ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)140 同類(シィミレ)

 

 

 

 

 

 喋る怪物(モンスター)、ウィーネと保護することになった【ヘスティア・ファミリア】。

 

「【X(イクス)ショットガン】」

 

 ツナは雲の炎によるレーザーを照射。雲属性の炎の特徴である増殖によって枝分かれし、怪物(モンスター)達は一斉に体を貫かれ消滅していく。

 現在、ツナはベルとヴェルフと共に19階層に訪れていた。理由はウィーネの調査の為である。

 ウィーネと初めて出会ってから地上にて喋る怪物(モンスター)の調査を進めていた。絶対に他言する恐れのないミアハ、ヘファイストス、タケミカヅチに喋る怪物(モンスター)について尋ねたが何も情報は知らないどころか、ヘスティアと同じく驚愕していた。

 一方で変身魔法で姿を偽ったリリはとある酒場いた【ヘルメス・ファミリア】から喋る怪物(モンスター)を追う集団がいるということを掴んだ。そしてその集団を【ヘルメス・ファミリア】が追っていることも。

 しかし地上ではウィーネの正体について繋がる情報を掴めないと踏んだヘスティアは、ベルがウィーネと出会ったという19階層に向かうように指示したのである。

 ウィーネはベルと春姫に懐いている為、春姫はウィーネの為に残り、命も付き添いの為に残った。

 リリは酒場を後にした際に自分を付けられていた。変撒くことには成功したものの、万が一のことも考えて本拠(ホーム)に残ることになった。

 

「この辺りの怪物(モンスター)は一掃した。行くぞ」

 

「「……」」

 

 人差し指に息を吹き掛けるツナ。一方でベルとヴェルフは唖然するあまり言葉を失ってしまっていた。

 ツナがラキア進軍の任務の間、ベル達はツナ抜きでダンジョン攻略を行っていた。その時に18階層まで行ったのだが、その時とツナがいる今では比べものにならないくらい速く19階層まで到達した。ツナが加わるだけでここまで違うと知って2人は驚きのあまり何も言えなくなってしまったのである。

 

「どうした? 何かあったのか?」

 

「い、いや……」

 

「な、何でもねぇ……」

 

 今はウィーネに繋がる情報を入手するのが先決である為、ベルとヴェルフは気を取り直して先に進むことにする。

 

「それよりベル。集中できていないぞ。気持ちはわかるが気を引き締めないと死ぬぞ。お前にもしものことがあったらみんなが悲しむ」

 

「ご、ごめん……」

 

 ウィーネという知性ある怪物(モンスター)に出会ったせいでベルはここまで来る怪物(モンスター)を倒すことに迷いが生じていたことをツナは見透かしていた。

 ツナの指摘を受けてベルは申し訳なさそうな表情を浮かべながら謝った。

 

「すまない。言い過ぎた」

 

「ううん……ツナは間違ってないよ」

 

 ダンジョンにおいてほんの僅かな迷いが死に直結することはベルも身を持って体験している為、ベルは顔を横に降って意識を切り替える。

 そしてベルの案内の元、ウィーネと出会った地点を目指していく。

 

「ツナはどう思っているの? ウィーネのことを」

 

「最初は驚いたが、今は大切な仲間だと思ってる。だからウィーネのことは絶対に護る。俺の誇りにかけてな」

 

 ウィーネは怪物(モンスター)ではあったが人間の子供のように色んなものに興味を示したり、はしゃいでいた。そんなウィーネをツナはすでに護るべき存在になっていた。

 

「凄いなお前は。俺もウィーネが悪い奴じゃないとは俺もわかってはいるんだが……」

 

 ウィーネを対して微塵も恐れていないツナを見てヴェルフは驚きを隠せないでいた。

 ヴェルフもウィーネに対して悪感情を抱いてはいないが、それでも僅かにウィーネを恐れている自分がいるのである。

 

「ここか?」

 

「うん」

 

 ベルが止まった為、ここがウィーネと出会った場所なのかヴェルフが確認を取った。辿り着いたのは木の根に覆われた下り坂であった。

 

「何もないな」

 

 ヴェルフが周囲を見渡すもこれといった手がかりもなかった。ここに手がかりがない以上、3人はこのまま先に進むことを考える。

 その時だった

 

(あれは……)

 

 すると自分達の前方から、全身を黒いローブを纏った人物が現れたことにツナがいち早く気づいた。

 

「ベル、ヴェルフ。奴から目を離すな」

 

「え?」

 

「あいつがどうかしたのか?」

 

「上手く言えないんだが何か妙だ」

 

 普通の人が見ればただの冒険者に見えただろうが、超直感を持つツナは前方にいた人物に違和感を感じ取っていた。

 すると謎の人物はツナ達の方に向かって歩き出すと、目の前で止まった。

 

「────同胞の匂いがすル」

 

(敵意は感じられない)

 

 そして謎の人物が声を発する。声の高さから女性だということはわかったがそれ以外はわからなかった。

 女性からは敵意は感じられなかったが異質な存在だということは変わらない為、ツナは警戒を解かなかった。

 

「同胞ヲ拐っているのは貴方達か?」

 

「「「っ!?」」」

 

 女性から凄まじい殺気が放たれる。ツナは咄嗟にベルとヴェルフの前に移動し、戦闘体勢に入った。

 

「……いや違ウ。血ノ匂いがしなイ」

 

(殺気を解いた?)

 

 急に敵意を露にしたかと思ったら、すぐに女性は殺気を解いた為、ツナは女性の目的がわからず困惑してしまう。

 

「もしや貴方達ガ、フェルズの言っていタ方々ですか?」

 

「なっ!?」

 

「フェル、ズ……?」

 

「さっきから何を言ってやがる!?」

 

 ここで知っている者の名が出たことにツナは驚きの声を上げ、ベルとヴェルフはフェルズという単語の意味がわからず困惑していた。

 

「貴方達ニ聞きたイ。我々ハ共生できるト思いますか? 我々ハ、手ヲ取り合えるト思いますか?」

 

 謎の人物はツナ達に問いかけた。しかし誰も返答することはできなかった。

 

「貴方達ハ私達ヲ殺す。私達モ貴方ヲ殺す。定めなのでしょうか? 分かり合えないノでしょうか?」

 

「その言い方……やっぱりお前は人間じゃないんだな」

 

「フフッ。そのことニ気づいテいながら私を襲おうとシないなんテ。貴方達とは分かり合エるかもしれマせん。少シ期待しています」

 

 すると女性は両膝を曲げると上空に飛んだ。しかし謎の人物は地上に落ちてくることはなく、代わりに纏っていたローブが落ち、さらに時間差で金色の羽が落ちてきた。

 

歌人鳥(セイレーン)……やっぱりウィーネと同じか」

 

「「え!?」」

 

 ツナの目は女性の正体を捉えていた。ベルとヴェルフは落ちてきたきた羽根と人語を話していたことから、女性の正体がウィーネと同じ存在だということは気づいていたが、自分達の動体視力では追いきれない程の速さで移動した為に女性の正体までは気づけてはいなかった。

 

(それよりも問題なのは……)

 

 ウィーネと同じく喋る歌人鳥(セイレーン)の存在がいたことにも驚いたが、ツナが一番驚いたのは歌人鳥(セイレーン)の口からフェルズの名を知ってことであった。

 

(フェルズはウィーネ達のことについて知っている?)

 

 フェルズに直接、問いただせば喋る怪物(モンスター)についてわかるかもしれないとツナは考えた。しかし歌人鳥(セイレーン)の言っていたフェルズが自分の知っているフェルズとは万が一、同一人物ではない可能性もある。そうなればウィーネが始末される可能性もある為、ツナはフェルズに聞くことを躊躇っていた。

 

「とりあえず地上に戻ってヘスティアに報告しよう」

 

 

 

 

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