稼ぎの少ないオカルト事務所所長、VTuberになる 作:酉柄レイム
『project:duel』。オープンワールドのカードゲーム。街や森などのフィールドに散らばったカードを集めて作成したデッキで、出会った人と戦うアクション要素を交えたカードゲームであり、『モンスターカード』『アクションカード』『エンターテイメントカード』の三種類がある。
モンスターカードはその名の通りモンスターであり、HPと攻撃力と固有の効果を持つ。アクションカードは例えば相手モンスターの攻撃を避けたり、自分モンスターの攻撃力を上げたりと様々な効果があり、使うタイミングは自由。最後に、エンターテイメントカードは15枚につき1枚の比率でしかデッキに投入できない、大どんでん返しが期待できる効果を持つカードで、こいつも使うタイミングは自由。
これらを組み合わせ、最低15枚、最大45枚で構成されるデッキを、街や森など、様々なフィールドに散らばっているカードを拾って組み合わせる。
「『
プロエジェのライバーに沿ったテーマカードが用意されてそうだな
さっきから深夜の騎士団《ミッドナイツ》ばっかじゃね?
いいことではある
そこらへんの調整もうまくやってくれてるのかもしれん
「調整してくれているだろうな。恐らく、最初に拾ったテーマカードに合ったカードが出現するようになっている、と言ったところか」
俺が今いるのは、夜の街。カードを拾い集めるというゲーム性質上、見えにくい場所は避けるだろうと踏んでここにきたのだが、それが正解だったのかもしれん。夜は俺に似合う!
今はニッコリ探偵団で『project:duel』をプレイしているところだ。せっかくだからと満も参加し、四人での勝負ということになっている。
「ある程度のキャラコンが必要なのも面白いな。カードの取りにくさと強さが比例しているからやりがいがある」
カードは道端に落ちているものもあるが、例えば屋根に上らなければ取れない場所にあったり、ゴミ捨て場に埋もれていたりする。見つけにくい、取りにくい場所にあるカードは決まって効果が強い。PvPなのに戦うためにカードを集めるという性質上、どうしても集める作業がダレてしまうかと思っていたが、ここにも競技性があるとは。
これで、集まったカードは15枚。デュエルを開始するのに最低限の枚数が集まった。拾った時にカードの効果は読むようにしているが、すべて把握できているわけではない。一度熟読してみるか。カードの効果がわかっていた方が、カードを使った時の視聴者の反応がいいだろうしな。
『デュエルスタート!!』
「え」
その瞬間、デュエルの開始を告げる電子音が鳴り響き、淡い青色のドーム状の壁が出現する。
「誰だ!!」
「カードを集めるのが遅かったな。お前の人生の歩む速度を表しているのかと思った」
「その容赦ない暴言は、アザミだな!?」
まさか、アザミんもここでカード集めを!?
マズいぞ!! 頭の出来的に多分アザミんはもうカードの効果を把握してる!
負けたら即脱落だぞ!
集め終わった瞬間に脱落はニコすぎる
誰だ!! と言ったが、普通に道路の中央にいた。俺のイメージではビルの屋上から俺を見下ろしている予定だったのに、恥ずかしい。
「何か知らんが、動揺しているな」と言っているアザミに動揺を悟られないようにアザミへ体を向け、上空に表示されたルーレットに目を向けた。
「さて、どのルールになるか」
デュエル開始時、ルールが選択される。それは勝利条件を示すものであり、全部で三つ。一つ目は『相手モンスターを先に三体倒した方の勝利』、二つ目は『ライフポイント制:4000ライフポイントを削った方の勝利』、三つ目は『エンターテイメントデュエル』。一つ目はそのままのルールで、二つ目はお互いのプレイヤーに4000のライフポイントが設定され、モンスター、もしくはカードの効果によってそれを削り切った者の勝利。
そして、三つ目は。
『ルール決定!! エンターテイメントデュエル!!』
ルールの決定が告げられた瞬間、俺たちのデッキのうち一枚を残し、残りのカードがフィールドに放たれた。
そして、それぞれの前にモンスターが召喚される。俺の前には闇夜を思わせる漆黒の装甲に身を包んだ、全長3メートルほどの巨大な獅子が。アザミの前には、花弁が何層にも重なり、人工的な艶を帯びた金属質の質感の、一軒家くらいの高さがある巨大な機械的な花が。いや、花とはいったがめちゃくちゃ物騒だ。花弁の内側には砲身があり、花の中心部には赤黒く脈打つ核のようなものが露出している。しかも無数のケーブルとアームが地面に向かって伸びている茎から生えている。正直怖い。
何だアレ!?
さっき拾ったモンスターだ!!
エンターテイメントデュエルってなんだっけ
そういうのはニコが全部説明してくれるぞ
「ルールを確認する!! エンターテイメントデュエルは、それぞれのデッキから一体のモンスターが選ばれ、それ以外はこのドーム状の壁に囲まれたフィールドのどこかに散らばる!! ただしモンスターカードは除去される。その後30秒間の制限時間が与えられ、そこでカードを集めた後デュエルがスタート! そこからは自由にフィールドのカードを集めながら、相手モンスターの打倒を目指し、先に相手モンスターを倒した方の勝利だ!」
「ルール把握が完璧で助かるよ。ストレスがなくていい」
「さらに、『
オープンワールドならではのルールっぽい
順当に立てられる負けフラグ
いいカード引き当てられなかったら、普通に攻撃されて破壊されるってことか
おい!! 運要素が絡んだら負ける気しかしないぞ!!
「私の『
あまりにも名前が怖すぎる。普通にラスボスの風格してるしな……。いや、臆してどうする!! 殲滅のアマリリスは地に根を……コードを張っている!! 機動力はレグルスの方があるはずだ。確かに動き回る必要がないというのもアドバンテージになり得るが、それでも俺たちの方が強い!!
『それではこれより5秒後、収集フェーズに入ります。5、4、3、2、1』
スタート、という音とともにレグルスに騎乗し、空を駆ける。
レグルスは俺がさっき言った通り、騎乗することができる。それを俺が知っていたのは、モンスターカードには『騎乗可能。飛行可能』といったように効果とは別に性能が記載されているからだ。エンターテイメントデュエルでこいつを引き当てるとは、強運すぎるな、俺。
「よし、あのビルの屋上にあるカードを取るぞ!」
レグルスに乗り、ビルの屋上を目指す。恐らくさっきまでと変わらず、取りにくい場所にあるカードは強いカードのはずだ。アザミもそれに気づいているだろうから、先に取ったもの勝ち!!
もはや勝利を確信しながら手を伸ばす。が、俺の手は空を切った。俺が取ろうとしていたカードを取ったのは、背後から急激な勢いで伸びてきたアーム。
「おい!!!! 横取りするな!!!!」
「横取りしてはいけないというルールはない。30秒以内にお前がカードを集められなければ、その猫一匹のみでの勝負だ。横取りするに決まっているだろう」
賢い
横取りを阻止する方法はないのか!?
おい、ニコ!! Z、X、Cキーにそれぞれ技が振り分けられてるぞ!!
それでアームを弾けば横取りを防げるはず
「何っ、ありがとう! 助かった!!」
コメント欄を見て、それから画面を見る。確かに、Z、X、Cキーにそれぞれ技が振り分けられていた。Zキーは『
「ならば、『
Cキーを押した瞬間、視界が加速する。周囲には星屑の煌めきが散っていて、俺たちが辿った跡が星屑に彩られ、輝く軌跡が生まれていた。
「この速度なら、誰も追いつけんだろう!! ハーッハッハッハッハ!!!」
高笑いする俺の視界が赤く染まる。かと思えば、ビル群が殲滅のアマリリスから放たれた無数のレーザーより崩壊し、屋上にあったカードがすべて地上へと落ちていった。
「おい!! ビルを壊すな!!」
「妨害手段があったら使うだろう、と何度も言わせるな」
「ぐぬぬ……!! しかし、それぞれの技にはクールタイムがある!! アームは使った、レーザーも使った!! あと一つは何かわからんが、残された10秒間でカードを集めれば」
「もう使っている」
アザミの言葉とともに、空中、地上それぞれ数か所で爆発が起きる。それによって生じた煙でカードが見えなくなった。
「殲滅のアマリリスは、アーム、レーザーによって種をばら撒く。その種は私のタイミングで起爆させることができる、というわけだ」
「クソッ!! 正々堂々勝負しろ!!」
「これが私の正々堂々だ。殲滅のアマリリスは図体がデカく、攻撃する技しかない。相手にカードを集めさせずに殲滅するのが、こいつの正しい運用方法だ」
『デュエルスタート!!』
収集フェーズが終了し、相手モンスターへの攻撃が許可される合図が鳴り響く。
ま、マズい!! このままでは負ける!! まだカードを集められないわけではない。すぐに集めて戦力を補強せねば……!!
「アクションカード、『
じゃあな、というアザミの声の直後、視界を埋め尽くすほどの数の巨大な火球が俺に向かって放たれた。
ニッコリ探偵団 視聴者支部 part42
319:このライバーがすごい! ID:hcZoVrhgw
順位
一位:満ちゃん
テーマ:ゴーステイルズ
動物の霊のテーマ
しっぽにふよふよした炎が灯っているキュートなモンスターが特徴
二位:アザミん
テーマ:狂乱の楽園(プロジェクト・フレンジー)
花をモチーフにしたエグイ機械群のテーマ
攻撃性能ガン振り
三位:優姫ちゃん
テーマ:黄昏の探偵(トワイライト・ホームズ)
探偵のテーマ
カード収集、妨害が得意
四位:ニコ
テーマ:深夜の騎士団(ミッドナイツ)
レグルスしか出てきてないから知らん
320:このライバーがすごい! ID:hAVyiGpt8
ニコが瞬殺されて、やっぱりなってなった
321:このライバーがすごい! ID:WuEvUUXXc
絶対アザミんが一位だと思ってた
322:このライバーがすごい! ID:E5+4wjWW9
満ちゃんのゴーステイルズの基本技が透明化して攻撃避けれる上、
相手モンスターに憑依して乗っ取れるぶっ壊れアクションカードが強すぎた
323:このライバーがすごい! ID:HBkqaLSaY
ゴーステイルズ、みんな攻撃力ゼロでHPも少なかったから、戦闘前提じゃないんだろうな
324:このライバーがすごい! ID:gceVuGrKI
黄昏の探偵……トワイライト・プリンセス!?
325:このライバーがすごい! ID:t+XGeTwg4
>>324
消されるぞ、お前
326:このライバーがすごい! ID:5LMfc2wky
攻撃無効・技使用不可・効果無効
⇒無効にしている対象を破壊する効果
のコンボ系だったけど、満ちゃんのエンターテイメントカードでひっくり返されてたな
327:このライバーがすごい! ID:03iw6Di30
エンターテイメントカード:大爆発
効果:フィールドのどこかで大爆発が起きる
328:このライバーがすごい! ID:UyEHELrOo
バカすぎる
329:このライバーがすごい! ID:WKv35D8cw
カードゲームもクソもない
330:このライバーがすごい! ID:BNyPk6GYV
逆を言えば、カードゲームが苦手でも勝ちの目があるってことだろ
331:このライバーがすごい! ID:c6Bk3vIcU
語は不服そうにしてたけど、一応エンターテイメントカードなしにもできるらしいぞ
332:このライバーがすごい! ID:HJPFW/JZM
あと、オープンワールドじゃなくてカードプールから好きにデッキ組んで、
デュエルできるモードもあるらしい
333:このライバーがすごい! ID:kYZV28cPX
普通に競技性あっておもろそう
334:このライバーがすごい! ID:w671eV2p4
全員のテーマ見てみたいな
335:このライバーがすごい! ID:0Yc42bJun
まだニッコリ探偵団しかやってないからな……
336:このライバーがすごい! ID:gjPDqsowG
これ無料配布らしいぞ!!
337:このライバーがすごい! ID:u54tWsm1g
利益考えてなさすぎる
338:このライバーがすごい! ID:/nmtRZTsV
語「全員に楽しんでほしいのに、金もらうわけにはいかねぇだろ」
339:このライバーがすごい! ID:AynKm95IO
エンターテイナーの鑑
340:このライバーがすごい! ID:C+aF2g9w0
金とっていいレベルのエンターテイナーなのに……
341:このライバーがすごい! ID:yeffAB8zW
もう一戦やるらしいぞ!!
342:このライバーがすごい! ID:YvgMQsm5O
そりゃニコが納得できないだろうからな
343:このライバーがすごい! ID:E4EegbQmQ
どうせまたすぐ負けるぞ