TS司祭とカス聖騎士 〜〜〜カスよ、龍に届いているか 作:マンコションベ
やっほーエフィミアちゃんだよー! 元金玉持ちの16歳! 家族を殺しやがったクソ領主をぶち殺す為の力を得ようと迷宮都市に来たけど就いた職業は産廃職の司祭! 銀髪ヒゲモジャのおじさんとキt……ちょっと変わった紫髪のお姉さんとパーティーを組んだけれど私これからどうなっちゃうの〜!
…クソみたいな自己紹介してる暇無いな。
今日も迷宮からおれはかえってきた。
そして何回か共に迷宮へ潜る内にフレッドの性格も分かってきた。
一つ目はこいつがソロである理由。
単純に口が悪すぎる。その上金にがめつく、意地汚く、足が臭く露悪的。
よって他の冒険者からつけられた二つ名は【カス】
レベル7以上の冒険者、いわゆるネームド級冒険者として王に授けられた【白銀】という二つ名を持っているにも関わらず基本カス呼ばわりだ
なんて酷い渾名だ。いくら事実でも酷え名前の付け方しやがると怒ったが気にいってるから別に問題ないとのこと
二つ目はかなりスケベである事だ。
クールな一匹狼を気取っているが胸を少し出しただけで目線がそこに固定され、顔面を正面から見つめただけで顔真っ赤にして目をそらし、部屋のベットの下がエロ本の祭壇みたいになっている。初めて見た時マジでビビったもん、あれ。
あと性欲はバチクソに強い癖にバチバチの童貞だ
前世でも現世でも清い肉体を保ち続けているおれさまの同族探知センサーにガンガンに引っかかっている
こいつぜってーふーぞくにすらビビっていけないタイプの筋金入りの童貞だ。俺もそうだったからよく分かる
前世のあいつを思い出す。ヤンキの癖にゴリゴリの童貞だったあいつをその件でちょっとばかし煽った時は
「うるせえ文句あるか! 童貞はステータスだ! 希少価値だ! 希少価値なんだよおお!」
とか喚いていたな。あの時のあいつには凄まじい哀愁が漂っていた。
まあとにかくおれの寄生対象として完璧な存在だ。
ネカマとしての技能をフル活用してせいぜい利用させてもらおう
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今いるのはボルタック商店〟個人財力では王すら凌ぐ迷宮都市一番の金持ちだ
とにかく金の使い方がアホみたいに上手い。
敵対した相手、それこそ尽きることのない我欲と理不尽な暴力の権化たる冒険者であろうと金の力のみでなだめすかし、対立させ、分断し、最後には支配下に置く。
冒険者の圧倒的な暴力によるアドバンテージすら財力と舌先三寸で容易く粉砕する。
ヤクザみたいな連中が金を奪い取ろうと喧嘩を売った結果組織は壊滅、ボスは拷問拷問拷問の末に処刑という結末に至ったのは一回や二回ではない。
迷宮都市の表の支配者は狂王トレボ──近接戦闘に限れば大陸最強の化け物-だが迷宮都市の裏の支配者はこの一般人以下の戦闘力しか持たない目のキマったおじさんだ。
トレボー王に多額の根回しをした結果ボルタック商店は迷宮都市唯一の冒険者向けの店となっている。
こいつの店はなんで法律によって販売経路の独占を禁止しなくてはならないのかを物語っている。
まず何を買っても相場の20倍はある。傷薬なんて故郷では銅貨50枚、めんどくせえから日本円に直すが500円程度で買えたのにここでは12000円相当で売られている
クソがよ
武器防具に至っては見るからに粗悪な品が70万相当で売られていたりする。本当に舐めてんのかきさま。
その上買い取りはもっと舐めてる。少しでもこちらに道具の知識がないと見るや最上位のマジックアイテムでも舌先三寸で言いくるめ二足三文で買い取ってくる。
俺も一度やられたが意識でどうにかなるようなものではないほど交渉が上手い。洗脳魔術でも使ってるのかと言うほど鮮やかに戦利品を全て巻き上げられたのはいい勉強になった。
そう思わないとやってられない。
うええええんおれの5000円……
話がそれたがそういうわけなので戦利品の価値を理解するのがこのクソとの交渉のテーブルにつく最低限の準備なのだ。
そのため迷宮都市ではパーティーに一人はアイテムの詳細を知るために鑑定ができる職業、司祭を入れることが常識になっている
ボルタックは鑑定屋も兼ねているものの鑑定料が鑑定したものの売値と一緒になるためほとんど誰も利用していない。当たり前だ
ボルタック本当に……きさま……きさま……客を舐め…きさま
もちろんこんなクソボケジャワティーな鑑定屋を利用している客なんてソロ冒険者時代のフレッドぐらいだったようだ。
他の鑑定屋? 少しでも派手にやるとボルタック商会に潰される。よってボルタック商会がこの街唯一の鑑定屋だ。
一応鑑定を迷宮内でやる分にはお目溢しされるがお目溢しされるというよりも迷宮内まではボルタック商会の目が届かないからお目溢しせざるをえないという感じだ。
よって鑑定は迷宮の中でこそこそやるのが一般的なのだ 実際迷宮潜ると迷宮一層の地上に繋がる梯子の前で冒険者達が集まって鑑定をしているのをよく見る。司祭がいないパーティに別パーティーが司祭を貸し出しているのもまたよく見る光景だ。
ともかく今まではフレッドは戦利品をただみたいな金で巻き上げられていたが俺が連日連夜の必死の勉強により鑑定能力持ちになった事で状況は一変。真っ当に戦利品を売ることができるようになった。昔から勉強だけは得意だったんだ。弱視で文字がろくに見えないし腕も長時間動かせないにも関わらず某タックル大に首席で入学して奨学生になれる程には。
こっちに来ても必死に勉強したんだ。マジックアイテムも魔術式も大体暗記して理解したんだ。
その後大体の交渉を済ませるとフレッドが店から出てポツリと一言行った
「エフィミア、お前本当にすごいな、この短期間でこんなに鑑定能力が伸びるなんてやっぱ頭良いよ」
「ふふん、これでもおれ昔から勉強だけは得意だったんだぜ」
むふーと俺の鼻息が荒くなる、もっと褒めろ褒めろ。
「…そのアホ面本当やめろ、頭良いと言った俺が馬鹿見てえだろ」
「お前犬だったら絶対に常時尻尾ぶんぶん降ってるし頭撫でられたら嬉ションしそうだな」
「フレッド、レディーに対して嬉ションは無いだろ、嬉ションはよお」
「はいはいレディーレディー」