ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)167 混戦(ミスキア)

 

 

 

 

 時は少し戻り、迷惑をかけた借りを返す為にフィンと共に行動することを選んだツナは【ロキ・ファミリア】と合流する為に移動していた。

 

「それで、敵は闇派閥(イヴィルス)なのか?」

 

「ああ。その通り⋯⋯と言い切るのは間違いかな」

 

「どういうことだ?」

 

「闇派閥(イヴィルス)に強力している勢力がいる。むしろ厄介なのはその勢力にいる1人の戦士だ。もしまともに奴とリヴェリアと戦っていれば勝ち目はないだろう」

 

「一体、何者だ?」

 

 いくら後衛職とはいえ、第一級冒険者(Lv.6)であるリヴェリアをも脅かす存在がいることがツナには信じられなかった。

 

「怪人(クリーチャー)と呼ばれる人と怪物(モンスター)の混合種。レヴィスと呼ばれているようだが、その正体は謎に包まれている」

 

「人と怪物(モンスター)⋯⋯それは確かに厄介な存在だな」

 

「冷静だね⋯⋯普通ならもっと驚きそうなものだけど⋯⋯」

 

「いや⋯⋯俺の知り合いに似たような存在がいるというか⋯⋯」

 

「そ、そうか⋯⋯」

 

 人と怪物(モンスター)の混合種と聞いて、ツナは白蘭が直属の精鋭である【真(リアル)六(ろく)弔(ちょう)花(か)】の姿が浮かんでいた。

 【真(リアル)六弔花】は匣(ボックス)アニマルと融合することで、肉体そのものを最強の兵器に変える修羅開匣(しゅらかいこう)という力を持っているのである。

 怪人(クリーチャー)のような存在が知り合いにいるという事実に、流石のフィンも引いてしまっていた。

 

「団長、に綱吉さん!?」

 

 移動している最中、2人の前にレフィーヤが降り立つ。だがツナが一緒に行動していることにレフィーヤは困惑する。

 

「もう彼は敵じゃない。それよりもレフィーヤ、状況を説明してくれ」

 

「は、はい!! リヴェリア様から鍵を届けることと援軍を連れて来るように頼まれました!! 例の怪人(クリーチャー)は負傷し脱出経路も確保!! リヴェリア様達は人造迷宮(クノッソス)を荒らしてます!!」

 

「わかった。戦える者を集めてリヴェリア達の援軍に向かうことと沢田綱吉が味方についたことを伝えてくれ」

 

「はい!!」

 

 フィンから指示を受けたレフィーヤは再び、フィンの指示を伝える為に駆け出した。

 

(フェルズがいてくれて本当に良かったな)

 

 【ロキ・ファミリア】は団員の数も多く指揮の練度が高い。ただ一方で【ヘスティア・ファミリア】にはノータイムで情報伝達できる眼晶(オクルス)があった。もし眼晶(オクルス)が無ければ確実に詰んでいたとツナは理解させられた。

 そしてガレスと他の団員達が加わり、リヴェリア達への元へと向かう。

 

「礼を言うぞ。沢田綱吉」

 

「え⋯⋯!?」

 

 満面の笑みを浮かべながらガレスは感謝の言葉を伝えるも、ツナはなぜガレスがそんなことを言うのか分からず困惑の表情を浮かべた。

 

「笹川了平じゃったか。あのような強者と戦う機会を与えてくれたことにじゃ」

 

「そんなに強かったのかい?」

 

 ガレスをこれ程までに喜ばせた、笹川了平という男にフィンは興味を示した。

 

「ああ。この儂と小細工なしの殴り合いができる程じゃったからのう。間違いなく今までの生きてきた中で一番熱い戦いじゃったわい」

 

「君にそこまで言わせるなんて。僕としては複雑な気分だね」

 

 長い付き合いのある自分と戦った時よりも、熱い戦いだとガレスが迷うことなく断言した為、フィンは少しだけ嫉妬していた。

 一方でフィン以外の団員はガレスと小細工なしの殴り合いができる存在がいる事実に戦慄し、言葉を失っていた。

 

「僕からも1つ聞いていいかい?」

 

「何だ?」

 

「戦略的にてっきり君は僕を狙って来ると思っていたんだけど、どうして彼を僕と戦わせたんだい?」

 

 最速で動けるツナが、1秒でも速く指揮官である自分を潰しにやって来るであろうとフィンは読んでいた。しかしフィンの予想に反してツナは来なかった。その理由を何度も考えたが分からなかった為、ツナに真意を尋ねた。

 

「本当は俺がお前と戦うつもりだった⋯⋯ただあの人の性格上の問題でああなっただけというか⋯⋯」

 

「性格?」

 

「あの人は生粋の戦闘狂(バトルマニア)でな⋯⋯【ロキ・ファミリア】の中で一番強い奴は誰だって聞かれたら、お前の名前を出しただけっていうか⋯⋯」

 

「それは答えが分からない訳だ⋯⋯」

 

 効率ではなく、個人の性格を優先したのであれば理由が分からないのは無理はないと理解せざる得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────人造迷宮(クノッソス)

 

「道を開けろぉおおおおお!!」

 

 リドの叫び声が響き渡る。そこにはリド達、異端児(ゼノス)、リヴェリア率いる女性エルフ部隊、白装束の闇派閥(イヴィルス)と食人花と水蜘蛛の怪物(モンスター)達が戦っていた。

 リド達は無事に人造迷宮(クノッソス)に入ることができ、後はダンジョンへと向かうだけだった。しかし運悪くリヴェリア達と遭遇。共にいたフェルズが交渉するも、交渉は決裂。さらにその瞬間に闇派閥(イヴィルス)が現れ、三つ巴の混戦となってしまったのである。

 

「近づくな異端の怪物(モンスター)め!!」

 

 混戦の最中、アリシアが剣を構えながらレイに向かって叫ぶ。

 

「近づくな異端の怪物(モンスター)め!! 汚らわしい恥を知れ!! 同胞の⋯⋯友の血を啜(すす)った口で人の言葉を語るなど!!」

 

 先程の交渉の際にレイ達に理性があり、人語を話せる存在だということを知った。しかしそれでも怪物(モンスター)に対する悪感情を消し去ることなどできる筈もなかった。

 一方で罵声を浴びせられたレイはアリシアに自分の存在を受け入れてもらえず、浮かない表情を浮かべる。そんなレイの表情を見て心が揺さぶられてしまう。

 

「我々を惑わすな!!」

 

 我に返り再び罵声も浴びせるもアリシア。しかし言葉とは裏腹に動揺が隠せていなかった。

 

(並行詠唱が⋯⋯!!)

 

 一方でリヴェリアは魔法を放つ為に詠唱を続けていたが、ただでさえ数の多い怪物(モンスターの)と躊躇いなく道連れにしようとする闇派閥(イヴィルス)のせいで都市最強魔導士など言えど詠唱を遮られ窮地に追いやられていた。

 

「ここか」

 

 すると奥の扉が開く。そこには一振りの剣を持った赤い髪の女性がいた。

 この人物こそレヴィス。怪人(クリーチャー)という異次元の存在。フィン達が危惧する程の戦闘力を有しており、フィン自身もレヴィスに敗北し、生死の淵を彷徨った程の相手である。

 

「死ね」

 

 現れて早々、レヴィスは感情もなく剣を投擲。怪人(クリーチャー)という異次元の存在によって放たれたことによって、剣は闇派閥(イヴィルス)や怪物(モンスター)も関係なく粉砕していく。

 

「アリシア!!」

 

 剣は勢いを失うことなくアリシアへと一直線に飛んで行く。一早く気づいたリヴェリアがアリシアの名を叫んだことでアリシアは自身に振りかかる危険に気づくも、時すでに遅く避ける猶予はすでになかった。

 

「がぁああ⋯⋯!!」

 

 だがレイが剣とアリシアの間に割って入った。そして投擲された剣がレイの身体に刺さり、鮮血が舞う。

 

「レイ!!」

 

 レイがアリシアを庇ったことに気づき、リドはレイの名を叫ぶ。リドの声で他の異端児(ゼノス)達も気づき動揺が伝播する。

 

「⋯⋯なぜ?」

 

 重傷を負い、自分の膝の上に横たわるレイ。アリシアはショックを隠せていない様子であり、同時に罪悪感で押し潰されそうになっていた。

 

「私の金翼(ハネ)より綺麗ナ貴方ノ金髪(カミ)ヲ⋯⋯怪我したくないト⋯⋯そう思ってしまっテ⋯⋯もし許されるなラ⋯⋯貴方トお友達になりたいとそう夢ヲ見てしまいました⋯⋯」

 

 動揺するアリシアを不安にさせまいと、笑顔を浮かべ、本心を語るレイ。

 レイの想いが偽りなき本心であることはその身と行動が示した。ならそんな想いを踏みにじり剣を向ける自分は、怪物(モンスター)よりも酷い存在なのではないかと理解させられてしまう。

 そしてアリシアと同じことを思ったのか、リヴェリア達にも迷いが生じる。

 

「外したか⋯⋯まぁいい。その出来損ない怪物(モンスター)共々狩り尽くしてやる」

 

 だがそんな最中でもレヴィスは何も思うことなどなく、この場にいる者達を殲滅せんと再び剣を構え、歩を進める。

 絶望の象徴たるレヴィスを前にその場にいた者達全員に緊張が走る。

 その時だった

 

「悪いけど惨劇なんて見るつもりなんてないんだ。本物は英雄譚を目にした後なら尚更ね」

 

 絶体絶命のタイミングでフィン達が後方の扉が開き、フィン達が到着する。

 仲間達が現れたことで、【ロキ・ファミリア】の団員達に希望が戻る。

 だがそんな一瞬の気の緩みをレヴィスは逃すことはなく、背後からリヴェリアを容赦なく振り下ろす。

 

「っ!?」

 

 しかしレヴィスの前からリヴェリアの姿が消え、レヴィスは瞠目するも、すぐに背後に気配を感じ背後を振り返った。

 

「目の前で大事な仲間を失ったら……死んでも死にきれねぇ」

 

 そこにはリヴェリアを抱え、リヴェリアの窮地をを救ったツナがいた。

 

 




という訳で次はレヴィスとの戦いです。


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