ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)11 剣姫(ソード・ガール)

 

 

 

 

 

 

 ベルとの修行を続けるツナ。その後も死に物狂いでツナに食らいつくもツナをその場から一歩も動かすことは叶わなかった。

 

「ふぅ……」

 

 現在、ツナは教会に戻って勉強しており、ベルはソファーで眠りについていた。あれから修行したものの、ベルの疲労がピークになった為、教会に帰って休むことになったのである。

 魔法は精神力(マインド)というエネルギーを消耗する。それ故に使い続けると精神消耗(マインドダウン)という精神力(マインド)の使い過ぎにより気絶する現象が発生する。先の修行で精神消耗(マインドダウン)は発生しなかったが、それでもかなりの精神力(マインド)を消耗した為、ベルの体には相当の負担がかかっているのである。

 

「ただいまー」

 

「あ。お帰りヘスティア」

 

「おお。帰っていたかい。どうだった? 初ダンジョンの方は?」

 

「うん。9階層ってところまで行ったんだけど……」

 

「9階層!?」

 

 ヘスティアに初ダンジョンの感想を聞かれて普通に答えたツナ。しかし9階層まで行ったと知ってヘスティアは驚きの声を上げる。

 

「な、何を考えているんだい!? 初ダンジョンで9階層まで行くなんて!?」

 

「ヘスティア声大きい!! ベルが起きちゃう!!」

 

「す、すまない……」

 

 ベルがソファーが寝ていると知ってヘスティアは慌てて声のトーンを落とす。幸いベルは起きることはなく、ツナとヘスティアは安堵する。

 

「というか何があったんだい? えらくベル君が疲れているようだけど……ダンジョンで何かあったのかい?」

 

「ううん。ダンジョンじゃあ俺しか戦ってないから、ダンジョンで何かあった訳じゃないんだけど……」

 

「今とんでもないことを口走ったのかもしれないけどそれは後回しだ……それで何があったんだい?」

 

「修行して欲しいって頼まれたんだ」

 

「修行?」

 

「うん。それで戦ってたんだけど、修行で疲れ果てちゃって寝ちゃったんだ」

 

「そういうことだったのか……それでどうなんだい? 君から見てベル君は?」

 

「もっと経験を積めば強くなれると思う。後は心の問題って感じかな」

 

「心の問題?」

 

「うん。何かに怯えてるみたいだった。そのせいで本来の実力が出し切れてないって感じかな。それを乗り越えられれば問題なく戦えると思う」

 

「そうかい……」

 

 ヘスティアは何か心当たりがあるのかツナの言葉を聞いて、神妙な面持ちになっていた。

 

「まぁよかったよ。ダンジョンで何かあった訳じゃなくて。とはいえ油断は禁物だぜ。いくら力があるからって調子に乗らないようにね」

 

「うん。大丈夫。そう思って9階層で引き返したから」

 

「そ、そうかい……」

 

 初ダンジョンで9階層まで行ける冒険者はまず存在しない。始めは1階層から徐々に徐々に行ける階層を増やして行く。それが普通なのである。故にヘスティアはツナの発言に若干、引いてしまっていた。

 

(9階層でわざわざ引き返したってことは……行こうと思えばまだ先に行けたってことかい……? どんだけ強いんだい君は……?)

 

 あまりにも出鱈目過ぎるツナの強さにヘスティアは驚きを隠せないでいた。

 

「あ。それで今回の報酬なんだけど……」

 

 そう言うとツナは机に置いておいた今回のダンジョンで得た金貨の入った袋を見せると、袋を閉じていた糸を解き、袋を逆さまにして金貨を出した。

 

「7万ヴァリス稼いで、それをリリと分けたので3万5000ヴァリスだよ」

 

「3万5000ヴァリスゥウウウウウ!?」

 

「ヘスティア!! 声!! 声!!」

 

 3万5000ヴァリスと聞いて今まで一番、驚きの声を上げるヘスティア。

 ベルが起きた後、今回の報酬で豪勢な食事に食べに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 

「じゃあ修行に行って来る……」

 

「う、うん……」

 

 ヘスティアがバイトに出た後、ベルは疲れた顔をしながら教会を出て行った。ツナは心配そうな表情をしながらベルを見送る。

 

(本当に大丈夫かな……?)

 

 誰かがどう見てもベルが無理をしているのは明らかであった。

 

(着いて行ってみよう……)

 

 ベルがどんな修行をしているのか気になったツナはベルにこっそりと着いて行くことを決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教会から出たツナはこっそりとベルの後を気づかれないようこっそりと着いて行く。

 

「このルート……」

 

 ベルの後を着いて行くツナ。早朝ということもあって人の通りはほとんどなかった。だがツナはこのルートを知っていた。

 

(やっぱり……ここって……)

 

 ツナが今いるのは昨日、ベルと修行した市壁の前だった。ツナは市壁の上に続く為の階段を登っているベルを見上げていた。

 

(誰にも邪魔されたくないのかな……?)

 

 市壁の上はこれといって何もなく、1人で修行するには、わざわざここに来なくも他にもいい場所があるはず。それでも市壁の上にベルが来たのは、滅多に人が来ることのない市壁の上で、誰にも邪魔されることなく集中する為なのではないかと推測する。

 ツナは足音を立てないようにゆっくりと市壁の上に続く階段を登って行く。そして市壁の頂上に辿り着く少し前の場所でツナは足を止める。

 

「すいませんアイズさん(・・・・・)。お待たせしてしまって」

 

「気にしないで。私も今来たところだから」

 

(女の人の声……?)

 

 階段の下からベルの声と知らない女性の会話が聞こえてくる。ツナは聞いたことのない女性の会話が聞こえてきた為、ツナは姿勢を低くし階段から両目を覗かせる。

 

「大丈夫? 大分、疲れているみたいだけど?」

 

「実は僕の【ファミリア】に新しい人が入ったんです。その人とも修行をしてるので……」

 

「そうなんだ。どうする? 今日はお休みする?」

 

「いや大丈夫です! アイズさんからしか学べないこともあるので!」

 

「そう……きつかったら言ってね。ちゃんと休憩も入れるから」

 

「はい!!」

 

 ベルの側に腰に一振の剣を携えた金髪のロングヘアーのアイズと呼ばれた女性がいた。

 

(知らない人だ……)

 

 アイズと呼ばれた女性を正体が気になり、ツナはアイズのことをジーッと見ていた。

 その時だった

 

「誰!?」

 

(ヤバい!! バレた!?)

 

 ツナの視線を感じたのかアイズは腰を落とし鞘を左手で掴み、右手で柄の部分を掴み戦闘体勢となる。ツナは慌ててしゃがみ、階段の上で体育座りの状態になり両手で口を塞いだ。

 

「大人しく出て来て。そうすれば何もしない」

 

「ど、どうしたんですかアイズさん……!?」

 

「誰かそこいる……」

 

「ええ!?」

 

「不味いかも……私たちの関係がバレたかもしれない……」

 

「ど、どうしましょう!?」

 

「このまま出て来ないなら私が気絶させて記憶を消去するしか……」

 

「いやいや!! それは不味いですって!!」

 

(なんか物騒な話になって来てるんですけど!?)

 

 何かした訳ではないのにも関わらず、なぜか実力行使で気絶させられるかもしれない事態になっていることにツナ衝撃を隠せないでいた。

 

「ま、待って下さい!!」

 

 このまま気絶させられるかもしれないのなら、大人しく出て来た方が断然マシなのでツナは慌てて飛び出た。

 

「ツナ!? 何でここに!?」

 

「知り合い?」

 

「はい。さっき言った僕のファミリアに入った人です」

 

「この子が……」

 

 ツナがベルの仲間だということを知ってアイズは静かに剣から手を離した。

 

「でも……どうしてツナがここに?」

 

「いや……なんかベルが心配で……どんな修行してるのなって気になって……」

 

(僕としたことが……ツナにこんな心配をかけてたなんて……)

 

 周囲の人間が心配していたというのにも関わらず、強くなることしか考えていなかったと知ってベルは申し訳なさでいっぱいになっていた。

 

「えっと……その人と修行をしてるってことでいいんだよね?」

 

「う、うん……そうなんだけど……」

 

「何か問題があるの?」

 

 特に変な質問をした訳ではないはずだが、ベルがはっきりと返答してこない為、ツナは何か事情があるのだということを察する。

 

「君。もしかして最近オラリオに来た?」

 

「え? ま、まぁ……」

 

「【ファミリア】は別のファミリアに深入りし過ぎちゃダメなんだよ」

 

「深入り?」

 

「うん。あまり繋がりを持ち過ぎると弊害が生まれる可能性があるから。だから【ファミリア】同士の深入りは禁止されてるの」

 

 ベルが言い淀んでいる理由をアイズが代わりに説明する。

 

「そして私は【ロキ・ファミリア】っていう【ファミリア】の眷属。だから今、修行していることが【ファミリア】にバレたら本当にマズイ」

 

「なら……どうして……?」

 

「この子には迷惑をかけちゃったから。だからそのお詫びとして期間限定で戦いを教えてるの」

 

「それで……」

 

「だからどうか私たちのことは黙ってて欲しい。お願いします」

 

「ぼ、僕からもお願いツナ!!」

 

 アイズはこのことをツナに黙っててもらう為にツナに頭を下げる。アイズが頭を下げているのを見て、ベルも慌てて頭を下げる。

 

「いや、俺はただベルのことが心配だっただけで……別に言うつもりはないよ」

 

「ツナ……」

 

 ツナがこのことを他言をしないと知ってベルは安堵し笑顔を浮かべる。

 

「ありがとう。ツナでいいんだよね?」

 

「本名は沢田綱吉だけど、みんなツナって呼ぶ人もいるからそれでいいよ」

 

「そう。私はアイズ・ヴァレンシュタイン。アイズでいい」

 

 ベルと同じく安堵したアイズ。そして互いの自己紹介を終える。

 問題が解決するとベルとアイズは修行を始める。せっかくなのでツナは2人は修行の様子を見て行くことにする。

 が、

 

「がっ……!?」

 

 ツナの視界にはアイズの蹴りを腹部をまとも喰らって意識を失う光景が目に映っていた。

 

「い、一撃……」

 

 たった一撃でベルの意識を刈り取ったという事実にツナは唖然としてしまっていた。

 するとアイズはベルを膝枕をする。

 

「ごめんね……私手加減できなくて……どうしてもこうなっちゃうの……」

 

 膝枕をした状態でアイズはツナに対して申し訳なさそうな表情をしながら謝罪の言葉を述べる。

 

「さっきベルから聞いたんだけど、あなたもベルに修行をつけてるんだよね? どういう風にしてるの?」

 

「基本的にベルが攻め転じて俺はベルの攻撃を防ぐだけって感じかな。俺は剣術についてはわからないから。結局、戦いの中でベルに強くなる方法を見つけさせるって感じかな」

 

「私も教えるのが上手くないから基本的に君と一緒。ただ私は攻撃するからどうしてもベルを気絶させちゃう。やっぱり私も攻撃しない方がいいのかな?」

 

「別にアイズのやってることは間違ってないと思うよ。それに申し訳なさがあるだけマシだよ。リボーンだったら絶対にそんなこと微塵も思わないし……」

 

「リボーン?」

 

「俺の先生。あいつは手加減なんてしないしそれを申し訳ないなんて思ってすらないし。それにあいつが来てから何度死にかけたことか……」

 

「そんなに大変なの?」

 

「大変ってもんじゃないよ。色んな人に命を狙われるし、勉強で問題を間違えると爆発させられるし、毒料理で死にかけるし、不治の病で死にかけるし、巨大な亀に潰されるし、鮫のいる海に落とされるし、サンドバック代わりにされるし、敵のアジトに乗り込んでこいって言われるし、水の中で電撃を喰らわされるし、100人に1人しか生きられない山で修行させられた挙げ句、遭難して山火事に巻き込まれるし、命綱なしで崖を登らされて何度も何度も崖から落ちたり、大岩の下敷きになったりするし……」

 

「それ……普通に死ぬと思うんだけど……」

 

 ツナはリボーンが来てから自分の身に起こったことを1つ1つ思い出して行く。アイズそれでツナがどうして死んでないのか不思議でたまらなかった。

 少しすると気絶していたベルが意識を取り戻す。そして再び戦いが始まる。だが展開は同じでベルとアイズが少し戦ってベルが気絶。そしてまたベルが目覚めて少しアイズと戦って、すぐにベルが気絶。その繰り返しであった。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 戦って気絶してを繰り返して1時間近くが経過。ベルは仰向けの状態で大の字になり、肩で息をしていた。ベルの体力的にきつくなったのでとりあえず休憩することになった。逆にアイズは呼吸が乱れておらず、まだまだ余裕な様子であった。

 

「君はいいの?」

 

「え?」

 

「君もダンジョンに行くんだよね? 修行しなくていいの?」

 

「お、俺は別に……」

 

「ついでだから教えてあげる。私とベルの関係を黙っててもらってるし」

 

「い、いや……別にそれは……」

 

「ダンジョンは予想外の出来事が起こる。だから備えておいて損はない」

 

「えっと……」

 

「大丈夫。ただ戦うだけだから。難しいことじゃない」

 

(な、なんかめちゃくちゃグイグイ押してくるんだけど!?)

 

 なぜか自分に修行させようとしてくるアイズ。ツナはなぜこんなに修行させようとするのかわからず困惑してしまっていた。

 

(なんかよく見たら教えてあげたいって顔してるよ!!)

 

 無表情でわかりづらかったが、ツナはアイズは冒険者の先輩として駆け出しの後輩に教えて上げたくてもたまらないのだということをツナは理解する。

 

「じゃ、じゃあお願いします……」

 

 

 




シルの料理とビアンキのポイズンクッキングはどっちが上なのだろうか?


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