ようこそ現役ホストのいる教室へ   作:カスのホスト

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追記:試験のルールを勘違いしてたので結果が変わります!

 最下位:Aクラス(50ポイント)
 第3位:Dクラス(105ポイント)
 第2位:Cクラス(120ポイント)
 第1位:Bクラス(250ポイント)


第25話 嘘と道具

 

 

 

 試験結果の発表が終わり、長かった無人島でのサバイバルを終えた生徒たちは、それぞれ様々な感情を抱えながら船内に戻って行った。

 皆疲れを癒すために食事なりスパなり、様々なサービスを利用しているところだろう。しかしそんな悠長なことをしている暇は無いようで、オレは堀北に呼び出され、用意された病室へと足を運んでいた。

 

「……それで、一体何があったらこんなおかしな試験結果になるのかしら?」

 

 清潔感のある白いベッドの上で、壁に背を預けて体を起こす堀北が質問をしてくる。怒り心頭と言った様子で、嘘や誤魔化しは一切許さないという雰囲気を放っている。

 労いの言葉の一つや二つくれると完璧なんだが、それを今の堀北に求めるのは酷だろう。

 

「皆目見当も付かないって顔だな」

 

「ええありえないわ。何もかもがありえない。聞かなきゃならないことが山ほどある」

 

「まあまずはこれでも飲んで落ち着け。昨日の今日で大変だっただろうからな」

 

 船内の自販機で購入したペットボトルのスポーツドリンクをサイドテーブルに置く。

 堀北はそれを一口飲んだ後、ため息を吐いてこちらを見つめてきた。どうやら作戦は成功したようで、その眼光も先ほどと比べて幾分か穏やかなものとなっている。

 

「無料の飲み物を持ってきたくらいでいい気にならないで頂戴。全て聞かせてもらうわ。それが今回のことを黙っておく最低条件。譲歩はなし」

 

「分かった。何から聞きたいんだ」

 

 相変わらず余計な一言を放つ堀北に、オレは丸椅子に腰かけて答える。

 

「あなたがこの試験で何をしていたか。それを教えて」

 

 オレが素直に話す態度を取ったことでひとまず落ち着いたのか、堀北はそんな質問を投げかけてきた。

 思っていたよりも中々良い質問だった。全てを聞きだせる一言だ。

 

「この特別試験が発表された段階でオレは追加ルール以外は眼中になかった。300ポイントをどうやりくりしていくかなんて、大体どれも似たり寄ったりなものだし、個人で操作できるものでもないからな」

 

「けれど、追加ルールは非常に困難な内容だったわ。普通にやってもリーダーの特定なんて出来ないはずよ」

 

「だからまずオレはベースキャンプを決めるための探索に打って出た。スポットの位置は粗方予想が付いていたからな」

 

 学校側が島の周りを船で旋回させたことによりヒントを与えてたことや、探索に出ていた際に偶然Aクラスの生徒が洞窟のスポットを占領する所を見たことも同時に伝える。

 

「この時点でオレは、Aクラスは大した脅威じゃないとして除外した。葛城は保守的な立ち回りを好むタイプだと聞いていたし、洞窟のスポットを占領していたくらいだからな」

 

「だからあのときAクラスのスポットをわざわざ見に行ったのね?」

 

「ああ。そして次にCクラスの動きに警戒を向けた。初日に金田と伊吹が保護された段階で、オレは彼らがCクラスのスパイであると想定して動くことにした。Bクラスに同盟を持ち掛けようと提案したのも、2クラスを同時に相手取るのは不可能だと判断したからだ」

 

 この試験は個人の実力だけでなく、クラス全体の団結力や統率力が求められるものだ。

 その点で他クラスに劣っているDクラスでは戦うことは厳しいだろう。

 

「高辻君に関してはどう見ているのかしら。その理論で行くと彼もBクラスに送られたスパイということになるけれど」

 

「さあな。少なくとも現時点では分からない」

 

「分からないって、どうして?」

 

 両手を上げて首を振るオレに堀北は理解できないと言った様子だ。だがこれに関しては余りに不確定な情報が多すぎる。

 

「今回のDクラスの結果の内訳は、300ポイントからお前と高円寺のリタイア、使用した物資代、6日目のオレの点呼遅れで残った105ポイントに、リーダー当での結果を足し引きしたものとなる」

 

「そうね。残りのポイント数は私も把握しているわ」

 

「オレはAクラスのリーダーに弥彦を指名した。Aクラスの結果を考慮するに正解と考えていいだろう。これで50ポイントだ」

 

「それでもCクラスにリーダーを指名されたことによって差し引かれるはずよ。その説明はどうするつもり?」

 

「この話は少し説明が難しいが、オレがおまえをリタイアさせた理由が答えだ」

 

「リタイアが答え? 一体何をしたの?」

 

 疑問符を浮かべる堀北に、オレはポケットから一枚のカードを取り出し手渡した。

 

「どうして、こんな……」 

 

 カードに刻まれた文字、それは『アヤノコウジキヨタカ』と書かれてある。

 

「試験は公平でなければならない。だから、ルールは基本的に公平に作られている」

 

 それは至極当然のことだ。だから追加ルールのことをしっかりと確認すれば見えてくる。

 リーダーは一人しか選べない。変えられない。つまりそのリーダーにのみ占有権がある。

 

「リーダーが体調不良なんかでリタイアした場合、どうなると思う」

 

「それは……リーダーが不在になるわ。だから占有権も消える……」

 

「違う。マニュアルにはこう書かれてあった。『正当な理由無くリーダーを変更することは出来ない』と。リタイアは正当な理由に当たると思わないか?」

 

 体調不良、怪我で居なくなった時点で追加ルールが崩壊してしまうような作りのはずがない。新たなリーダーを立てるであろうことは予測できた。

 

「だからあなたは私をリタイアさせた……キーカードをわざと落としたり、山内君を使って私に泥を被せたり、キャンプ地で小火を起こして伊吹さんが盗みやすくしたのも……全部あなたが仕組んだことなのね?」

 

 高辻とのポーカー対決の時にオレの実力の一端を知ったのだろう。堀北がその結論にたどり着くまでに時間はかからなかった。

 

「理解が早くて何よりだ。結果としてCクラスに罠を貼ることに成功した……()()()()んだがな」

 

「……ちょっと待って。だとすると結果に矛盾が生じるわ」

 

 何処からともなく取り出したメモ帳に点数の計算を印していく堀北。

 そう。現時点でDクラスのポイントの内訳は以下の通りとなるはずだ。

 

 基本ポイント:+300

 堀北、高円寺リタイア:-60

 点呼遅れ1人:-5

 物資購入費:-130

 スポット占領:+15

 合計:+120

 

「Dクラスの結果105ポイントにはスポットボーナスが含まれてない。つまり、私たちは何処かのクラスにリーダーを当てられたことになる」

 

「だから()()()()と言っただろう。結果としてオレの作戦は失敗に終わった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「リーダーを入れ替えることが可能だと気付いたということね……だとしても、入れ替えた後のリーダーが誰になるかは分からないはず……あなただと断定するのは不可能よ」

 

「いや、かなり条件が限られてくるが不可能じゃない」

 

 オレは頭の中でとある人物を想像しながら、堀北に説明を続ける。

 

「最初からリーダーを入れ替えることが可能だと気が付いていたわけじゃ無いはずだ。そんな発想があるなら他クラスからキーカードを盗むリスクを取らないで、他クラスからのリーダー当てを外させる方が効率がいいからな」

 

 1人で占領する姿をわざと見せてもいいし、道端にキーカードを落としたりとやり方は無限大だ。

 

「つまり、相手は堀北……あるいはその後ろにいるオレが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を考えられるということになる」

 

「……あり得ない発想ね。少なくとも伊吹さんが気づけるとは到底思えない」

 

「そうだな。オレが敢えてこの話をお前に伝えなかったのも、お前が下手にお膳立てして怪しまれるのを防ぐためだからな」

 

 裏で操られていた事実を思い出したのか、堀北はこちらを睨みつけてきた。

 

「そして、リーダーである俺を指名したということは、その裏側にオレがいるということを確信していて、なおかつオレが他の生徒にリーダーを頼まないことを確信している生徒ということになる。そんな奴1人しかいないだろ?」

 

「……高辻君ね」

 

 そう。オレの実力の一端を知っていて、その上でそれを隠したがっていることも知っている生徒となれば高辻しか存在しない。

 あいつの頭の良さなら、伊吹の話を聞いて状況の不自然さに気が付いていてもおかしくはないだろう。

 

「そういうことだ。キーカードという目に見える証拠をわざわざ持ち出したのは、それを使って別のクラスと取引を行うためと考えると自然だ」

 

「リーダー替えに気が付いていたのにそれを教えなかったのは悪辣ね。Aクラスのリーダーを当てて+50、Cクラスにリーダーを当てられて-50、最後に当てられたことによる占領ボーナス取り消しが-15。合計105ポイントになる」

 

 オレと同じ予想を立てる堀北。すると、他クラスの結果もある程度見えてくる。

 

「となると、Cクラスは2つのクラスのリーダーを当てたということ?」

 

「恐らくな。可能性として考えられるパターンが多いから、ここからは何も証拠はない。試験の結果から導き出されるオレの予想だと思って聞いてくれ。この試験、Bクラスは終了時点で300ポイントを所持していた」

 

 それはつまり、試験中1ポイントも使わなかったということ。

 

「BとCが裏で繋がっていた。Cクラスは自らのポイントを犠牲にし、Bクラスに必要なものを買い揃える。カジノなんて面倒なことをやってまで金をかき集めている龍園のことだ。プライベートポイントと引き換えに、なんて契約を結んでいてもおかしくはない」

 

「彼らのスポットボーナスが取り消しになっていることを考えると、AかCにリーダーを当てられたことになるわね」

 

「順当に行けばCクラスに当てられた……つまり高辻がスパイだった方で考えるのが自然だが、高辻がBクラスとの関係性を捨ててまで50ポイントを取りに行くとは個人的には思えない」

 

「ならAクラス? 綾小路君みたいに偶然占領していたところを見たということかしら」

 

「その可能性もあるが、高辻はBクラスのリーダーが誰か知っていて、あえて当てなかったというのも考えられる。Aクラスとの取引にのみ使ったということだな」

 

 オレの考えに難解な表情を見せる堀北。1ポイントでもクラスポイントが欲しい堀北からすると理解できない考え方だろう。

 

「お前からすれば何の利点もない選択に思えるだろうが、Bクラス視点で見たらこの結果はどう映ると思う?」

 

「Bクラス視点……どこか1クラスからリーダーを当てられた、ということかしら?」

 

「ああ。もちろん高辻を疑う声も出てくるだろうが、そこは龍園がポイントの内訳を公開すればいい話だ。そうすれば俺たちも()()()()()()()()()()()()()()。そうしないとBクラスとの同盟を破った疑いが掛けられるからな」

 

「……面倒ね。でも、AクラスにBクラスのリーダー情報を売ったことを言われたらどうするの?」

 

「葛城は情報を公開しないだろうな。龍園との迂闊な取引によってクラスに大損害をもたらした事実を声高々に言うことになる。仮に公開されたとしても証拠はどこにもない。Aクラスとの同盟なんて知らないと言い張ればいい。もし本当に情報を横流ししたのなら、CがBのリーダーを当てない理由が無いからな」

 

 その上Cクラスと組んでDクラスにスパイを送り込んでいたAクラスと、龍園のやり方に反抗し、他クラスながらも試験に積極的に取り組んでいた高辻のどっちの言葉の信ぴょう性が高いかなんて須藤だって分かる。

 

「今回の試験、結果だけ見ればBクラスの圧勝だが、その実圧倒的な利益を得たのはCクラスだ。Bクラスからは物資の対価、AクラスからはBクラスとDクラスのリーダー情報の対価を得た上、クラスポイントだけ見ても上々。正直言って完敗だ」

 

「そう……ね。完全にしてやられたわ」

 

「今回の敗因は交代後のリーダーをオレ自身にしたことだ。池や山内、須藤辺りに協力を持ち掛けていたらこうはならなかったからな。……お前に散々他人を頼れと言っておいて結局このざまだ。済まなかった」

 

「らしくない態度ね。……仕方ないわ。リーダー替えまで読まれることを想定して動けなんて酷な話だし、想定しているより多くポイントを貰えたわ」

 

 メモ帳を机の上に置きそう語る堀北。……まさか慰めの言葉を貰えるとは思っていなかったが、これは試験が終わったことによるご褒美と捉えていいのだろうか。

 

「……何?」

 

 オレの生暖かい視線に気が付いたのだろう、堀北はジロリとこちらを睨みつける。

 

「何でもない。お互い信頼を置ける生徒を他に探すべきだと思ってな。案外似た者同士なのかもな、オレたち」

 

「その言い方だと、私がさもあなたに信頼を置いているみたいで不愉快よ。似た者同士という発言も撤回しなさい」

 

「おいおい、昨日は仲間って言ってくれたのに散々な言い草だな。こっちは割と信頼してるのに」

 

 体調不良と土砂降りの中という極限状態での発言だったが、そうポロっと漏らしていたことは事実だ。

 

「この試験を通してあなたが私にした仕打ちを知ってて、よくそんな見え透いた嘘が言えるわね」

 

「だから最終的に全部ネタ晴らししたんだろ。お前だってそれが最善の行動だったことは分かっているはずだ」

 

「……」

 

 堀北自身自覚はあるのだろう。そこで言い返してこない辺りこいつも成長しているということになる。

 

「オレが1人で抱えなくても良いように次からは頼むぞ。それが多分健全な仲間の形だろうからな」

 

 そんな言葉と共に右手を差し出すと、右手ではなく手に持ったボールペンをオレの手の甲に突き刺した。

 

「痛っ!? お前試験の功労者にそれは無いんじゃないか!?」

 

「気持ちの悪いセリフを吐くからよ。自覚がないのだろうけど、あなた高辻君に似てきているわよ。もちろん悪い意味でね」

 

 しゃがみこんでヒリヒリと痛む手の甲をさするオレに対し、堀北は蔑むように見下ろしてくる。

 

「……私の実力が不足していたのは事実。それは認めるわ。でもあなたを仲間と認めるのはまだ早いわね」

 

 調子に乗ると痛い目を見るということを物理的に自覚させられた。

 まだ高辻みたいになるには経験が足りていなかったようだ。

 

「1つ質問に答えて頂戴。それ次第で考えてあげなくもないわ。まだ話すことがあるでしょう?」

 

「さて、何かあったか?」

 

「あなたが、この特別試験に挑んだ理由よ。一人で戦ったこととか、私を利用したことはこの際もうどうでもいいわ。事なかれ主義のあなたが参加した理由が知りたい」

 

「……なるほど」

 

 もしかしたら、今までの説明は堀北にとって然程重要ではなかったのかもしれない。

 

「今回の件であなたが凄いことは、もう疑う余地も無く理解させられた。あなたが手を貸してくれるのなら、Aクラスを目指すことも十分現実的なものになる。でも、行動理念はなに? どうしてこんなことをしたの? カジノの一件だってそう。あなたが言い出さなかったら、私はあなたを愚鈍な生徒と認識したままだった」

 

「愚鈍……」

 

 確かにそうかもしれないが、いい方ってもんがあるだろうが! 

 

「何よ。5月までのあなたは実力を隠して、極力面倒事を避けようとしていたのは事実じゃない」

 

「いや、そう言うことじゃなくてだな。まあ今更か」

 

 流石にオレ個人の問題を、堀北に話す気にはなれない。 

 今回は茶柱先生から言質を引き出すためにやっただけに過ぎないからだ。

 

「笑うなよ?」

 

「?」

 

 言葉の意味を理解できなかったのか、不思議そうに首を傾げる堀北に、オレは頬をポリポリと掻きながら気まずそうに言った。

 

「……金が欲しかったんだよ。高辻と遊ぶ金がな」

 

「えっ?」

 

 気まずい沈黙が辺りに流れる。

 堀北もそんな言葉が飛んでくるとは思わなかったのか、珍しく呆けた表情をしてフリーズしていた。

 

「そんな理由で、私をこき使ったってこと?」

 

「……ごめんなさい」

 

 まずい。確かにそういう捉え方もできるよな。この答えは悪手だったか……? 

 

「……呆れた。あなた相当馬鹿なこと言っている自覚はあるのかしら? 頭が悪すぎて怒る気にもなれないわよ」

 

 お叱りの言葉を想定していたが、こちらの予想に外れて堀北は額に手を当てて首を横に振った。

 

「仕方ないだろう。遊ぶたびに高辻に色々奢ってもらっているオレの気持ちを考えてくれよ」

 

「毎月1、2万ポイント程度の収入が入ってきた所で変わらないんじゃないかしら。結局は当人の甲斐性次第よ」

 

 まるでオレに甲斐性が無いような言い回しだな。

 

「だが、今後もこのスタンスを変えることはないつもりだ。オレの実力の一端を知られれば知られるほど、今回みたいに不利になるのは確実だからな」

 

「だから私を隠れ蓑にし続けるということね」

 

「言い方は悪いがそう言うことだ。仲間という表現が嫌なら、お互いが利益を得られるように利用し合う関係だと思ってくれればいい」

 

 オレも流石に疲れたから部屋でゆっくりしたいんだが、色々と話が長引いてしまった。

 

「そうね。今後ともビジネスパートナーとしてよろしく頼むわ」

 

 淡白な言い方だったが、そう語る堀北は少しだけ機嫌が良さそうだった。

 いつもは下がり切っている口角も、心なしか上がっているように見える。

 

「そこは思ってなくても仲間って言った方が良いと思うぞ。高辻ならそうしてる」

 

「不快だから彼の名前を出さないでくれないかしら」

 

 ボコボコにされたからって酷すぎる発言だった。きっとしばらく高辻は堀北からの冷たい視線に悩まされることになるだろう。

 

「じゃあ、オレは行くぞ。流石に疲れが溜まってる」

 

 そう締めくくって椅子から立ち上がる。

 

「……また助けられたわね。感謝するわ綾小路君」

 

「えっ」

 

 扉を開けて部屋を出て行こうというタイミングでそんな幻聴が聞こえてきた。

 まさかとは思いつつ後ろを振り返ると、そこには気まずそうに視線を落とす堀北の姿があった。

 

「すまん、聞こえなかったからもう一度言ってくれないか」

 

 本当はバッチリ聞こえていたが、その発言が余りにも意外すぎたためウキウキで詰め寄ってみる。

 

「……何でもないっ。さっさと行きなさい。不愉快よ」

 

 こちらとのコミュニケーションをシャットアウトするように、寝返りをして反対方向を向く堀北。

 

「ああ。……そっちもお疲れ様、堀北」

 

 そんなねぎらいの言葉を掛け、怒られる前に部屋を退出する。

 そのまま少し船内を歩き、甲板を一望できるデッキにたどり着いた。

 

 

 

 試験終了直後とあって皆景色を楽しむ余裕などないのか、開けたデッキにはオレ1人しかいなかった。

 

 

 

「……はっ」

 

 

 

 そのせいか、堀北の前で抑えていた感情が少しだけ漏れ出てしまう。

 

 

 

 

 

 

「────嘘というのはやっぱり便利だな

 

 

 

 

 

 

 きっと高辻がオレの立場なら同じような事をするだろう。今までのオレだったら絶対にやらないであろう方法でアプローチしたが、思っている以上に効果的だった。

 少しは親友からコミュニケーションを学ぶことが出来ているのだろうか。

 

 橙色に染まる水平線を見ながら、そんなことを思うのだった。

 

 

 





 長くなったのでいったん切ります。あくまで綾小路の予想なので当たっているとは限りません。
 次で優待者試験+高辻視点での答え合わせかな

原作との変更点

・綾小路の誕生日が半年ほど早くなっており、それによって身体能力、知能が大幅に強化されている
・綾小路が櫛田の裏の顔を知らない
・須藤の暴力事件が発生していない
・Cクラスによる他クラスへの妨害行為が発生していない
・堀北の綾小路に対する不信感が少なくなっている
・佐倉のストーカー事件が解決していない
・綾小路父が学内に接触する方法を知っている
・DクラスとBクラスとの同盟関係が結ばれていない
・龍園が綾小路の実力の一端を知っている
・綾小路が茶柱の要求に応えていない
・綾小路に???

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どこを重点的に見たいですか?(ヒロインは1章ごとに1,2人増やす予定です)

  • 主人公とヒロインの絡み
  • 主人公と龍園、綾小路等との絡み
  • バチバチのクラス間闘争
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