嘘吐きは勇者の始まり   作:柴猫侍

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第百三十九話:分解は構築の始まり

 

 

 

 『悲嘆の贖罪者(スケープゴート)』の物語は、前半と後半の二つに分けられる。

 

 

 

 前半は、主人公が大陸を巡って仲間を増やしつつ、各地の問題を解決するパート。

 後半は、地上の大部分を征服してみせた魔王軍と激突し、世界を取り戻すパート。

 

 史実で魔王軍幹部だったセパルは、その内の前半パートボスであったわけだ。

 

 目の前に佇む相手は、まさにそのボスの一人。

 だが、ゲームで言えば精々中盤のボスと言って差し支えない存在でしかない──そう思ったら大間違いだ。

 

「〈強欲(ごうよく)〉……っ!?」

 

 誰かが上げる驚愕の声は、紛れもなく全員の代弁でもあった。

 

 〈嫉妬(アイベル)〉や〈色欲(ヴァザリア)〉の例からも察せる通り、〈悲嘆(エル)〉の仲間は全員が大罪を冠する〈罪〉の持ち主だ。

 裏を返そう。彼らと対峙するボスは全員、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なのだ。主人公と仲間が成長途中である点を加味しても、その脅威は据え置きハードだ。

 

 ましてや〈大罪〉ならば尚の事。

 

「来るぞっ!」

 

 とうに警告は必要でなかったかもしれない。

 それでも俺は叫んだ。

 

 直後、視界を縦に切り裂く閃光が瞬いた。

 

「上かっ!」

 

 

 

「──迷宮(ここ)はボクの(ハラ)の中」

 

 

 

 見下ろす四対の双眸。

 不気味に輝く黄金の八つ目は、遙か頭上より俺達を見下ろし──否、見下していた。

 

「そして、オマエ達の墓です」

 

 一言で言えば黄金の絡新婦(ジョロウグモ)

 鈍い黄金の外殻を身に纏った多脚の半人半魔。おどろおどろしい妖気を漂わせる魔の者は、淡々とした声色で宣告を下した。

 

「墓標は──()()()()()()()()()()()

 

 次の瞬間、俄に壁が蠢き始めた。

 まるで内臓の蠕動の如くうねうねと波打つ金壁からは、ズルリと何かがこぼれ落ちてくる。

 

「あれは……人間!?」

「いや、ゴーレムか!?」

「にしたって、なんて数……!」

 

 アータン達が三者三様の反応を見せる間にも、生まれ落ちる黄金の人形はみるみるうちに増えていく。ざっと数えるだけでも優に百は超えそうな数だ。

 

「これが〈錬金魔法(アルケミア)〉。元素を操り、万物を生み出す造物主が如き力」

 

 無機質な声が、不意に感情が乗った気がした。

 

「過去のニンゲンが恐れ、慄き、排斥した──禁忌の力です」

 

 滲んでいたのは、傲りと怒り。

 しかし、真意を問いただす暇などなかった。

 金属が歪むような音色。それは、今まで微動だにしていなかった黄金の人形が動き始める合図であった。

 

 立ち上がる人形は、その無機質な双眸の全てを侵入者に注ぐ。

 

「やれ」

 

 端的な命令。

 すかさず、人形はそれを実行せんと手を刃や穂先に変え、攻撃を開始する。

 

「今日に至るまで、迷宮(ここ)に潜り込んだ者は数知れず」

 

 金属の軍靴の音とは別に、頭上より声が降ってくる。

 

「ですが、誰一人として二度と地上を望むことは叶いませんでした」

 

 まるで、天からのお告げのように。

 

「全員──人形(それ)になりましたから」

 

 黄金を追い求めた末路を、俺達に突きつけてきた。

 

 

 

(ダウト)

 

 

 

 壊れた音が鳴り響く。

 あるいは崩れた音とでも言おうか。

 しかし、それは生身の肌を裂いたような生々しさや瑞々しさは帯びていない。無機質で乾いた、実に空虚な木霊でしかなかった。

 

「なっちゃいねえな、〈強欲〉さんよォ」

 

 斃れた“人の形”をしたものは、全てが“人形”だった。

 ある者は魔法で。

 ある者は聖霊で。

 ある者は罪器で。

 

 そして、俺の前には正中線をぶった切られて左右に分かたれた人形が転がっていた。フッ、とヴァニタスの刀身に付いた金粉を、血を払うように振り落とす。それから俺は物見遊山を決め込む迷宮主さんに目を遣った。

 

「ビビらせようとして吐いた嘘ほど、バレた時にダサいもんはないぜ」

「……オマエ」

「居るだろうが。〈強欲(おまえ)〉を下し、この迷宮を踏破した冒険者が」

 

 少なくとも五人な。

 

「〈悲嘆(エル)〉、〈傲慢(ルキ)〉、〈嫉妬(アイベル)〉、〈色欲(ヴァザリア)〉、〈強欲(モア)〉──忘れたとは言わせねえぜ?」

「……」

「苦い顔してんな。苦い汁でも飲まされたか? それとも辛~い酸でも舐めさせられたか?」

 

 どちらにしろいい気分ではないだろう。

 証拠に、表面上は無表情を装う顔が音を立ててひび割れている。

 

「……よくも」

「思い出の味だったカナ? それが上達に繋がるんだぜ。失敗は成功の母ってな」

「……〈悲嘆〉と同じ戯れ言を」

 

 震えた声だった。余程不快だったのだろう。

 まあ、寛容で有名なライアー様だって、格ゲーで負けた直後に屈伸煽りからの正論指摘を喰らおうものなら、聖女のような微笑みを湛えて拳を握るだろう。

 

 その後? もちろんリアルファイトだよ。

 勝者は仲裁に入ってきたお袋だがな。母は強し(マザー・イズ・ストロング)。絶対王者である。

 

「同じこと言われてるようじゃあ進歩がないな。ま、進歩があったとしても俺様の勝ちは揺るがないがな。なんたってこのライアー様こそ、期間限定全知全能最強無敵の勇者様だからな。ギャーハッハッ!」

 

 いかにも三下みたいな下品な笑い声を響かせる。

 だが、俺がこの世界(ギルシン)に限って全知全能に等しいことはおおむね間違いないだろう。なんたって公式が発売している攻略本をすり切れるくらい読み込んだんだ。

 

 ストーリーにステータスは勿論、どのページに何が記載されているかくらいまるっと暗記している。女性キャラのスリーサイズだってお手の物よ。

 

──当然、〈強欲のアイ(こいつ)〉の弱点もな。

 

「掛かってきな。()()()()()()

 

 告げる。

 かつて、画面の向こう側で戦った相手へ。

 

「こちとらお前の能力も弱点も全部頭に詰め込み済さ」

「成程。ではこうしましょう。──〈黄金の愛(アウロ・コンキリアトゥル・アモル)〉」

「すみませんそれは存じ上げませんでした」

 

『ライアー!?』

 

 切れ味のいいブーメランが返ってきちゃった。

 敵が何かをした途端、複数の自動人形が集合して一体の巨人へと変貌を遂げたのだ。

 

 誰だ、頭が空っぽの方が夢を詰め込めるって言った奴は。

 転生前知識の通じない夢も希望もない展開じゃねえか。

 

「あんな技、僕のデータにはないぞぅ!?」

「さっきまであんな余裕こいてたくせに! ライアーのおバカ!」

「パオ~ン……」

 

 複数体の巨兵が、一斉に俺をじろりと睨んだ。

 直後だ。その内の一体が変貌──いや、変身を始めた。

 

 仄かに全体が青み掛かり、体の輪郭は丸みを帯びていく。

 一言で言えば女性の銅像だった。頭の天辺から爪先に至るまで美しい曲線を描いている。極め付きには肩に大きな水瓶を抱えていた。

 

 ジッと見ていると、なんだかロケランに見えてきたな。

 

 

 

「──〈水の女(ニンフ)〉」

 

 

 

 予感が的中した。

 女体の巨兵が水瓶を傾ける。中の構造はどうなっているのだろう。明らかに外見よりも膨大な量の水が吐き出され始めたではないか。

 

 水は水流に、水流は激流に、そして激流は濁流と化して周囲を飲み込んでいく。

 

「おわっとっと!? 〈水魔法(オーラ)〉か!? いや……!」

「まずは足場から奪いましょう──〈泥の子(ノーム)〉」

「ッ、足元が!?」

 

 また人形が変身を遂げる。

 あれよあれよと複数体の人形は、とんがり帽子を被った小人と化す。呼び名(ノーム)の通り、真っ先にノームと聞いて頭に浮かぶようなシルエットであった。

 

 ただし、よくよく見ると随所におかしな点が見られる。

 

「ノームのとんがり帽子はドリルじゃねェからな!?」

 

 ペコリ、と小人が一斉にお辞儀をする。

 あらカワイイ♡ とか言っている場合ではない。奴らの頭部が地面に触れた瞬間、けたたましい駆動音と共にとんがり帽子が回転し、地面をゴリゴリと削り始める。

 

 すると、なんということでしょう。

 ただでさえ危険な濁流に破砕した黄金片やら何やらが混じり、もっと危険な土石流と化すではありませんが。

 

 とんだ悲劇的ビフォーアフターだ。手掛けた匠を呼んでこい。

 いや、目の前に居るわ。居るけど凶器を持ってて手を出せねえ!

 

「アス! 足場!」

「もうやってます!」

 

 土石流はシャレにならんと、すでにアスが罪器で足場を作っていた。

 地面に突き立てたラーディクスから根が上にも下にも広がっていく。即座に上に伸びる根に掴まった俺達は、間一髪黄金の土石流から逃げ果せた。

 

「フゥー、危ねえ危ねえ。安定感と安心感のある根っこだな」

「誰の太ももみたいに太いですって!?」

「言ってない言ってない!? 俺言ってないよアスくん!?」

 

 

 

「──『飛んで火に入る夏の虫』、でしたか」

 

 

 

 うちのシスターに冤罪吹っ掛けられている間にも、敵さんは更なる刺客を作り上げていた。

 

「ッ……熱ぅい!?」

「〈火の男(サラマンドラ)〉」

 

 異変を感じるも束の間、視界が紅蓮に染まる。

 直後、俺達を襲い掛かったのは花吹雪──みたいに降り掛かる真っ赤な火花だった。見上げれば、俺達の命綱である根の天辺が青白い炎に焼かれている真っ最中である。

 

「ざっけんな、この火蜥蜴! いやマグマ山椒魚! 顔だけ人の面しやがって!」

 

 思わず口をついて出た罵倒が、まさにその通りの見た目の怪物が鎮座していた。

 薄暗い地下を煌々と照らす光源であり熱源。体中から噴き上がる青白い炎とは別に、内包する熱量が凄まじいのだろう。足元どころか自身を構成する黄金すら溶かしている人面山椒魚が、その円らな瞳でこちらを見据えていた。

 

「〈風の子(シルフ)〉」

 

 しかも、追い風を受けて火勢は加速度的に強まる。

 居たのは、体のあちこちにプロペラを埋め込んだ人形。全身扇風機とでも言わんばかりの人形は、与えられた役割(ロール)を果たさんと言わんばかりに炎へ風を送っている。

 

「にしたって燃えすぎじゃねえか!?」

「はぁ……はぁ……っ」

「アータン!?」

 

 突然、根に掴まっていたアータンが崩れ落ちた。

 咄嗟にベルゴが抱き留めたから大事には至らなかったものの、どうにも様子がおかしい。

 

「どうしたのだ、アータン!?」

「な、なんだか……頭がボーっとして……」

「朦朧と? 何かの魔法か……!」

 

 いや、そんな兆候は見られなかった。

 

「……()()

 

 ポツリ、と。

 その言葉を漏らしたのはマインだった。

 

「あれは魔法の火ではありません! 退避を!」

「なんだと!? っ……いや、そうか!」

「えっ? どういう意味で──きゃ!?」

 

 マインの勧告に、ベルゴは即座に理解してアータンごと退避を開始する。

 一方、クエスチョンマークを頭上に浮かべていたアスは俺が回収した。可愛らしい悲鳴を上げたが、こいつは男である。紛うことなきおちんちんシスターである。

 

「ちんたらすんな! 窒息するぞ!」

「だからどういうことなんです!?」

「魔法の火じゃねェから、実際空気が消費されてんだよ!」

「……ああっ!?」

 

 ようやく理解してくれた。

 

 この世界には二種類の火がある。

 一つは普通の火。

 一つは魔法の火。前者は語るに及ばないが、後者はあくまで魔素と魔力の魔法反応によって引き起こされる現象であり熱エネルギーだ。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そして、〈錬金魔法(アルケミア)〉とは元素を操る魔法だ。

 よって、この魔法で生成される火は魔法のものとは違い、普通の火のように酸素を取り込んで燃焼する代物である。

 ここは地下。地上のように火をガンガン燃やしてしまえば、いつかは酸素が枯渇して窒息する。いや、その前に一酸化炭素中毒になるのが先か?

 

「でも、足元は……!」

 

 アスの焦燥した声が耳朶を打つ。

 そう、足元は今も土石流が轟々と流れている最中。刺激的な流れるプールだ。二度と陸地には上がってこられなくなるだろう。

 

「仕方ねえ、飛ぶぞ! アス、しっかり掴まれ!」

「! はいっ!」

「ちょい待てちょい待て力強すぎぐぇえええ!?」

「ライアーさん!?」

 

 翼を生やして飛ぼうとしたところ、抱き着くアスの力が余りにも強すぎて地面に墜落しそうになった。危ねぇ!?

 

「加減しろ!? 強すぎる愛に俺が殺される!」

「そ、それはそれで乙かと……」

「否定はしないけど今じゃない!」

 

 こんなところで入水心中なんてお断りだわ。

 しかも野郎二人でなんて。せめて豪華客船の上がいい。

 

「陸の上で窒息する気分はどうですか?」

 

 無機質な声が届く。どこか嘲るような感情が乗っているのは、きっと自分のペースに持っていけたからだろう。まったく調子に乗りやがって。有利な時だけ口数が増えるだなんて腹立たしいことこの上ないわ!

 

「時間との勝負とか、焦るから苦手系なんだけどな!」

「錬金術とは万物を創造する全能の力。そして、人造人間(ホムンクルス)とは全知の存在。即ち、錬金術を扱えるホムンクルス(ワタシ)こそが全知全能に等しい」

「とんだ大言壮語(ビッグマウス)だぜ! 神様気取りか?」

「ええ。ボクこそが造物主です」

 

 言の葉をくべると同時に、頭上の火勢も足元の水勢も、大きな唸り声を上げ始める。

 いよいよ逃げ場がなくなってきた。

 早々にあの四体を処理しなければ、巻物を開いて撤退を図らなければならくなる。

 

 だが、迷宮主(こいつ)を倒さなければ大侵攻(スタンピード)を止めることができない。

 

 

 

 被害は最小限で済ませたい。

 その為には、今ここで奴を倒さなくては!

 

 

 

「──逆説的に」

 

 次の瞬間だった。

 あれだけ盛んだった火の勢いが途端に衰えていく。さらには足元の土石流も地面に吸い込まれるようにして消えていった。

 

「息が……?」

 

 しかも心なしか刻一刻と増していた息苦しさもなくなる。

 まるで空間そのものが作り変えられたかのような感覚を覚える中、不思議な魔力の胎動の中央に()()は立っていた。

 

──不遜な神気取りを地上より見上げながら。

 

「ワタシもまた全知全能たり得る、ということになりますね」

「マイン!」

「少しばかり元素を弄らせて頂きました」

 

 金色の衣を翻す人造人間が告げる。

 

 火を消し、水を下し。

 風を止め、土をも溶かす。

 

 それら全てが可能な魔法など、この世に唯一つしか存在しない。

 

「……〈錬金魔法〉、ですか」

「アナタの正体が何なのか、未だに全容を把握しきれてはいません……ですが、一つだけハッキリとしていることがあります」

「なに?」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、ということです」

 

 断言するマインが駆け出す。

 重厚な金属の足音に一体が駆け出す。大人よりも長く、そして重い鉄拳を易々と振り回し、鉄槌さながらマインへと振り下ろしたのだ。

 食らおうものならば、肉なら潰れ、骨なら砕け、鉄なら平らに均される。そんな重い一撃が、黄金の地面に激震を走らせた。

 

「マイン!」

「問題ありません」

 

 耳が痛くなる反響音の中、マインは健在だった。

 舞い上がる金粉の中、踊るようにステップを踏む金衣の鉄人。振るわれた鉄槌を紙一重で躱してみせた彼女は、淡く輝くその手のひらを、迷いなく眼前の巨兵へと押しつける。

 

「──〈錬金魔法(アルケミア)〉」

 

 決着は一瞬。

 光が瞬き、巨兵の全身に魔力紋が走った。すると次の瞬間、鉄壁の巨体はバラバラと轟音を立てて崩れ落ちていった。

 

「構築が可能なら」

 

 再生する兆しも、修復される兆しもない。完全に解体されていたのだ。

 

分解(ぎゃく)もまた可能」

 

 淡々と結果を述べられる。

 

 

 

「どうやらアナタの天敵は、ワタシだったですね」

「……不良品(ミスフィッツ)が」

「『肯定』と。そう受け取らせて頂きます」

 

 

 

 今世紀二度目の戦いが始まる。

 

 錬金術を扱う者同士。

 そして人造人間同士。

 

 

 

 “破壊”と“創造”が──始まろうとしていた。

 




Tips:黄金の愛(アウロ・コンキリアトゥル・アモル)
 〈錬金魔法(アルケミア)〉により、四元素のいずれかに特化した人形を造り出す技。人形は火に特化した〈火の男(サラマンドラ)〉、水に特化した〈水の女(ニンフ)〉、風に特化した〈風の子(シルフ)〉、地に特化した〈泥の子(ノーム)〉が存在する。各自が四元素に対応した攻撃を〈錬金魔法〉によって繰り出す他、連携を取らせることにより強力な攻撃へと昇華する。

 以下、各機のスペックを記す。

火の男(サラマンドラ)
 トカゲ、あるいはサンショウウオのような肉体に男の顔を持つ個体。一見すると『ひょっとこ』のような間抜け面を持っているものの、自身が熔解するほどの熱量を有する火は〈極大火魔法〉に勝るとも劣らない火力を誇る。魔法ではなく化学的な炎である為、燃焼の為に酸素を消費する。その為、空気の限られた閉所で繰り出された場合、敵は炎に焼かれるか空気が尽きて窒息するか、いずれかの死を選ぶ運命になる。

水の女(ニンフ)
 妖艶な女を模った個体。手にした水瓶から大量の水を生成、放出することで敵を押し流す。単体での攻撃力は他の個体より劣るが、〈泥の子(ノーム)〉が削り出した岩や土を巻き込んで土石流を繰り出す。大気中に存在する水分を凝結させて生み出した水は実体を持つ為、〈水魔法〉とは違い消えることはない。

風の子(シルフ)
 体のあちこちに風車のようなパーツを組み込んだ子供サイズの個体。やや攻撃力は頼りないが、〈火の男(サラマンドラ)〉が吐き出す炎に風を送ることで火力を増幅させる。また、接近戦では回転させた風車で相手を斬り付けることも可能。一方で、極端に濃度が高い酸素や二酸化炭素を生成することで敵を無力化することも可能。

泥の子(ノーム)
 とんがり帽子を被った小人のような個体。頭部の螺旋状に溝が入ったとんがり帽子を高速回転させることで、地面や岩を掘削する。これらを石礫として射出して敵を妨害する他、〈水の女(ニンフ)〉の水流に混ぜて土石流にしたり、〈風の子(シルフ)〉の風と併せて砂煙として敵の視界を塞ぐ。一応、接近戦も頭部のドリルで対応可能。

 ライアーがゲーム本編で見たことのないと喚いた技であり、恐らく“史実(げんさく)”から乖離した世界戦を辿ったが故、誕生した技だと推察できる。



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