ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
ヘディンがフリュネに制裁を与え続けていたその頃。
「これが貴様らの分だ」
所変わって【イシュタル・ファミリア】の
この女神の名はイシュタル。【イシュタル・ファミリア】の主神にして、【フレイヤ・ファミリア】を壊滅させようと目論んでいる神物である。
そして現在、イシュタルの目の前には大量の武器が入った木箱が並べられていた。
「名だたる名工の武具に
イシュタルの対面には赤い髪と褐色の肌、骸骨を繋ぎ合わせた首飾りと、牙を生やした仮面をつけている幼女を思わせる女神がいる。
この女神の名はカーリー。【カーリー・ファミリア】の主神である。
【カーリー・ファミリア】の本拠はオラリオではなく、その遥か南東にある陸の孤島にあるとされる
そしてカーリーは闘争と殺戮を司る戦神で、闘争と殺戮こそが子の真理であるという考えを持つ。その末に生まれる最強の戦士を見る為
「【フレイヤ・ファミリア】を相手にするんだ。準備し過ぎておいて困るということはないだろ」
「それもそうじゃのう」
実はイシュタルは【フレイヤ・ファミリア】を壊滅させる為、事前に【カーリー・ファミリア】に協力を依頼していた。オラリオ最強の派閥と戦えるということもあって、カーリーと眷属たちは喜んでイシュタルの依頼を受ける事にした。
カーリーが眷属に
「……それよりも主の眷属のほとんどが出払っているようじゃが、一体何をしておるのじゃ?」
「なーに、ただのフレイヤへの嫌がらせだ」
「嫌がらせ?」
「何でもフレイヤが執着している男がいるらしくてな。そいつを拐って先に食ってやろうという訳だ」
(やれやれ……どこまでも嫉妬深い
【ファミリア】を壊滅させるだけでも充分フレイヤに屈辱を味わわせられるだろうにも関わらず、徹底的にフレイヤを陥れようとするイシュタルに、カーリーは心の中で呆れる。
「……何だ?」
その時、急に
「まさかとは思うが、お前らの眷属が殺し合いをしているんじゃなかろうな?」
「【フレイヤ・ファミリア】との戦争を前にして、そんなことする訳なかろうが」
「た、大変です!!」
「騒々しいぞ。何があった?」
二人が疑問に思っていると、【イシュタル・ファミリア】の団員が部屋の扉を乱暴に開けた。そんな団員に対しイシュタルの側にいた褐色の
この男の名はタンムズ・ベリリ。【イシュタル・ファミリア】の副団長であり、【ファミリア】内でも数少ない男の団員である。副団長という地位にこそいるものの美の神の権能である魅了の力によって、完全なる操り人形と化している。
「て、敵襲です!!」
「敵襲だと……!? まさか【フレイヤ・ファミリア】か!?」
敵襲という単語を聞き、イシュタルは動揺すると同時に椅子から立ち上がった。
「いえ!! それが乗り込んで来たのは沢田綱吉という【ヘスティア・ファミリア】の団員1人です!! 現在、【カーリー・ファミリア】の団員たちが対処していますが、すでに半数以上の団員がやられました!!」
「何だと!?」
「ほう……」
到底信じられない話だったが、イシュタルも神であり団員の嘘は見抜ける為、今の話が嘘偽りない本当の話であるということを理解せざるを得なかった。
カーリーも今の話が嘘でないことを理解したが、むしろたった1人で自分の眷属の半数以上を倒した者がいるということに対して興味が湧いていた。
「しかも、奴の狙いは殺生石です!!」
「どういうことだ!? なぜあいつが殺生石の事を知っている!?」
「わかりません!! ですがこのままでは、殺生石が奴の手に渡ってしまう可能性が!!」
「―――タンムズ!! 来い!!」
「はっ!!」
もし仮にこのまま殺生石がツナに奪われてしまったら最後、【フレイヤ・ファミリア】に対抗する術を失ってしまう。イシュタルはタンムズと共に、ツナの元に向かおうとする。
「落ち着けイシュタルよ、ここにはアルガナとバーチェもおる。そいつがどれだけ強いか知らんが、あの姉妹に勝てはせぬ」
「奴は幻術使いだ!! もし逃げられればその幻術で見つけ出すことすらできなくなるかもしれないんだぞ!! しかも殺生石を奪われれば【フレイヤ・ファミリア】に対抗する術は無くなる!! 今の内になんとかするしかないんだよ!!」
「成る程、幻術使いでもあるか……それはちと厄介じゃのう……」
このまま【フレイヤ・ファミリア】との戦争を楽しめなくなるのは困ると考えたカーリーは、その重い腰を上げる。
一方、下の階の方では。
「ハハハ!! こんな強者と巡り合えるとは!! やっぱりオラリオは面白いな!!」
「……ただ者ではないな」
長い銀の髪を1本に纏めたアマゾネスと、短髪の銀の髪に覆面を被っているアマゾネスが床に倒された団員の先にいるツナを見ていた。
二人のアマゾネスの名はアルガナ・クリフ、バーチェ・クリフ。アルガナは団長、バーチェは副団長をそれぞれ勤めている。
この2人は姉妹であると同時に【カーリー・ファミリア】に所属するLv.6の眷属でもある。この2人がいるということもあり、
「……無駄な争いはしたくない。そこをどいてくれ」
「無理な相談だな。第一これだけ団員を倒しておいて、タダで済むと思っているのか?」
ツナは戦いを避けようとするも、アルガナはむしろ戦いたくて仕方ない表情を見せており、戦いは避けられないと察した。
「バーチェ、あれは私の獲物だ。手を出すなよ」
「……好きにしろ」
こうなった
そしてアルガナが一瞬にしてツナの間合いに入ると、嬉々とした表情を浮かべながら右ストレートを繰り出した。
「ほう……」
ツナはアルガナの右ストレートを受け止める。アルガナは自分のパワーをものともしなかったことに驚くどころか、むしろその高揚感は高まっていた。
ツナはすぐに炎の属性を大空の炎から雷の炎に切り替える。
「っ!?」
(……思ったよりは冷静だな)
炎の属性が変わった瞬間、アルガナは身の危険を感じたのかそこから後退する。
アルガナが自分の力に絶対の自信を持っているのは見ての通りだったが、それでもフリュネのように一筋縄ではいかない相手だということもわかった。
子供の頃から
(パワーは
先程の右ストレートを受け止めた際、ツナはアルガナのレベルが6相当だということを推測する。
「―――いいぞ、お前」
するとアルガナは右手を薙ぎ払い、
「【
ツナは即座に炎の属性を雷から雨へと変化させ、超スピードに向かってくる柱に向かって掌から炎の弾丸を放った。
「止まった……!?」
雨の炎の弾丸を食らった石柱はその勢いを急に落とす。どういう原理で石柱が止まったのか全くわからず、アルガナは流石に動揺を見せる。
鎮静の特徴を持つ雨の炎をぶつけることで、石柱のスピードを停止状態に近付けたのである。
ツナはスピードの落ちた石柱の前に移動し、石柱に向かって掌底を放つ。
「―――はあっ!!」
その掌底が石柱に当たる瞬間、ツナは炎の属性を雨から晴に切り替える。活性の特徴を持つ晴の炎が石柱が付与、上書きされたことによって、石柱は先程アルガナが放ったよりも倍の速度で投擲される。
「なっ!?」
より速い速度で自分に返って来る石柱を咄嗟に上半身を反らし躱す。そして石柱が自分の背後にあった階段を盛大に破壊する光景を目の当たりにし、流石のアルガナも恐怖を覚える。
石柱の威力に驚愕していた中、間髪入れず上空からツナが右ストレートを放とうとしたが、その攻撃が当たる前にバーチェが空中にいるツナに向かって、左足による真空跳び膝蹴りを繰り出す。ツナはバーチェの膝を足裏で防ぐと同時に、バーチェの左足を足場代わりにし後方へ飛び引く。そして空中でバク宙をしながら床に着地した。
「……手を出すなと言ったはずだぞ、バーチェ」
「……こいつは想像以上に強い、1対1では勝てない。お前もわかっている筈だ」
「……」
バーチェの言っていることが正しいと理解している為か、アルガナは何も言い返すことはしなかった。
「……私たちの目的を忘れるな」
「まぁいい。だがトドメは私が刺す、いいな?」
「……それでいい」
致し方なく共闘することを決めたバーチェとアルガナは戦闘体勢を取る。
「【
バーチェが呟くと掌がら弾力性の液体が生まれ、バーチェの全身をを覆っていく。
「【ヴェルグス】」
(毒か……)
バーチェの体を覆っている紫色の物体が地面に落ちた瞬間、床の一部が溶けていくのを見て、纏う液体が猛毒だということをツナはすぐに察する。
バーチェの魔法【ヴェルグス】は全身に猛毒を纏わせる
(こいつは厄介な戦いになりそうだ……)
という訳でアルガナとバーチェの登場です。この2人は本編に登場しないキャラで番外編であるソード・オラトリアに登場するキャラです。
当初の予定では【カーリー・ファミリア】を出すつもりはありませんでしたが、フリュネだけだと物足りないと感じて登場させることにしました。
次回はツナvsアルガナ&バーチェになります。
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