ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
殺生石を手に入れたツナはそのまま
そしてツナは市壁の上まで向かい、そこである者を待ち1人佇んでいた。
「待たせてすまない、沢田綱吉」
しばらく経ち、そこにフェルズがやって来た。
ツナは事前に
もし仮にギルドに殺生石を持っていった場合、ツナが悪目立ちするだけでなく、春姫の魔法の存在まで知れ渡る可能性があり、最悪春姫を手に入れる為強引な手段を取る者たちが現れることが容易に想像出来たからである。
グランカジノでの一件以来、この世界にいる自分たちの世界の人間の情報をすぐに共有できるよう
「……それが殺生石か?」
「ああ」
フェルズがツナが右手に持っている殺生石に視線を移し、ツナはそのまま殺生石を渡した。
「しかしウラノスから聞いた時は流石に驚いたよ……まさか【イシュタル・ファミリア】の
「すまない……我慢が出来なかった」
「君が謝る必要はない。元はといえばダンジョンで襲撃を命じた神イシュタルに非があるのだから」
本来であれば【ファミリア】同士の抗争は固く禁じられている。しかし今回は事が事だった為にフェルズは責めはしなかった。
「それに、今まで【イシュタル・ファミリア】に強く出られず困っていたが……君のお陰でそれが出来るようになった」
「どういうことだ?」
「実は過去に【イシュタル・ファミリア】の団員のLv.を偽っているという訴えがあってな。ギルドが捜査を行ったことがあったんだが結果は白。その後、神イシュタルは訴えた【ファミリア】を壊滅させ、ギルドに賠償金を求めた。この一件以来ギルドは【イシュタル・ファミリア】相手に強く出ることができなかったんだ」
「その時も魔法で一時的に【ランクアップ】していたのなら、確かに春姫の魔法の存在を知らない限りいくら調べても証拠は出ないだろうな」
「だが、これでようやく【イシュタル・ファミリア】を検挙することができる。すぐに【ガネーシャ・ファミリア】に動いてもらうように手配しよう」
「いや、【ガネーシャ・ファミリア】じゃダメだ。【ロキ・ファミリア】に依頼してくれ」
「なぜ【ロキ・ファミリア】に? 【ガネーシャ・ファミリア】であれば充分に対抗できる筈だ」
「奴らに協力している【ファミリア】がいて、そいつ等と戦いになった。その中にLv.6と思われる2人のアマゾネスがいた」
「2人のアマゾネス……まさか【カーリー・ファミリア】か!?」
「【カーリー・ファミリア】?」
「
いるんだ」
「──!?」
まさかそこまで危険な【ファミリア】だったとは思っておらず、ツナは言葉を失う。
「その殺し合いの儀式の末、ダンジョンを経ずLv.6を2人生み出したことで世界勢力の1つに数えられている程だ」
「……
「決して褒められた【ファミリア】ではないが、
「そうか……」
(しかしLv.6を2人相手にして、よく無事に帰って来られたものだ……)
Lv.6を2人相手にして尚、無傷の勝利をやってのけるツナの規格外の強さに、フェルズは衝撃を隠せない。
「だが、確かに【カーリー・ファミリア】がいたとなれば【ロキ・ファミリア】に頼んだ方がいいか……」
Lv.6がいる以上、【ロキ・ファミリア】の方が確実に【カーリー・ファミリア】を捕らえられるとフェルズは判断した。
その時であった
「あれは……!?」
「燃えている……!?」
ツナとフェルズの視界に、広範囲に燃え上がる炎が映る。
「あそこは【イシュタル・ファミリア】の街がある方向だ……一体誰が……!?」
「こんなことができるのは【フレイヤ・ファミリア】しかいない……!」
確かに【ロキ・ファミリア】や【ガネーシャ・ファミリア】は【イシュタル・ファミリア】に対抗できる力を持つが、ここまで過激なことはしない。となれば考えられるのは【フレイヤ・ファミリア】による襲撃しかフェルズは考えられなかった。
「まさか【イシュタル・ファミリア】と【カーリー・ファミリア】が協力して【フレイヤ・ファミリア】を潰そうとしているのを知って動いたのか……!?」
【フレイヤ・ファミリア】の団員はその全員が主神であるフレイヤへの忠誠心が高いことは周知されている。ならばフレイヤに害を及ぼす【イシュタル・ファミリア】を徹底的に潰す為【フレイヤ・ファミリア】が動いたとフェルズは推測と同時に驚愕する。
そして【イシュタル・ファミリア】の領土から巨大な光の柱が天に向かって伸びていく。
「光の柱……?」
「神の送還!? まさかイシュタルが送還されたというのか!?」
「あれが……!?」
神が送還される瞬間を初めて見るツナだったが、それと同時に天に向かって伸びる光に魅入られてもいた。
「だが、神の送還は重罪な筈じゃ……」
「ああ……どうやら事は我々が思っているよりもとんでもない状況になっているらしい……」
「……俺がやったことは無駄になったらしいな」
殺生石を使おうとしたイシュタルが下界から消えたという事は、イシュタルの眷属の
「いや、その殺生石がギルドが持って行けば元【イシュタル・ファミリア】の団員たちの交渉に使える。オラリオから追放されたくなければ今回の1件に関する全てを他言するな、とな。これなら殺生石の儀式も行われず、君の存在がオラリオ中に広まることも無い」
「すまない……助かる」
「それとウラノスからの伝言だ」
「何だ?」
「ラキアの国王であるマルティヌスと主神であるアレスが、世界中に散っている兵に対して国への帰還命令を出したらしい」
「──!?」
現在進行形で他国に戦争を仕掛けまくっているラキアが、わざわざ世界中に点在している兵たちを集めているということは、近々オラリオに進軍する準備をしているということ。つまりこの世界にいるツナたちの世界の人間がオラリオに現れるかもしれないということも意味する。
ツナはオラリオに危機が迫っているかもしれないということを自覚した。
「とうとう来るのか……」
「例のリングを作った者のことについて、リボーンから何か聞いていないか?」
「聞いてない。多分、リボーンもわからないんだと思う」
「そうか……」
「それとさっきの交渉の件だが……アイシャというアマゾネスに交渉してくれ。【ファミリア】内で人望が厚い上冷静な判断ができると感じた。正直、団長では話にならない」
「【
そう言うとフェルズは殺生石をウラノスに渡す為、地下の祭壇へと向かうのだった。