TS司祭とカス聖騎士 〜〜〜カスよ、龍に届いているか   作:マンコションベ

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大陸最強

 

「あ、そうだ、フレッド、魔除けってマジックアイテムについて知りたいんだけど何か知らないか? 酒場でみんな魔除け魔除け言っているんだけど肝心の魔除けの情報がどの本にも曖昧にしか書かれて無いんだ」

 

 そう言うとフレッドが固まった。

 

「は、はあ!? お前それ知らずここに来たの!? ここの冒険者達大体魔除け求めてここに集まってんのに」

「待って、その話詳しく、全然知らん」

 

 呆れた様な顔でフレッドが魔除け、及びになぜ今この街の迷宮に冒険者が集まっているのか解説してくれる

 

「【賢者】ワードナっていう王直属の、この大陸最強の個である宮廷魔術師が、トレボー王が持っていた魔除けをパクって迷宮内に逃げ込んだんだよ! んでトレボー王が迷宮5層にいるワードナぶっ倒して魔除け奪え、魔除けを取り戻した者には望む限りの褒美を取らせようってお触れ出したんだよ、この街の冒険者はみんな知ってるぞ!」

 

 マジかよ、全然知らなかった。おれがこの街に来たのはパパとママとジル兄とエミリーの仇の領主ぶっ殺せる程度の戦闘能力を得るのが目的だったから。

 

「あー、あと多分その本には書かれていなかっただろうから魔除けの効果も教えてやる。効果は所持者及びに所持した人間が仲間だと認識した対象に即死攻撃を筆頭とする凶悪な状態異常群への耐性、自己再生能力、防壁展開能力を付与するんだ。一つ一つの効果だけでも凶悪なのになんと3つも効果があるんだぜ」

 

「いや、凄いことは凄いけどそこまで大したものか? リルガミンというでっかい国家が総力を上げてまで取り返すようなものか?」

 

 フレッドがパチンと指を鳴らす。

 

「よく気づいた、なんとこの魔除け、効果の対象数が無限なんだ。要は効果対象を自国の軍人全てにすれば簡単に無敵の軍隊を作れるし対象を国民全員にすれば病院を作らなくても住民の健康を保てるんだよ。しかも対象数が無限の効果だけでこれなんだ。所有者一人のみを対象とするが持っているだけで第七位階 【転移魔術】を使えるようになるし不死身の肉体を得ることができるんだ。イカれてるだろ。」

 

 

それは…マジでイカれてるな。ん?ちょっと待てよ

「インフラと軍備を魔除けに頼っていたって事はもしかしてこの町今だいぶヤバい?」

 「正解、実際この街では今まで魔除け使って医療をなんとかしていたんだが魔除け無き今医療は半分崩壊している。

 ペンドラゴン家っていうデカい家の跡取り、アーサー・ペンドラゴンとスヒリア・ペンドラゴンっていう兄妹が金だして医療崩壊を抑えていてくれてるが割と今は本当にやばい状況なんだよ」

 

 その二人ならおれも一度見たことがある。

 凄まじい顔面偏差値と確固たる自信に溢れた立ち振舞いを合わせ持った金髪イケメンの兄と神秘的で思慮深そうな聖女の様な顔とユカリ級の絶壁胸を合わせ持った妹。二人揃っておれ級の美形だった。しかも家柄と地位まであって人格まで素晴らしいという。選ばれた人間ってのは彼らの様な人間を言うんだろうな。

 

 しかもその二人は医者の資格まで持っているから本人達も現場でボランティアしてるそうだ、立派な奴らだ。きっと非の打ち所のない完璧人間なんだろう

 

 しかし……ワードナのせいで医療崩壊が起きたのか……

「ふーん、ワードナって悪いやつなんだな」

「……ああ、悪いやつだ。世界の敵、人類の敵だと言っても過言では無い」

 何故か辛そうに、絞り出すようにフレッドが告げた。

 

「へぇ、でもフレッド、おれ達のパーティーは魔除け取り返すためにワードナとかいう大陸最強の存在と戦うのを目的にしたパーティじゃないよな」

 そう言うと眼の前のヒゲモジャの男は笑った。

 

「ハハハ、まさか、さすがの俺様も大陸最強をどうこうできると思い上がる程傲慢じゃねえよ」

 

「そうだよな」

 

「「あっはっはっはっはっはっは」」

 なんだろ……いまどっかにフラグが立った様な気がするが気のせいだろう。

 ■■

 やらないといけないことも終わったし馬小屋に帰ろうとてくてく二人で歩いているとフードを外した俺と銀髪を見て周りの連中がガタガタ言っている

 

「なんであんな美人と冴えない顔をしたおっさんが一緒に歩いているんだうお、おっぱいでっか……」

「釣り合ってないだろうが……うお……でっか……」

「あんな冴えない髭面でもネームド級冒険者になればあんな子と付き合えるんだな……良し、冒険者になろう! それにしてもでっか……」

「もしかして一週間前酒場でパーティ組めずに端っこの方で体育座りしていたのフードのあいつか? 

 いくらネームド級冒険者【白銀】とは言えあんな奴と組むより俺と組んだほうが良かっただろうが。クソクソクソクソクソクソクソ俺の馬鹿! 一声かけりゃ良かっ……でっか、でっか!」

 

 見た目をチヤホヤされる喜びとフレッドを侮辱された怒りで感情がぐわんぐわんだ。

 

 そんなにボロクソに言われるような顔をしてないだろフレッドは。少し盛って中の下程度にはあるだろ。

 

 人間顔じゃない。

 

 良い言葉だ。これを言う奴に限って顔が人間じゃない上に性格もアレだというのはお約束だが俺とこいつに関しては本当にこの言葉が当てはまる。

 

 顔以外の全てが壊滅している俺と顔以外非常に優れているこいつ、どちらに人間としての価値があるかと言えば銀髪の方だ。

 

 何も分かってねえくせにゴタゴタ言うんじゃねえ。睡眠魔術ぶち込むぞ。

 

 フレッドにおれが美人過ぎて君が侮辱されてしまった。かわいくってごめん。と謝罪する。

 

「ハハッ」

 鼻で笑ったフレッドからむちゃくちゃ生暖かい目が飛んでくる。

 

 その後も見るからに柄の悪い奴らに「白銀様のご登場だ」

「見てくれよ、なーんにもしてないのにそこのカスにつけられた傷を」「天下の【白銀】様は良いねえ」「フレッドくんは最近美形の女を二人も侍らせているそうじゃねえか、いいねえ男のロマンだねえ」

 ヒソヒソと、しかし確かに聞こえるように言われていた。

 

 お前ら顔覚えたからな、迷宮で見かけたら睡眠魔術ぶち込むぞ。

 

 柄が悪い連中からだいぶ離れたところでフレッドが声を上げた

 

「あ、エフィミア、ちょっと俺はそこの店いくからこのクッキーあげるから大人しく食いながら待ってろ、何かあったらすぐ声を上げるんだぞ」

「クッキーで喜ぶと思ってんのかよ……この年で……子供じゃ無いんだから」

「ほれ、クッキー」

「わーい! クッキー!」

「……お前お菓子上げるって言われても知らない人についていくなよ……」

 

 呆れながらそういったフレッドは緑の屋根の建物に入っていった。

 ■■■■

 1時間後

 

「お前に恥かかせないようにしようと思ったんだが、大丈夫そうか?」

 

 眼の前には銀髪の若い男が立っていた

 

 切れ長の目、男としては規格外に長いまつげ、涼し気ながらも意志の強そうな形の良い目は気の弱い女性が見たら気を失うほどにかっこいい。小さいがスッキリと筋の通った鼻が顔のデザインを引き締め不敵な笑いを浮かべた薄い唇がワイルドさを醸し出している。

 

 おれと同じく規格外の顔面偏差値を誇る美青年がそこにいた。

 

「誰だお前」

「フレッドだよ。髭剃ると全然印象変わるだろ。俺だって髭剃った直後に鏡見たら毎回絶世の美男子が写っているもんだからびっくりしてるんだ」

「嘘つけこんなイケメンフレッドじゃないよ! さっきまでむさ苦しいヒゲモジャのおっさんだったろ! なーんーでーさっきのあれが! 今のこれになるんだよ!」

「俺おっさんじゃねえよ! まだ25だぞ」

「25はおっさんだろ!」

 そういやおれも前世含めれば実年齢40だったな。自分の言った言葉でダメージを受けて吐きそうだ

 

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