嘘吐きは勇者の始まり   作:柴猫侍

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第百五十三話:身代わりは魔王の始まり

 

 

 

 核心に触れた。

 家族を掴んだ。

 

 

 

『……っ!?』

「マイン!!」

 

──筈だった。

 

『これは……!?』

 

 目を剥くマインは、ヘカトンケイルの胸部に突き立てられる己の左腕を見遣る。

 回転を止めたつもりはない。にも拘わらず、突如として速度を落とした回転部は、次の瞬間に金属が歪み、拉げる大合唱を謳い始めた。

 

「退け、〈強欲〉!!」

『……離れられません!!』

「何? ……ええい!!」

 

 左腕を引き抜こうとするも、うんともすんとも言わない。

 その様子を空から眺めていたレイムは即座に飛び出し、巨人の腕を斬り落とす。斯くして、左腕の喪失という代償を払って救出対象より距離を置いた。

 

 作戦失敗だ。

 

 認め難い結果である。

 千載一遇のチャンスを水泡に帰してしまった。肉体を喪失した物理的なダメージよりも、今はその精神的なダメージの方がはるかに大きい。心があるというのも考え物だ。

 

『ッ……ありがとうございます』

「無用。それより」

『はい……』

 

 だが、仮に離れなかった場合。

 

『ワタシの腕が……()()()()()()()()()!』

 

──ああなっていた。

 

 悍ましい光景だった。

 命を取り出す為の武器が、逆に命に取り込まれている。

 

 それは異変であり、異様であり、異常であった。

 

 マインも無警戒だった訳ではない。無警戒であるはずもない。

 だからこそ、高速回転という〈錬金魔法(アルケミア)〉による分解の侵食を極力抑えられる計算だった。

 

『一体どうして……?』

『オ──』

 

 刳り貫かれた胸が黄金の腕と金属で埋められる。

 僅かに垣間見えていた“核”も完全に隠れてしまった。

 

 しかし、次の瞬間だった。

 

『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッッッッッ!!!!!』

『!? 魔力が……急速に膨れ上がって……!?』

『──』

 

 破壊神(ヘカトンケイル)の胸部より青白い光が迸る。

 恐らく血管を駆け巡ったのだろう。一瞬の内に青白い紋様が広がったかと思えば、血走った単眼がかっ開かれた。

 

──要した時間は一秒にも満たなかったろう。

 

「〈強欲〉!!」

『避け──』

 

 単眼の前に現われし“光球”。

 淡く幻想的な、あるいは不気味に見える青白い光は、一条の線と化してマインに襲い掛かる。

 

 避ける間も無く浴びせられる光線、いや、熱線だろうか。

 莫大な熱量を浴びせられる金色の巨体は、みるみるうちに赤熱と化す。盾として吐き出した右手が溶融し始めるのも程なくしてだ。

 

『くぅっ!?』

 

 熱線に上半身を貫かれるより前に巨人が身を捩る。

 当然、逸れた熱線は彼女の後方に向かっていった。

 

 未だ戦闘の余波が届かなかった青葉の山。そこに熱線がちょいと突き刺さった瞬間、風景は一変した。

 

『ッ……!!』

 

 終末の日、世界を焼き尽くすとされる劫火とはあれを言うのだろう。

 天まで焼き焦がさんときのこ形の爆炎が立ち昇っていく。爆心地はすでに焦土だ。衝撃で山肌も崩れ落ちている。少し離れた場所に生い茂っていた木々も、爆風にひと撫でされて薙ぎ倒れていた。

 

 表皮は炭化していた。

 生木であれだ。まだ周辺に居た生物の末路は想像に難くない。

 

「何と……」

 

 むしろ、想像したくもなかった。

 あそこには今や、地上に引きずり出された深海魚のような屍が無数に転がっているはずだ。

 

 レイムは刀を握る手に震わせていた。血管が浮かび上がるほど力強く握りしめられ、柄からは軋んだ音が吐き出される。まるで、たった今奪われた者達の悲鳴のようだった。

 

「最早……!!」

 

──あれが聖都に放たれれば。

 

 焼け野原と化した聖都。

 炭化した死体と、影だけを残して消えた住民。

 そして熱波に焼かれた住民は、焼け爛れた苦痛より逃れるべく、煮え湯の川に身を投げる羽目になるだろう。

 

「看過……出来ぬ!!」

 

 空を蹴り、レイムは翔ぶ。

 一刻も早くあの巨神をどうにかせねば、百や千ではきかない人命が奪われてしまう。それだけは何があっても避けなくてはならない。

 

「〈岩切(イワキリ)……」

『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!!』

()……!?」

 

 肉迫し、斬撃を浴びせようとするレイム。傍目からすれば彼の姿がはたと消えたように見えただろう。

 しかし、ヘカトンケイルは見逃さなかった。正確には攻撃の兆候を、だ。

 斬り落とされ、断面を晒していた巨腕が円を描くように振り回し始める。

 

(吸い寄せられる!? 不味い!!)

 

 百本とまではいかないものの、数十本の巨腕が円を描けば、それ相応の気流が──竜巻が生まれる。暴風が生み出す吸引力は、空を主戦場とする者にとって脅威以外の何ものでもない。

 

 飛天で空を駆け抜けんとしていたレイムも、気流に飲まれるうちに竜巻の中心部に吸い寄せられていった。

 

「!?」

 

 そして、渦の深部まで飲み込まれたレイムは瞠目した。

 自分を睨めつける無数の視線。彼の周囲を取り囲んでいたのは“蛇”だった。それも神話の英雄譚にでも登場するような大きさの蛇が()()()()

 

(腕の再生が!!)

 

 否──“蛇”というのもあくまで比喩的な表現だ。

 巨腕を蛇の胴体に例えているだけで、頭部に当たる部分は蛇とは似ても似つかない。二本の角を生やし、頬まで裂けた口からは鋭い牙が無数に生え揃っている。まるで嫉妬や憤怒に狂った最も罪業深き女──真蛇(しんじゃ)と呼ばれる妖怪の如き悍ましい形相だ。

 

「!!」

 

 次の瞬間、真蛇の口より火が噴かれる。体の芯まで凍て刺すような、冷たく青白い炎だ。

 

 炎は燃え続けた。

 自らを焼いても尚、燃え盛り続けた。

 

 そうすること数分。

 

「──」

 

 熱で歪んだ空より、黒い人型が墜ちていく。

 翼はなく、炭化した表面より剥がれる黒い塵は、毟られた羽根のように宙に散っていった。

 

『オ゛オ゛オ゛──』

 

 啼く巨神。

 空を震わせる声は雄叫びか泣き声か。

 

 

 

 蒼炎を身に纏う破壊神の体表もまた、崩れ始めていたのだった。

 

 

 

 ***

 

 

 

 時は、少し遡る。

 

 

 

「──何故魔王軍(おれたち)巨神兵(ネフィリム)を作ったと思う?」

 

 

 

 大地の裂け目より聲が聞こえる。

 それは聖剣が刻んだ(きず)。流星の如き刃が墜ちてきた跡であった。

 

「強いからだ。()()()()()

 

 もしも、この刃を喰らった人間が居ると仮定しよう。

 須らく、その命は絶たれているはずだ。

 

「山の巨躯に鋼鉄の躰。ただ歩くだけでも破壊を振り撒くその様は、災害そのものだ」

 

 否──()()()()()()()()()()()()()

 それ故に、生きている者は人ではない。

 

「塵共が犇めく地上を踏み均すには、ちょうど良いとは思わないか?」

 

 神か、あるいは魔の者か。

 奴の場合──後者であった。

 

「……生きていやがったか」

「どうして死ぬと思った?」

 

 切り裂かれた大地より手が伸びてくる。

 〈聖域〉は先の一撃で駄目になってしまった。明星の聖剣が、地面に刻んだ魔法陣ごと断ってしまったからである。

 

「ライアー殿!!」

「頼む!!」

「かしこまり!!」

 

 しかし、既に第二陣の用意は済んでいた。

 

「〈不知火(シラヌイ)日馬富士(ハルマフジ)〉!!」

 

 再びタマモ達が〈聖域〉を張る。

 副団長が取る音頭の下、迅速に張り直された〈聖域〉は一発目と遜色ない輝きを放っていた。

 

 影を消し飛ばす光の柱が、再び天に向かって伸びていく。

 

 が、しかし。

 

「無駄だ。

 

 

 

 

 

──〈(ラテルクルス)〉」

 

 

 

 

 

「ッ!? 地面が……削り取られて!?」

 

 裂け目より伸びた手が一振り。

 次の瞬間、地面に描かれた魔法陣諸共地面が抉られる。そのまま吹き荒れる猛烈な気流に攫われ、〈聖域〉は完全に無力化されてしまった。

 

 驚愕するタマモ達。

 

「この技は……!?」

 

 当然俺達も驚くが、その理由は別にあった。

 これは風を吹かせる〈風魔法(ベント)〉でも、大地を操る〈土魔法(テッラ)〉でもない。

 

 一度、俺達は見たことがある。

 俺の場合は嫌というほどに見た技だ。

 

「空間を引き裂かれたような……」

「まさか、これって──!?」

 

 

 

光あれ(フィアト・ルクス)──〈身代わりの王(ウィカリウス)〉」

 

 

 

 大地の裂け目が()()()

 異様に風景が捩れているように見える。すると、風景自身が捻れに耐えきれなくなったのか、地面が悲鳴を上げて砕けていった。

 

 これは……ちと不味いな。

 

「タマモ、退がれ!!」

「ッ……御意!!」

 

 ただならぬ空気はタマモ達も感じ取っていたようだ。

 素直に彼女達が飛び退いた瞬間、とうとう空間の捩じれが限界に達する。

 

 捻じ曲がった裂け目が、完全に崩壊した。

 原型を保てなくなった岩と土は塵と化し、捩じれが生み出す気流に巻かれて球状に渦巻いている。

 

 魔物は、その中に潜んでいた。

 

 

 

「──〈愚癡(サルガタナス)〉」

 

 

 

 人狼の風貌──をした影。

 輪郭だけは完全に模倣し、細かい色や造形は二の次だった。

 

 だが、完全に()そのものだった。

 

 サルガタナス──〈六魔柱(シックス)〉の一柱であり、俺がスーリア教国聖都チャスティで死闘を繰り広げた強敵。

 空間を捻じ曲げる攻防一体、チート級の〈(シン)〉を持った奴に、あろうことかルキフグスは変身していたのだ。

 

 それが何を意味するか──。

 

「この姿を見て、意味を理解できん愚図は居るか?」

 

 まるでこちらの心を読んでいたかのように、影の人狼が声を発する。

 神経を逆撫でする、余裕ぶった声色だった。

 

「つまりはこういう意味だ。

 

 

 

──〈我慢(サタナキア)〉」

 

 

 

「!? イケないッ!!」

 

 再び変身を開始するルキフグスを見て、アスが飛び出した。

 人影には妖しい双眸が浮かんでいた。それが瞬くより前に、罪器を地面に突き刺したアスが根を張り巡らせる。

 

 刹那、美丈夫の人影より妖艶な光が迸った。

 周囲の人間はそれを目の当たりにするや、トロンと、恍惚とした表情へと変貌してしまう──が、寸前に展開が完了した根に魔力が巡った瞬間、清廉な光が辺りを包み込む。

 

「ハッ!? 今、一瞬意識が……!?」

「はぁ、はぁ……なんとか間に合った……!!」

「不覚……かたじけない!!」

 

 副団長でさえ抗い切れぬ魔性の光。

 確信を得るには十分過ぎる材料だった。

 

「間違いありません!! 奴は他の〈六魔柱(シックス)〉の能力を完全に模倣しています!! 注意を」

 

 

 

「したところで無駄だと言っている。──〈大疑(ネビロス)〉」

 

 

 

「ッ!? 体が……勝手に!?」

「アス!! いかん……!!」

 

 肉体の主導権を奪われるアス。

 一方、すでにルキフグスは見覚えのある死霊術師に変貌済であった。

 

 それを見て真っ先に動き出したのがベルゴだ。

 罪器コナトゥスを身に纏った重騎士が、仇敵の姿をした悪魔に斬りかかる。聖霊の鮮烈な斬撃を見て拙いとでも思ったのか、死霊術師はすぐさま人狼に戻り、斬撃を捻じ曲げた。

 

「ええい!! 厄介な……!!」

「がら空きだぞ?」

「!!」

 

 加えて相手も無手ではない。

 選び取る剣は金時と断罪の聖剣。斬れぬものの存在しない業物と、罪使いに痛打を与える聖剣。

 

「まずは貴様だ、〈怠惰〉」

 

 どちらも喰らえば致命傷は免れない。

 

「ベルゴ、伏せろ!!」

 

 しかし、それを分かっているからこそこちらの対応も早い。

 密かにルキフグスに肉迫していた俺が、負けじとヴァニタスを振るう。

 

 当然、ただの罪器はおろか、事実上ありとあらゆる攻撃を受け流すことができる〈愚癡(サルガタナス)〉相手に斬撃は効かない。

 

 

 

 例外を除いては。

 

 

 

「……ッ!!」

 

 刃が振り抜かれる、まさにその寸前だった。

 嫌な予感でも覚えたんだろうな。()()()()()()()という絶対防御の盾に慢心していたであろうルキフグスが、その場からはたと消え失せた。

 

(ヒク・サルタ)〉だったっけか? サルガタナスの瞬間移動の名前って。

 

「センスねーなぁ。……あ、今のディスは違うぜ。サルガタナスの方じゃねーよ」

 

 少し離れた位置に影の人狼が現れる。

 その輪郭をしばし凝視すると、見えてきた。

 

 頬が少し裂けている。

 今まで如何なる斬撃も殴打も受け付けなかったルキフグスが。

 

 まるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「お前だよ、お・ま・え。こ~の迷惑コスプレドッペルゲンガー」

「……サルガタナスの罪器か」

「そのと~り☆」

 

 ヴァニタスは、とある罪器に変貌を遂げていた。

 名を、罪器サロモン。〈愚癡〉の〈罪〉を賜り、空間を切り裂くという、金時とはまた別ベクトルで何でも切り裂く剣だ。

 

 その力が〈愚癡(サルガタナス)〉に及ぶことは検証済みである。

 

「お前がぶっ壊してくれた戦利品だよ、こんにゃろめ」

「成程な。確かにそれなら〈愚癡(サルガタナス)〉と化した俺にも刃は届く、か……」

「奇しくも敵討ちの形になったな。聞こえるぜ、サロモンの声が……『俺様の代わりに、あの腐れ影野郎をぶっ倒してー』だってさ? ウン、ワカッター」

「戯言を。道具に言葉は要らない」

「うわっ、水差し影差し陰キャ野郎」

 

 こいつ、絶対武器に意思ある系の世界じゃやってけないぞ。中盤で武器に反逆されて痛い目見るタイプだ。裏切られてざまーみやがれってんでい。

 

「浪漫のねーやつ」

「浪漫なんてもの、道具の価値に銅貨一枚分も寄与しない。道具の価値は使えるかどうか。武器の場合……どれほど敵を殺せるか。それに尽きる」

 

環境保護団体の方がまだ価値を見出してくれるレベルだな。今、こいつが俺の『絶対一緒に美術館に行きたくないランキング』1位に急上昇である。

 

「はっ! 要はお前が価値を見つけられないだけじゃねえか」

「そうだ。そして、それが全てだ」

「ヤダヤダ……こんな奴に化けられるご本人達の気持ちを思うと不憫になるわぁ」

 

 偽物になって評判下げるなんてイマドキじゃないぜ。

 

「真似るんだったらご本人の評判を下げないようにって習わなかったか?」

「俺が生きている限り、死して尚自身の力を誇示できる。これ以上の名誉、悪魔にはない」

「価値観の相違だな。分かり合えそーもねぇ」

「する必要もない。未来永劫」

 

 どうやっても平行線な価値観を再確認したところで、互いに武器を構える。

 

「……どうやら向こうの決着がつきそうだ」

「あん?」

「この国は、直滅びる」

 

 直後、爆音。

 

「伏せろッッッ!!」

 

 咄嗟に叫んだ俺に、全員がその場に伏せる。

 一拍遅れて襲い掛かる猛烈な爆風。全身の肉と骨が軋み、悲鳴を上げるほどの衝撃波は、そのまま聖都の外周に位置していた建物を薙ぎ倒していく。

 

「ッ……なんだァ!?」

「安全装置が作動したようだな」

「安全装置……!?」

 

 爆風の中、空間を捻じ曲げて身を守るルキフグスが続ける。

 

「あの巨神兵(ネフィリム)──ヘカトンケイルに仕込んだ術式だ。万が一、肉体の大部分や核を欠損するような状態に追いやられても、周囲を道連れにする為にな」

「道連れだと……!?」

 

 穏やかじゃない言葉の響きだ。

 現に後ろに目をやれば、白黒映像でしか見たことのないキノコ雲が出来上がっていた。しかも、ヘカトンケイルと呼ばれたネフィリムも全身から蒼炎を噴き上げる状態と変貌を遂げている。

 

「アータン……マイン……!!」

「素晴らしいだろう? あれが巨神兵(ネフィリム)……延いては〈強欲〉の力だ」

 

 爆風もやみ、いつの間にかルキフグスもまた変貌を遂げていた。

 

「いずれは他の〈大罪〉も手中に収める。その時が最後だ。貴様らは審判の日を迎えるより前に、肉体も魂も粉々に踏み潰される」

 

 〈愚癡(サルガタナス)〉でも、〈我慢(サタナキア)〉でも。

 ましてや、〈大疑(ネビロス)〉でもない姿だった。

 

「だが……貴様はここで殺す。今殺す」

 

 全身を覆うのは漆黒の鎧。

 顔から爪先に至るまで堅牢な、それでいて触れる者を皆傷つけるように鋭利な形状だった。それでいて背中からは四枚二対の黒翼が生える。心なしか頭部の兜も猛禽を彷彿とさせる嘴状へと変形する。

 

「……え?」

 

 それは誰の声だったか。

 だが次の瞬間、俺の下に集まる視線をひしひしと感じ取った。

 

 続けよう。

 下半身は恐らく獅子。獰猛な肉食獣の如く鋭い爪を生やした後ろ足が、大地を強く蹴った。

 

「〈身代わりの王(ウィカリウス)〉」

 

 聖剣が生み出した千尋の谷より現れ出でしは、漆黒の鷲獅子(グリフォン)

 

 

 

「──〈■■(ベリアル)〉」

 

 

 

 あれだけ晴れていた空に暗雲が立ち込める。

 

「照覧しろ」

 

 時を同じくして、黒い風が吹き始める。

 

「これが魔を継ぐ者の原点であり、頂点に座す御方」

 

 暗雲の先には血の空が広がっていた。

 

 

 

 

 

「──()()の御尊容にあらせられるぞ」

 

 

 

 

 

 地獄のような様相の下、魔王は君臨する。

 

 

 

 

 

「…………………………あ?」

 

 

 

 

 

──俺にも予想外という形で。

 

 




Tips:もしかして……

Q.ネフィリムってヤバい?

A.ヤバい。

Q.ネフィリムを一人で倒す直前まで追い詰めてたヴィネってヤバい?

A.ヤバい。

Q.ネフィリムにトドメを刺した謎の人物ってヤバい?

A.ヤバい。
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