ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)162 炎の誓約者(シモンファミリー)

 

 

 

 

 

────リリサイド

 

「リリルカさんで良かったよね?」

 

「あ、貴方は⋯⋯!?」

 

 ツナと似た存在の青年に驚愕しながらも、リリは恐る恐る尋ねた。

 

()(ざと)(えん)()。ツナ君の友達だよ」

 

  古里炎真。【シモンファミリー】のボスである。

 【シモンファミリー】。ボンゴレの創世紀から存在する【ファミリー】であり、初代ボスであるシモン=コザァートとボンゴレⅠ世(プリーモ)は友人であり、かつてボンゴレとは互いに兄弟のような関係であり、Ⅰ世(プリーモ)が【ボンゴレ】を創設するきっかけを作った人物であった。

 だが【ボンゴレ】の初代霧の守護者であるD(デイモン)・スペードが【ボンゴレ】を自警団から最強のマフィアにしようと裏で画策しており、自身の野望に【シモンファミリー】が邪魔だったD(デイモン)は抗争の最中に【シモンファミリー】を葬った。しかしⅠ世(プリーモ)D(デイモン)が裏切りだという事を見抜いており、秘密裏にコザァート達を救出していた。

 その後、コザァートはD(デイモン)を倒そうとすれば多大な犠牲が出ことを予見し、D(デイモン)の凶行を無かった事にし、自分達が生きていると知られれば【ボンゴレ】の弱点なる為、自分達を死んだ事にし、表舞台から姿を消す事を決意した。

 だがⅠ世(プリーモ)はコザァートの判断に反対するも、コザァートの決意は変わる事はなかった。このままではボンゴレの負の遺産を一方的に押し付ける事になる為、Ⅰ世(プリーモ)は【ボンゴレ】が存在する限りシモンを永遠に影から支え続ける事を誓い合った。

 

「ツナ君が僕達に頼んできたんだ。助けて欲しいって」

 

「そのような話聞いていません!!」

 

(仲間も知らない!?)

 

 リリの反応を見て、援軍の存在を知らない事を知り、アキは驚愕を禁じ得なかった。

 

「ごめんね。相手の指揮官が凄い頭の良い人だから、僕らの存在を知られる訳にいかなかったんだ」

 

(確かにそれはそうだけど⋯⋯)

 

 フィンを相手にするのであれば最良の選択。しかしツナがこのような戦法を取るとは想定外だった為、アキは驚きを隠せないでいた。

 

「アキさん⋯⋯え!?」

 

「う、嘘⋯⋯!?」

 

 するとアキの元に合流した団員達が集まってくるも、ツナと似た炎真(存在)を目にした途端、衝撃のあまり言葉を失ってしまっていた。

 

「ごめんね。君達に恨みはないけどこっちにも事情があるんだ」

 

 謝罪の言葉を述べると炎真は右手を前方にかざすと。アキ達は強制的に地面にうつ伏せの状態になったまま、動けなくなる。

 

(う、動けない!!)

 

 アキ達は力を込めるも、上から圧倒的な力に抑えられ、立つ事はおろか指1本すら動かす事すら叶わなかった。

 大地の7属性。大空の7属性と対を成す、死ぬ気の炎の亜種である。【シモンファミリー】のメンバーはどういう訳は分からないが、大空の7属性とは違う波動が流れている。

 炎真の炎の属性は大地。特徴は重力操作。重力で相手の動き封じたり、物体を浮かせる事ができる。

 

(命様と同じ重力の力⋯⋯けどこんな一瞬で【ロキ・ファミリア】の団員達を⋯⋯!?)

 

 炎真が命と同じく重力の力を使える事を理解。だが全く詠唱無しな上に都市最大派閥の団員を一瞬にして、アキ達の身動きを封じた事にリリは衝撃を隠せないでいた。

 

「行って。ここは僕が抑えるから」

 

「は、はい!!」

 

 炎真の言葉通りリリは再び自身の任務を全うする為にこの場から離れる事を決める。

 その時だった

 

「っ!?」

 

 突如として炎真とアキ達の後方から複数の火炎石が空中から放たれ、大爆発が発生する。

 

「やったぞ!!」

 

 爆発が収まった後、他の冒険者達が現れる。そして炎真達が肉片も残らず始末できたと知って、邪悪な笑みを浮かべていた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「え、ええ⋯⋯」

 

「なっ!?」

 

 冒険者が上空に視線を移すと、炎真と大地の重力の力によって宙に浮いているリリとアキ達の姿があった。先程まで攻撃された相手に助けられた事にアキは困惑しながらも返答し、冒険者達は予想外の出来事に驚愕していた。

 

(闇派閥(イヴィルス)!!)

 

 アキはこの冒険者達が冒険者の格好をした闇派閥(イヴィルス)であると気づく。

 今、ダイダロス通りは異端児(ゼノス)を討伐する為に冒険者が大量に集まっている。その状況を利用し、闇派閥(イヴィルス)が冒険者に変装し、【ロキ・ファミリア】に襲撃する事をフィンは読んでいた。

 

「貴方達は敵って事でいいですよね」

 

 爆発物を投げ込んだ時点で、【ロキ・ファミリア】を苦しめている自分だけを狙おうとした線はないと認識。そしてアキ達を空中から降ろし、今度は闇派閥(イヴィルス)を重力宙に浮かせた。

 

「がっ!?」

 

 そして闇派閥(イヴィルス)は建物に激突し、そのまま意識を失った。

 

「下を噛まないようにして」

 

「え⋯⋯いやぁああああああああああああ!!」

 

 闇派閥(イヴィルス)を倒した後、炎真はリリを連れて飛んで去って行く。急激のスピードで空中を移動した為、リリは絶叫を上げた。

 あっという間にいなくなった炎真達を見て、団員達は唖然としていた。

 

「ボーッとしちゃダメ!! 私達の目的は一刻も早く()を手に入れること!! 当初の予定は狂ったけど、それでも闇派閥(イヴィルス)を捕らえられた!! すぐに起こして()の在り方を吐かせるわよ!!」

 

「「「は、はい!!」」」

 

 まだ炎真の存在に完全に整理がついてはいなかったが、それでも自分達に与えられた任務を即座に思い出し、アキは団員達に喝を入れる。アキの言葉を聞いて、団員達も我に返った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────炎真サイド

 

「ここまで来れば安全だね」

 

「し、死ぬかと思いました⋯⋯」

 

「あ、ごめん⋯⋯大丈夫?」

 

 安全な場所へと降り立った2人であったが、ただでさえ魔法を連続使用した事で疲労がピークに達していたところに、生まれて初めて空中を超スピードで移動するという体験をした為、リリの顔はげっそりとしていた。

 

「あ、ありがとうございます⋯⋯お陰で助かりました⋯⋯」

 

「気にしないで」

 

「あの⋯⋯どうしてリリ達の為にそこまで⋯⋯?」

 

 ツナに頼まれたという事は理解している。それでも悪役扱いされている自分達に協力するメリットはないどころか、デメリットしかない。にも関わらず会ったことすらない、自分達を助けてくれる理由がリリには分からなかった。

 

「ツナ君が君達を護りたいって言ったから」

 

「それだけの為にリリ達を⋯⋯!?」

 

「うん」

 

「ですが⋯⋯こんな真似したら⋯⋯」

 

「心配してくれてありがとう。けど大丈夫だよ。僕は何があってもツナ君を信じるって決めてるから」

 

 コザァートは【ボンゴレ】の為に日陰の道を生きる事を誓った。しかしその子孫である炎真達は地獄のような日々を辿り羽目になった。それ故に憎悪が眠っており、その憎みをD(デイモン)に利用され、かつてはツナ達を憎み、殺そうとし、最終的に憎みに駆られ、まともな意思疎通ができなくなり殺人マシーンと化した。

 しかしそんな自分をツナは命がけで助けてくれた。そしてだが真実を知り、10代という時を経て【ボンゴレ】と【シモン】は真の友情が取り戻した。そしてこの先、どのような事があろうともツナを信じ、支える事を炎真は心に誓った。

 

「僕だけじゃない。他のみんなも君達を護る為に戦う事を決めた。自分の意思でね。例え君達がどんな立場に置かれているようと、ツナ君が助けたいっていうなら僕達はどこへだって駆け付けるし、誰が相手だろうと戦うよ」

 

(これが綱吉様の仲間⋯⋯)

 

 炎真の瞳には一点の曇りもなかった。そんな炎真を見てリリは炎真の言葉が嘘ではない事を理解すると同時に、炎真のツナへの絶対的な絆を感じ取っていた。

 

「今、【ロキ・ファミリア】の幹部を僕達が抑えてる。だから君達は作戦に集中して」

 

「は、はい⋯⋯」

 

「それと助けに来たって言っておいて悪いんだけど、僕はやらなきゃいけないがあるから、君と一緒にいられないんだ。ここからは1人で行動してもらってもいいかな?」

 

「大丈夫です。ありがとうございました」

 

 リリは頭を下げてお礼を言うと、再び役割を果たす為に走り出して行く。

 

「ごめんね」

 

「え⋯⋯?」

 

 炎真が謝罪の言葉がリリの耳に届き、振り返る。しかしすでに炎真はどこかへ去った後であった。

 

 

 




炎真は互いの相手を瞬殺できてしまう為、このような立ち位置にせざる得ませんでした。それに炎真の力は敵味方関係なく被害が出過ぎちゃうから、おもいっきり戦わせられないのが難しいところです。

次回はツナvsティオネ。これで【ロキ・ファミリア】との戦闘シーンは最後になります。


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