圧倒的宇宙 ムゲンソウルズ9(キュウ)   作:寿影瞳

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惑星クロトス  引き合う三ツ星

 

 

 イテ座星系 第20惑星”クロトス”

 クロトスの最大の特徴は他の星と違い、その形は丸い球体ではなく上部が平面になった宇宙に浮かぶ大陸のような形をしており、都市には高度な科学技術によって築かれている惑星。

 

 

 

 

 しかし、この星にもジャークマターの侵略の魔の手が迫っていた。3機編成の小型戦闘機「モアイダー」で空を覆うように街を次々に破壊を行なっている。

 

 ビルが崩壊され、燃え上がり、クロトスのあちこちで人々の悲鳴や叫びが聞こえてくる。

 まさに地獄絵図のような惨状だ。

 

「ダベ!」「ダベ!」「ダベ!」「ダベ!」「ダベ!」「ダベ!」「ダベ!」「ダベ!」「ダベ!」

 

 そんな地獄を助長するのはラインに青・黄・灰が入った黒いスーツを着込み、目の部分が赤いスリット状になっており頭部に銀の特殊マスクを被ったジャークマターの戦闘員「インダベー」

 その大量のインダベー達はクロトスの多種多様な住人を襲うため追いかけ回す。

 

 

 だが希望が断たれた訳ではない、

突如空から光線が撃たれインダベー達は怯んだ。次々とモアイダーが光線に巻き込まれ撃破される。

 

 爆煙の中から現れたのは、黒のウシ、黄色のカジキ、緑のカメレオン型の宇宙船であった。

共通してその宇宙船全てに、後ろに奇妙な球体が付いている。

 

 

 そしてモアイダーを爆撃しながら地上に接近。地球儀にも似た球体、否——キュータマが分離しゆっくり降り立つ。

 そのキュータマには、黄色は「9」緑色は「7」黒色は「5」と数字が刻まれていた。三個のキュータマは粒子のように消え、そこから三人の戦士が現れた。

 

 

 

「キタ!コレッ!やっちゃっていいかな?スパーダっ⁉︎」

「ハミィちゃん!料理は手際が肝心だよね?チャンプ」

「ワガハイにまかせろ‼︎正義があれば、何でもできるッ!行くぞォッ‼︎」

 

 

 1人目はギャル口調の軽快な少女『ハミィ』、2人目はハンチング帽を被った茶髪の青年『スパーダ』、3人目は金属性の筋肉隆々な牛型戦闘用アンドロイド『チャンプ』、

 

 眼前に広がるジャークマターの軍勢を前に3人はまるでものとのしない、むしろそんな軽口を言い合う。

 

 

「「「1・2・3・モゥーッ!!」」」

 

 

 3人は左腕に装着している星の装飾が付いた赤い籠手状の専用デバイス「セイザブラスター」にキュータマの球体部分をマワスライドしセット!

 

『オウシ・キュータマ!』

『カメレオン・キュータマ!』

『カジキ・キュータマ!』

 

キュータマを前方に倒し———

 

『『『セイ・ザ・チェンジ!』』』

 

———安全装置(セーフティロック)である銃把を倒して解除

 

 

「「「スター・チェンジ‼︎」」」」

 

 

 腕を大きく回してポーズを取り、地面に向けて発射‼︎現れたのは(スター)のエネルギーフィールドと無数の綺羅星であった。

 

 そこから綺羅星が集まり其々の星座に変化しハミィ達の前方に現れる

 

 チャンプには牡牛座が、

 ハミィにはカメレオン座が、

 スパーダにはカジキ座が、

 

 

 変身する、究極の救世主に

 

 変わる、輝く星の戦士に

 

 

「リングスター、オウシブラック!」

「シノビスター、カメレオングリーン!」

「フードマイスター、カジキイエロー!」

 

 

 チャンプは黒の戦士、「オウシブラック」に

 ハミィは緑の戦士、「カメレオングリーン」に

 スパーダは黄色の戦士、「カジキイエロー」に

 

 

 未だ見ぬ6人を除いた3人のキュウレンジャーが並び立つ‼︎

 

 インダベーの大群に立ち向かう3人。圧倒的物量で攻めるインダベーに対しキュウレンジャーはたったの3人だけである、これではものの数分の内に蹂躙されるだろう。

 しかしそんな予想に反しキュウレンジャー達は善戦どころか、寧ろ何百といるインダベー達を圧倒しているではないか、

 

「やぁッ!、はッ!」

 

 カメレオングリーンはその身軽な動きでインダベーを翻弄、セイザブラスターの持ち手であるアンダーグリップ側面にある赤いボタンを押し、エネルギー弾を連続で発射。

 

 実はこのセイザブラスター、毎分最大999発のキューエナジーの光弾を発射できることが可能、スゴイ!

 

「フゥンッ!」

 

 次にオウシブラックは自慢のパワーによるプロレス技でインダベーをまさに猛牛の勢いで攻撃していく、そしてセイザブラスターによるゼロ距離連続射撃でインダベーは爆散‼︎

 

 カジキイエローは優雅で無駄の無い動きとセイザブラスターの光弾でインダベーを寄せ付けず立ち回る。

 

 

 

 そこにセイザブラスターから通信音が入る。

 

 

 

『此方、オリオン号 今回の任務は民間人の救出であることを忘れないでください、9人揃うまでは無茶は禁物です!』

 

威圧的な女性の声が聴こえてきた。

 

「ま、まずい、ラプターがオコだ‼︎」

 

カメレオングリーンがマスク越しに顔を顰める。

 そう、今回の指令はクロトスに住む民間人を救出しボイジャーで帰還するというのが任務である。

 確かにジャークマターの相手をして時間を掛けている場合ではない、3人はそのことに瞬時に判断し、素早く戦線を離脱した。

 

 此処からの任務は民間人の救出を最優先にしなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

惑星クロトスの周辺

 

 ジャークマターが惑星クロトスに侵略中のその近くに小さいナニカは誰もいないこの空間を移動する。

 

 ジェットエンジンの推進力とハンドルの操作力で宇宙を移動している物体があったそれは宇宙船というよりバイクに近い、前面には望遠鏡が付いている。その宇宙船に備わっているラジオから流れる陽気な声を聞いている青年が乗っていた。

 

『88星座占い、今日の第一位はシシ座で〜す!

 

本日のラッキーアイテムは、オオカミ、球、宇宙戦艦、ウサギのぬいぐるみだ!これさえ揃えば、今日はスーパーなラッキーデイになること間違いなしッ!』

 

 静かな宇宙空間にハイテンションな声のナレーターは本日の星座占いの第一位を発表する。次にラッキーアイテムをラジオで聴いているであろうリスナーの皆に伝える。

 

「よっしゃ、ラッキー!さすが俺!」

 

 

 青年は余程嬉しかったのか拳を突き上げる。星座占いとはいえ、88もある星座の中で第一位になったのは凄まじい豪運としか説明が付かない。

シシ座生まれである青年が喜ぶのは当然であろう。

 

 しかしそんな有頂天な気分も次のラジオニュースで変わる。——悪い意味で

 

『本日は流星注意報が出ております。宇宙移動しているガタォちg@:),£]+ピ-\,!}^}ガ~』

 

 

 

瞬間、謎の飛来物体が一瞬で通り過ぎた。

 

宇宙からの流れ星、それが群となりやって来る。

 

そう、流星群だ。

 

だが流星群は青年の宇宙船に直撃する……ことなく通り過ぎるだけだった。しかし宇宙船のエンジン部分に掠ったのか、火花が散る。

 

「……ん?なんだ…?」

 

 段々と宇宙船がフラフラと下に向かっている。

 

 エンジンが故障、操縦が効かない

 

 これは間違いない

 

 墜落だ

 

「うわぁぁぁぁァ—————ッ!」

 

 その先の宇宙戦艦に向かって

 

 

 

 

 

同時刻

 

 

 

 

 

 ジャークマターがクロトスを侵略しているその近くでは、巨大な宇宙戦艦が移動していた。しかしその宇宙戦艦は余りにも奇抜なデザインである。前面には巨大なウサギの顔が張り付いており、艦の上には街のような建物が沢山ある。温泉、エステ、武器屋などまさに宇宙をまたに駆けるテーマパークだ。

 

 艦内のとある部屋、デカデカと”絶対勝利”と書かれた扇型ホログラムがあり、その戦艦内部の中枢部分に等しいこの場所こそが操縦室・司令室を纏めて兼任できる艦橋であった。

 

 その艦橋に1人の小さな少女がいた。長くて赤いリボンで後ろに髪に結んでいて特徴的なアホ毛がある。その少女はとある声に耳を傾けていた。

 

『88星座占い、今日の最下位はオトメ座で〜す!

 

 本日のアンラッキーアイテムは、流星群、球、宇宙船、シシ座だ!これらに注意しないと、超アンラッキーデイになること間違いなしだッ!』

 

「はあぁ〜ッ!!!ちょっと何よコレっ!どーしてこの私が最下位なのよっ!」

 

 どうやらこの少女はラジオの星座占いを聴いていたようだ。しかし彼女はこの占いの結果が不服らしく、ダンダンと床を踏みまくっていた。

 

「ぷるッ!」

「こんな所にいたんですねー、……一体どうしたんですか?」

 

 そんな最中に自動ドアが開き、そこから奇妙なウサギと共に髪は翡翠色、蒼玉のような青い瞳の少女が現れたのであった。

 

 だが彼女の容姿はかなり異端にも感じる。頭上には天輪が、腰辺りの所に右に蝙蝠のような翼が、左には純白の翼が生えていた。

 

 その姿はまさに神話に登場するであろう悪魔と天使を一つにしたかのような人物であった。

 

 

「どうしたもこうしたもないわよっ、この占いどうかしてるわ!圧倒的美少女絶対神であるこの私が最下位なのよ!ふざけんじゃないわよッ‼︎」

 

「温泉上がり早々にむくれないで下さいよー」

 

 たかが星占いで酷いブチギレ様だ。

異端的な少女もそう思ってるのかそれともこれが平常運転なのか、あるいは両方か。

 

 どちらにしろ主人であるこの少女の機嫌を直さなければならない、それが———天使に転生した悪魔、アルティスの野望に繋がるからだ。

 

そんなこんなでやってると、艦橋の扉から青年が飛び出した。それと同時に機械から流れるラジオからとんでもないことが聞こえた。

 

「た、た、大変っス!謎の飛行物体が接近———」

 

『本日は流星注意報が出ております。宇宙移動しているガタォちg@:),£]+ピ-\,!}^}ガ~』

 

その時、艦全体に衝撃が走る。

 

 

 

 

 

 

惑星クロトス

 

 キュウレンジャー3人が民間人と共に目的地へ移動する。その道中にインダベー達が現れるが民間人を守りながら悉く撃破していく。

 向かう先は最初にキュウボイジャーを着陸した地点である。そこで民間人を乗せてクロトスから安全に脱出すれば任務完了だ。

 

「ねぇ、スパーダ!もうそろッ!」

「そうだね、外に出れば目と鼻の先だよッ……!」

「さぁ!こっちだ!」

 

 そのためには屋外に出て、キュウボイジャーに乗るだけ、3人は民間人を守りながら急いで建物から屋外から出た。

 

 しかしキュウレンジャーの眼前には大量のインダベー達が待ち構えていた。ジャークマターの最下級兵とはいえインダベー達は馬鹿ではない、戻って来ると踏んで待ち伏せをしていたのだ。

予想外の事態にハミィは驚く。

 

「ぎょぇぇぇッ!まだこんなにいるの⁉︎」

 

 敵の数にこそ多いが問題は民間人。

 戦いの訓練を受けている自分達は問題無いが、民間人は別だ。守りながらこの数を相手にするのは至難の業。その事態に流石のキュウレンジャー達も身構えた。敵がゆっくりにじり寄って来るその時、空からなにかが来る。

 

「ん?……」

「あれは…」

「なんだ……?」

「タベ?」

 

 それは段々と大きくなっていて

 

 

 徐々にシルエットが分かっていく。

 

 

 鳥ではなく、飛行機でもなく、否、違う。

 

 

 ソレの正体は

 

 

 そう巨大な宇宙船艦であった。

 

 

 その宇宙戦艦は丁度インダベー達がいる横っ腹から突っ込む。地面は抉れ、瓦礫は舞い、インダベー達は戦艦の突撃に殆どがボーリングのピンの如く吹っ飛ばされてしまった。

 しかし突っ込んだおかげで艦は止まった。

その戦艦の甲板から謎の人物が2人も現れた。1人は小さな少女。もう1人は突然に宇宙用ヘルメットを外すと高らかに叫んだ。

 

「よっしゃ、ラッキー!着陸成功だぜっ!」

「なにがラッキーよ!あんたのせいで墜落しちゃったじゃないっ!」

 

「すみませぇーんッ!みなさん大丈夫っスかッ⁉︎」

「あ〜、ダメですね……絶対何人か轢きましたよ」

 

 ……着陸?あれって、墜落だよね?

というか誰?何処からどう見ても着陸とは御世辞には見えない。

 しかしそのおかげで、蟻のように群がっていたインダベーの殆どが消えており、キュウボイジャーは全機無事だ。あの宇宙戦艦を跨いで行けばすぐそこだ。

 

「道ができてる!行こう!」

 

 呆然としている仲間に呼びかけ、民間人とキュウボイジャーに向かう。

残ったインダベー達が襲いかかるがこの数ではキュウレンジャーに全く相手にならない。

 

「………なんか凄い修羅場になってるみたいですね」

「言ってる場合っスか⁉︎……ってアンタなに降りてるんスか!」

 

 青年がいつの間にか戦艦の甲板から降りていた。そしてついでに少女も一緒に降りている。

 

「ああ、だいじょーぶだいじょーぶ、それにその戦艦壊れてなさそうだし」

「壊れてなくても墜落したんだから謝りなさいよ!」

 

 しかし左右からインダベーが接近する。

 インダベーは考えた。どうしてこうなったと

渾身の策がコイツらの戦艦のせいで台無し一気に数が減ったしまったためこんな事態になってしまった。

 

 故に

 

 反逆者として抹殺する。

 

 このままでは彼は挟み討ちされ命を落としてしまうだろう。さらに青年と少女は謎の戦士(無視されてる怒り)に夢中でまるで気付いていない。

 

「つえ〜、決めた!俺もアレになるッ‼︎」

「おいこら、私の話無視すんなっての!」

 

 まさに最悪の連続だ。宇宙船は突如故障し、その先で戦艦に激突、しかも戦艦と一緒に墜落した星は、今まさに侵略されかけている。

 

 

 不運以外の何物でもないことの連続だが、それでも青年は変わらず、こう言うだろう。

 

「だ〜か〜ら〜」

 

運を手繰り寄せるあの”言葉”を———

 インダベーが振るう凶刃に当たる——ことはなく何者かの鉄拳で姿勢がグンと下がった。そう、少女———シュシュの拳である。シュシュの拳で彼は幸か不幸か助かったのだ。

 

「話を聞けぇッ!!」

「いだぁっ!———でもッ」

 

「よっしゃ!ラッキー!」

「こっちはアンラッキーよ!」

 

 その突き出した拳が片側のインダベーに直撃した。

 もう片側はシュシュの蹴りが顔面に直撃した。

 

 

 出会いは悪運で、ある意味幸運でもある。

 どちらでもあるような始まりだった。

 

 

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