前日、城之内達がデュエルディスクを買ったカードゲームショップ
本日休店の看板が掲げてある中は遮光カーテンにより完全に外の光を遮断していて、更には電灯がついておらず昼にも拘わらず不自然なほどに真っ暗だ。
表の注意書きをものともせずにその店内に入ってきた人物に、店の一画に浮かび上がった<<ブラック·マジシャン>>が慇懃に声をかけた
「お待ちしておりした。武藤遊戯さま。
我が主パンドラがお待ちです。」
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バトルシティ真っ只中の童見野町で、城之内は獏良を連れて大通りを闊歩していた。
「次の相手はどこだー!」
「絶好調だね」
「おうよ!このまま勢いに乗って予選を突っ切るぜ!
……ん?」
意気揚々と進み続ける城之内と獏良の前に、髑髏の仮面を被った子供の人影が
パズルピースとデュエルディスクを構えながら手招いていた。
「何だ?お前も参加者か?
ついて来いって?」
「城之内くん、こんな怪しい奴についてっちゃ……」
「決闘者として誘われたんじゃ、断る理由なんかねえ!
おい待て!」
「まったく……」
髑髏の少年に誘われるまま、城之内と獏良の一行は人通りの少ない郊外、やがてその一角の小屋の中に通された。
光が差さない小屋の中は暗幕が垂れ込め、じっとりとしけった空気が漂い、照明も極端に薄暗く、そして壁面にはおどろおどろしい夜の森の中のような景色が描かれ、異様な雰囲気が漂っていた。
「お、おい、何だよここ……」
「何か帰りたそうだね。
お化け屋敷みたいだから?」
「バカ!そんなんじゃねぇよ!
早く、あの野郎を……ぎゃああああ!」
バキ!ドカ!
「あーあー、単なる虫にビビッて足を踏み外しちゃって。
あ、あそこにいるのは……」
獏良が指さした先に、例の髑髏の面を被った少年が、同じような怪物の仮面を被った人物を両脇に侍らせて立っていた。
「お、おめぇか、俺をこんな所に呼び出したのは。
デュエルか?デュエルがしてえんだろ!
とっととやるぞおい!」
「ヒヒヒヒ………相変わらず臆病だなぁ城之内」
「な…お前、俺を知っているのか?」
「あいつの口車にのせられてこんな奴に負けたかと思うと………今思い返しても虫唾が走るぜ!」
バッと、人物達から奇怪な面が取られた。
「あっ。お前、骨塚!」
「城之内ぃ、王国編ではキースの野郎に踊らされて負けたが、
今度はあいつの足手まといなしでデュエルだぁ。
勿論、俺のアンデットデッキはあの時なんかとは比べ物にならないくらいの強さと恐ろしさになってるぜぇ。」
「わざわざこんな所にまで呼び出してご苦労なこった。
いいぜ、デュエルだ!」
「お前がレッドアイズに加えて驢馬と勝ってサイコ・ショッカーなんていう分不相応なカードを持っていることはとっくに知れ渡っている。
俺達3人の持つチップとカードを賭けるからには。
お前には、全てのチップと3枚のレアカードを賭けてもらうぞぉ。」
「チッ。それが狙いか。
ボッタくり野郎が。
いいぜ、元からここで敗れるようじゃ、そこまでってことだからな。」
「………城之内君、気を付けて。
何か嫌な予感がする。」(骨塚君のあの余裕………何かある。)
「心配いらないぜ!いくぜ!」
決闘!
先攻 ゴースト骨塚 LP8000 後攻 城之内 LP8000
(ヒヒ……城之内ぃ、まんまと罠に引っかかってくれたなぁ。
『ここ』では、お前に勝ち目はないぞぉ。)
「先攻は俺だぁ。ドロー。
………≪ピラミッド・タートル≫を召喚。
ターンエンド。」
「俺のターン、ドロー!
≪伝説の剣豪 MASAKI≫を召喚!
MASAKIの攻撃力は1100。
こんままじゃぁ攻撃力1400の≪ピラミッド・タートル≫は倒せねえが……
装備魔法≪稲妻の剣≫!
これを装備することでMASAKIの攻撃力を800ポイント……」
ブー!!
「何!」
装備魔法をディスクに入れた途端鳴った警告音に、城之内は面食らって何度も試してみたが、装備魔法を使おうとすると警告が鳴ってカードが弾かれることには変わりなかった。
「壊れてんのかこのディスク?」
「おいおい、どうしたぁ?
まさか機械のせいにしてサレンダーでもしようってのかぁ?」
「クッ。どうなってるか知らねぇが……ターンエンドだ。」
「ヒヒャヒャ、俺のターン、ドロー。
≪メデューサ―の亡霊≫を更に召喚。
≪ピラミッド・タートル≫で≪伝説の剣豪 MASAKI≫を攻撃!」
「ぐああ!」
城之内 LP 8000→7700
「更に≪メデューサの亡霊≫でダイレクトアタック!」
城之内 LP 7700 → 6200
「俺はこれで、ターンエンド。」
「クッ、俺のターン、ドロー。」(故障か?何かおかしいぜ。)
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とある場所。
そこでは、元海馬コーポレーション幹部にして現在は<<ユニゾン>>の幹部になっている大下幸之助の前に、金髪の少女が呼び出されていた。
レベッカ·ホプキンス。
キースが消えたデュエルの表世界における全米チャンピオンの少女。
デュエルの世界に通じている者だったなら、彼女程の決闘者がここにいることを、つまり現在進行中のバトルシティに参加していなこと自体を不思議に思わずにいられないだろう。
天才少女は、目の前の車椅子の老人に全く無遠慮に尋ねた。
「オオシタ、何の用よ、突然呼び出して。」
少女の不機嫌そうな声に、大下は厳かに口を開いた。
「困ったことになった。
先程連絡もあったが『転生者』ですらこの事態は想定しておらず、もはや原作軸への修正は不可能だろうとのことだ。
君に言ってもどうにもならないが···それでも伝えておかねばならないだろうという配慮でな。」
「はあー、勿体ぶらずに教えてよ。
何があったのよ。」
「先程パンドラとの戦いに敗れて。
武藤遊戯が死んだ。」