みんなの太陽ダイタクヘリオス   作:ねえ、あなた今ヘリオスの事見てたでしょ?

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2話連続でヘリオス出ない詐欺。

まあほら・・・・・・回想ではいつも出てるから・・・・・・

ストレメイゼスちゃんの頭の片隅には、いつもヘリオスが居ます()


それはそうと今回の話は閲覧注意です。曇らせ的な意味で。書いてて心が痛かったです。なので少しだけ短めかも。





何してるの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンブーメモリーのハチマキがある。──夢──なんて書かれているハチマキなんてあれしかないんだから、間違えるはずも無い。だけれどそれは、あの子達の手に握られていて・・・・・・

 

 

 

 

嫌な予感は少し前からあった。でも、確かめるのが怖くて、目を逸らし続けていた。

 

 

 

あのまま視界に入れることもなく、スルーしてしまえればどれほどよかったことか。だが、神様はそれを許してくれなかったらしい。

 

 

 

 

胸の鼓動が、僅かに早くなるのを感じる。きっとここは分岐点だ。大人しく見なかったことにしてその場を去るか。あるいは飛び出していくか。

 

 

 

・・・・・・・・・ぶっちゃけると、私は行きたくない。きっとそれこそ、バンブーメモリーのような子でもないと、こんなところで出て行ったりはしないだろう。分かっているからだ。こんなところで飛び出して行ったら、どうなるか。

 

 

特に、私のようなやつは尚更。

 

 

 

 

 

別に私がやらなくたって、また誰か優しいウマ娘が取り返すんだろう。もしかしたら、あの子達とも仲良くなって円満に終わるかもしれない。

 

 

 

「まーじでムカつくよねぇー。いつもあそこ通る度に挨拶してくんの。うるさいんだよほんと。しかもメグなんてさ、ちょっと信号無視しただけでグチグチ説教されたんだって」

 

 

「ねー、ほんとガチでウザかった〜。別に急いでんだからいいじゃん。あいつに関係なくね?」

 

 

 

私にはそんな大層なコミュ力も、人を黙らせられるような実力もない。

 

 

 

「ねえこれ破いちゃう?そんな状態で見つかったら流石のあいつでも黙るっしょ!」

 

 

「あはは!それいい〜!」

 

 

「つーか、ハチマキに夢って何?ウケるw超ダサいよね〜。

自分に酔ってる感じしてあたし嫌いだわ〜」

 

 

「っ!」

 

 

訂正させようとして、口篭る。私も以前少しでも思ったことがある手前、強くは言えなかった。こういう時、きっと全良な子達なら、そんなわけ無いだとか、そんなこと思った事は1度もない、なんて強く反論できるのでしょうけれど。私には、無理だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・でも。

 

 

 

 

あのパリピに影響されたのか、それとも風紀委員のまっすぐさに当てられてしまったのか。

 

 

 

 

 

私は──────

 

 

 

 

 

 

なけなしの勇気を振り絞って、前へと足を踏み出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.............ねえ。それ、あんた達のじゃないでしょ?

あの風紀委員の子のだよね?何してるの?」

 

 

「え?なんの事?急に出てきてなんの話ですかぁ?」

 

 

「しらばっくれても無駄よ。様子を伺ってる時に聞いた言葉と、あんた達の態度、それからわざわざ道端に落ちていると言っていたそのハチマキをあえて拾って侮辱するような真似してるなら、答えはひとつしかないでしょ」

 

 

 

分からないと思ってる?舐めないで。これでも勉強の成績だけはそれなりにいい方なんだから。・・・それしか誇れるところも無いけれど。

 

 

 

「は?あんた誰?」

 

 

 

相手はただの人間の女子高生という非力な存在のはずなのに、冷ややかな言葉を聞いただけで思わず怯んでしまう。それでも、ここに来てしまった以上引く訳にはいかない。

 

 

 

「.........っ、あの風紀委員の子と知り合いなのよ。それ、あの子のハチマキでしょ。返しなさいよ」

 

 

「いやよ、なんで返さなきゃいけないの?」

 

 

・・・・思わず顔を顰めてしまう。同じ穴の狢とは言うが、こうも性格の悪いヤツとエンカウントするのか、私は。

 

 

「.............は、やっぱクズって屑が寄って来るのね」

 

 

「あ?なんなのあんた」

 

 

しまった。思わず呟きが漏れてしまう。だが、今だけはいい挑発になるかもしれない。このまま逃げられたら、ハチマキを取り返すのが困難になる。意地が悪くなる前に、早い所回収しないと。

 

 

「ねえねえ、てかこいつウマ娘じゃんw

あれ?トレセン生ってやつ?いいよねぇ〜、お嬢様は世の中の汚いことを何も知らないで生きてそうで。羨ましいわ」

 

 

「あ〜なるほどね笑

世間知らずのお嬢様が正義感で友達の物取り返しに来ちゃったのか〜」

 

 

 

知ったような口を聞く子達にイラッとくる。だが、今だけはそれらの悪口も負け惜しみのようで悪くない。自分の失態では無いのもあるのかもしれない。今、自分が誰かのために行動できているという事実が、私を後ろ向きな感情で勇気づける。

 

 

「そう、わかったんなら返してくれる?」

 

 

「は?なんであんたの命令なんか従わないといけないわけ?」

 

 

「こいつウマ娘のくせしてあんま可愛くないねw」

 

 

「てか、レースで見たことないんだけど。あんたもしかして落ちこぼれってやつ?ウケる‪w‪w‪」

 

 

「ッ!なんなの.....!」

 

 

「きゃー!ちょっとやめて!?暴力振る気!?」

 

 

「ウマ娘ってめっちゃ力強いんでしょー?そんなのに殴られたら怪我じゃ済まないって!」

 

 

「ほら、だから言ったじゃない。ウマ娘なんて野蛮なのよね。どうせレースに出てる子達だって、気に入らないことがあったらそうやってすぐ暴力振ろうとするんでしょ!?」

 

 

「うわー、最低ね。訴えたら勝てるんじゃない?」

 

 

・・・・・・うるさいわね。人格否定しか出来ない奴らが、頑張っている子達を比較対象に出すんじゃないわよ。悪女なら悪女らしく、僻むだけにしときなさいよ。

 

 

「.........別に、私のことはもういいでしょ。満足したなら早く帰って。それも返して」

 

 

「え、うざ。何その態度」

 

 

「そんなしてしてしてしてばっかじゃこっちもやってあげる気になんないんだけど?もっとさぁ、誠意見せてくんない?せーいーいー」

 

 

心臓の鼓動が早くなる。うるさい。胸を押さえつけて、それでも怯えを気取られないように強い態度を保つ。

 

 

このままだと不味いことになるのは察した。だが、ここで無視すればハチマキを取り返せなくなる。仕方なく、彼女たちに聞き返す。

 

 

「.....................誠意って、何すればいいのよ」

 

 

「決まってんじゃん!靴舐めだよ靴舐め!あと土下座もしてもらおうかな〜」

 

 

「.........は?」

 

 

思ったよりも低俗な考えで吐き気がする。なるほど、確かにこれはウマ娘とは決定的に違うなと分かる。何せ、どんなに擦れている子だろうと、こんなことを言う子はいないだろう。・・・・・・私を除いて。

 

 

「なに?出来ないの?あーそっかーじゃあいいわー」

 

 

「ねえねえ、それ近くの土手にでも投げちゃえば?丁度いいし」

 

 

「いーねぇー!そうしちゃおうかなー?」

 

 

___________ッ!そんなの・・・!そんなことしたら・・・!

 

 

 

 

 

『いままで頑張れてきた要素の一つでもあるんス!

だから、思い入れもあるっスよ!』

 

 

 

 

 

「.........!止めて・・・・・・・わ、わかった。する、します」

 

 

「はー?何言ってるか聞こえないんだけど?」

 

 

相手の脅すような声色に、自分でも声が震えているのが分かって余計に苦しくなる。思わず体も震えてしまう。もはや隠せているのかも分からないが、必死に虚勢を張る。

 

 

「.........ッ、靴も舐めるから、土下座もするから.....やったらちゃんと返してっ.....」

 

 

心がザワつく。自身の言った言葉の一つ一つが内側を抉ってくる。それでも、きっと自分一人の為に動くよりは、幾分かマシな心境だろう。

 

 

 

「んーまあちゃんと出来たら返してやるよ?あははははは!無理無理!そんなこと出来ないでしょ?」

 

 

「ねー、もう飽きてきたからそろそろ行こ〜?」

 

 

「うんそうしよー。じゃーね──────は!?」

 

 

 

ペロッ

 

 

 

「.........ッ.....くっ」

 

 

「うわっ。まじで舐めやがった。こいつやばい」

 

 

「キモ〜。まじでやるとかガチきしょいんですけど〜」

 

 

「ほ、ほら.........舐めたでしょ。もうそれ返し」

 

 

「まだ足りてねーじゃん?何終わろうとしてんの?わかってるよね?逃げるなよ」

 

 

「.........」

 

 

私が固まっていると、横から煽るように舐めた表情で内1人が話しかけてくる。

 

 

「ほらほらぁ♡これがどうなってもいいの?」

 

 

「・・・・・」

 

 

スっ

 

 

 

手をついて、土下座の姿勢をとる。あまりにも屈辱的で、度し難い。本当なら今すぐにでも走って逃げ出してしまいたい衝動に駆られるが、体がビクついて言うことを聞かない。

 

 

「おっ、いいじゃんいいじゃんいい景色ー」

 

 

「もっとちゃんとやれよ?頭地面に擦りつけろ」

 

 

「あっ、ねえねえ!これSNSにアップしてみない?ウマ娘、土下座させてみた!とか超バズりそうじゃなーい?」

 

「あっいいねぇ!それ!」

 

 

「!.........あの、それだけはやめて.....お願い」

 

 

そんなことされたくない。何より、学園にも他の子にも迷惑がかかる。家族はいなくても、お世話になっている人だっている。あの人達にこれ以上厄介事は押し付けられない。

 

 

「は?ウッザいなタメ口使わないでくれる?てゆーか、まだ謝罪の言葉が聞けてないんだけど?ちゃんと声に出せよじゃねーと上げるよ?」

 

 

「.................す」

 

 

「あ?聞こえねーんだけど」

 

 

「・・・・・・すみま・・・・・・せん・・・・・・でした」

 

 

「全然聞こえねーよ」

 

 

「あははっ!」

 

 

「・・・すみませんでした。ごめんなさい」

 

 

 

土が口に入ってしまう。苦い、嫌だ。もう帰りたい。そんな思いも。なんとか踏ん張って押さえつける。でも、

 

 

「言葉が足りねーよ。“調子乗ってすいませんでした。私が悪かったです”な?」

 

「何して欲しいかも言ったらー?」

 

 

「・・・・・・調子乗ってすみませんでした。私が悪かったです。・・・・・・謝るので、そのハチマキを返してください。お願いします・・・・・・・・・」

 

 

「あはは、言いやがったよこいつ!プライドとか無いんだぁ!」

 

 

「・・・・」

 

 

目が潤んでくる。心做しか涙も地面に落ちているような気がするが、視界が悪くて見えない。

 

 

 

「撮ろー撮ろー」

 

 

パシャパシャ

 

 

「!しゃ、写真は・・・やめてっ」

 

 

「あーあ、満足したわ。もう飽きたし帰るわ。じゃーね」

 

 

「ばいばーい土下座ウマ娘ちゃん♪」

 

 

「「「きゃはははは」」」

 

 

 

 

 

 

トットットッ・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

足音が遠ざかっていく。はらりとその場に落ちた白い紐状のものを手でゆっくりと掴んで、汚れたスカートをはたきながらよろよろと立ち上がる。情けなくも、鼻をすすり、目を拭い。なんとか歩き出す。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ.........届けないと、これ」

 

 

 

 

 

無駄な足掻きだとわかっていても、濡れたハチマキを乾かそうとゴシゴシと手で拭き取りながら、学園の方へ足を動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?ストレメイゼスじゃないっすか。全く、どこ行ってたんすか?せっかく早く来たのに遅れちゃうっすよ・・・・・どうしたんっすか?」

 

 

 

しばらくして、再びもう一度校門の前にやって来た私は、なんとか土の汚れと濡れたハチマキを近くの公園で洗い流して、バンブーメモリーの元へと渡しに来ていた。

 

 

 

「・・・なんでも無いわよ」

 

 

「ん?なんかちょっとスカートが汚れてるような・・・・・・」

 

 

「気にしないで。それよりこれ」

 

 

「あ、あれ!?私のハチマキじゃないっすか!?え!?」

 

 

 

「大事なものなら無くすんじゃないわよ。情けないわ風紀委員。

・・・・じゃあね」

 

 

 

「あ、ちょっと待って欲しいっす!ていうかこれ、どこで・・・・・・」

 

 

 

憎まれ口を叩きながらもその場を後にする。まさか本当のことを言う訳にもいかず、適当に嘘をつく。だって、本当の事を言ったら、きっとこの子は私なんかのために、飛び出して走っていけてしまうから。

 

 

 

「あら、その辺に落ちてたわよ?しっかり管理してないからこんなことになるんじゃない?注意散漫よあなた」

 

 

「うっ・・・うう・・・・・・面目ないっす.........」

 

 

「じゃあね。朝の挨拶せいぜい頑張りなさいよね」

 

 

「ハイっす!自分、名誉挽回・汚名返上のために頑張るっっす!!!

見つけてくれてありがとうございました!!!押忍!」

 

 

 

 

押忍って・・・・ふふっ。気合い入りすぎ。

 

 

 

いつも通りの明るい声で、暗い気持ちが、少しだけ晴れる。

まだ完全にスッキリした状態では無いけれど、先程よりは軽い足取りで、学園の方へ歩き出していた。

 

 

 

たまには、人助けするのも悪くないかもしれない。

 

 

 

・・・・いや、何言ってるの私。やめやめ、もう二度とこんな事しないんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ストレメイゼス・・・・・・なんだかちょっと目が赤かったような。それに、表情や雰囲気も心做しか・・・・・・気の所為だといいんすけど・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人知れず、私は彼女のハチマキを取り返した。でもそれが、あんなことになるなんて、この頃は思いもしてなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







実はこれでもまだ6割程の描写という事実。全力でやったら、ストレメイゼスちゃんもう折れて歩けなくなっちゃうので・・・・・・


10割はそのうちやります(暗黒微笑)



さて、バンブーメモリーはどうするのでしょうね。まあ、これまだストーリー編じゃないですけどね。

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