メカゴジラ機龍VSガイガン=レクス ~魔女と呼ばれた女~ 作:よよよーよ・だーだだ
「このまま逃げられるなんて思わないでよ、イリーナ=マミーロヴァ博士」
ガイガンとの死闘を終えて。
OKB-1972にひとり戻ってきたヤシロ=ハルカは、不敵に口元を歪めながら私に告げた。
「あんたには戦争犯罪の証人として、洗いざらい白状してもらうわ。ボローディン殺しの真相からモスクワ派を乗っ取ったあと各地でやってたテロ活動、何から何まで何もかも全部ね。あんたのことはサイボーグ怪獣でもなければ魔女でもない、
……人として、か。
そう語るヤシロ=ハルカの言葉に、私は救われたような気がした。ヤシロ=ハルカの言ったことはつまり、こういうことだ。
「この期に及んで貴様は、私を人間扱いしてくれるのだな。こんな怪物に成り果てた、この私を」
「何言ってんの。当たり前でしょ」
私の返答に、ヤシロ=ハルカは不可解そうに眉をしかめながら言ってのけた。
「あんたなんて特別な存在でも何でもない。どうしようもないほど愚かかもしれないし、ろくでもないことだって山ほどやったかもしれない。けど、それでもただの人間よ」
……きっと微塵もわかっていないのだろう、この底抜け単純直情バカは。
『人として』。
その単純ながらも真摯な言葉が、モスクワ派やシューニャから散々都合のよい“道具”として利用され、搾取され、弄ばれ続けてきたこの私をどれほど救ってくれたか。
その率直さが好ましい反面、こうも思った。
「……だが、私が人として裁かれることはないだろうな」
「なんですって?」
警戒気味に聞き返すヤシロ=ハルカに、私は自嘲を込めながら説明してやった。
「私は人としては既に死んだ存在だ。ここにあるのはただの狂った電子頭脳にすぎない。貴様らGフォースやモナークも、私のことはもはやただの戦争犯罪人としては扱うまい」
「そんなことは……」
「ないとでも? 私が開発したゲマトリア演算ネットワークの技術とその存在は、モスクワ派のダークウェブを通じて全世界に拡散した。怪獣至上主義カルト、過激派のテロリスト、反政府主義者……もはや後戻りは出来ない。いまさらモスクワの連中が滅んだところで同じこと。アメリカも、あるいは貴様の祖国である日本でさえ、私たちが創り出したズメイとゲマトリア演算ネットワークの技術を欲しがるはずだ」
……そして、なにより。
「
「…………!」
咄嗟に表情をひきつらせたヤシロ=ハルカの反応で、私は確証を得た。
……ヤシロ=ハルカ自身も、きっと思い当たることがあったのだろう。おおかた地球連合政府の上層部からはこんな風に厳命でもされていたに違いない……『ゲマトリア演算ネットワークを開発した魔女:イリーナ=マミーロヴァ博士を生け捕りにするか、でなければせめて電子頭脳ズメイのゲマトロン演算結晶体だけでもなんとしてでも持ち帰れ』と。
そして今、その命令に込められた裏の意図――ガイガンたちを造り出した、ゲマトロン演算技術の入手と転用――を読み取れないほどヤシロ=ハルカという女は愚鈍ではないはずだ。
私の論理的思考に対し、ヤシロ=ハルカはすぐに気を取り直して反論しようとしていた。
「そうは、させない。だから……」
「うぬぼれるな。これは高度な政治的問題だ。貴様のような前線の指揮官ごときに何が出来る」
「…………っ」
私の言葉に、ヤシロ=ハルカは押し黙った。
いくら戦場では英雄でも、この世界全体においてはただの駒でしかない。それくらいのことは、ヤシロ=ハルカも理解しているのだろう。
無力感に苛まれるその姿を前にして、私は思い出す。高次元怪獣が放逐される刹那、その意思であるシューニャが言っていたことを。
「……そうとも」
電子頭脳ズメイ上に構築された私には、“奴”の姿が見えていた。ゲマトリア演算ネットワークのその深奥、高次元世界の虚空で蠢く黄金の巨体。
彼岸へと引き上げてゆく最中、あのバケモノはこちらをじっと見つめながら私にこう嘯いていた。
「人間は欲深で、浅はかで、そして底無しに愚かだ」
「たとえ今回を逃したとしても、次の機会はいずれまた巡り来る」
「我々は焦らず、ただ待つだけでいい」
“黄金の終焉”、高次元怪獣ギドラ。まるで勝ち誇るかのように、闇の深淵で奴は嗤っていた。
「時は、我らの味方だ」
……そうは、させない。
私は、望みをはっきり言葉にした。
「この電子頭脳ズメイに、自らを終わらせられる都合の良い機能は無い。だからヤシロ=ハルカ、貴様が終わらせてくれ。私がまだヒトでいられるうちに」
場を沈黙が支配する。やがてヤシロが口を開く。
「……それは、殺してくれ、って頼んでるの?」
震える声で訊ねるヤシロ=ハルカに、私は答えてやった。
「言ったろう、私はもはや人として死んだ存在だと。ここにあるのはただの狂った電子頭脳だ、おまえはただスイッチを切り、中枢のゲマトロン演算結晶体を復元不能になるまで破壊してくれるだけでいい」
「だから、そうじゃなくて……!」
「それとも怪獣とは戦えるくせに人殺しはイヤか?」
「あたりまえでしょうが!」
ヤシロ=ハルカは激昂した。
「やるだけやりたい放題やっておきながら、最後の最期で無責任に投げ出しやがって。あんたは、生きて、罪を償うべきでしょうが!」
それになにより、とヤシロは力を込めて言った。
「サーシャのことは、どうすんのよ……っ!」
……本当に甘い奴だ。この私が今更やり直せると思っているのか。まあ、嫌いではないし、人としてはむしろ美徳だと思うが。
しかし、論理的ではない。
「だったらどうする。私をこのまま、ズメイごと地球連合政府に引き渡すか? そうなったらどうなるだろうな。私の計算によれば、100%の確率でモスクワの連中と同じ轍を踏むと思うが」
「それは……っ!」
なおも抗弁しようとするヤシロ=ハルカに、私は断固として言い放つ。
「どうしようもない状況を“どうにかする”のが大人の仕事なのだろう? だったら貴様こそ、その責任を果たしてみろ。もはや選択の余地はない」
「……………。」
自分で言った理屈をそっくりそのまま返され、ヤシロ=ハルカは黙り込んでしまった。
私は続けて述べる。
「……奴らは、ギドラは、私やゲマトリア演算ネットワークを介してこの世界を狙い続けるだろう。私という存在がいるかぎり、永遠に」
……あるいは、いまさら私が消え去ったところで手遅れなのかもしれない。
ゲマトリア演算ネットワークの技術は、既に世の中へ生まれ落ちてしまった。たとえ私が滅び、完成品であるこの電子頭脳ズメイもろとも葬り去られたとしても、いずれは他の誰かがまた同じところに辿り着いてしまうのかもしれない。
けれど、いや、だからこそ。
「運命は変えられないかもしれない。だからせめて子供たちに、そしてサーシャに、より良い未来を残したい」
……そうだ。
科学の発展、怪獣黙示録での勝利、新しい世界秩序、完全なる平和。結局のところ私が目指してきたものは、すべてサーシャのため、そして未来のためだった。
私のサーシャ。あの子こそ、おぞましい魔女に成り果てた私がこの世で生み出せた唯一の宝物。あの子の未来を守れるなら、私は喜んで自ら犠牲になろう。
そんな私の論理を受けて、ヤシロ=ハルカは真剣な面持ちで考え込んでいた。
「子供たちにより良い未来を、ね……」
……そうだ、もう一つだけ。私は再び論理を生成する。
「もう一つ頼みがある。私のサーシャ、アレクサンドラ=マミーロヴァのことだ」
「……聞くだけ聞いてあげるわ」
至って不満げながらも耳を傾けてくれるヤシロ=ハルカへ、私はもう一つの頼みを告げた。
「奴らは、ギドラは、きっと私のサーシャにも目をつけるだろう。もしそのときが来たら、サーシャを守ってくれないか」
シューニャはサーシャのことを『周りからは迫害され、友達も出来ず、世の中を逆恨みしながら、独りぼっちで不幸せに生きてゆくことになる』と予見していた。そこまでわかっているのだ、サーシャにも何らかの危害を加える可能性は否定しきれない。
私の頼みに、ヤシロ=ハルカは不機嫌そうに鼻息を荒げた。
「……本ッ当、注文が多いわね。勝手すぎるし、それに虫が良すぎるでしょ」
「勝手は承知だ。虫が良いのも自覚している。そのうえで頼んでいる」
迷いなく堂々と言い切る私に対し、ヤシロ=ハルカはなおも迷っていた。
「……わたし、あんたをこれから殺すのよ? 自分を殺そうとしてる奴に、よく自分の子供のことを頼めるわね?」
「だからこそ、だ」
「は?」
怪訝そうなヤシロ=ハルカに、私は答えた。
「もしもギドラの奴がこれからもサーシャを狙うなら、最前線で怪獣と戦っている貴様らGフォース機龍隊ともいずれ巡り会うことになるだろう。ならばその指揮官である貴様、ヤシロ=ハルカに頼むのが一番合理的だ」
「それはそう、かもしれないけれど……」
「それに、貴様は先ほど私を人間扱いしていたし、今もなお渋っている。たかだか、狂った電子頭脳一台をどうこうする如きのことでな」
「だから、それは……っ」
「そんな貴様ならば、私を葬ったこともきっと負い目に感じる。ならばきっと、私の娘であるサーシャにも危害は加えない。それとも貴様は、サーシャに危害を加えてなにか利益があるのか?」
「いや、別に無いけど……」
「なら構うまい? Gフォースの任務で守る市民の頭数に、サーシャのことを加えてくれればいいだけのことだ」
「簡単に言ってくれるわね……」
私の論理的説得――またの名を『屁理屈』――に、ヤシロ=ハルカは呆れを通り越して感心すらしたようだった。うんざりと言わんばかりに肩を竦めながら、皮肉っぽく言い返してくる。
「ええ、そうね、たしかに論理的。わたしの意思を一切考えてないことを除けば、だけど。わたしが断るとか、従わないとか、思わないわけ?」
……当然の反応だな。
だが、私はそれでも論理的に答えを生成した。
「ああ、そうだろうな。だが貴様は、ヤシロ=ハルカという人間は、今際の際の人間からの末期の望みを聞いておきながらそれを無碍にするような性格ではない。だろう?」
「……ホント、嫌な奴」
「伊達に魔女と呼ばれていない」
「開き直ってんじゃねえ」
私の論理的反論――または『開き直り』――に対し、ヤシロ=ハルカは心底不服そうに舌打ちし、考え込み、散々迷っていたが、やがて観念したように溜息をつきながら口を開いた。
「……ま、子供に罪は無いか」
そして、意を決した様子で答える。
「いいよ。サーシャのことは覚えてたらね」
「……恩に着る」
話は終わり。ヤシロ=ハルカは懐から銃を抜いて両手でしっかり構えた。
その銃口の向けられた先は眼前にある電子頭脳ズメイ、その中枢にあるゲマトロン演算結晶体。ひいてはその内部にいる私の意思、イリーナ=マミーロヴァだ。
私を真っ直ぐ狙いながら、ヤシロ=ハルカは言った。
「あんたのこと、
そしてその
「……だから安らかにお逝きなさい、イリーナ=マミーロヴァ博士。あんたの想い、この機龍隊のヤシロ=ハルカが引き承けた」
……感謝する。
そして鋭く響き渡る銃声。それと同時に私は自らの意識を手放し、銃弾で打ち砕かれた私の存在は虚空の闇へと消えていった。
怪獣大戦争が終結してから、数年後。
わたし:ヤシロ=ハルカはその日、ロシアの首都モスクワを訪れていた。
場所は市街地の中心部。腕時計を見れば時刻はまさに昼を過ぎたところ。街並みはかつてとそう変わっていないが、雰囲気が全然違う。道を行く人たちの数は前より確かに増えていて、そしてその表情にはどこか活気があるような気がする。
あの恐ろしい戦争がもたらした災禍は根深い。その傷跡は今もこの世界のあちこちに残っているし、今もなお人々を苦しめているだろう。
けれど少しずつ。
それはたしかに、ほんの少しずつかもしれない。けれどそれでも、この世界は立ち直りつつあるようにわたしには思えた……まぁ、それは『そうだったらいいな』という希望的観測に過ぎないのかもしれないが。
そんな物思いに耽っていたわたしだけれど、ふと呼び掛けられて我へと返った。
「……ヤシロさん!」
振り返ると、一人の女性が手を振りながらこちらへ駆け寄ってくるのが見えた。
……癖っ毛だけど綺麗な銀髪に青い瞳。顔には大きな眼鏡をかけており、
「ご無沙汰しています、ヤシロさん」
そうやって丁重に頭を下げてくれた彼女に、わたしも応えた。
「久しぶりね、サーシャ」
彼女の名前は〈アレクサンドラ“サーシャ”マミーロヴァ〉。あのイリーナ=マミーロヴァ博士の娘で、今日わたしが会う約束をしていた人物だ。
顔を合わせたわたしたちはさっそく最寄りの喫茶店へ入り、いくらかお互いの近況を交換する。
わたしは言った。
「……それにしてもサーシャ、随分な方針転換じゃない? 天才美少女ベストセラー作家から、まさかソーシャルワーカーを目指すだなんて」
「や、やめてくださいよう。あのときのことはもう、黒歴史なんですから……!」
わたしがそうやってからかうと、サーシャは恥ずかしげにゴニョゴニョモゴモゴと口籠りながら顔を伏せていた。どうやら『聖戦』事件ですっかり懲りたらしい。
……まったく、人の縁というのは奇妙なものだ。
イリーナとの“約束”のあと、わたしなりにサーシャのことを気にはかけていたのだが、それからしばらくはサーシャと出会う機会を得られずにいた。
怪獣大戦争が終わってからも続いた、Gフォースと怪獣どもとの熾烈な戦い。わたしはGフォース機龍隊指揮官としての任務にかまけて、サーシャの存在はつい後回しにしてしまっていた。
そんな中、『聖戦』事件が起こった。
サーシャとは、『聖戦』事件で知り合うことになった。
しかし、わたしにそんなつもりなど毛頭なかった。わたし自身細かなプロフィールを知るまで、『聖戦』事件に関わっていたアレクサンドラ=マミーロヴァが、あのイリーナの娘であるサーシャだったなんてちっとも気づかなかったくらいだ。
……ひょっとすると、『死んだイリーナが引き合わせてくれたのか』なんてオカルトチックなことを頭をよぎらなくもないのだけれど、まあ、たまたまだろう。
とにもかくにも、わたしとサーシャは年の離れた友人同士として、『聖戦』事件のあとも付き合いが続いていた。
「ま、冗談はともかく。なんでまたソーシャルワーカーなんて目指し始めたわけ? 大学に行ってみて、なにか気持ちの変化でもあった?」
「…………。」
わたしの問い掛けにサーシャはしばらく考え込んだあと、やがて口を開いた。
「……あれから、母のことをちゃんと調べてみたんです」
お母さんって、イリーナ=マミーロヴァ博士のこと?
わたしが深掘りすると、サーシャは「ええ」と頷いた。
「調べてみたら母、イリーナ=マミーロヴァ博士はもともと障碍者福祉のために科学者になったんだって知ったんです。バカみたいですよね。わたし、今まで“魔女の子”とかさんざん言われてきたのに、母の来歴もちゃんと知らなかったなんて……」
「まあまあ、それはいいから……それで?」
わたしが促すと、サーシャはぽつぽつと語り出した。
「母がどういう事情で、そしてどういう気持ちでガイガンの開発に関わっていたのかは、本当のところはわかりません。けど、母もきっと誰かの役に立ちたかったんだと思うんです……昔のわたしみたいに」
昔のサーシャ。『聖戦』事件に関わっていた頃のサーシャのことだろうか。そんなことを脳裏によぎらせつつわたしは相槌を打ち、サーシャは語り続けた。
「勉強して、大学に行って、色んな人と会って、頑張って友達も作ってみて。自分なりに外の世界と向き合ってみて、やっぱりヤシロさんが言ってくれたとおりだと思ったんです。『世の中捨てたもんじゃない、世の中はちゃんとした人たちのおかげでちゃんと回ってるんだ』って」
そう言われて、わたしは思い返す。はて、そんなこと言ったっけ?
「言いましたよお。忘れちゃったんですか?」
「言われてみれば言ったような、言わなかったような……?」
「酷いなあ、もうっ!……」
……そういえば、サーシャ本人の弁によればそれまでのサーシャは“ぼっち”、つまりずっと友達が出来ずにいたらしい。
だけど実際に付き合ってみると、サーシャはそんな悪い奴ではなかった。たしかに内気で子供っぽいしコミュ障ではあるが、かといってそんな極端に周りの人から嫌われてしまうほど酷い性格というわけでもない。むしろ普通だ、良くも悪くも。
あるいは“ぼっち”だったというのも実際のところはサーシャ自身が勝手に壁を作っていただけで、その気になれば友達の1人や2人くらいは作れたんじゃないか、って気がしないでもない……ま、それがなかなか出来ないからこそコミュ障でぼっちなんだろうけど。閑話休題。
サーシャは話を続けた。
「ともかく、だからわたしも、ヤシロさんたちみたいなちゃんとした大人になりたいなって。そう思うんです」
「ふーん。それでソーシャルワーカーか……」
口の中で復唱するわたしに、サーシャは反応を窺うように恐る恐る訊ねてくる。
「……向いてない、ですかね? わたしみたいな世間知らずで自分勝手なバカにはやっぱり向いてないかも、って思わなくもないんですけど……」
……ソーシャルワーカー、福祉、ねえ。不安そうな様子を隠しきれないサーシャに対し、わたしは思うところを素直に述べた。
「いいんじゃない?」
「……!」
わたしの言葉に、サーシャはパッと顔を明るくしていた。
……まったくわかりやすい奴だ。よしよし、可愛い奴め。わたしは続けて言った。
「あんた、大学入るのも頑張ったみたいだし、根は優しいし。案外向いてるかもよ、福祉」
「そ、そうですかねえ~。向いてますかねえ~、福祉……うぇへ、うぇへへへ……」
そうやって照れたような笑みを浮かべるサーシャ。こうしてみると本当にごく普通の子で、こんな普通の子が不幸になったりしないで済んで本当に良かったと心から思う。
それにソーシャルワーカー、これも世のため人のためになる立派な仕事だ。本当にやる気があるっていうんなら、関わりを持った身近な大人として、そして友人として、サーシャの頑張りを是非応援したいものである。
……でも、いちおう釘は刺しておかないとね。わたしは言った。
「せいぜい精進なさいよ。あんた、油断してるとすぐそうやって調子に乗るし」
「うっ!……」
「それに奨学金取れたとはいえ、大学入るまで一年浪人したんでしょ? まずはちゃんと卒業できるかどうかよね」
「う、うぅっ……」
痛いところを突かれた途端、挙動不審になり始めたサーシャ。なんだか可哀想になってきたので、わたしは笑顔でフォローした。
「なんてね、冗談よ。頑張りなさい、サーシャ」
「……はい!」
わたしの言葉にしっかり応える、アレクサンドラ“サーシャ”マミーロヴァ。
その笑顔は、朗らかで希望に満ちたものだった。
おわり。
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好きなキャラを教えて
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イリーナ=マミーロヴァ
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ミハイル・アホートニク=ボローディン
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イワン=イリイチ・パヴロフ
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ヤシロ=ハルカ
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ハヤマ=ススム
-
イガラシ=ハヤト
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シューニャ
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アレクサンドラ=マミーロヴァ