ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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更新が遅れてすいません。なんかモチベーションが上がらなかったものでして……


標的(ターゲット)126 再戦(リベンジ)

 

 

 

 

 

 

 音のする方へと向かうオッタル。オッタルがやって来たのは森林地帯であった。

 

(この音……誰か戦っているのか)

 

 てっきり猛獣や怪物(モンスター)が暴れているのだと思っていたが、誰かが戦っているのだとオッタルは理解する。

 

「これは……」

 

 音のする場所へとやって来たオッタル。そこには常人の動体視力では目で追うことすらできない程の超高速戦闘を繰り広げているツナとリボーンの姿が視界に映っていた。

 

「ん?」

 

「お前は……」

 

 オッタルがやって来たことに気づくとリボーンとツナは戦闘を止めてオッタルの方に視線を移した。

 

「こいつのことを知ってんのかツナ?」

 

「……オッタル。【フレイヤ・ファミリア】の団長にしてLv.7の冒険者だ」

 

「こいつが……」

 

 オッタルが都市最強の冒険者であることは知っていたが、こんなところでお目にかかれるとはな思っていなかった為、リボーンは少しだけ嬉しそうな様子であった。

 

(この男が例の赤ん坊か……どうやらあのミア(・・)を引かせたという話は本当のようだな)

 

 オッタルはリボーンの実力を一瞬で見抜く。そしてどういう訳かリボーンがミアの経営する豊穣の女主人にてリボーンが問題を起こしたことを知っていた。

 

「それで俺達に何の用だ?」

 

「用はない。俺達の拠点の近くから激しい音が聞こえたから様子を見に来ただけだ」

 

「そいつは悪かったな。俺達の修行のせいで迷惑をかけちまって」

 

「気にするな」

 

 自分達の拠点に被害が及んだ訳ではないので迷惑はかかっていない。それに強くなろうと鍛練するのは自分も同じ。故にそれを邪魔するなどという無粋な真似をする程、器の小さな男ではなかった。

 

「お前、都市最強の冒険者なんだってな」

 

「……それは周囲が勝手に言っているに過ぎん」

 

「謙虚な奴だな」

 

「事実を言ったまでだ。それにLv.7の冒険者なら俺以外にも1人いる」

 

「そいつは初耳だな。どこの【ファミリア】だ?」

 

「オラリオにはいない。もう1人のLv.7、レオン・ヴァーデンベルクは都市外にいる」

 

「そうか」

 

 オッタル以外にもLv.7の冒険者がいるという情報を知れたリボーンは口元を緩ませた。

 

「それにかつてこのオラリオに俺など足元に及ばない冒険者達がいた」

 

「【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】のことか」

 

「知っていたか」

 

「フィンから聞いた。確か【ゼウス・ファミリア】の団長がLv.8、【ヘラ・ファミリア】の団長がLv.9だったらしいな」

 

「そうだ。奴らを越えずして最強などと名乗る資格などない。そう思っていた。沢田綱吉。お前と戦うまではな」

 

「何だツナ。こいつと戦ったことがあるのか?」

 

「少しだけな。それにこいつは本気を出してなかった」

 

 ダンジョンで戦った時、オッタルは本気を出すことはできなかった。元々、オッタルはフレイヤの命令でベルがミノタウロスと戦いを邪魔する者を排除する為に戦っていた。もしあそこでオッタルが本気で戦っていれば、戦闘の余波がミノタウロスと戦っているベルにまで及び、フレイヤの望みを果たすことができなくなるからである。

 

「ならツナと戦ってみるか?」

 

「何だと?」

 

「最強の冒険者になりてぇんだろ? ここでツナと戦えば【経験値(エクセリア)】をもらえる。お前にとっても利がある筈だぞ」

 

 リボーンの言う通りツナと戦えば【経験値(エクセリア)】を貰える上に、もし倒すことができたなら【ランクアップ】できるかもしれない。オッタルからすればリボーンはこの提案を断る理由などなかった。しかしなぜ他派閥の団員を強くする機会を与えるのかわからず困惑していた。

 リボーンの使命を真っ当する為にオッタルを利用しようとしているのである。ここで敢えてオッタルを強くすし、今後ツナと戦わせることでツナの成長を促そうという魂胆である。

 

「ここで戦ったことを口外するようなケチな真似はしねぇ。安心しろ」

 

「……いいだろう」

 

 リボーンの真意を察することはできななかったが、こんな機会を逃す理由などオッタルにはなかった。

 

「つー訳だ。戦闘の準備をしろツナ」

 

「……わかった」

 

 リボーンとの付き合いの長いツナはリボーンの真意を理解していた。そしてリボーンが1度言い出したら止められないことを知っているツナはオッタルと戦うこと了承した。

 そしてツナとオッタルは戦闘準備に入る。

 

「全力でいく」

 

 オッタルは背中に携えていた2M(メドル)を超える大剣を鞘から解き放つと、正眼の構えを取った。

 この大剣の名は()(こう)(つるぎ)。37階層の階層主、ウダイオスのドロップアイテムであるウダイオスの黒剣を【ゴブニュ・ファミリア】の鍛冶師が総出で鍛えて作られた大剣である。価格は4億1000万ヴァリス。ちなみに命名者はフレイヤである。

 

「ぬん!!」

 

 先に動いたのはオッタル。オッタルはツナの間合いに入りおもいっきり大剣に地面に叩きつける。オッタルのパワーの余波によって、オッタルの前方にあった木々や地面が破壊されていき、大量の土煙が発生する。

 

(どう出る……?)

 

 この攻撃をツナが躱すのは想定内であったのか、オッタルは微塵も動揺しておらず、ツナの出方を伺う。

 するとオッタルは背後を振り向くと同時に大剣を薙ぎ払った。そこには背後から右ストレートを放とうとしているするツナがいた。だがツナの姿を視認した瞬間、オッタルは大剣による右薙を途中で止め、大剣を地面に突き刺した。

 するとツナの姿が消え、その後ろから加速したツナの渾身の右ストレートがオッタルに向かって放たれた。

 ツナはオッタルの一撃を躱した後に、炎を逆噴射させてオッタルの背後に移動し、霧の炎の力で大空属性の自分(・・・・・・・)を構築することで背後から強襲しようと考えた。

 しかし相手は都市最強(オッタル)。幻覚のツナを視認した瞬間、武人として直感であのツナが本物でないということを速度に見抜き大剣の表面でツナの拳を受け止めた。

 

(いい拳打だ……)

 

(固いな……)

 

 オッタルは大剣の表面でツナの右ストレートを防いだ。階層主(ウダイオス)のドロップアイテムでできた大剣に傷1つなく、ツナは大剣の破壊は無理だと悟る。

 一方でオッタルの体には大剣を通じて、ツナの拳の衝撃が全身に伝わっていた。

 

(それに小細工(幻覚)は通じないようだな……)

 

 幻覚による戦法はオッタルには通じないことを理解させられた。

 するとツナは炎を逆噴射させて高速移動でオッタル周囲を移動し呼吸をズラそうとする。オッタルはそんなツナを捕らえようとツナに向かって大剣を振り回す。大剣の余波によって次々に木々が倒れていく。

 

(アイズ以上の速度で攻撃できるのか……)

 

 アイズの愛刀であるデスペレードよりも何倍も重い大剣を、アイズを超える速度で放ってくることに驚きつつもツナは超直感で先読みし、最低限の動きだけで躱していた。

 アイズの剣よりも速くともバミューダのように体の一部分だけをワープさせるなどという物理法則を完全に無視するという理不尽極まりないことはできない。そしてパワーとスピードがあろうとも武器が大剣である以上、攻撃方法は振り下ろすか薙ぎ払う攻撃がほとんど。片手剣に比べれば攻撃方法は限られてくる。故にツナはオッタルの縦横無尽の攻撃を前にしても冷静に対処することができていた。

 

(やはり戦い慣れているな……)

 

 自身の力を前にして冷静さを失うことがないツナを見てオッタルはツナが普通の冒険者と違って、怪物(モンスター)との戦いよりも対人戦の方が秀でていることを理解する。

 ゼウスやヘラの眷属達がいた頃のオラリオでは、全ての冒険者は両【ファミリア】による洗礼を受けたそれ故にあの時代を受けた者達や、7年前の死の7日間を生き抜いた者達は嫌でも対人戦を強いられた。

 しかしそれゼウスとヘラの眷属達や闇派閥(イヴィルス)の脅威が去った後の冒険者は対人戦を強いられる

機会は少なくなり、対人戦に秀でた冒険者は少なくなったのである。

 

(今だ!!)

 

 ツナはオッタルの右薙をしゃがんで躱すとそのままオッタルの間合いへと突撃する。そのまま右ストレートを放とうする。しかしオッタルはそれでも左腕でツナの右ストレートを防御する体勢へと入る。

 ツナは炎の属性が大空から雲へと変化させ、右手の掌を開きオッタルの左腕に掌底を繰り出した。

 

「っ!?」

 

 掌底はオッタルの左腕に直撃し防御されるも、ツナの拳には力は入っていなかった。すると時間差でオッタルの体に雲の炎を流し込まれる。

 

(これは……!?)

 

 すると筋肉質のオッタルの体がさらに膨れ上がり、オッタルは両膝が地面についてしまう。突撃の出来事にオッタルは自分自身の身に何が起こったのかわからず困惑する。

 ツナは掌底が直撃した際に雲属性の炎をオッタルの体に流し込んだ。それによって雲属性の特徴である増殖によって、オッタルの筋肉は何倍にも膨れ上がると同時に体重が元の何倍にも増加。それによって急激に重たくなった体を両足が支え切れなくなったのである。

 そしてツナはラッシュを繰り出すと同時に炎の属性を雲から雷へと切り替える。炎を切り替えたことでオッタルの筋肉は元に戻るも、そこから反撃や防御する暇すら与えず、ツナはオッタルの上半身にラッシュを叩き込んだ。

 

「ぐぅう!?」

 

 硬化によって強化された拳と電流による痺れの相乗効果によってオッタルが苦渋の表情を浮かべる。

 

(タフだな……)

 

 雷属性によって強化されたツナの拳は確かにオッタルにダメージを与えている。しかし決定打には遠かった。

 オッタルの最たるは攻撃性能ではなく防御力にある。長年、鍛えられたオッタルの肉体は凄まじくオッタルの絶対防御を真正面から破ることができたのはゼウスとヘラの眷属とレオンだけである。

 雷の炎による拳だけでは決定打にならないと判断したツナは炎の属性を雷から晴に切り替えると、そのままオッタルの左腕を掴むとオッタルの体に晴の炎を流し込むと同時に、その場で時計回りに回転してオッタルを投げ飛ばした。晴の炎の特徴である活性によってオッタルは弾丸並みの速度で飛ばされた。

 

(なんて力だ……!?)

 

 自分の想像を超える力で投げ飛ばされたことに驚きつつも、オッタルは空中で体勢を整えると、大剣を地面に突き刺して勢いを殺すと地面に着地した。

 

「【ビッグバンアクセル】!!」

 

「っ!?」

 

 ツナは炎の属性を晴から大空に切り替えると同時にナッツを【ボンゴレⅠ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレプリーモ)】に形態変化(カンビオ・フォルマ)させ、オッタルに向かって炎を一点に凝縮した炎球をオッタルに向かって放った。

 オッタルは大剣から手を離すと両手を目の前に出して火球を両手の掌で受け止める体勢に入った。

 

「ぐぅう!!」

 

 あまりの火球の威力にオッタルは地面を抉られながら後方に下がっていく。

 

「おおおおおおおおおお!!」

 

 オッタルは雄叫びを上げながらツナの放った火球を上空へと飛ばした。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 上空に軌道を変えることに成功したオッタルだが、両手の掌は焼け焦げ、体力もかなり消耗していた。

 

「【バーニングアクセル】!!」

 

「がぁあああああ!?」

 

 するとオッタルの背後からツナが現れ、オッタルの背中に先程よりもさらに威力の高い火球が零距離で放たれた。オッタルは躱すこともできず直撃を喰らい、そのまま吹き飛ばされたのだった。

 

 

 

 

 

 

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