TS司祭とカス聖騎士 〜〜〜カスよ、龍に届いているか   作:マンコションベ

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日出処国

目が覚めると馬小屋みたいなボロ宿に寝かされていた。

 

 隣には書き置きとパンで出来た簡単な軽食。

 

 書き置きの内容は三つ。お前の怪我はもう治っている、迷宮にはもう潜るな、パン食ったら帰れ。

 

 よし、帰ってくるまで待とう。

 

 あれ程の戦闘力を持った駒…もとい仲間を逃がすのは惜しい。見たところ何故か一人でいたのも気になる。

 

 奴に寄生してダンジョン潜れば生活できる、強くなれる、領主を痛めつける事ができる。領主のクソを嬲れる。領主を…殺せる。

 

 そう思って待つことにした。

 

「お前…何でまだいんだよ。男、それもとびきりのクズ野郎の部屋によくいられるな」

 

 アホ面下げながら部屋に入ってきたのは銀髪のおっさん。名をフレッドというらしい。

 

ひとしきりお礼を言ってからソロ冒険者か聞いてみる。答えは肯定

 

 そこでお互いソロ同士パーティーを組まないかと提案してみる。

 

 「自由きままな冒険者生活を辞めてまでお前を介護してやるメリットとかあるのかよ」とか「俺毎日二層で狩りしてんだけど。二層来たら確実にそのうち死ぬだろお前」だの「せっかく助けてやったのに自殺の片棒担ぎたくねーんだわ、そんなに死にてえなら俺の見てないとこで死ねよ」とかガタガタ抜かすがおれはお前と組めなきゃ確実に死ぬんだよ。

 

 迷宮都市に来てからの事を時に激しく時に切なく涙を流しながら大げさに語る。

 

 最後に頼れるのは君しかいないという言葉をアカデミー女優賞ものの演技で語る。その結果いつ死んでも良いならという条件つきでパーティーを組むことが出来た。ちょろいンゴ。

 

「俺の名前はフレッド」

「おれの名前はエフィミア、よろしくね」

手を差し出した。その途端彼は顔を真っ赤な色に染め、目線は泳ぎまくり、その上でクッッッッッッッソやる気も興味もなさそうな仕草を取り繕って俺の手を握り返してきた。

 

★☆★☆

 

「後でガタガタ文句言われたくないから教えてやるよ。リノレガミン地下迷宮は全五層。ある程度強くなれば一層は楽勝。どう転んでも死ぬことは無い。一層に俺は同行してやるつもりは無いがお前でもなんとかなる」

 

ふむふむ

 

「問題は二層以降。ここで俺が狩りをしている時にお前がついてくるのは構わんけどここからはどんなに強かろうと死の危険がつきまとう。あー昨日お前が殺されかけていた時の魔物いるだろ、あいつの攻撃食らったら俺でも3割の確率で即死する」

 

ほうほう

 

「おまけに二層にはお前みたいな奴の天敵がいるんだ」

「おれみたいな美少女の天敵とな?モブおz」

「黙れ話を聞けクソボケ、お前みたいな魔術頼りのもやしの天敵がいるんだ。お前一撃でも攻撃受けたらアウトだろ。一層のカス共の物理攻撃程度であれば俺様がかばえる。が広範囲攻撃はかばえ無い。そして二層にはブレスと言う広範囲攻撃持ちがいる」

「つまり?」

「ブレス打たれた瞬間お前死ぬ」

 

さいですか

 

「ついでに教えてやるよ、三層、ここは理不尽な能力持ちは少ないが単純に敵の練度が高い。この国の狂王レベルの戦闘力あるなら二層よりこっちのほうが稼ぎに適してるかもな、俺は無理だけど。いつかお前が育てば行くのを視野に入れても良いかもしれん」

 

「ほんで?四層と五層は」

 

「覚える必要ない、四層からはこの迷宮で最悪の能力であるドレイン持ちが出現、五層は完全に地獄だ」

 

「…一層の冒険だけで強くなったりはできないかな」

 

「一層では強くなるのも生計立てるのも無理だ。金の方は厳密には不可能では無いが色街行ったり美味いもの食ったり色街行ったり色街行ったりといった人間らしい事は一切できない。最低限の金で長時間ルーチンワークする必要がある。慣れちまえばなんのリスクも犯さずできる冒険は報酬もそれなりってわけなんだ。それでもやるか?」

 

さてどうするか。一層か二層の二択のようだが一層では復讐を果たせない。二層では死ぬ。詰んでるわ。

 

「一層で鍛えてある程度慣れたら二層行くのはどうかな」

 

「それ俺になんのメリットがあんの?稼ぎ効率下げてまでお前の鍛錬に付き合ってやる道理とか無いよな。ついてくるのは構わんけどそこまでやってやる義理はねえぞ」

 

ぐうの音も出ない。

二層で死ぬか、ソロで一層で活動し復讐を成すのを諦めるか、その二択しか存在しない。

答えは…

どうするかをおれが言いかけた時

 

「話は変わるがヒイズル国って知ってるか?」

 

フレッドが唐突に言い出した。おれは首をぶんぶんと振る。

 

「東の果てにある小国でな、優秀な冒険者と優秀なんて言葉じゃ言い表せない程凶悪な魔剣を多数排出している所だ。宗教観がイかれてるからか白魔術使いが極端に少ないという欠点もあるがな。そこのボンボンに迷宮に適応するための指南を頼まれたんだ」

 

何が言いたいの?おれは頭がぐわんぐわんした。

 

「いくら俺様が優秀だといえそれでも一人でやるのはキツイなーどっかに助手になって一層を無給で一緒に回ってくれる奴隷いないかなーいるわけ無いなー」

 

恐ろしいまでの棒読みでフレッドはおれの目を見つめて言った。

 

 

 

 

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