ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
アルフィアの魔力を吸収したツナ。
「決着をつけるぞ。アルフィア」
「がっ!?」
ツナの姿が一瞬にして消えると、アルフィアの顔面に加速した肘鉄を喰らわせた。
「っ!?」
肘鉄を喰らって一瞬、視界が塞がれたアルフィアはすぐに目を開くも、すでにツナはスライディングで自分の足元に迫っていた。アルフィアは即座にツナを右足で踏み潰そうとする。
「ガハッ!?」
だがスライディングの状態から炎を逆噴射し上昇すると同時に右足を上空に突き上げて、アルフィアの顎を蹴り飛ばした。
そして空中で逆さまの状態で正面を向くと、アルフィアの腹部にラッシュを喰らわせた後、両手で同時に掌底を繰り出してアルフィアを殴り飛ばした。
(こいつ……魔力を自分の力に……!?)
いくら魔力を吸収されたとはいえ、それでもツナの動きに反応することすらできなかった。このことからアルフィアはツナが自分の魔力を吸収しただけでなく、魔力を自分の力に変換したことを理解する。
─────リボーン達サイド
「ツナの動きが急に良くなった……?」
「【死ぬ気の零地点突破改】だな」
「零地点……?」
「相手の魔力を吸収して自分の力に変換するツナのスキルだ」
ツナが急に強くなったことに困惑するヘグニ。そんなヘグニの疑問をリボーンが答えた。
【死ぬ気の零地点突破改】の存在を知らない【フレイヤ・ファミリア】の眷属達は動揺を隠せないでいた。
(我々エルフの天敵だな……)
たださえ強い上に魔法を無力化するだけでなく
自分の力に変えることができるとなれば、
「ていうか何で最初から魔法を吸収しなかったの?」
【死ぬ気の零地点突破改】のリスクを知らないティオネの為に、ツナがアルフィアの体内から魔力を吸収した理由を説明がわからなかった。
「あの技は攻撃を受けるタイミングを間違えると吸収できねぇどころか、本人にダメージを受けちまうんだ。音は目に見えねぇからタイミングが見極められねぇ。だからアルフィアの体内から直接魔力を吸収したんだ」
ティオナの為に説明するリボーン。そして家光との戦いの際に言った教えを忘れず、実行したことが嬉しかったのかリボーンの口角が少しだけ上がっていた。
──────ツナ&アルフィアサイド
「ゴスペ……グフッ!?」
吹き飛ばされた後、アルフィアは詠唱しようとするもそれよりもさらに速くツナが加速した真空飛び膝蹴りをアルフィアの額に喰らわせ、そのまま
(ここに来てまだ速度が上がるだと……!?)
魔力を奪われてから一番、最初に肘鉄を喰らわされた時よりもツナの動きがさらに速くなっていたことを理解させられた。
今までのツナは多方向に拡散させた炎を噴射することで移動していた。だが今のツナは炎をコントロールし炎を細く絞った状態で炎を噴射することでジェット噴射を実現。これによって推進力をさらに上げたのである。
ただ速度が上がっただけではアルフィアを
─────リボーン達サイド
「
「相変わらずとんでもないことをやりよるわい……」
超短文詠唱でかつとてつもない威力を持つアルフィア対して
「いくらアルフィアよりも速さが上とはいえ……」
「少しでも臆すれば確実にアルフィアの魔力の餌食となる……」
真の力を解放したアルフィアを相手に
────ツナ&アルフィアサイド
(私が
アルフィアの脳裏には今は亡き、【ゼウス・ファミリア】の団長と【ヘラ・ファミリア】の団長の姿が浮かんでいた。
「止めだ」
「何……?」
「時間経過と今までの俺のダメージでお前の体は消耗している。これ以上は戦っても無駄だ」
戦いながらツナは気づいていた。アルフィアの体が少しづつ弱体化していたことを。
【
それに加えて魔力を大量に吸収され、パワーアップしたツナの攻撃を喰らい続けた上での
「────貴様もか」
「?」
「貴様程の男でさえもアストレアの小娘共と同じく私を失望させるのか!!」
「え……?」
ここでなぜリューの所属している【アストレア・ファミリア】の名がアルフィアの口から出るのかわからずツナは困惑する。
「貴様は7年前にはいなかったから知らないんだったな。私が
「なっ!?」
人類を救う為に黒竜と戦った筈のアルフィアがオラリオの敵となったこと。アルフィアの死因に【アストレア・ファミリア】と関係していること。いきなり明かされたとんでもない情報にツナの思考は停止してしまう。
「千年。神々の地上に降臨し人類に恩恵を与えた。そしてダンジョンから地上へと進出した怪物を討伐せんと力を磨き続けた」
「三大
「そうだ。
「逆行?」
「まだ神々が地上に降臨する前。人類は
「嘘だな」
「何?」
アルフィアが自分の目的を話すもツナはアルフィアの話が嘘だということを看破していた。
「お前が7年前に
アルフィアが現れて驚愕する者や、屈辱を味あわされて恨んでいた者はいた。しかしアルフィアのことを非難する者は誰1人としていなかった。
「お前の目的はオラリオの壊滅ではなく、自分を倒させるという試練を与え、黒竜を倒すことのできる英雄を生み出すこと。違うか?」
自分を成長させる為に常日頃からリボーンから常に厳しい試練を与えられているお陰で、ツナはアルフィアの真の狙いに気づくことができていた。そして暗黒期を戦った者達が誰も非難しなかったのは、アルフィアの真意に気づいていたということもツナは気づいていた。
「何でもかんでも見透かすな。不愉快だ」
「やっぱりか……」
「言っておくが奴らを始末することに躊躇いはないぞ。生前よりも強くなったとはいえ、それでも今の私に勝てないようなら黒き終末を乗り越えるなど無理な話だからな」
アルフィアの返答を聞いてツナは自分の推測が正しかったということを理解するも、アルフィアは全てを肯定はしなかった。
「それに貴様に失望したのも本当だ。仮にも敵である私に情けをかけた。そして何より黒き終末を乗り越える気がないこともな」
戦いながらアルフィアはツナの本質に気づいていた。潜在能力こそあれど、冒険者としての覚悟がないことを。
「リボーンは俺に黒竜を倒させたいらしいが、俺は戦う気はない。そもそも俺は冒険者になることはおろかオラリオに来る気すらなかったしな。今、冒険者になってるのもオラリオにいるのも成り行きに過ぎない」
「ようやく逸材を見つけたと思ったら、まさかこんな軟弱な精神の持ち主とはな」
「問題ないさ。俺が戦わなくとも他にも逸材はいる」
「問題ないだと? あの
「Lv.7ならもう1人、都市外にいるらしいぞ。レオンという奴らしいが」
「あのハーフドワーフのクソガキか。だが黒竜を相手にするには程遠い」
Lv.7がオッタル以外にもいたことは初めて知ったが、それでも黒竜を倒せないことのは明白であった。
「他に逸可能性があると言えば【ガネーシャ・ファミリア】と【アストレア・ファミリア】くらいか……といっても後ろにいる奴らに遠く及ばないだろうが」
「【アストレア・ファミリア】は5年前に
「小細工を弄したとはいえ、この私を倒した奴らですら死んだのか」
【アストレア・ファミリア】の現状を知ったアルフィアであったがすぐに現状を受け入れた。
「話が過ぎたな。決着をつけるぞ。言わずともわかっているな」
「ああ」
アルフィアが引く気がないと悟ったツナは炎を逆噴射させ上空へと上がった。
「ナッツ。
ツナの両腕に噴射口が取り付けられるとクロスさせた両腕を地上にいるアルフィアへと向けた。
「オペレーション