ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

168 / 168
標的(ターゲット)168 大空(ツナ)vs怪人(レヴィス)

 

 

 

 

 

 

 

(こいつがフィンの言っていた怪人(クリーチャー)⋯⋯思ったより普通の見た目だな)

 

 今、目の前にいる存在がフィンの言っていたレヴィスだということをツナは超直感で見抜く。だが人間と怪物(モンスター)の混合種と聞いていた為、もっと禍々しい見た目を想像していたが、外見だけは普通の人間(ヒューマン)と変わらなかったことは予想外であった。

 

(こいつ⋯⋯エインの言っていた男か)

 

 一方でレヴィスはツナとは初対面であるものの、前にツナが18階層で戦った、仮面の人物とは仲間ということもあり、ツナのことを全く知らないという訳ではなかった。

 

(ななななななななな!?)

 

 冷静に互いのことを分析する一方で、ツナに文字通りお姫様抱っこされたリヴェリアの内心は穏やかでいられる筈もなかった。

 

「食人花(ヴィオラス)」

 

 レヴィスが呟くとツナの後方にいた食人花がツナ達を一斉に襲いかかり、同時に両手の使えないツナはレヴィスは容赦なく襲いかかる。

 

「俺がお前を護る。だから魔法を撃つ準備に専念してくれ」

 

「ななな、何を言っている!? できる訳ないだろ!!」

 

「魔力がないのか⋯⋯ならしっかり捕まってろ」

 

「ち、違⋯⋯あああああああああああ!!」

 

 リヴェリアが勝手に魔力切れと勘違いしたツナは、超直感をフルに駆使し挟撃を躱していく。

 皆の前でお姫様抱っこされているのを見られという、リヴェリアは耻辱のあまり顔を真っ赤にしながら絶叫する。

 

「あわわわわわわわわ⋯⋯!!」

 

 リヴェリアがお姫様抱っこされる光景にレフィーヤを始めとしたエルフ達は動揺を隠せずにいた。

 何の意味もなく王族(ハイ・エルフ)であるリヴェリアにこのような真似をすれば全世界のエルフを敵に回す程の事件となるが、事態が事態であった為、ツナのことを責めるエルフは1人としていなかった。

 

「流石というべき他ないな⋯⋯」

 

 数百年生きているフェルズでさえ、このような事態に対しても衝撃を隠せないでいた。

 

「あ、あやつ⋯⋯」

 

「無自覚なのが恐ろしいね⋯⋯」

 

 滅多に取り乱すことのないリヴェリアを意図も容易く、動揺させたことにガレスとフィンですら唖然としてしまっていた。

 

「お、降ろせ!! 頼むから降ろしてくれぇえええ!!」

 

「あ、暴れるな!!」

 

 あまりの恥ずかしさに耐えきれなくなり、冷静な判断ができなくなったリヴェリアは切実に訴える。しかしリヴェリアの内心が分からないツナには、リヴェリアを降ろすという選択肢などなかった。

 

「劣勢だというのに随分と余裕だな」

 

 レヴィスが剣を一直線に薙ぎ払う。剛腕によって超速で放たれた右薙がツナ達の元へと迫るも、ツナは地を蹴り、空中へと移動し空中へと回避する。

 

「それで隙をついたつもりか」

 

 ツナが避けた瞬間、レヴィスの背後からガレスとフィンが特攻を仕掛けるも、レヴィスには気づかれていた。

 

(体が⋯⋯!?)

 

 迎撃しようとした矢先、レヴィスの体が金縛りにあったかのように動かなくなる。そして自分の身に何が起きたのか分からないまま、ガレスのタックルとフィンの槍の一撃を喰らい、そのまま吹き飛されてしまう。

 

「図に⋯⋯ガハッ!!」

 

「遅い」

 

 再び前方に視線を移すとそこには、両手がフリーになったツナがレヴィスの前に迫っており、レヴィスの顔面に右ストレートを叩き込み、レヴィスをさらに奥へと殴り飛ばした。

 

「ナッツ」

 

「GURURU⋯⋯GAOOOOOOOO!!」

 

 ツナはナッツを呼び出す。そしてナッツの咆哮で食人花を周囲と石片と調和させ、石化させた。

 

「助かった」

 

 流石のツナでもリヴェリアを抱えた状態で勝てる程、甘い相手ではなかった。フィンとガレスが助けに入ってくれたことはありがたかった。

 

「す、すまない⋯⋯私が足を引っ張ってしまったばかりに⋯⋯」

 

「謝らなくていい。俺が勝手に飛び出しただけだ。第一、危ない目に遭おうとしている女の子を助けるのは普通のことだろ」

 

「っ!?」

 

 自身の気が緩みが招いた事態であった為、申し訳なさそうな表情も浮かべていたリヴェリアだったが、ツナの言葉を聞いて顔がほんのりと赤くなる。

 

「すまない。沢田綱吉、来てくれて本当に助かった」

 

「フェルズ。一体これはどういう状況だ? なぜ眼晶(オクルス)で⋯⋯」

 

 【ロキ・ファミリア】を助けに来たつもりが、フェルズ達が共にいるのは予想外の出来事。さらに【ロキ・ファミリア】と接触していたにも関わらず、連絡をしなかった理由をフェルズに尋ねようとした時、瀕死の重傷を負ったレイの姿がツナの視界に入った。

 

「レイ!!」

 

 慌ててレイの元へと駆け寄るツナ。だがレイは意識を失っており、返事ができる状態ではなかった。

 一方でアリシアは頭の中がグチャグチャになり、顔を真っ青に放心状態になっていた。

 

「ツナっちがさっき戦った奴の攻撃から、そいつを庇って傷を負ったんだ⋯⋯」

 

「レイ⋯⋯!!」

 

 リドがレイの身に起きた出来事について説明端的に説明する。正確な状況は分かってはいないが、今この場にいる者達からレイは【ロキ・ファミリア】と敵対していた筈。それでもなお、アリシアを己の身を賭して護ったのだとツナは推測し苦渋の表情を浮かべる。

 そしてツナが殴り飛ばしたレヴィスが再び舞い戻り、再び緊張が走る。

 

「【死ぬ気の零地点突破初代(ファースト)エディション】」

 

 そんな中でツナだけはレヴィスに一瞥(いちべつ)もくれず、しゃがみ込むとレイの傷口を凍らせて止血した。

 

「ナッツ。形態変化(カンビオ・フォルマ)。防御モード(モード・ディフェーザ)」

 

 ナッツをマントに変化させる、ツナは脱ぎマントをレイの上に被せた。

 

「あいつは俺が戦(や)る。レイを頼む」

 

「お、おい、ツナっち!!」

 

「大丈夫。すぐに終わらせる」

 

「っ!?」

 

(不味い!!)

 

 ツナの発した言葉を聞いた途端、リドの全身に悪寒が走る。それと同時にフィンの親指が警鐘を鳴らした。

 そんな2人の心情も知らずツナはレヴィスの前へと歩を進める。

 

「⋯⋯お前は闇派閥(イヴィルス)と協力関係にあるらしいな」

 

「だから何だ?」

 

「投降しろ。投降するなら危害は加えるはない」

 

「茶番に付き合うつもりはない」

 

 ツナの提案を聞く耳をもたず、レヴィスは剣を構え、攻撃体勢に入る。

 

「そうか」

 

 交渉が決裂した瞬間、ツナの体から大量の炎が暴風のごとく放たれる。

 

「ならここでお前をぶちのめすだけだ」

 

 レヴィスがレイを傷つけられたと、リドの口から聞いた時から抑えていた怒りがついに爆発。ツナの表情が怒りの表情へと変化する。

 あまりの炎の暴風にツナ以外の者達は吹き飛ばされないように両足に力を込める。

 レヴィスは即座に両手で剣を握り、頭上に構え、攻撃体勢に入る。

 

「何っ⋯⋯!?」

 

 だがレヴィスが攻撃動作に移る前に、ツナはレヴィスの前方に現れ、水平にした右腕をそのまま顔面に喰らわせる。ツナのラリアットを喰らってレヴィスは、おぼつかない足取りで数歩、後退する。

 

「【XBURNER(イクスバーナー)】」

 

 零距離から【XBURNER(イクスバーナー)】。レヴィスの全身が炎を包まれ、焼き尽くされる。

 怪物(モンスター)の特性を持っていることもあり、全身から蒸気のようなものが立ち昇り、焼かれたレヴィスの体が少しずつ修復されていく。威力ではなく速射を優先した為、レヴィスの体を消滅することはなかった。

 

(引き寄せられた⋯⋯!?)

 

 レフィーヤは見ていた。ラリアットと零距離の【XBURNER(イクスバーナー)】を放つ前にレヴィスがツナの元に引き寄せられた光景を。

 炎真から渡されたリングはシモンリング。【シモンファミリー】の門外不出の至宝である。【ボンゴレファミリー】と【シモンファミリー】がツナと炎真の友情を認めた証である。ボンゴレリングとシモンリングが合体すると、ツナは大地の炎の特徴である重力操作を行使できるようになる。これは調和の特性を持つ、大空の炎を持つツナだからこそ大地の炎の力を受け入れられるのである。

 ガレスとフィンの襲撃の前にレヴィスの体が動かなくなったのも、レヴィスの頭上から重力の力を行使して身動きを封じたのである。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!」

 

 大量の炎を目隠しになっている間に、ツナは空中に移動。そこから一気に加速し、仰向けに倒れているレヴィスに近づきラッシュを喰らわせる。

 

(ツ、ツナっち⋯⋯!!)

 

 ツナがレイを傷つけられ、激怒していることは理解している。だが怒りのままに、一方的にレヴィスを殴り続けるツナを見て、複雑な心境を抱いていた。

 

(これが沢田綱吉の力か⋯⋯!!)

 

 ツナが本気で戦うところを、初めて目にしたフェルズ。あまりの強さにフェルズは言葉を失っていた。

 

(怖い⋯⋯!!)

 

 いつも優しくて、温く、頼もしかった背中。だがレフィーヤは初めてツナに対して恐怖心を覚え、両手で杖を強く握りながら体を震わせていた。

 

(僕らは認識を間違えていた⋯⋯⋯!!)

 

 理解していた。理解していたつもりだった。ツナを敵に回すということがどういうことなのか。だがレイを傷つけられた激怒するツナを見て、フィンは理解させられた。武装した怪物(モンスター)を1人でも殺していれば、この怒りの矛先が自分達に向けられていたかもしれないことを。

 一方でレヴィスはツナの猛攻を受けながらも、倒れた状態から右足を蹴り上げ反撃するが、ツナは左手でレヴィスの右足を掴むと、そのままレヴィスをグルグルと回すと遠心力に重力の力を上乗せしてレヴィスを投げ飛ばす。凄まじい勢いで飛ばされたレヴィスは石壁に激突。激突の余波で石壁が破壊され、隠されていた鋼色の金属に叩きつけられた。

 

(クソッ!! この迷宮の構造が逆に仇になるとは!!)

 

 人造迷宮(クノッソス)の壁の中には全て、最硬硬度(オリハルコン)の次ぐ硬度の金属、超硬金属(アダマンタイト)が使用されている。

 超硬金属(アダマンタイト)はオラリオの中でもトップクラスのパワーの持ち主であるガレスでさえも簡単には壊せない強度を誇る。

 逆に言えば超硬金属(アダマンタイト)に凄まじい勢いで叩きつけられようものなら、タダでは済まない。人外であるレヴィスでさえ全身に凄まじい痛みが走っていた。

 ツナは追撃を加えようと即座にレヴィスの間合いに入り、即座に右ストレートを放つも、レヴィスは地を蹴って上空に移動、ツナの拳は当たらず壁にめり込む。

 レヴィスは背後の壁を蹴って空中で移動。ツナの背後に回り込み、そのまま剣を振り下ろした。

 

「がっ⋯⋯!?」

 

 だが剣がツナに当たる直前。レヴィスの右足を剣が貫いていた(・・・・・・・・・・・・・・・)。

 

(この剣は⋯⋯!?)

 

 背中から腹部へと貫いた剣を見て、レヴィスは思い出す。この剣は先程、自分自身の手で投擲した剣だと。しかしどうやって剣を動かしたのか分からずレヴィスは瞠目する。

 ツナは大地の重力でレヴィスの剣を遠隔で操り、そのまま空中にいるレヴィスに向かって一直線に飛ばしたのである。

 レヴィスが剣に刺さったことに気を取られてている間に、ツナは地を蹴って空中に移動、そのまま振り向くことなくレヴィスの腹部に両足を突き出して、レヴィスを蹴り飛ばした。

 

(あれは⋯⋯!?)

 

 起き上がりツナの方に視線を向けたレヴィス。そこには再び【XBURNER(イクスバーナー)】の構えを取っているツナの姿があり、危機感を覚えたレヴィスは即座に両腕を顔の前でクロスさせ防御体勢に入る。

 

「ガハッ⋯⋯!?」

 

 しかし先程の広範囲に放たれた炎とは違い、細いレーザー状の炎が放たれ、レヴィスの上半身を貫き、風穴を開ける。そしてさらにツナの反対側の壁をも貫いていた。

 

「【超収束XBURNER(イクスバーナー)】」

 

 この技は虹の代理戦争の最終日にイェーガーに使用した技である。大地の炎の力で【XBURNER(イクスバーナー)】の膨大な炎を絞る事で貫通力を高めたのである。

 相手を貫くという点においては【X(イクス)レーザー】と同じであるが、放たれる炎の量が天と地程にある。故に威力は比べ物にならない。

 

(不味い⋯⋯!!)

 

 血を吐きながら、うつ伏せの状態で倒れるレヴィス。怪人(クリーチャー)というだけあって、意識は失ってはいなかった。しかし今までに受けたダメージが回復していない上に風穴を開けられた為、流石に窮地に追いやられた。

 

「投降しろ」

 

 地に伏したレヴィスに視線を落としながらそう言うも、レヴィスからの返答はなく、殺意に満ちた視線でツナのことを見上げるだけであった。

 

「そうか」

 

「っ!?」

 

 レヴィスの表情から投降する気がないと悟ったツナは、水平にした左手を前方に出すと、レヴィスの上から重力をかけて身動きを封じる。

 

「なら力尽くで連れて行く」

 

 ツナはレヴィスの意識を奪い、捕らえることを決意。重力の力で動けなくさせたツナはレヴィスの元へと歩みを進めるのであった。

 

 




ずっとやりたかった、ツナvsレヴィス、ツナが大地の炎の力を使う展開。そして超収束XBURNER。普通の対人相手には使えないのでレヴィスに使おうとずっと思っていました。

そして2年かけてようやくリヴェリアにフラグが建てられました。本当に長かった。


X(旧Twitter)→https://twitter.com/husuikaduti

評価→https://syosetu.org/?mode=review&nid=340850


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)(作者:薔薇餓鬼)(原作:とある魔術の禁書目録)

ボンゴレファミリーの次期ボスである、沢田綱吉が学園都市にて送る新たな物語。▼科学と死ぬ気が交差する時、物語は始まる。


総合評価:4159/評価:8.2/未完:300話/更新日時:2024年02月29日(木) 23:06 小説情報

ダンジョンに正義の味方がいるのは間違っているだろうか(作者:ラブコメは正義マン)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

聖杯戦争終結から一年。衛宮士郎は遠坂凛の下で、魔術の修行をしていた。▼だが、ある実験の最中に意識を失い――目を覚ますと、そこは神々と冒険者が集う迷宮都市オラリオだった。▼ダンまちとfateのクロスオーバー小説です▼Fateメンバーは基本的に士郎しか出てきません▼ダンまちの最新刊までのネタバレを含む可能性が有ります▼UBW後の士郎を想定▼描写されていない間では…


総合評価:4216/評価:8.41/連載:33話/更新日時:2026年10月02日(金) 20:00 小説情報

キングダムハーツ オラリオ ミィス(作者:小説好きー)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

キングダムハーツとダンまちのクロスオーバー


総合評価:2545/評価:9.13/連載:68話/更新日時:2026年10月03日(土) 22:49 小説情報

ダンジョンに超なアイツが来るのは間違いか?(作者:アゴン)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

▼これは、英雄の物語ではない。▼これは、神々の物語ではない。▼これは、初っ端から色々とやらかしてくれた眷族と主神による。▼やらかしの物語である。


総合評価:15594/評価:8.3/連載:152話/更新日時:2026年10月11日(日) 21:48 小説情報

深紅の武人が住くD×D(作者:あさやん&あさやん)(原作:ハイスクールD×D)

神の手違いで死んでしまった主人公。▼お詫びとして特典(チート)を持って転生することになったが、転生先は「ハイスクールD×D」の世界。▼主人公の強さに惹かれて様々なキャラが集まってくるが、生来の口数の少なさが災いして色々なことが勘違いされてしまう........................。▼果たして主人公の第二の生はどうなるのか?!▼↓こちらの作品もよろ…


総合評価:7296/評価:7.39/完結:212話/更新日時:2026年04月03日(金) 18:01 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>