ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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投稿時間を間違って設定値してました。申し訳ございません。


異端児(ゼノス)
標的(ターゲット)139 竜女(ヴィーヴル)


 

 

 

 

 

 ラキアによる侵攻が終わってから3日が経過した。ウラノスからラキアからオラリオへ書状が届いたという連絡があり、ツナ、ヘスティア、リボーンはラキアからの報告を聞くことになった。

 

『結論から言うと死者は出ていない。すぐにチェルアのことについて公表したことで国民達が誰ともわからない黒幕に怯えることはなくなった。ただ今回、主神であるアレスとマルティヌスは国中から非難されているようだが』

 

「ま。当然だろうな」

 

 ウラノスの言葉を聞いてリボーンは冷静に事実を受けていた。

 元々、戦争する必要がないのにも関わらず、絶対に勝てないオラリオに戦争を仕掛けて兵士達を疲弊させた上に、その隙を狙われて国家崩壊しかけた。チェルアに付け入る隙を与えた主神のアレスと国王のマルティヌスが非難されるのは当然の話であった。

 

「……」

 

 ツナは自分達の世界の人間のせいでラキアの国民に迷惑がかかった為、複雑な感情抱いていた。

 

「それにしてもよく国民(子供)達は国を捨てようとは思わなかったね」

 

『国を出ても生き方がわからない者がほとんどだ。それにラキアはオラリオ以外にも多くの国に戦争を仕掛けている。故に多くの国からも恨まれている。自分がラキアの出身だと知れれば命の保証はない。だから止むなく国に留まっているというところだろうな」

 

(そういえば魔剣がエルフの森や精霊の住処を焼き払ったんだっけ……)

 

 ウラノスの言葉を聞いて、ツナはラキアがクロッゾの魔剣で好き放題していた話を思い出す。

 

『この1件でまず国のトップと主神の座は別の者に交代することになるだろう。不謹慎ではあるがこの1件のお陰で、ラキアはまともになるだろう』

 

 今までマルティヌスとアレスは愚行に愚行を重ねてきた。そして今回の1件で国民達の堪忍袋は完全に切れた。そうなればトップが引きずり下ろされるのは自然なことであった。

 

「それと報告し忘れていたことがあったんだが、チェルアの作ったあのリング。ラキアの裏社会の人間に配った物だったらしい」

 

『あのリングがテッド以外にもリングが渡っているということか』

 

「ああ。といっても装備したら生命力を奪われる代物だ。まずあのリングを悪用されることはねぇだろうが、問題はそこじゃねぇ。あのリングはこっちの世界の素材だけで作られていたらしい」

 

『つまり死ぬ気の炎を使えるリングはこの世界でも作れるということか』

 

「それだけじゃねぇ。チェルアは怪物(モンスター)(ボックス)化する技術にも成功していたらしい」

 

「え!?」

 

 まさか怪物(モンスター)(ボックス)化していたとは夢にも思わなかった為、ツナは驚きの声を上げた。

 

「といってもチェルアは報復を恐れて、死ぬ気の炎の存在も(ボックス)化した怪物(モンスター)の存在を秘匿にしていた。幸いチェルアと最も関わりのあった2人も、もういねぇ。つまり下界が荒れるという最悪の事態は避けられた訳だ」

 

『間一髪だったという訳か』

 

 チェルアが最悪の事態を考えるタイプだったとわかってウラノスは安堵した。

 

「報告は以上だ」

 

『ご苦労だった。また何かあったら連絡してくれ』

 

 報告を終えるとツナ達はダンジョンに行った、ベル達が帰って来るのを待つ。

 

「遅いな」

 

 日が沈み時刻は夜となった。とっくに帰って来てもおかしくない時間であるにも関わらず、ベル達が帰って来ないことにリボーンは違和感を覚える。

 

「まさか何かあったんじゃ……」

 

「俺、行って来るよ!!」

 

 ツナが遠征に行っている間、怪物進呈(パス・パレード)に巻き込まれたのがきっかけでダンジョン内で生死を彷徨ったことがあった為、ヘスティアは心配になっていた。

 そんなヘスティアを見てツナは慌ててダンジョンへ行く準備をする。

 

「その必要はないらしいぞ」

 

 リボーンは竈の館から気配を感じ、これがベル達だということを察した。

 リボーンの推測通り何事もなくベル達が戻って来た為、ヘスティアとツナは安堵した。

 

「誰だそいつ? 新しい【ファミリア】のメンバーか」

 

 ベル達は無事であったが、なぜかベルの側にローブを纏った小柄な人物がいた。

 リボーンの言葉を聞いてベルは気まづそうな表情を浮かべながらゆっくりとフードを取った。すると、琥珀色の瞳と青い長髪、そして青白い肌、額には紅の宝石が埋まり、鋭い爪(・・・)を有した存在が露になった。

 

「え……!?」

 

 ツナは少女の見た目をすぐに正体に気づいた。この少女が怪物(モンスター)だということに。

 

「話を聞かせてくれ」

 

 怪物(モンスター)は忌むべき人類の敵。【ファミリア】内には調教師(テイマー)のいないにも関わらず、連れ帰ったのは何かあるのだと察したヘスティアは

冷静に事態を受け止めた。

 19階層で火鳥(ファイヤーバード)が大量発生し、このままではダンジョン攻略において支障が出るということでリヴィラの街の冒険者達で総出で討伐することになり、ベルも駆り出された。

 討伐は順調だったものの、途中で他の冒険者とはぐれてしまい孤立してしまった。そんな時に竜女(ヴィーヴル)である彼女と出会ったのだが、ベルを襲う雰囲気が全くないどころか、むしろ目に涙を貯め怯えいた。それどころか火鳥(ファイヤーバード)に襲われそうになっていた。ベルは咄嗟に火鳥(ファイヤーバード)から竜女(ヴィーヴル)を護った。

 その後、竜女(ヴィーヴル)が怪我をしていることに気づきポーションを渡したのだが、なんと怪物(モンスター)でありながら人語を話したのである。

 このまま放っておけないと感じたベルは竜女(ヴィーヴル)を助けることを決意。なんとかリリ達を説得した後、18階層にて人が少なくなる夜まで待ち、最新の注意を払いながら地上に戻って来たのである。

 

(喋る怪物(モンスター)……)

 

 ツナは59階層で戦った穢れた精霊(デミ・スピリット)のことを思い出していた。しかし目の前にいる竜女(ウィーブル)からは穢れた精霊(デミ・スピリット)のような嫌悪感や邪悪な敵意が感じられないどころか、竜女(ウィーブル)はベルの足を掴み、自分達を見て怯えている。故に穢れた精霊(デミ・スピリット)とは違う存在ではあると結論付けた。

 

「……どうなさいますかヘスティア様?」

 

 この竜女(ヴィーヴル)をどうするかは主神である最終決定権はヘスティアにある為、命は竜女(ウィーブル)の処遇について尋ねた。

 

「……このことは誰にも話さないでくれ。しばらく様子を見る。ぶっちゃけてしまうけど、僕もこの事態をどう受け止めていいかわからない。こんなことがあるなんて……」

 

 全知である(ヘスティア)であっても喋る怪物(モンスター)について何もわからず、困惑していた。

 

怪物(モンスター)は下界の住人、君達の敵。争うなければならない存在だっていうのはわかっている。でもこうまで怯えられちゃあ見捨てることはできないよ」

 

 怪物(モンスター)は忌むべき存在であるものの、それでもここまで怯え切った者を無下にできるような神物ではなかった為、保護することを決めた。

 

「ガウ?」

 

 するとソファーで寝ていたナッツが目が覚ます。そしてナッツの視界に竜女(ヴィーヴル)を捉える。

 

「ガウ♪」

 

 戦い以外では臆病な筈のナッツが竜女(ヴィーヴル)に自ら近づいていった。

 竜女(ヴィーヴル)はナッツに最初は怯えていたが、恐る恐る手を伸ばし頭を撫でた。竜女(ヴィーヴル)に触れられてナッツは嬉しそうな笑みを浮かべると、竜女(ヴィーヴル)も満面の笑みを浮かべた。

 

「あったかくてポカポカするー」

 

「「「っ!?」」」

 

 竜女(ヴィーヴル)ナッツを触った感想を述べる。ベル達の話を信じていなかった訳ではないが、それでも流暢に喋ったことにツナ、リボーン、ヘスティアは驚愕を禁じ得なかった。

 

 その後、この竜女(ヴィーヴル)をウィーネと名付けられた。

 

 しかしこの時、ツナ達は知らなかった。この出会いがオラリオを全土を巻き込む事態になることを。

 

 

 

 




という訳で異端児(ゼノス)篇スタートです。

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