ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)133 静寂(アルフィア)

 

 

 

 

 

 

 アルフィアの元へと辿り着いたツナ。

 

「あれは……!?」

 

 一方で遥か遠くからチェルアは双眼鏡越しに死ぬ気の炎を纏った存在を視界に捉え驚愕していた。

 

「あれはまさか……噂に聞くボンゴレⅩ世(デーチモ)……!?」

 

 10代の日本人、ボンゴレギアに描かれているボンゴレの紋章、大空の死ぬ気の炎、以上の点からチェルアはあの少年が【ボンゴレファミリー】の次期ボス候補と呼ばれている沢田綱吉なのではないかと推測する。

 

(何で奴がこの世界に!? まさか私を捕らえに!? ボス自ら!?)

 

 この世界来た時点で元の世界の情報を手に入れる術はない。ツナがどうやってこの世界に来たかはわからなかったが、あれからツナが【ボンゴレ】のボスの座に即位し、自分が販売していた商品によってボンゴレ側に被害が出た為に捕らえに来たのではないかと思ったチェルアは動揺のあまり震えと冷や汗が止まらないでいた。

 チェルアは今回、ラキアが【ヘスティア・ファミリア】と【アポロン・ファミリア】の戦争遊戯(ウォーゲーム)にてクロッゾの魔剣を打てるヴェルフの存在が明るみになったことも、今回の侵攻がヴェルフを捕らえることも知っている。しかしラキアからすれば【ヘスティア・ファミリア】の番狂わせなどよりも、かつて失った栄光を取り戻すことが何よりも優先であった為、ヴェルフ以外の情報はラキア側に伝わっていなかった。それ故ににツナの存在がチェルアには伝わっていなかったのである。

 そもそもチェルアはこの作戦が成功するとも思っていなかった上に、仮にヴェルフを捕らえクロッゾの魔剣が手に入るようになりラキアが自分を殲滅しようと動き出すようになれば厄介になる為、下手に干渉しないようにしていた。ここで裏から手を回してオラリオの侵攻を止めようものならアルフィアを復活させられない上に、叶う訳のないのにオラリオの支配を目論んでいるアレスとマルティヌスがオラリオの侵攻を中止すると言えば周囲に違和感を与えるからである。

 またチェルアはあの作ったリングの存在がツナ達に知られていることも知らない。元々、あのリングはこの世界の人間に死ぬ気の炎が流れているのか確認する為にラキアにいる裏社会の人間に配った物。対象者を実験対象しか思っていないチェルアはリングの渡した者の居場所の全てを把握していない。誰か1人があのリング使って死ぬ気の炎が流れていることが確認できればそれで良かったからである。しかしそのリングを渡した者の中に裏社会の人間ではあるがラキア人間ではないテッドがいたとも知らず。

 

(いや、そもそも私は商品を売っただけよ!!)

 

 仮に自分の商品で【ボンゴレ】側に被害が出たとはいえ、【ボンゴレ】に手を出したのは自分の商品を購入した者であって自分ではない。そう自分に言い聞かせるももし【ボンゴレ】が自分を殲滅すべき敵と判断されていたのなら生きられる道はない為、安堵はできないでいた。

 

(今の内に逃げないと!!)

 

 アルフィアの力が見れなくなるという後悔はあったが、それでも最悪の事態を避ける為にチェルアは(ボックス)開匣(かいこう)する為にリングに炎を灯した。

 この世界にチェルアの本当の素顔を知る者はいない。1人でいる時以外は最悪の事態を考えてチェルアは容姿を偽っていた。今の内に逃げれば誰も自分に辿り着ける者はいない。

 

「え……!?」

 

 しかしこの判断が遅かったということにチェルアは気づかされるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───アルフィアの現れた戦場。

 

(強いな……)

 

 ツナがその場の状況からアルフィアが【フレイヤ・ファミリア】を倒したのだと推測すると同時に佇まいからアルフィアが相当の実力者だということを察する。

 

(どうやら私が死んでいる間な有望な逸材が現れたらしいな)

 

 一方でアルフィアもまたツナの佇まいから相当の強者だということを理解する。

 すると騒ぎを聞きつけた【ロキ・ファミリア】の団員達とリボーンが駆け付ける。

 

「アルフィア!?」

 

「本当に奴なのか……!?」

 

「そんな訳ことがある筈がない!! 奴は死んだ筈だ!!」

 

 アルフィアの視界に捉えたフィン、ガレス、リヴェリアは動揺を隠せずにいた。

 

「どうしてあの人が……!?」

 

「ありえねぇ……!!」

 

 アイズとベートもアルフィアを見て動揺を隠せないでいた。

 

「なんか知ってるみたいだけど……?」

 

「一体、誰なの……?」

 

 一方でティオネとティオナはアルフィア自身と周囲の雰囲気からとんでもない人物だということは理解しているもののアルフィアの正体を知らないようであった。

 

「【静寂】のアルフィア……【ヘラ・ファミリア】の眷属にして、神時代が始まってから最も才能に愛され、才禍の怪物とまで称された【ヘラ・ファミリア】の眷属にしてLv.7の冒険者……」

 

「「っ!?」」

 

 フィンが呟いた途端、ツナとリボーンを始めとしたアルフィアの存在を知らない者達に衝撃が走った。

 

「15年前に黒竜の討伐に挑んで死んだ奴が生きていたってことか?」

 

「それは少し違う。彼女が死んだのは15年前でなく7年前。ダンジョンにて死亡が確認されている」

 

「生きてたってことはねぇのか?」

 

「彼女は生まれつき不治の病に犯されていた。少なくともこの時代まで生きていられない程のね。だから生きている筈がないんだ」

 

(なら考えられるのは……)

 

(チェルアの仕業か……)

 

 死んだ筈の人間が生きているということは、チェルアがアルフィアのクローンを作ったという可能性にツナとリボーンは辿り着いた。

 

(あの赤ん坊……)

 

 ツナ達が動揺する中、アルフィアの視界にリボーンの姿が映る。ツナも気になっていたが、先程から全くと言い程に隙がないリボーンがアルフィアに取って目が離せない存在だった。

 

「「「「「「っ!?」」」」」

 

 アルフィアはリボーンに向けて本気で殺気を放った。あまりの殺気にその場にいた者は臨戦態勢に入った。

 

「やるな」

 

「っ!?」

 

 想像以上の強さにリボーンは口元を緩ませるとアルフィアに向かって殺気を放った。

 

(アルフィア以上の殺気!!)

 

(ここまでとは……!?)

 

 想像を絶するリボーンの殺気にフィンとオッタルは驚愕する。

 

(なんて殺気を出しやがる……!?)

 

(一体何なんだこのガキは……!!)

 

 リボーンの殺気は両【ファミリア】の中でも気の強いアレンとベートでさえ恐怖を覚えていた

 

「私が死んでから貴様のような冒険者が現れるとはな。しかも赤ん坊とはな」

 

「俺は冒険者じゃねぇ。家庭教師(かてきょー)だ」

 

「家庭教師だと?」

 

「俺にはそこにいるツナを強くする使命がある。それを叶える為にはまずはオラリオでツナを鍛えて、黒竜を討伐させる。お前らですら勝てなかった相手だ。修行相手にもってこいだからな」

 

(修行相手だと? こいつ本気で言っているのか?)

 

 自分達でさえ全く歯が立たなかった黒竜を修行相手と言ってのけたことにアルフィアは驚愕を禁じ得なかった。

 

「で? 歴代最強と謳われた【ヘラ・ファミリア】の眷属が何で【フレイヤ・ファミリア】を襲ったんだ?」

 

「決まっている。私はただ貴様らを殲滅する為に来た。それだけのこと」

 

「そうか。ならツナと1体1(サシ)で戦ってみねぇか?」

 

「私を利用する気か?」

 

「まぁな。それで返答は?」

 

「いいだろう。貴様の策略にまんまと乗ってやる」

 

 利用されたのは気に喰わなかったがそれでもツナと戦うのも悪くないとアルフィアは判断した。

 

「ツナ」

 

「わかってる」

 

 リボーンがチェルアについての情報を聞くことを忘れるなという意図をツナは察する。

 

「場所を移すぞ」

 

「好きにしろ」

 

 ここで戦えば被害が出る為、ツナは場所を移すことを提案をするとアルフィアは了承する。

 

「沢田綱吉」

 

「何だ?」

 

「彼女は三大冒険者依頼(クエスト)の1つ。海の覇王(リヴァイアサン)にトドメを刺した程の逸材だ。わかっているとは思うがくれぐれも気をつけてくれ」

 

「わかった」

 

 フィンの忠告を聞いた後、ツナはアルフィアと共に戦える場所に移動する。

 

「さて。見せてもらうぞ。歴代最強の【ファミリア】の眷属の力を」

 

 

 

 




次回はツナvsアルフィアです。
ようやく一番やりかった話ができる!!


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