ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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まさかのダンまち21巻、ソード・オラトリア16巻、ファミリアクロニクルEpisodeアスフィ同時発売。さっそく予約しました。発売が楽しみです。




ラキア進軍篇
標的(ターゲット)122 黒幕(クリミナル)


 

 

 

 

 

 

 【イシュタル・ファミリア】との戦いが終わり、春姫が新たに【ヘスティア・ファミリア】に加入してからしばらくの月日が経過した。

 そんな中、ついにラキア王国がオラリオへの進軍を開始した。しかし毎回オラリオ側が圧勝している為、住人達は特に慌てることもなくいつもの日常を送っていた。

 一部の者たちを覗いては。

 

(まさか、彼がここに来るとはね)

 

「……」

 

 ツナは現在都市外にある【ロキ・ファミリア】を始めとする大手【ファミリア】達の拠点で(ハイパー)死ぬ気モードになり、目を瞑った状態で佇んでいた。

 まさかツナがこの場に参加するとは思っていなかった為、その場にいた者たちは皆驚きを隠せないと同時にいつもとツナの雰囲気が違うことを感じ、近付けずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――時は数日前に遡る。

 

『あのリングを作った者がわかったというのは本当か?」

 

「ああ。さっき9代目から連絡があった」

 

 ついに例のリングを作った者が判明し、ヘスティアの部屋にはツナ、リボーン、ヘスティア、そしてこの場にはいないが眼晶(オクルス)越しからウラノスの四人による緊急会議が開かれていた。

 

「リングの製作者の名はチェルア・ラストル。マフィア界の中でも天才的な頭脳を持つ女科学者で、同時に闇商人でもある」

 

『なぜそのチェルアという人物だとわかった?』

 

「バミューダという男があのリングについて【ボンゴレ】が調べていることを知って、【ボンゴレ】に接触し、情報提供してきたんだ」

 

「え!? バミューダが!?」

 

「誰なんだい、そのバミューダ君というのは?」

 

「マフィア界には【復讐者(ヴィンディチェ)】と呼ばれる組織が存在するんだ。【復讐者(ヴィンディチェ)】は法では裁けない奴らを裁く掟の番人で、マフィア界で掟を破った者は【復讐者(ヴィンディチェ)】によって捕らえられ、脱出不可能な堅牢な牢獄に投獄され、罪を裁かれるんだ」

 

「マフィア界にも掟があるんだね……」

 

 法も秩序もない無法地帯こそ裏社会だと思っていたヘスティアにとって、裏社会に掟の番人がいるというのは意外だった。

 

「といっても【復讐者(ヴィンディチェ)】に捕まるなんざ、余程のことをしない限りはないんだがな」

 

『もしやチェルアはその【復讐者(ヴィンディチェ)】とやらに目をつけられていたのではないか?』

 

「ああ、その通りだ。チェルアは研究資金を稼ぐ為自分の作った物を取引相手に流していたらしい。だがその中には曰く付きの品も多くあってな、その1つがあのリングだ。あのリングは強制的に死ぬ気の炎を放出させ、装着者をパワーアップさせる効果がある。一方で代償として理性を失い、生命力である炎が常に垂れ流しの状態になり、最終的には死に至る。装備した奴を気絶させるかリングを外す、壊さない限りは炎の放出が止まらねぇようになってやがる」

 

「死……!?」

 

 あの時、もしテッドのボディガードとして雇われていた2人を気絶させていなければ2人は死んでいたという事実に、ツナは恐怖を覚える。

 

「……もしかしてそれが原因で、チェルア君は【復讐者(ヴィンディチェ)】に目をつけられたってことかい?」

 

「それも一因だが、あのリングよりももっととんでもない物をチェルアが作ったことで、奴は【復讐者(ヴィンディチェ)】に目をつけられる事になったんだ」

 

「とんでもない物……?」

 

「そいつを説明するには、まず(ボックス)について説明する必要がある」

 

「ボックス?」

 

「説明するよりも見せた方が早いな」

 

 ヘスティアの疑問に答える為、リボーンは懐からリングと小さな穴の空いた立方体の箱を取り出す。そしてリングを右手の中指に装着し炎を灯し、箱に空いた穴に炎を注入する。すると箱の蓋が開き、中から拳銃が出て来る。

 

「箱から武器が!? 一体どうなってるんだい!?」

 

 本来収まりきらない大きさの箱から拳銃が出てきた事に、ヘスティアは驚く。

 

「こいつが(ボックス)だ。こいつは大きさや質量に関係なく物を収納できるんだ。開けるには死ぬ気の炎を注入する必要があるがな」

 

『沢田綱吉の炎を纏ったあの動物もその(ボックス)と関係あるのか?』

 

 フェルズの魔道具(マジックアイテム)で【ロキ・ファミリア】の様子を見ていたウラノスはナッツのことも知っていた為、ナッツもまた(ボックス)と関係していると推測した。

 

「それを知ってんのか、だったら話が早ぇな。あれは(ボックス)アニマルつって、死ぬ気の炎を纏った動物のことだ。動物の特性と炎が合わさることで強力な戦力になるんだ。ツナ」

 

「うん」

 

 リボーンの意図を察したツナはリングに炎を灯し、ナッツを呼び出した。

 

「ガウ」

 

「え……!?」

 

 もっと狂暴な動物が出て来るのかと思っていたものの、あまりに愛くるしい見た目であった為、ヘスティアは呆気に取られていた。

 

「これが、(ボックス)アニマルなのかい……!?」

 

「そっか。ヘスティアは初めて見るんだっけ、ナッツのこと」

 

「ああ……それよりこの子は一体どこから……!?」

 

 リボーンが(ボックス)から拳銃を出していたが、ツナが(ボックス)を使った様子はない。どうやってナッツを出したのかわからず、ヘスティアは困惑する。

 

「ナッツは普段リングの中にいるんだ。リング型は(ボックス)と違って、両手が塞がるっていうデメリットがないからな」

 

「いや……(ボックス)だけでも充分過ぎると思うけど……」

 

 ヘスティアからすれば、大きさや質量に関係なく武器を保存できる(ボックス)の存在自体だけで腹いっぱいだった。

 

「……だがチェルアは新たなタイプの(ボックス)兵器を作り出した。人間を(ボックス)兵器にするという、悪魔の兵器をな」

 

「「「─!?」」」

 

 リボーンの言う言葉の意味を少しして理解したツナ達は、チェルアの所業のあまりのおぞましさに言葉を失う。

 

「正確に言えばクローンを作り出し、そのクローン人間を兵器として売り付けていたんだ」

 

『クローンとは一体何だ?』

 

「人間の個人情報物質……例えば髪や皮膚、血を培養し、その人物と全く同一の人間を作り出す技術だ。倫理的な問題もあって人間のクローンを造ることは禁じられている。表社会ではな」

 

『……表の法で禁じられていても裏社会では関係がないということか』

 

「クローンを造り出すだけなら【復讐者(ヴィンディチェ)】が動くことはなかった。問題なのはその使い方だ。チェルアによって作られた人間兵器は人格も意思がなく、ただ人を殺すだけの殺戮人形と化していた。実際敵の【ファミリー】を倒す為に自爆特攻させたりなんて事例もあったらしい。これは流石に無視できないと判断した【復讐者(ヴィンディチェ)】は1年前にチェルアを捕らえる為に動いた。だが肝心のチェルアは行方を眩まし、捕らえるどころか見つける事すらできなかった。それ以降人間兵器による被害は無くなり、チェルアは人知れず死んだと思われていた……だが実際にはチェルアはこの世界に逃げていたって訳だ。忌々しい掟の番人のいない、この世界にな」

 

「だがいくら何でも偶然が過ぎやしないかい? ましてやディーレ君と同じ考えを持った人間がいるなんて……」

 

 自分の身を護る為異世界に逃げようとする人間がディーレ以外にもいたということに、ヘスティアは違和感を覚える。

 

「それが偶然じゃねぇんだ、ディーレはチェルアの取引相手の1人だったことがわかった」

 

「「え!?」」

 

 ディーレとチェルアに繋がりがある事が判明し、ツナとヘスティアは驚きを隠せない。

 

『そのディーレとは一体何者だ?』

 

「ツナがこの世界に来るきっかけになった男だ。奴は所属していた【モヴィメント・ファミリー】を裏切って、この世界に逃げる為に異世界転送装置を完成させた。だがその装置を使う前に殺された。そして何の因果か装置はツナの近くに落ちて、この世界に来ちまったんだ」

 

『成る程な……ではディーレとチェルアのどちらかが異世界に逃げる術を思いつき、取引関係にあった縁から異世界に逃げる計画を何らかの方法で知った。そして異世界転送装置を先にチェルアが完成させこの世界に来て、遅れてディーレがこの世界に来る筈だったが、代わりに沢田綱吉がこちらに来てしまったという訳か』

 

「おそらく異世界に逃げることを思いついたのはディーレの方だ。チェルアがいなくなった時期とほぼ同じ時期にディーレの裏切りが発覚したからな。そして【モヴィメント・ファミリー】にディーレが裏切ることを密告した奴はおそらくチェルアだ。自分が異世界に逃げたことがバレないようにすること為、ディーレが万が一異世界転送装置を完成させそれが【復讐者(ヴィンディチェ)】の手に渡りこの世界に来ることを恐れてどうにかディーレを始末させようとしたんだろう。だがチェルアの予想と反してディーレは【ファミリー】の追撃を躱しながらなんとか異世界転送装置を完成させた」

 

『しかし沢田綱吉がこの世界に来たこと、色んな国から女性を集めていたテッドという異常事態(イレギュラー)によってチェルアの存在は知られる事になった。幸いチェルアは自分の存在が知られていることをまだ知らない筈。つまり次のラキアの進軍は奴を捕らえる絶好の機会。何としてでもチェルアを捕まえなければならない』

 

 もし死ぬ気の炎の存在が広く知られれば、下界はほぼ間違いなく荒れるだろう。ウラノスからすれば何としでも阻止しなければならない事案だった。

 

『沢田綱吉。グラン・カジノの時のように幻覚を使ってラキアに潜入することはできないか?』

 

「そうか、綱吉君の幻覚でラキアの兵隊に成り済ましてチェルア君の手がかりを掴むんだね」

 

「そいつは無理だな」

 

「え? 何で?」

 

「チェルアは術士、幻覚の使い手だ。しかも霧属性の炎を扱う」

 

「霧って……」

 

 ヘスティアは思い出す。【大空の7属性(イフィルマメント・セッテ)】の説明欄に天候を現す説明文があったことを。

 

「死ぬ気の炎には大空、嵐、雨、雷、晴、雲、霧の7つの属性がある。属性によってそれぞれの特徴があるんだ。大空は調和、嵐は分解、雨は鎮静、晴は活性、雷は硬化、雲は増殖、霧は構築って言った具合にな。つまり霧の炎は構築。幻覚を産み出すことが出来るのが特徴だ」

 

「成る程ね」

 

「何よりチェルアは神の恩恵(ファルナ)の力で他の属性を扱えるようになったツナと違い、生まれながらにして霧の炎を持つ真っ当な術士だ。はっきり言ってツナの付け焼刃のしょぼい幻覚じゃ、すぐに見破られて最悪こっちの狙いがバレる」

 

「しょぼいって……」

 

 【アポロン・ファミリア】をあれだけ翻弄した幻覚をしょぼいと言ってのけるリボーンにヘスティアは引いていた。

 

「そもそもツナは本来術士じゃねぇからな。本物の術士の幻覚に比べたらどうしてもレベルが劣っちまう。もし仮にラキアにチェルアがいたとして、そこへツナを潜入させた所でチェルアを更に警戒させるだけだ。そうなれば2度とチェルアを捕まえられねえ。だったら取る選択肢は1つ。【ロキ・ファミリア】を始めとした迎撃部隊にツナを参加させて、チェルアの手がかりを掴むしかねぇ」

 

「しかしそれじゃあ綱吉君の存在が……最悪、死ぬ気の炎のことがバレてしまうことだって……」

 

『いや、【ロキ・ファミリア】や【ガネーシャ・ファミリア】なら答えたくないことを無理矢理答えさせたり吹聴したりはしない。【フレイヤ・ファミリア】の連中は興味こそ持つだろうが、あそこの眷属は主神であるフレイヤが全てだ。わざわざそんなこざかしい真似はしないだろう。下手なことをしなければ問題はない』

 

 もしラキアの兵士に死ぬ気の炎を教え、自分の作った物を渡していればラキアの兵士達は確実にそれを使って進軍して来る筈。ならばそれを持っている兵士を捕らえチェルアの情報を吐かせるしか選択肢はない。

 一方でツナがラキアの迎撃に参加することによって発生するデメリットに対してヘスティアは懸念するも、ウラノスは最悪の事態にはならないと考えていた。

 

「なら決まりだな」

 

 リボーンの出した提案が問題ないと判断され会議は終わり、ウラノスとの通信を切る。

 

「綱吉君、ステイタスの更新をしておこう。何が起きるかわからないからね」

 

「うん」

 

 ツナは上着を脱ぎうつ伏せの状態になると、ヘスティアは神血(イコル)を背中を垂らし、ステイタスの更新を行う。

 

 

 

 

沢田綱吉

 

Lv.1

 

力:SSS1500→SSS1650

 

耐久:SSS1300→SSS1430

 

器用:SSS1200→SSS1300

 

敏捷:SSS1600→SSS1700

 

魔力:Ⅰ0→Ⅰ0

 

 

《魔法》

 

【】

 

 

《スキル》

 

ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)

 

・早熟する

 

・戦う度に強くなる

 

・相手が強ければ強いほど効果向上

 

 

【死ぬ気の零地点突破改】

 

・相手の魔力を吸収して自分の力に変換する

 

・不純物が混ざった魔力は吸収できない

 

・魔力を吸収し過ぎると自傷する

 

 

 

大空の7属性(イ・フィルマメント・セッテ)

 

・炎の属性を任意で変えることができる

 

・使える属性は嵐、雨、雷、晴、雲、霧

 

・属性を変えると相棒も属性が変わる

 

・複数の属性を同時に使用することはできない

 

 

 

ボンゴレⅩ世(ボンゴレ・デーチモ)

 

・対人戦闘における全能力の補正

 

・相手が強ければ強いほど補正率が変動

 

・ステイタスが完全に0のものには補正はかからない

 

 

 

 

(4つ目のスキル……しかもまたレアスキルが……これならオラリオに脅威がやって来ても大丈夫なんじゃないか……?)

 

 

 

 

 




想像よりも長くなりました……自分で考えておいてアレですが、書くのが面倒くさい……

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