ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
ダイダロス通りにて額の宝石を失い、暴走したウィーネと再会したツナ達。
しかし【ロキ・ファミリア】が現れ、住民達は安堵するもベル達からすれば最悪の事態でしかなかった。
(どうする!? 幻覚で……いや無理だ!?)
前みたいに幻覚で別人に成り代って助けようと考えたが、肝心のウィーネが暴走状態になった影響で、意志疎通ができず、体が巨大化したせいでウィーネを抱えて運ぶことができない。
幻覚で見た目を変えても動きや癖までは変えられない。住民は誤魔化せても、共に深層に向かったことのある【ロキ・ファミリア】の目は誤魔化せない。証拠がなくとも、自分の正体を隠す事などできないのである。
(フィン達を説得するか……!?)
一か八かフィン達に事情を話す事も考えたが、事態が好転するとは到底、思えなかった。
ただでさえ
必死に頭を回転させるツナであったが、実力行使に出る以外に【ロキ・ファミリア】を止める方法が思いつかなかった。
(ベル……?)
するとベルが両手を広げた状態でウィーネを前に立ち塞がった。ベルの意図が分からず、ツナだけでなくその場にいた者達は困惑する。
「……ぼ、僕の獲物だ……」
(ベル……!!)
絶望的な状況の最中、ベルはフィン達のいる方に視線を向け、全身を震わせながら言葉を絞り出した。ツナはベルの意図を理解すると同時に苦渋の表情を浮かべる。
「この
他の冒険者の獲物を横取りしてはならないという冒険者間の規則。ベルはそのルールを持ち出す事で、【ロキ・ファミリア】の介入を防ごうとした。
しかしこの非常事態に冒険者間のルールなど通用する訳もなく、周囲の人間のベルを見る目が反感や悪態に変わっていく。
その間にウィーネは体に刺さった槍を引き抜き、逃亡する。
「子供の我が儘に付き合う必要はない。あの
ベルの言い分を聞く筈もなく、フィンが命令を下す。団員達はウィーネを始末する為に動き出した。
その時だった
『────オオオオオオオオオオ!!』
突如、
リヴィラの街を襲撃した武装した
ベルは隙を見て暴走したウィーネを追いかける。
(リド……)
リド達がウィーネを護ってくれたのは助かった。しかしリド達が地上いるという事は、
(けど……)
【ロキ・ファミリア】の強さを知っているツナは知っていた。リド達ではどう足掻いても【ロキ・ファミリア】には勝てない。このままでは確実に全滅させられてしまうと。
ツナの予想通り、リド達の抵抗も虚しく、
「放せリリ助!! あのままじゃあいつ等は……!?」
「駄目ですヴェルフ様!! ベル様の時は有耶無耶になりましたが、また庇う真似をすれば【ヘスティア・ファミリア】は……!?」
リド達を助けに行こうとするヴェルフをリリは小さい体で必死に押さえていた。
ここでベルだけでなく自分達もリド達を護る為に戦おうとすれば、【ヘスティア・ファミリア】への糾弾は避けられない。そうなれば到底、オラリオにはいられなくなる。リリは【ヘスティア・ファミリア】を護る為に何としてでもヴェルフを止めようとしていた。
本当はツナもリド達を護る為に戦いたい。しかし
「……いい。行ってくれ」
「ヘスティア様!?」
「全て
「ヘスティア……」
全員を震わせ、拳を握り、苦渋の表情を浮かべながらも、それでも己を犠牲にして、
「……自分の
封じます。その間に
「命様……」
「それと
「……わかりました!!」
命の覚悟を見て、春姫も腹をくくり【
「────全員ここから動くな!!」
「な、何だよツナ!! 何で止めんだよ!?」
覚悟を決め、【ロキ・ファミリア】と戦おうとした矢先にツナが制止するよう指示を下した為、ヴェルフは怒りと困惑が隠せずにいた。
「何か来る!!」
ツナの超直感がとてつもない何かを予感した。ツナのあまりの焦りようからヴェルフ達は、とてつもない何かが起こるということを悟る。
『ォオオオオオオオオオオオオ!!』
そして再びダイダロス通りにとてつもない雄叫びが響き渡った。
謎の雄叫びを聞いただけで住民達は倒れ、ツナ、ヘスティア、【ロキ・ファミリア】の幹部人以外は体が動かなくなってしまう。
(あれは……!?)
とてつもない雄叫びが響き渡った事で、静寂が周囲に訪れる中、重々しい足音だけがツナ達の方に近付いて来る。
すると2
(黒いミノタウロス……?)
現れた
しかし困惑しているのはツナだけでなく、ダンジョン探索の経験の長い【ロキ・ファミリア】でさえも、
(リドの言っていた
黒いミノタウロスの纏っている防具や武器を見て、ツナは時間差で、このミノタウロスが深層に武者修行に行っていた最強の