ミシガン英雄伝記補遺:透き通る世界を地獄が歩く   作:柴猫

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皆さんにお伝えしなければならないことがあります。今回は短めなことが一つ、もう一つは……









遂にアーマード・コアⅥを買いました
あと水着イズナを五連目でお迎えしました( ´∀`)b


アビドス編:英雄、はじめての銀行強盗

 

 便利屋68、及びレイヴン率いる傭兵たちとの交戦を経た対策委員会。

 その後の調べにより、以前アビドスを襲撃していたカタカタヘルメット団の高性能武器の数々の出処がブラックマーケットにあることを突き止めた彼女たちは、アビドスを一時離れブラックマーケットへと足を踏み入れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここがブラックマーケット……」

 「わぁ☆すっごい賑わってますね?」

 「本当に。小さな市場を想像していたけれど、街ひとつぐらいの規模だなんて」

 「それくらい表を追われたゴロツキ共がうじゃうじゃいるということだろう。アビドス籠りだったお前たちにはいい社会勉強かもしれんな」

 

 それにしても、キヴォトスのブラックマーケットがこれほどの規模だとは、少し甘く見ていたか。……死体が転がっていないだけマシ、と考えるのは正しくはないだろうが、それでも大きさはベイラムのそれの半分程だろうな。都市一つが抱える闇にしては大きすぎる。

 人通りに目をやれば生徒大人問わずガラが悪い、今もこちらをジロジロと見ている奴らが少なくないが、俺の顔を見るなり視線を逸らしている。無愛想なこの人相も、それなりに役立ちはする。

 

 そう考えると、よくイグアスは俺に因縁をつけられたものだ。いっちょ前に見栄だけは立派なくせに。……ヴォルタがいいブレーキ役だった、のだろうな。

 

 「……」

 「先生、どうかしたのー?」

 「いや。少しばかり昔のことを思い出していただけだ」

 

 ホシノの視線にそう答えると、シロコが目を輝かせながら乗っかってくる。

 

 「なになに、ヤクザ千人抜き伝説の話?」

 「いやそんなわけないでしょ……いや先生ならあり得るかも」

 「お前ら俺を何だと思っとるんだ」「あらら……」

 『はぁ、皆さん、油断しないでください。そこは違法な武器や兵器が取引される場所です。何が起こるか―――』

 

 タタタタタタタタ!

 

 「早速何か起きたな」「ん、銃声だ」『ええ……』

 

 銃声の方角へ顔を向けると、ゴロツキに追われている身なりの良さそうな生徒がこちらに向かってきているところだった。

 

 「う、うわああ!まずっ、まずいですー!!つ、ついてこないでくださいー!!」

 「そうはいくか!」

 

 逃げるのに必死で前が見えていないのか、先頭ににいる俺に向かって真っすぐ突っ込んでくる少女。

 

 「わわわっ、そこどいてくださいー!!」

 

 足を開き受け止める体勢へ、あと4秒ほどで俺に追突するだろう少女の腰回りへ手を伸ばす。

 

 「ふん!」

 「う、うひゃぁぁぁ!?」

 

 高い高いをするように持ち上げられた少女を下ろすと、幾分落ち着いた様子になったようだ。こういう奴には言葉より行動が効果的だ。

 

 「え?え?え、と、あなたは……」

 「自己紹介は後回しだ。どうやら羽虫に集られているようだな、トリニティの生徒」

 『え、トリニティ総合学園ですか!?』

 「その通り!そしてキヴォトスで一番金を持っている学校でもある!だから拉致って身代金をたんまり頂こうってわけさ!」

 「拉致って交渉!なかなかの財テクだろう!」

 

 女子高生がするには随分と下卑た笑い声をあげるスケバンの首に手を回す。

 

 「ん?」「なんだオッサン、気安く触るんじゃ……」

 「ふんっ!」

 

 首根っこを掴んだまま地面へと叩きつける。その一撃でスケバンは意識を刈られ、地面に倒れた。

 

 「たかが一発でやられるとは、貴様らの根性は木綿豆腐か何かか!そんな腕でトリニティから人質など取れるか阿呆共!」

 「す、すごい……あんな怖そうな人たちを一撃……」

 「私たちが出る幕もなかったですね☆」

 

 

 

 話を聞くと、保護(?)した少女の名前は阿慈谷ヒフミ、表では販売されていない代物をブラックマーケットに求めに来たらしいが……

 

 「はい!これです。ペロロ様とアイス屋さんがコラボした、限定のぬいぐるみ!」

 

 カバンから取り出されたのは、まぁ、なんだ。パッと見は鳥だ、鳥のはずだ。明らかに瞳孔のあっていないアホ面を抜けば、鳥のキャラクター、だろうな。俺としては焼き鳥にもしたくないが。

 かつてない状況にらしくもない沈黙を貫く中、ノノミとモモフレンズ―確か生徒と使ってる連絡アプリと同じ会社の出しているブランドらしい。冗談だろ―の話で盛り上がるヒフミ。俺の眼にはこんな場所にまで来て買う代物でもない気がするが、言わぬが花だろう。こういうオタクの熱量は、他人には推し量れんもんだ。

 

 『皆さん、大変です!四方から武装した人たちが向かってきています!』

 

 呑気に世間話に興じていると、アヤネから慌てた様子の無線が入る。ここはブラックマーケット、住人の引き金はキヴォトス柄、ペットボトルの蓋より軽い。当然の事とも言えるか、仲間意識が高いことだけは評価できるがな。

 

 「数だけは立派なようだな、阿慈谷ヒフミ!貴様の蒔いた種だ、手伝ってもらうぞ!」

 「はい!?あうう……分かりました!」

 

 へっぴり腰のヒフミがライフルを構え陣形は整った。

 

 

 「ブラックマーケットからの熱烈な歓迎会だ、遠慮なく土足で迎えられてやれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 案の定対策委員会の敵ではなかったため、ブラックマーケットをヒフミに連れられながら散歩することになった。事前情報はしっかりと仕入れてきていたらしく、右も左も分からない対策委員会の引率(半ば善意を利用した誘拐であることは伏せる)には適任だろう。……分かってなおペロロとやらを手に入れたい執念は末恐ろしいが。いつか大コケしないことを祈るばかりである。

 

 「はぁ……しんど」

 「もう数時間は歩きましたよね……」

 「これはさすがに、おじさんも参ったなー。腰も膝も悲鳴を上げてるよー」

 「だらしのない奴らめ。後でシャーレの階段走り込みでもするか!?」

 「……ちょっとやってみたいかm」

 「いやーおじさんもまだまだ行けるねー!走ってでも行けるなー!」

 「えっ……ホシノさんはおいくつなのですか……?」

 「ほぼ同年代っ!」

 

 腑抜けたことを抜かす対策委員会の連中、持久力が足りんな。40kgの荷物を背負って丸一日行軍した身としてはまだまだだが。

 たい焼きを頬張りながら小休止。この手の消耗には糖分が有効だが、疲れ切った体には甘いものが効く。

 

 「お探しの戦車の情報……どこかにあるはずなのに、探しても探しても出てきませんね……」

 

 腹の中にたい焼きを入れた後、ヒフミがそう切り出す。

 ブラックマーケットが犯罪の温床であることはキヴォトスの住民ならだれもが知るところであり、そんなところにまで根を回す必要は、普通なら、ない。……どうやらアビドスは随分と厄介な輩に絡まれたらしい。

 

 「現実は、思った以上に汚れているんだね。先生の言うように、私たちはアビドスばかりに気を取られすぎて、外のことをあまりにも知らな過ぎたかも……」

 「……」

 

 本来はこんな薄暗いことではなくもっと有益なことを遠足で得るべきなのだろうが、物事はどうにも上手く行かないらしい。

 

 『お取込み中失礼します!そちらに武装した集団が接近中!』

 

 よくも悪くも休憩時間は終わり、適当な路地裏に隠れてやり過ごす。

 マーケットガード。文字通りここの最上位治安維持機関らしく、装備に加え護衛中の動きからも、大言壮語ではないだろう。

 だがそれよりも、

 

 「おい見ろ、奴らが護衛しているあの現金輸送車」

 「あれ……今朝来てた銀行の……!?」

 

 厳重な護衛の中、銀行員は闇銀行の職員と何か話し合い、現金を輸送した後すぐに去っていった。

 

 「資金洗浄、か」

 

 わざわざ現金で輸送していたのは、電子と違い足跡を消すためか。そうして得たあの利息を闇銀行の経営資金に回す、カイザーとかいう名前のくせにやることは随分とみみっちいらしい。

 この事実に対策委員会は動揺しないわけもなく、事情を知らないヒフミは慌てるばかりだ。とはいえまだ分からん部分も多い。確たる証拠を掴むにはさっきの集金書類が必要になりそうだが……。

 

 

 「うん、他に方法はないよ」

 

 話し合いが決まったのか、シロコが確、という調子で言う。

 

 「ホシノ先輩、ここは例の方法しか」

 「なるほど、あれかー。あれなのかあー」

 「……ええっ?」

 「あ……!!そうですね、あの方法なら!」

 「何?どういうこと?……まさか、あれ?まさか、私が思ってるあの方法じゃないよね?」

 

 シロコの眼が、さながら獲物に狙いを定める狼のごとく鋭く……ウキウキ感を浮かばせている。

 

 「残された方法はたったひとつ」

 

 

 

 「銀行を襲う」

 

 「はいっ!?」「そう来るか、砂狼シロコ……」

 

 呆れを隠さずため息をつく、が。無言の否定は既に効果が無かったようで、

 

 「だよねー、そういう展開になるよねー」

 「わあ☆そしたら悪い銀行をやっつけるとしましょう!」

 「はあ……マジで?マジなんだよね……?ふぅ、それなら……とことんまでやるしかないか!!」

 『……はぁ、了解です。こうなったら止めても聞く耳持たないでしょうし……どうにかなる、はず……』

 

 遂にアヤネまでそっちに行ってしまった。残されたヒフミはもう処理限界を超えて喉を潰されたカエルのように呻くばかり。そんな様子を見かねたシロコが

 

 

 「ごめん、ヒフミ。あなたの分の覆面は準備が無い」違う、そうじゃない。

 

 「それは可哀そうすぎます。ヒフミちゃん、とりあえずこれでもどうぞ☆」

 

 そこには目出しが空いた紙袋を被る、哀れなヒフミが。強盗する前から被害者を出してどうするんだこいつら。

 

 そろそろたんこぶ作らせて頭を冷やさせるか、そう思い立ち上がった俺の視界に、

 

 

 

 

 

 

 「総長……?」

 

 G13がいた。

 

 「ここで、何してるん、です、か……?」

 「見なかったことにしろ、いいな」

 「……はい」

 

 何か言いたそうな顔でその場を去る。あいつも随分感情豊かになったものだ。うむ。

 

 「先生?」

 「何でもない」

 

 対策委員会の方に向き直ると、そこには覆面を被った強盗団が……俺もほぼ半世紀生きてきた自負がある。が、未だかつてこんな状況に遭遇したことは無い。これがキヴォトスの流儀か。

 

 「……止まるつもりは、無いんだな」

 「「「「「もちろん」」」」」「あ、あうう……」

 

 息を吐き、呼吸を整えた。

 

 

 

 

 

 「ならば、さっさと準備を始めろ!

 愉快な……銀行強盗の始まりだ!」

 




G2「あれ絶対に困惑してるよな」
G3「銀行強盗しなければならない高校生活って何でしょうね」
G6「あんな苦痛に満ちた総長の顔初めて見ました……」(サクラコ顔、とも言う)
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