稼ぎの少ないオカルト事務所所長、VTuberになる 作:酉柄レイム
「というわけで、ニッコリ探偵団で今話題のAI恋愛診断をやる!」
『これ、普通にムカついたんだけど』
『AIの精度も完璧とは言えないからな。ある程度は仕方がないだろう』
ニコの恋愛観も気になってあげて
そこはまぁ、ほら
AI恋愛診断を各々やって、配信当日。事前に『アザミさんのチャンネルでニッコリ探偵団がAI恋愛診断をやる!』と告知しておいたからか、そこそこ視聴者にお集まりいただいている。
コメント欄の反応も、まぁ無理もない。俺のような男より、月宮さんやアザミさんのような可愛らしく美人な女の子の恋愛観の方が気になるに決まっている。だから傷ついてなんかいない。
「ちなみに、満も診断したぞ。月宮さんが満ちゃんもやったら? と言ってくれてな。本当にいい人だ。一生幸せになってほしい」
『当然でしょ? 満ちゃんもニッコリ探偵団の一人なんだから』
《本当に好き。私が男なら放っておかなかった。死んでるけど》
ブラックジョークやめろ。
『まずは私のものから見ていくか。先に言っておくが、ちゃんと自分の価値観で回答したぞ』
「実は、アザミさんのが一番気になるんですよね」
『一番読めるけど読めないしね』
アザミさんは、視聴者が求めているものを理解して実行できる人だ。自分を可愛く見せたり、俺をおいしくしてくれたり、月宮さんを可愛く見せたり。だからこそ本性というか、アザミさんの本質的な部分が見えにくい。一つだけはっきりとわかるのは、自分の好奇心に忠実なところだ。
チャンネル主であるアザミさんが配信ツールを操作し、自身の診断結果を配信に映す。
『私の彼氏は、33歳で188cm、筋トレが趣味で胸のボタンが弾けそうになるくらいムキムキの官僚らしい』
いるよなぁ筋トレ趣味
健康的って思えるレベルでいいのに
『アザミと釣り合いとれるといえば取れてるわね』
「文武両道ですか。いいですね」
《武が前面に出すぎだと思うけど……》
『ちなみに、こういう人ってどうなの? 今のところ職業と見た目と趣味しか出てないけど』
『ふむ』
あ、そうだ! 今日の配信って二人の恋愛観を知るためのものだから、月宮さんがやったみたいな質問しないといけないんだ! ありがとう月宮さん。俺のためを考えてくれて……いや、これ普通に配信のことを考えてるだけだ。己惚れるところだった。
『別に、興味はないな。筋トレが趣味だからといってそれで何者かになれるわけでもない。ただ筋肉がつくだけで没個性的だな。あと、なんか私より筋トレのことを優先しそうでちょっとやだ』
『そのあざといのやめなさい』
『バレたか』
優姫ちゃん、やめさせないで
俺たちはアザミんの『こういうの好きなんだろう?』を摂取しにきてるんだ
随分な変態にもお越しいただいているな。多分俺のとこの視聴者だ。
なるほど、アザミさんは没個性的な人はあんまりなのか。恋愛に発展するなら、興味の対象として見られる必要がありそうだ。それかむしろ没個性的でありながら、『なぜここまで私の興味を引くんだ……?』とアザミさんに困惑させるのも……ボイス台本考えるためとはいえ、気持ち悪くないか? 俺。
『この診断は、付き合う前、付き合い始め、付き合って少し経って、別れ際。それぞれで相手から言われたことが出力されるようだな。付き合い始めは、待ち合わせが朝6時で文句を言われたり、意地っ張りだと言われたり、一緒にいやすい雰囲気と言われたり……不愉快だ』
『それはどういうところが?』
『まず、私が何の理由もなく朝6時に集合と言うはずがない。その時間に集合が必要だからそう言っているだけで、それに文句を言うということは自身が低能であることを証明しているだけだ。意地っ張りというのはまぁ、否定しない。間違っていることを間違っている、正しいことを正しいという癖はあるにはあるからな。それが意地っ張りだと捉えられても仕方がない。一緒にいやすい雰囲気というのは、そんなわけがないだろう』
「え? 俺はアザミさんと一緒にいるの楽しいですよ。会話のパスちゃんと出してくれますし、客観視ができる人だから一緒に配信すると安心しますし」
『……まぁ、そういう者もいるだろうな』
《佐藤さん、思ったことを言うのはいいことだけどね……》
この返しは予想してなかったらしい
知ってるぞ、これも『こういうのが好きなんだろう?』ってやつだ
好きです
さっきのを聞く限り、アザミさんは自分が正しいと思うところがあるようだ。少しは配信用に誇張してるところもあるだろうが。でも、アザミさんに正しいって言われたらそれが正しいと思ってしまうなぁ……。頭脳で勝てるとは思えないし、感情的な部分はどうであれ、論理的に考えたら大体アザミさんが正しそうだ。
『付き合い始めは、触り心地が好きだとか、君みたいに明るくいられたらいいのにとか、やりたいことがあるのはいいけど全然会う気がないよなとか……私は比較的貧相だ。触り心地が好きというのは、そういう趣味なんだろう、否定はしない。私が明るい? 奇妙な価値観だな、初めてこいつに興味が出てきた。しかし時間をかけるほどじゃない。会わないのは、会う必要性を感じないからだろうな』
「触り心地は髪とかじゃないですか? アザミさんってなんか気まぐれに寄りかかってきてそのまま枕にしそうですし、その時に触る髪が、そのシチュエーションも含めて好き、とか」
『具体的かつ気持ち悪いわね』
《私はいいなって思ったよ!》
アザミんは気まぐれなイメージある
ふらっと家に来て「休みにきた」って言いそう
それでこっちばっかりドキドキさせられそう
段々イメージが固まってきたな。アザミさんは気まぐれで、必要性が大事。その必要性っていうのは役に立つとか興味がそそられるとか……本当に付き合ってるのか? どちらかといえば従者とか研究対象とかそういうのじゃないのか?
『付き合って少し経ってからは、意見を聞くフリして最終的にお前が悪いと言いたいだけとか、人の心理に詳しいけど優しいわけじゃないとか、返信する時間くらい作れるだろとか……だから言ってるだろう。お前に興味がない。そしてお前が悪い。私が悪いのであれば認めるくらいの度量はある。それをしないという時点で察するべきだ。何から何までくだらないなこいつは。あるのは筋肉と学歴だけか?』
『難易度高すぎでしょ、アザミと付き合うの』
アザミん「AIの精度も完璧とは言えないからな。ある程度は仕方がないだろう」
それはそれとしてムカつくのも仕方ない
アザミさんへのリスペクトと理解があれば、案外うまくいきそうな気もする。あとは、アザミさんと議論を交わせるだけの頭があればよさそうだ。アザミさんが相手に求めるのは、『知性』『興味の対象』『利便性』というところか。
……彼氏彼女という甘い関係にならなさそうな気もするが、だからこそアザミさんに好きになってもらえたり甘えたりしてもらえたら、もうめちゃくちゃ嬉しいだろう。「疲れた」とか言ってもたれかかってきてほしいな。いや、俺がじゃなくて、あくまで『アザミ・フレンジー』をキャラクターとして捉えた時の話で。
『別れ際には、俺の女友だちを毛嫌いしていたとか、俺じゃなくて「男」が好きだったんだなとか、肩の力を抜いて話せないとか……はぁ、ここまで伝わらないバカがいるんだな。「男」として好きというのは、もう生物学的な研究対象としか見られないからだろう。それほど価値がないんだ、お前には。それに女友だちを毛嫌いしていたと言うが、どうせ嫉妬か何かだと勘違いしているんだろう。そんなわけがない。お前のような何もない人間にどのような交流関係があろうとまったく興味がない。嫉妬と思いたいのはお前の自尊心を保つためだろう? 少しでも自分が好かれているという実感がほしかったんだ。だからありもしない私の嫉妬という感情を作り出し、あたかもそれを正しいかのように私へ突き付けた。呆れる他ないな』
『肩の力抜いて話せないのは本当みたいね』
「アザミさん、ちなみに彼氏がいたことは?」
『ない。必要性を感じない』
ボロクソで草
俺もボロクソに言ってほしい
多分心折れるぞ
こんなこと言ってて、視聴者が求めてるものを提供できるんだからな……人の心理に詳しいっていうのは当たってるのかもしれない。アザミさんはアレだな、『純粋に高め合う仲だったはずが、アザミさんの興味が恋愛に向いて、時々からかってくる』みたいな感じのがよさそうだ。『私の貧相な体でも興奮するのか?』とか言ってほしいな。いや、俺がじゃなくてあくまで『アザミ・フレンジー』というキャラクターで捉えた時の話で。
『必要性を感じないとは言ったが、そもそも私と付き合いたいと思う男はいないだろう。私が男だとしても、私のような女は選ばない』
「そんなことないと思いますよ。それこそ好奇心が旺盛な人だったら、アザミさんと一緒にいると毎日が新しいでしょうし、話題が尽きず楽しそうだ。それを抜きにしたって美人なんですから」
『……まぁ、そういう者もいるだろうな』
『ニコはアザミ特効かもしれないわね』
《たらし》
アザミんのそういうところが好きだ
ニコのそういうところも好きだ
ニコ、お前もしかして、モテるのか……?
月宮さんと満に呆れられた。なぜだ……?
ニッコリ探偵団 視聴者支部 part3
472:このライバーがすごい! ID:VqEbAYUYr
今日の配信まとめ
アザミん
彼氏に求めるもの
・興味がそそられるか
・便利かどうか
・知性
優姫ちゃん
彼氏に求めるもの
・自分を持っている
・犬っぽい
・でも甘えたい時は甘やかしてくれる
ニコ
彼女に求めるもの
・俺を受け入れてくれるだけでいい
満ちゃん
彼氏に求めるもの
・一緒にいて幸せになってくれる
・いっぱい褒めてくれる
・くっついても嫌な顔しない
473:このライバーがすごい! ID:5/uMpNE4I
>>472
満ちゃんが可愛すぎる
474:このライバーがすごい! ID:CFRhS7gS/
満ちゃん、デビューしてくれ
475:このライバーがすごい! ID:k/BgsWj1w
ニコから褒められた時に動揺していたアザミん、可愛すぎた
476:このライバーがすごい! ID:eA+EAvkoA
優姫ちゃんは「そういう見え方もあるわよね」って捉えてて、大人だったな
477:このライバーがすごい! ID:jeb9Ok0kv
優姫ちゃんはなんだかんだ意見が真反対でも肯定はしてくれそう
478:このライバーがすごい! ID:UN6upqsgl
でも絶対ディベート強いぞ
479:このライバーがすごい! ID:OhtS2NseX
ニッコリ探偵団、意思が強すぎる
480:このライバーがすごい! ID:Db02ZO+1A
>>479
ニコは自己評価低すぎるぞ
481:このライバーがすごい! ID:bx4VMoMo0
自分のことは好きだけど、それはそれとして客観的に見たらよくないっていうのはわかってそう
482:このライバーがすごい! ID:A4LzKW7Wm
でもあいつ絶対いいやつだぞ
483:このライバーがすごい! ID:jWYOuUGmo
満ちゃんがAI診断で悪く言われて、終始ブチギレてたもんな
484:このライバーがすごい! ID:KPnsrgclM
ニコ「満がどれだけいいやつか知らないんだこいつは!! 好き勝手言いやがって、貴様のようなやつがどれだけ頼み込もうと満はやらん!! 満は俺が幸せにする!!」
485:このライバーがすごい! ID:bl70oio/P
その後数分間、満ちゃんとイチャイチャし始める
486:このライバーがすごい! ID:wWR+IBzuG
ニコ「恥ずかしいからやめてだと? いや、やめん。満がどれだけいい子で、こいつがどれだけ浅ましい人間かをわからせてやる必要がある」
優姫ちゃん「落ち着きなさい。相手はAIよ?」
アザミん「ニコは面白いな。一緒にいて退屈しなさそうだ。付き合ってみるか?」
487:このライバーがすごい! ID:mWZ9qrmoE
>>486
アザミん……!?
488:このライバーがすごい! ID:8Wcv0vlBa
>>487
ニコ「(動揺して、周りのものをなぎ倒しながら倒れる音)」
優姫ちゃん「あんたねぇ、ニコをいじるのやめてあげなさい。そういう経験ないんだから」
アザミん「面白くてな。それに、付き合ったら普通にいい彼氏になりそうで面白くなさそうだから、冗談だ」
489:このライバーがすごい! ID:/46l5cGzU
>>488
からかわれた挙句勝手にフラれてて草
490:このライバーがすごい! ID:/yyAjRAl4
>>488
ニコ、あまりにも女性に対する免疫がなさすぎる
491:このライバーがすごい! ID:QP5uQvx4J
でもそこがいい
492:このライバーがすごい! ID:tnvU9mA/d
あれで女性慣れしてたら解釈違いだしな
493:このライバーがすごい! ID:B/nhUmdiA
そういえば、今日の結果をもとにして、ニコがボイス台本書くらしい
494:このライバーがすごい! ID:XL8Q1zq08
アザミんに人格否定されるボイスってことか?
495:このライバーがすごい! ID:ZiP5KxpMJ
ほしい
496:このライバーがすごい! ID:zPsIElIUo
俺を否定してくれ
497:このライバーがすごい! ID:9UtfN9vqG
>>496
ラスボスみたいなセリフやめろ
498:このライバーがすごい! ID:8WfxPdisl
ニコは時々キモい妄想語り出すから、期待してる
499:このライバーがすごい! ID:AmW+qu7y1
今日も発揮してたしな
500:このライバーがすごい! ID:jTNzor5s6
>>499
ニコ「月宮さんって、何かあったとき決して口にしないですけど、慰めてオーラ出しながら近寄ってきて、頭撫でたらぐりぐり頭押し付けてきそうですよね」
優姫ちゃん「うわ、キモ……」
アザミん「ふっ」
501:このライバーがすごい! ID:xIntiY9Mt
>>500
優姫ちゃんの軽蔑ボイス助かる