ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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UA数90万回超えとお気に入り数が3000人を超えました。ここまで伸びたのはこの小説が初めてです。これもいつも見て下さっている皆様のお陰です。

これからこの小説をよろしくお願いいたします。



標的(ターゲット)131 復活(リ・ボーン)

 

 

 

 

 

────ラキア王国城下町

 

「な、何だ……!?」

 

「か、体が……!?」

 

「あああ……!?」

 

 チェルアがレバーを落とした後、地上では国民の体から大量の死ぬ気の炎が強制的に放出されていた。強制的に放出された大量の死ぬ気の炎はチェルア達のいる、地下へと向かって行き、地上にいる国民達が次々に倒れていく。

 

「一体、何が起きている!?」

 

「原因の追及は後だ!! 今はこの事態を収束させるのが先だ!!」

 

「兵達を総動員させろ!! それと神々を何としてでも死守しろ!!」

 

 一方、ラキアの王国の宮殿では城下町で起きた前代未聞の事態を何とかしようと、上層部の人間達が慌てふためいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────ラキア王国地下

 

「順調ね」

 

 パイプの中から大量の死ぬ気の炎が放出され、棺桶の中へと吸収されていく。順調に事が進んでいるとわかってチェルアは笑みを浮かべていた。

 

「さて? どうかなるかしら?」

 

 パイプから死ぬ気の炎が放出が止まったことで国民から死ぬ気の炎を絞り尽くしたことをチェルアは確信する。

 そして閉じられたままであった棺桶の蓋がゆっくりと開かれる。

 

「どうやら成功したみたいね」

 

「おおおおおおおおお!!」

 

 棺桶の蓋が開いたことでチェルアは自分達の目論見が成功したことを確信し、一方で男は棺桶の中にいる人物が甦るかもしれないという興奮を抑えられずにいた。

 すると棺桶の中から長い灰色の髪で左目が灰色、右目が緑の人間(ヒューマン)の女性が起き上がった。

 

「なぜだ……!? 私は確か……!?」

 

 起き上がった女性は自分の身に何が起きたのかわからず困惑している様子であった。

 

「お目覚めになりましたか!!」

 

「何だ貴様は?」

 

「ゼアロ・ラインドと申します!! 7年前、あなた様と共にオラリオを壊滅させんと戦った同志にございます!!」

 

「7年前だと? 何を言っている? 私は死んだ筈だ」

 

「はい!! 7年前、あなたは憎きオラリオの冒険者によって命を落としましたが長年の苦労を経て蘇らせることに成功致しました!!」

 

「……嘘は言っていないようだな」

 

 ゼアロの言っている言葉はにわかには信じられない話であったが、女性は冷静に事態を受け止めるとゆっくりと起き上がった。

 

「さぁ!! 今度こそ憎きオラリオを壊滅させましょう!!」

 

「五月蝿い」

 

「え……!?」

 

 すると女性は目にも止まらぬ速さで手刀を薙ぎ払うとゼアロの頸動脈を斬った。ゼアロの自分の身に何が起きたのかすら認識できず、首から大量の血を溢れ出ながら倒れ動かなくなった。

 

「この雑音だらけの世界に私を再び蘇らせるな」

 

 しかし女性は生き返ることを望んではいなかったのか不快感と苛立ちを隠せない様子であった。

 

「あーあ。死んじゃった」

 

 ゼアロが死んだにも関わらずチェルアは何も感じてはいなかった。

 

「お前もこいつの仲間か?」

 

「仲間じゃないわ。ただ利害が一致してたから協力しただけよ」

 

「そうか。なら死……っ!?」

 

 ゼアロに続いてチェルアを殺そうするもチェルアに敵意を向けた途端、体が動かなくなる。

 

「無駄よ。創造主には逆らえないようになってるから」

 

「創造主だと?」

 

「さっきあなたを蘇らせたって言ったけど、正確に言えば再現したっていう方が正しいわ」

 

「再現?」

 

「【遺伝子復元(レメイク・ジェーネ)】。肉体の一部から生物を完全に再現することができる私のスキル。その力であなたを復活させたって訳。7年前にあなたに心酔するあまりあなたの毛髪をコレクションしていた異常者(ゼアロ)からね」

 

「気色悪い奴め……」

 

 狂信し過ぎたあまり常人では考えられないような真似をするゼアロに対して、女性はかつてない程の不快感を感じていた。

 

「それから6年後。つまり1年前、私はオラリオから抜け出し都市外の【ファミリア】に所属していたゼアロと出会った。それで彼から全てを聞いたわ。7年前にオラリオで起きた死の7日間のこと。その戦いにあなたが闇派閥(イヴィリス)側に付いたこともね」

 

「1年前に出会っていたのならなぜすぐにスキルを使って私を再現しなかった?」

 

「スキルは1年前にすでに使ってるわ。そして私の所属している【ファミリア】の主神に頼んで恩恵(ファルナ)も刻ませた。でも肝心の動力がなかった」

 

「動力?」

 

「そ。再現させたい者の肉体の一部があれば肉体を再現するのは簡単。再現させるだけならね。けど動かすには生命エネルギーが必要なの。その生命エネルギーを集める装置を作るのに時間かかったのと、起動させる為に最適なタイミングを待っていたって訳。そしてその装置をさっき起動させて、ラキアの国民の約半数。30万人の人間の生命エネルギーを吸収してあなたを蘇らせた訳」

 

 チェルアはラキアがオラリオに進軍する瞬間をずっと待っていた。

 オラリオに進攻する際、ラキアは主戦力の全てをオラリオに連れて行く。つまりその間、ラキアの戦力は最低限のものになる。そこで国民が次々に倒れるという事態が起きれば、ラキア側は国民を助けることに対応に手一杯になり犯人を捜すどころでは無くなってしまう。

 もう1つは神々を送還させない為である。神殺しが重罪である為、もし自分が神殺しをしたということが露見すれば大罪人として手配され後々、厄介なことになるからである。

 オラリオに進軍する間はラキアの戦力が手薄になる。その隙に他国が攻めて来る可能性がある為、ラキア側は最悪の事態を避ける為に神々を特定の場所に避難させる案をチェルアは兵士に化けて提案した。至極、最もな意見である為、この案は承認された。チェルアの掌で転がされているとも知らず。

 神々を避難させるように仕向けたのは国力や得られる国益が減り、自分の実験が必要な物資が手に入らなくなるのが嫌だったのである。

 

「貴様……」

 

「あら。あなたに文句を言う資格があるのかしら? 闇派閥(イヴィリス)に付いたってことはオラリオで罪のない人間を殺したってことでしょ?」

 

「……」

 

 チェルアの言い分に反論できなかったのか女性は何も言えなかった。

 

「貴様もオラリオの壊滅を目論んでいるのか?」

 

「別に。そんなものに興味はないわ」

 

「何?」

 

「私はただ自分の作った物で楽しみたいだけよ。それが楽しめるのならオラリオだろうと他の国をだろうと構わない」

 

「要するに私を暴れさせられるならどこでもいいという訳か」

 

「そういうこと。といってもラキア(ここ)で暴れさせるのは後々困るからやらないけど」

 

「困る?」

 

「この国は資源は豊かだし、攻めて来る国もほとんどいない。何より主神(アレス)国王(マルティヌス)も馬鹿だから利用し放題。私が忍ぶのにこれ程、都合のいい国はないわ」

 

 チェルアは霧の炎で兵士に化けてマルティヌスに催眠をかけて裏で操っていた。自分の実験に必要な物を用意させたり、自分の存在を知られないように仕向けた。

 催眠は素直な人間な程、かかりやすい傾向がある。マルティヌスはアレスと同じく考えなしの人間である為、容易に催眠にかけることができた。

 

「それにあなたの体を全盛期以上(・・・・・)に仕上げることができたしね」

 

「それは私の体のことを言っているのか?」

 

「あ。やっぱり気づいてた? このスキルは凄いけど持病とかもそういうのも再現しちゃうのよねー」

 

「どうやって治した? この病はどんなに手を尽くしても治すことのできなかった不治の病だぞ」

 

「簡単よ。腫瘍のある内臓を潰して代わりの内臓を用意すればいいだけの話」

 

「何?」

 

「私は幻術使い。私の幻覚であなたの内臓を作って延命させるくらい造作もないわ」

 

「っ!?」

 

 すると女性は体に空気が入っていかないことに気づき苦しみ始める。

 

「これでわかったかしら?」

 

「貴様……」

 

 チェルアが指を鳴らすと、女性の体が苦しみから解き放たれた。女性はチェルアを睨むも、チェルアは余裕の笑み浮かべるだけだった。

 

「じゃあこれも気づいているかしら? あなたが【ランクアップ】してることも」

 

「【ランクアップ】だと?」

 

「それは流石に気づいていなかったようね」

 

「まさか……」

 

「察しがいいわね。ゼアロから聞いたの。【アパテー・ファミリア】っていう闇派閥(イヴィリス)が精霊の力を使って団員を強化したことをね。そこで精霊の力を使ってあなたの力を強化することにした」

 

 精霊は神々がこの地上に降臨する以前の古代において、怪物(モンスター)に苦しめられる人間を救うために神々が地上に遣わした存在である。精霊の加護によって凡人から英雄になった者も存在している。その中には黒竜の片目を奪いオラリオから遠ざけた者もいる。

 それに倣って【アパテー・ファミリア】は精霊を捕獲し、無理やり武器化した精霊を注入するという方法で強化をしようと企んだ。結果、精霊を注入された兵士達は理性を失ったがLv.5を12人を産み出しすこと成功し、オラリオの冒険者達を窮地に追い込んだ。

 

「ラキアに身を潜めたのは精霊の情報を手に入れるでもある訳か」

 

「ええ。ラキアはかつて大精霊から力をもらって、クロッゾの一族の作り出せるクロッゾの魔剣の恩恵を受けた国。今はクロッゾの魔剣は失われたけど、かつての栄光を再び手に入れる為に、精霊についての研究が今でも行われている。そして研究資料を見て精霊の住み着きそうな場所を知ることができた。それでも大精霊を見つけることはできなかったけど、大精霊の肉体の一部(・・・・・・・・)を見つけることに成功した。そして私のスキルで大精霊を再現して加護をあなたに与えた。その結果、あなたをLv.7からLv.8にすることができたわ」

 

「貴様、一体何者だ?」

 

「それをあなたが知る必要はないわ。これで話はおしまい。今からあなたには意思もなくただ暴れるだけの兵器になってもらうわね」

 

「待て」

 

「何? 遺言?」

 

「私を暴れさせたい。そう言ったな」

 

「ええ。それが何か?」

 

「オラリオに行く。私の意思でな。そして冒険者共を根絶やしにする」

 

「何が目的?」

 

「オラリオ以外の冒険者と戦ってもつまらん。それだけだ」

 

「それを信じる根拠は?」

 

「ない。もし妙な真似をすれば意識を奪うなり好きにすればいい」

 

「……いいわ」

 

 何かを隠しているのが明白であったが、女性の力を見るという目的は果たすことはできる為、チェルアは要求を呑んだ。

 

「じゃあオラリオに行く前に注意点を伝えておくわ。あなたを再現こそしたけど人生をやり直せた訳じゃない。あなたが動けるのは注がれた生命エネルギーの分だけ。つまり時間経過と共にあなたの生きられる時間は減っていく。それと時間経過の他にもダメージを受けたり魔法を使えば生きられる時間は短くなる。後、ここまで大量の炎を注入したのは初めてだからあなたがどれくらい生きられるかはわからないわ」

 

「私は本来なら死んでる存在だ。そんな些末なことはどうでもいい」

 

「そ。じゃあ行きましょうか。オラリオに」

 

 注意事項を言い終えるとチェルアとアルフィアはオラリオへと向かう準備を始める。

 

(さて。見せてもらうわよ。歴代最強の【ファミリア】と呼ばれた【ヘラ・ファミリア】の眷属にして、(さい)()の怪物と謳われた、【静寂】のアルフィアの力を)

 

 

 




予想していた人も多いとは思いますがアルフィアの登場です。

今回の章はツナとアルフィアと戦わせる為だけに考えた話です。ただ復活させてもオッタルが獣化すれば勝ててしまうので強化しました。


アルフィアがはアストレア・レコードという外伝作品に登場するキャラクターです。気になる方はそちらを読んで頂ければ幸いです。



X(旧Twitter)→https://twitter.com/husuikaduti

評価→https://syosetu.org/?mode=review&nid=340850



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