“ えーっとまずは…”
“野球部だね”
“ルネってスポーツ得意なの?”
「得意ではないんですが、苦手って訳でもない感じですかね」
「それに野球は初めてで…」
「でも流石に私でもわかるんですけど…」
ルネはそう言いながら指を指す。
その先には大量のレンズの付いた大きな機械があった。
「野球って普通あんな機械使いませんよね!?」
“私もあの機械は初めて見るなぁ”
そんな風に話し合っていると奥から1人の部員が走ってやって来た。
「君が体験入部に来た子だね?」
「野球部へようこそ!」
「おや?どうやらあの機械は何なんだって顔をしているね?」
「結論から言うと、あの機械は打った球の軌道を正確に読み取るということをしてもらっている」
「普通、野球とは得点で競うスポーツだ」
「だが我々の野球はそれに加え打った球の軌道の美しさで競いもする」
「そんな時にあの機械を使うんだ」
そんな説明の後、続けてこう言う。
「…っと話はこれくらいにして、早速どの程度我々の部活に適しているかを試させて貰う」
「大丈夫、打つだけだから」
「あの、私野球初めてなんですけど…」
「大丈夫大丈夫、ちゃんと手加減して投げるから」
「そういう問題じゃ…」
“頑張ってルネ”
“ルネならきっとうまくいくよ”
「先生も…はぁ、どうなっても知らないですからね」
ルネがそう言いバットを構え、目付きが変わる。
辺りの空気が少し重く感じる中、球が投げられる。
その球は見事にルネのフルスイングしたバットに当たり、そして響く打音と共に球が空へ高々と舞翔ぶ。
“すごい…”
“本当に野球初めてなの?”
「…あっ、はい!」
「初めてでも何とかなるんですね…」
そんな風に余韻に浸っていると先程の野球部員が全速力で向かってくる。
「君!凄いじゃないか!!」
「初めてなのにあれ程の腕前!これが試合だったらホームランだ!」
「それに加え球が実に綺麗な放物線を描いていた!」
「未だかつて無いレベルの美しさだよ!!」
「是非とも我々の部活に入って貰いたいのだが…」
「候補に入れておきますね…」
そう言ってその場を後にする。
そして次に向かったのは…。
「おや?」
「あぁ、ようこそ先生」
「それと隣に居るのは体験入部に来た子だね?ようこそエンジニア部へ」
「すまないが少し待っていてくれるかな、今トラブルが起きていてね」
“何があったの?”
「大元となる金属加工の機械が不調でね原因が分からないんだ」
「今ヒビキとコトリが対処にあたっているところだ」
ウタハと話していると奥から2人が歩いてきた。
「ウタハ先輩、やっぱり異常は見当たらないよ」
「ギアも噛み合ってるし、パーツも揃ってる」
「更に部品の劣化や疲労も見当たりませんでした」
「何も異常は見た当たらないのにどうしてなんでしょう?」
「うーむ」
「見当たら無いなら対処のしようがないな…」
すると奥の方からガチャガチャと機械を触る音が聞こえた。
皆がその音の先を見ると、そこには機械を修理するルネの姿があった。
「君、その機械は我々では手の施しようが無いんだ」
「だからあまり弄らない方が…」
ウタハがそう言いかけるとルネが「ヨシっ」と言いながら出てくる。
「恐らく直ったと思います」
「ちょっと試してみてください」
言われるがままに加工物をセットして加工してみる。
「…本当だ」
「さっきまでの不調が嘘の様に正確に加工できる…」
「いったい何をしたんですか?」
そう言われるとルネは皆を集めて説明をする。
「この程度の問題でこれまでの異常が起きるものなのか…」
「このままじゃマイスターとして失格だ」
「それにしてもよく直せたね」
「機械も使わない上に基本的な工具しか使ってなかった」
「ウタハ先輩、この子凄いポテンシャルを秘めてるよ」
「不定期でも構わないから是非来て欲しいものだ」
すると先生が「あっ!」と声をあげる。
“ごめんルネ”
“もうそろそろ用事の時間だから最後の部活は1人で行ってきて貰える?”
“部室はメモしてあるから”
そう言ってメモを渡すと急ぎ足で去って行った。
エンジニア部を後にし、最後の部活動体験の場所に着いた。
その部屋の扉にはメイドを模したエンブレムと共にこう書いてあった。
「Cleaning&Clearing?」
また会いましたね。どうもバナナです。いやぁ……時間が欲しいです。
この小説を書く時間もそうですが他の製作活動すらする時間が無いのは如何なものかと。まぁそれもこれも全て自業自得なんですが…。
立体作品製作に、この小説用の立ち絵等のお絵描き時間、それと自由にできる時間。夏休みだって言うのに休む時間がございません。
このままだと1年かけてやっと1章が終わる程度かも知れません。ですので更新はのんびり待ってください。
以上、S3バナナでした!