここでフェルシーが選んだのは二次元でなく三次元の攻めだ!」

 

 ディランザ・Gがルブリス・GKの頭上で体をひねり、真っ逆さまに落ちながら左右の爪を構える。

 ルブリス・GKが跳んだ。頭上へ飛びあがり、ディランザ・Gを迎え撃つ。

 天と地と激しいベクトルが激突し、つばぜり合いエフェクトが発生する。

 弾き飛ばされたのは下にいるルブリス・GKの方だった。

 身体をひねって着地するルブリス・GKへディランザ・Gが猛然と襲い掛かる。

 左右の爪が襲い掛かる、ルブリス・GKの両腕が迎え撃つ。

 アッパー気味に振るわれたルブリス・GKの右拳が、ビームトーチに切り飛ばされる。

 ガンビットですらない、ただの”拳”が。

 勝ち誇ったように、ディランザ・Gが爪を突き込む。

 

「会心だったね、ここ」

「……なるほど、今のは誘いなんだ」

 

 得意げなロウジに、セセリアは感心したように呟く。

 見るのが二回目で、ようやくわかった。

 次の瞬間、ディランザ・Gの頭部が吹き飛んでいた。

 

「ここで決着だ。

 スローの映像を流すので、よく見てほしい」

 

 ざわつく観客を制するように、アリヤがモニターに動画をスローで再生し直す。

 ルブリス・GKの右腕にあったはずのガンビットがいつの間にか右足へ装着されていた。

 その右足で鋭い後ろ回し蹴りを放つ様子がコマ送りの映像で流される。

 うん、見事なカウンター。

 コクピットのフェルシーからは敵機が消えたようにしか見えなかっただろう。

 

『……ディランザ・G頭部大破!

 勝者、一般科操縦班ロウジ・チャンテ!』

 

「ごらんいただけましたか、ロウジ・チャンテの妙技。

 一般科に現れたヒーローへ、もう一度盛大な拍手を!」

 

 モニターの録画音声と実況席のアリヤが一人連携でロウジの勝利を称える。

 席の大半を占める一般科の学生達がどっと湧き上がり、ロウジへと拍手を送る。

 集まる注目と拍手にチワワみたいにおどおどキョロキョロしている。

 

「ほらヒーロー、立ち上がって一礼」

「……ぁ、うん!」

 

 セセリアに促され、ロウジが勢いよく椅子を引いて立ち上がり、元気よく一礼して頭を下げてまた座る。

 初々しいロウジの反応に、部屋の拍手がさらに大きくなる。

 やれやれ、人気者になっちゃって。

 教室後ろに集まるジェターク寮の面々……選抜科の学生達が苦い顔で黙り込んでいた。

 

「ヒーローか、なるほど確かに見事なもんだ」

 

 野性味のある低い声が、その空気を一変させた。

 一般科の学生達が慌てて拍手をやめ、選抜科の学生達が湧き上がる。

 視聴覚教室の後ろのドアのところ、黒髪にピンクのメッシュを入れたガタイのいい男子学生がまっすぐ立っている。

 万雷の拍手が消えた教室でたった一人、男子学生が大きな手で拍手する。

 その名をロウジとセセリアはよく知っていた。

 

「グエル先輩!」

「選抜科のトップ!

 “ホルダー”のグエル・ジェターク……」

 

 学生達のざわめきの中でも、その名は良く聞こえた。

 ここの主役は自分だとばかりに落ち着き払った足取りで、グエルが教室を前へとゆっくり歩いてくる。

 その視線はセセリアと、そしてロウジをしっかり睨み据えていた。

 

「いらっしゃい、選抜科のグエルさん。

 いったいどうなさいました?」

「なに、オモシロイ編入生がいるそうじゃないか?」

 

 アリヤの言葉に涼しい顔で返しながら、グエルが実況席の前に立つ。

 ロックオンアラートの幻聴が聞こえた。

 

「セセリア・ドート。

 ロウジ・チャンテは“特別”なんだって?」

 

 グエルが穏やかに声をかけた瞬間、セセリアの全身を悪寒が突き抜ける。

 なんだコレ!?

 震えだしそうな身体で、セセリアは虚勢を張る。

 

「セセリア、そんなこと言ってたの……?」

「うん、言ったよ。

 ひょっとして盗み聞きっすか、グエル、パ、イ、セ、ン?」

 

 セセリアの言葉に、グエルがまるで牙を剥くように笑う。

 番長気取りの不良生徒に絡まれた時と数倍するヤな感覚だ。

 瞳の奥にはっきりと何か、セセリアへの黒い敵意が見てとれる。

 朝からずっとほわほわしたヨイショと歓迎の空気を浴び続けた中で、この敵意はあまりに強烈すぎた。

 

「どう思う、ロウジ・チャンテ。

 お前は“特別”なんだとさ。

 その言葉の意味をお前は理解しているか?」

 

 グエルが敵意をみなぎらせたまま、ロウジへ向き直る。

 ロウジがびくりと身を震わせ、机の下でセセリアの手を握る。

 セセリアは必死で思考を巡らせる。

 なんだコイツ。いったい何が言いたい?

 

「ちょっとグエル。うちの新人をいじめないでほしいんだけど」

「決闘だ、ロウジ・チャンテ。

 お前にガンプラバトルを申し込む」

 

 アリヤの抗議をとりあわず、グエルはロウジへ言葉を叩きつける。

 その言葉に、どっと教室中が湧き上がる。

 ああ、きっとコイツ、めちゃめちゃ強いんだろうな。

 

「お前が真に“特別”かどうか。

 選抜科のルール……ガンプラバトルで見定めてやろう」

「ロウジ、受けなくてもいいよ」

 

 上から目線で睨むグエルを前に、セセリアはしれっと言い放つ。

 教室が白け、抗議の視線が飛んでくるけど場の空気とか知ったことか。

 ロウジの手はまだ震えてる。

 剥き出しの敵意にさらされるとか、ロウジが一番苦手なことだ。

 

「逃げるのか?」

「アリヤ、決闘不受理によるペナルティとかあるの?」

「この場合、ランキング上位者から下位者へのご指名だ。

 両者の合意なしに決闘は成立しない」

 

 ロウジが震えながらこちらを見てくる。

 キミの好きにすればいいさ。

 セセリアは無言のまま、にっこり笑ってみせる。

 

「負けたらボクらどうなるの。

 退学?」

「まさか。

 ポイントが減ってランキングが降格するだけさ。

 グエル相手とかほぼノーリスクみたいなものさ」

 

 アリヤとのんびり言葉を交わすうち、ロウジの手の震えがようやく止まった。

 にっと白い歯を見せ、ロウジがセセリアへ軽くうなずいて見せる。

 

「こちらの条件は一つ。

 俺が勝ったら、貴様らに奪われたフェルシーの駐機スペースを返してもらう。

 負けたら俺の駐機スペースをやる」

「え、ボクら負けたらガンプラ通学禁止ー?

 ちょっとそれは物理的に通学無理っしょ」

「駐機スペースの申請なさい。

 書き方は教えてあげるから」

「あ、フェルシーさんの駐機スペースは返します。

 勝ち敗け関係なくね」

 

 グエルの敵意と裏腹に、あまりに軽い賭け内容だった。

 グエルとセセリア、アリヤのやりとりにロウジが割って入る。

 グエルが牙を剥くような笑みでロウジを威嚇した。

 

「それは決闘受諾ってことか」

「受けるよ。オールウェポンフリーでガンプラバトル」

 

 小さな背をまっすぐ伸ばし、ロウジが言う。

 キミはそれでいい。

 にやりと笑ってセセリアはその背を見守る。

 

「校内ランク1位のグエル・ジェターク。

 校内ランク17位のロウジ・チャンテ。

 両者の決闘成立をガンプラバトル実行委員の名において宣言する!」

「編入生の大物喰らいか!?

 ランキングが動くぞ……」

「グエル先輩!

 編入生なんてけちょんけちょんっすよ!」

 

 アリヤの宣言に。一般科と選抜科の学生達がどっと背後で湧き上がる。

 

「ごめんね、セセリア。

 君のガンプラ、壊しちゃうかも」

「どんまい!

 戦わなきゃわからないことだってあるよ」

 

 ロウジの言葉に、セセリアは笑顔で肩を乱暴にはたく。

 キミは思うがまま飛べばいい。

 無謀な挑戦で、たとえその翼をもがれたっていい。

 キミが望むなら、何度だって作り直してあげるから。

 

 

 

 

 一方そのころ、リアルワールドでは。

 

「“白鳥”……それが、この事件の黒幕……」

 

 シニカルに呟き、ハサウェイは机の一点を見つめる。

 たぶん今の自分は、とても友達には見せられない顔をしてるだろう。

 憎悪で人が殺せるなら、黒幕だってひとひねりだ。

 暗い思いが心の中で渦を巻き、今にも噴き出しそうだ。

 

「くれぐれも部外秘でお願いね」

「わかっています」

 

 トロンの言葉にうなずき、ハサウェイは紙コップのジュースを飲み干す。

 叫びすぎた喉に水分が優しく染み渡っていく。

 ここはロウジとセセリアが入院中の病院の休憩所だ。

 

「英語で“望みを聞き届ける”とささやく謎の声の主よ。

 望みを何者にささやき、手先として使う。

 そしてELダイバーを生み出す……」

「この不可思議な昏睡は、おそらく黒幕の暗躍の結果だ。

 ロウジは巻き込まれ、この状態にあるのだろう」

 

 トロン、そしてロウジのパパさんの言葉にハサウェイは静かにうなずく。

 病室から場所を変え、ハサウェイはトロン達三人と情報交換を行っていた。

 ハサウェイはロウジを見送った際の状況を話し、代わりに黒幕についての情報を教えてもらった。

 

「ロウジの見送りの際、何かジオン公用語……英語の声を聞かなかった?」

「……何か、聞いた気がします。

 アレ、システムメッセージじゃなかったのか」

 

 マリコの言葉に、ハサウェイは憎々しげに机の一点を睨む。

 【Your wish will be granted.】 

 ロウジといっしょにマリコさんのコロニーを参加中、不思議な英語の声を聞いた覚えがある。

 たぶん、そいつだ。ハサウェイは握りしめた紙コップをくしゃりと潰す。

 

「それにしても、本当にショッキングでしたよ……

 二人の見舞いがあんな思い症状だなんて」

 

 それはさておき、だ。

 ハサウェイは大げさな仕草で嘆き、二人へ向き直る。

 トロンが申し訳なさそうにうつむき、パパさんがぴくりと反応する。

 

「すまない、我々の配慮が足りなかった」

「わざと、ですよね?」

 

 笑顔を張り付け、ハサウェイは問い正す。

 いくら動転していても、トロンさんが未成年の配慮を忘れるとは思えない。

 ハサウェイが見送り、ロウジ達が昏睡した。

 “白鳥”の手先としてハサウェイを疑うのは自然な流れだろう。

 

「オレは第一容疑者だった。

 だからロウジを見たときの反応で確かめようとわざと情報を制限したんでしょう」

「あのね、ハサ……」

「その通りだ。私が提案した」

 

 トロンより早くマリコがとりなそうとする。

 それより早く割って入り、パパさんが冷厳に呟いた。

 

「だからって、こんなだまし討ちみたいな真似を!」

「二人を一刻も早く救い出すために可能性を一つずつ潰す。

 必要なことだと判断した」

 

 リアルで会うと、これほどまでに印象が違うのか。

 冷静に呟くロウジのパパさんの態度に、抑えようと思っていた苛立ちがくすぶるのを感じる。

 

「すべては、ロウジのためだ」

「大人は、勝手だ!」

 

 乾いた音が、休憩室に響いた。

 ハサウェイは呆然と、友人の父親の頬を平手打ちした自分の利き手を見つめる。

 “すべて、あなたのためよ”

 母の言葉が脳裏にフラッシュバックし、気付いた時には手を思い切り振り切っていた。

 

「そう、非常に身勝手な私の判断だ。

 君に憎まれることよりも、優先すべきことがあるとね」

 

 避けることも怒ることもせず、張られて赤くなった頬のままロウジのパパさんが言葉を続ける。

 会ったばかりの他人に手をあげるだなんて信じられない。

 自分への嫌悪感が、怒りと苛立ちを急速に冷やしていく。

 

「……っ、ごめんなさい」

「君の怒りは正当なものだ」

 

 反射的に頭を下げ、嫌悪感をなんとか飲み下していく。

 やっぱりオレはあの人の子供なんだろうか。

 母はいざという時、ハサウェイに手をあげることを躊躇しなかった。

 平手で頬を打たれた心の痛みは、どうしても忘れられない。

 

「君の気持ちをかき乱し、君達の友情を疑ってしまったこと、

 すまないと思っている」

 

 パパさんの冷静な謝罪を、ニュートラルな心で受け入れる事が出来た。

 手段は許しがたいことだ。けれど、その願いは理解出来る。

 

「君のご両親が君のことを大事なのと同じように、

 私達は娘……マリアのことが大事なのだ」

「今日のこと、たぶん一生許しません。

 けど、今は優先順位が違います」

 

 厳しい言葉を投げかけ、ハサウェイは無理に強気な笑みを浮かべてみせる。 

 トロンとマリコがほっと胸を撫でおろす気配を感じる。

 

「まずは二人をなんとかしましょう!

 黒幕をぶん殴れば治るんですか?」

「ありがとう。

 君は、強いな……」

 

 パパさんがすっと目を細める。

 その表情を眺め、ハサウェイは心の中で呟く。

 この人の言葉はきっと嘘じゃない。

 たとえ思いが身勝手で一方的だとしても、それは無意味じゃないはずだ。

  

「それについては私から説明するわ。

 いいわね、パパ?」

 

 トロンの言葉に、パパさんが頷く。

 この怒りと憤りは、全てロウジを救うために使う。

 黒い怒りを宿したまま、ハサウェイも頷いた。

 

 

 

 まったく、今日は部外秘の大盤振る舞いだ。

 

「さて、これを見てくれる?」

 

 トロンは手元のタブレットを操作し、皆に見えるように映像を再生する。

 顔を覆い隠す仮面に、黒い鎧。まるで暗黒騎士のような風貌のアバターが映る。

 仮面の騎士がオリジナルデザインの紫色のガンダムタイプを駆り、徒党を組んだガンプラと相対する。

 

「す、すごいファッションですね……」

「……ほう、これは凄いな。

 このガンプラ、プロ級のビルダーの作だな。

 腕前の方もチャンピオンクラスの高ランクダイバーか。

 相手もいい腕をしているが、連携がなっていないな……」

 

 ハサウェイがアバターにコメントし、パパがガンプラとバトルの腕前を評価する。

 トロンは頷き、タブレットに別の映像を映し出す。

 そこにはベッドで眠る一人の青年の、目元を加工で隠した姿が映っていた。

 商品照明の部外秘だ。プライバシー保護のために映像も加工する必要がある。

 

「これは……?」

「……二人と同じ症例が以前にあった、と?」

 

 さすがパパ、理解が速い。

 トロンはにっこり笑い、指先を唇に当てた”ないしょ”の仕草で言葉を続ける。

 

「数年前、”エルドラ事変”と呼ばれる事件があったそうよ。

 ダイバーがGBNを通じて遠く離れた惑星エルドラへ召喚されたの。

 この病室の彼は惑星エルドラで洗脳され、さっき見せた姿でボスエネミーをしていたらしいわ」

 

 カツラギから聞いたばかりの話を、トロンは冷静に説明する。

 トロンが本格的にサブマスター業務に従事する前のため、まさに寝耳に水の事例だった。

 

「ずっと植物のように病室で昏睡していた彼が目覚めたのは、

 別のダイバーによって愛機を撃破され、洗脳が解かれてGBNへと帰還していたからだったそうよ」

 

 三人とも、言葉がない。

 無理もない。トロンだって冗談としか思えなかった。

 

「お医者様の見立てで、マリア達二人の容態はどうなのだ。

 この時の事例と一致しているのか……?」

「生命活動は順調、脳波に大きな乱れもなし。

 その他データもほぼ一致。医学的情報からはほぼ一致しているみたい」

 

 戸惑いながらのパパの言葉に、トロンはうなずく。

 もちろんそれだけで断言出来る訳ではないが、意識を失ったタイミング、状況があまりに似すぎている。

 

「ごめんなさい、さすがに整理しきれないです。

 つまりロウジもどこかで悪趣味仮面をつけて、

 暗黒騎士ロウジとかやってるってことです?」

「半分はあっているわ。ロウジに考えられるパターンは二つ。

 一つ目、ロウジは洗脳をされており、帰還の意志を持てない。

 二つ目、洗脳をされていないが、物理的な封鎖などで帰還する方法が不明である」

 

 戸惑い顔のハサウェイに、トロンは穏やかに笑う。

 図で示しながら要素を分解して説明してみせる。

 

「つまりロウジは、黒幕の手によってどこか別の異世界におり、

 何らかの手段によって帰れなくなっている……?」

「なるほどつまり、子供の時の姿に戻った私と、

 “木星妖怪”のZバンチコロニーみたいな状況ね」

 

 瞳に理解の色を灯したのはまずパパだった。

 次いでまさに当事者だったマリコが苦笑した。

 そしてハサウェイがゆっくりとうなずき言葉を続ける。

 

「“白鳥”や手先の手によって作られた隔離された異空間にロウジが囚われてる。

 そう言うことなんですね……!」

「ええ、おそらくログアウトのタイミングでそこへ誘導されたのよ」

 

 理解が早くて助かるわ。

 心の中で皆に感謝しながら、トロンはうなずく。

 

「では、今後の方針は?」

「大まかにポイントは3つ。

 “ロウジを探せ”“異空間を探す”“黒幕を探す”よ」

 

 おそらく、相当大規模なミッションとなるだろう。

 運営やサブマスターだけでなく、多くの力が必要となる。

 今、そのための絵図をカツラギが描いているはずだ。

 

「ロウジの居場所を探し出し、黒幕の妨害を排除し、ロウジをリアルワールドへ帰還させます!」

「もちろん、オレも参加させてくれるんですよね?」

 

 意地悪く笑うハサウェイに、トロンは苦い顔でうなずく。

 

「ハサウェイくん。わかってるわね。

 前の妖怪コロニーと同じか、それ以上に危険よ」

「……判ってるつもりです。

 じゃあつまり、二人がそれ以上に危険なんでしょ?」

 

 鋭い目で真っ向から見返され、トロンは心の中でため息をつく。

 当初からハサウェイは事態に巻き込まれ、関係者としか言えない。

 全て忘れて待っていてくれなど、言えた義理ではない。

 

「危険なところには突っ込まない。

 危なくなったら運営の運営の指示を仰ぐ。

 君も守られるべき存在なのは忘れないように」

「……出来る範囲で協力します。

 それでいいですよね?」

 

 パパが話に割って入ってきた。

 案の定、ハサウェイにじろっと睨まれている。

 パパ、まったくもう。ややこしくなるから黙っててほしかった!

 

「……ありがとう、よろしく頼む」

「はい。こちらとしても正直助かるわ。

 ご家庭の事情が許す範囲でね」

 

 パパが正面から頭を下げる。

 トロンも素直に礼を述べた。

 ハサウェイがパパを軽く睨みながらも、言葉を受け入れてくれたようだ。

 トロンは胸を撫で下ろし、静かに宣言する。

 

「マリコちゃん、”ハサウェイ”くんとコンビを組んでGBN内の捜索をお願い。

 パパは”エセリア”と”エニル”への伝令後、”木星妖怪”と協調を。

 上の許可が出次第、一般ダイバーへも事情を隠して協力を要請します。

 申し訳ないですが、私はカツラギといっしょに”セセリア”くんのご両親への事情説明へ向かいます」

 

 さぁここからが本当の正念場だ。トロンは静かに気を引き締める。

 親交のあるセセリアのご両親へ事情を説明し、落ち着いてもらわねばならない。

 

「これより、臨時ミッション。

 【家出娘を捜索せよ】を発令します!

 各員、自身の持ち場で奮闘願います!」

「ママ、病院」

 

 いつもの癖で、つい声が大きくなってしまっていた。

 しーっと仕草で制され、トロンははっと顔を赤らめる。

 

「……了解です、隊長」

「ご武運を、隊長」

 

 マリコがにやり笑って小声で敬礼を返す。

 ハサウェイが声を潜めて微笑み、啓礼する。

 はからずも場の空気がほぐれた。ならばよし。

 パパと顔を見合わせ笑いあい、トロンは心で誓う。

 待ってなさい、マリア。必ずあなた達を助けに向かうから。

 

 

●読み飛ばしても構わない巻末プチ解説

 

・惑星エルドラ事変とシークレットミッションの噂

 

 惑星エルドラ事変とは、ガンダムビルドダイバーズRe:RISEで起きた一連の事件のことである。

 主役の面々が謎の突発ミッションという形で惑星エルドラに召喚され、

 同じように召喚され、洗脳されたシドー・マサキと激戦を繰り広げた。

 惑星エルドラと、そこからやってきた住人達については、

 当事者以外にはカツラギを含めた運営のごく一部しか把握していない。

 ただ、断片的な噂としてシークレットミッションの情報は流布してしまっていたようだ。

 

 

 

 

 

 

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