ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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前回の話ですが戦争シーンを加筆しました。良かったらもう1度、見てくれると幸いです。


標的(ターゲット)169 敵視(オスティリタ)

 

 

 

 

 

 レヴィスの元へと歩みを進めるツナ。

 

(体が⋯⋯!?)

 

 重力の檻から抜け出そうと足掻くレヴィスであったが、今まで受けたダメージが深いせいで、まともに動くことすらままらなかった。

 

(ダ、ダメだ、ツナっち⋯⋯!!)

 

 レイ(同胞)を傷つけたレヴィスを許せない気持ちはリドも同じ。【イケロス・ファミリア】に同胞を狩られ、怒りのままに暴れた自分がを言える立場ではなかったが、それでも敵とはいえ、重傷を負わせた相手を動けなくさせるツナの姿が正しいとは思えなかった。

 他の者も同じだった。怒りのままにレヴィスをも一方的に追い詰めるツナを見て、誰も声すら上げることすらできないでいた。

 その時だった

 

「さ、沢田さん⋯⋯」

 

「っ!?」

 

 意識が戻ったレイがか細い声でツナの名を呼んだ。その瞬間、ツナは瞠目すると同時に歩みを止めた。

 

「⋯⋯ありがとうレイ」

 

 そう言うとツナは右の拳を自身に向け、そのまま額を殴った。その場にいた者達はツナの行動の意味が分からず、唖然としてしまう。

 その時だった

 

「っ!?」

 

 人造迷宮(クノッソス)の奥から無数の火炎石が降り注ぐ。火炎石はツナとレヴィスをも巻き込んで爆発する。

 

「沢田綱吉!!」

 

 ツナが爆発に巻き込まれた為、フェルズは反射的に叫ぶ。だが数秒後にツナは爆炎から飛び出し、フェルズの心配は杞憂に終わり、他の者も安堵していた。

 

(あいつか⋯⋯)

 

 爆発が収まった後、倒れていた筈のレヴィスの姿が忽然と消えていた。火炎石が爆発する前、一瞬ではあったが18階層で戦った仮面の人物の姿が見えた。爆発が発生し、重力の檻から解放されたレヴィスを仮面の人物が回収したのだと推測する。

 

(奴も怪人(クリーチャー)か⋯⋯?)

 

 あの爆発の中でレヴィスを回収したのだとしたら、普通の人間ならできない。だが再生能力を持っている為、爆発の中に自ら特攻することも可能。故に仮面の人物もレヴィスと同じ怪人(クリーチャー)ではないかと推測した。

 

「⋯⋯すまない、逃がした」

 

「い、いや⋯⋯気にしないでくれ⋯⋯」

 

 フィンの真横に止まり、レヴィスを逃がし、敵の情報を入手する機会を失ったことをツナは謝罪。フィンからすればレヴィスという一番の脅威を去れただけでも、充分過ぎる戦果である為、責めることなどできよう筈もなかった。

 謝罪を終えるとツナはレイの元へと移動する。そこには再び意識を失っているレイの姿があった。

 

「ありがとうレイ。お前のお陰で我に返れた」

 

 レイが自分の名を呼んでくれたことで、怒りのままに暴れる我に返れたことに対してツナは感謝の意を伝える。

 

「聞きたいことは色々とあるが、まずはレイの治療が先だ。フェルズ。回復魔法は使えるか?」

 

「あ、ああ、できるが⋯⋯」

 

「レイの治療を頼んでいいか?」

 

「わ、わかった⋯⋯」

 

 ツナの言葉に困惑しながらも、フェルズは右手の掌をレイに向けて、詠唱を始める。

 

「【ピオスの蛇杖(つえ)、ピオネの母光(ひかり)。治療の権能をもって交わり、全てを癒せ────【ディア・パナケイア】」

 

 レイの下に白い魔法円(マジックサークル)が展開され、レヴィスの投擲によって負った傷が一瞬にして塞がっていく。

 【ディア・パナケイア】。対象の疲労や負傷、そして呪詛(カース)の呪いすらも、完全に癒す事ができ、全ての回復魔法の中でも、最上位の効果を持つ全癒魔法である。

 

「憎いか?」

 

 レイの治療を終えると、ツナは【ロキ・ファミリア】の団員達の方を振り返る。そこには未知の怪物(モンスター)を警戒し、武器を構えている団員の姿があった。

 

「俺はお前達と違って怪物(モンスター)に大切な者を殺されたことがある訳じゃない。だからお前達の気持ちは分からない。だがお前達の気持ちを踏みにじってでも、俺は俺の信念を貫く。たとえお前達を敵に回すことになってもな」

 

 レヴィスという脅威が去ったばかりだというのに、今からそれ以上の脅威と戦わねばならないかもしれないと知り、団員達にかつてない程の緊張が走る。

 

「総員、武装を解除しろ」

 

 だがフィンは団員達に警戒を解くよう指示。団員達はフィンの真意が分からなかったが、それでも何かしらの意図があるのだと推測し武器を降ろした。だがそれでも警戒心を解くことはできないでいた。

 

「沢田綱吉。もう悪役を演じる必要はない」

 

「悪役⋯⋯!? どういうことだフィン・ディムナ!?」

 

「簡単だよ。かつての闇派閥(イヴィルス)を生き残りを名乗り、【イケロス・ファミリア】を利用し、【ヘスティア・ファミリア】に罪を擦りつけ、今回のこの騒動を全てを仕組んだことをオラリオ全土に知らしめ、都市中の憎しみを自身に向けさせるようとしたんだ。己を悪役にすることでね」

 

「───っ!?」

 

 フィンの口から、ツナの本当の目的を聞き、その場にいた者は衝撃のあまり言葉を失ってしまう。

 

(なんてことを⋯⋯)

 

 闇派閥(イヴィルス)はオラリオ民からすればトラウマでしかない。たとえ闇派閥(イヴィルス)でなくとも、自身を闇派閥(イヴィルス)を名乗るなど、冗談では済まされない。未来永劫、罪人として名を残すことになる。まさかツナがそんなことをするとは微塵も思っていなかった為、リヴェリアは動揺を隠せないでいた。

 

(だからか⋯⋯)

 

 了平と戦った際、了平は複雑な感情を浮かべていた。あれはツナが罪人となることを知っていたからだと、ガレスは理解する。

 

「このことを知っていたのは神ウラノス。そして主神である神ヘスティアあのリボーンという赤ん坊ってところじゃないかな」

 

 ウラノスがツナに協力関係にあるのはツナの口から聞いていた。

 神の前では嘘はつけない。であればツナの主神であるヘスティア。それとツナと強い信頼関係で結ばれているリボーン。この2人には話していたのだとフィンは推測していた。

 

「といってもベル・クラネルと黒いミノタウロスの戦いによって、ベル・クラネルへの非難も消え、沢田綱吉が悪役になることも無くなった。君達の仲間の石竜(ガーゴイル)も黒いミノタウロスも誰も死んではいないよ」

 

 ツナが罪人になったのだと思い込んでいる者の為にフィンの捕捉する。それでも誰もが言葉を失ったままであった。

 

「今の話、本当なのかよツナっち⋯⋯」

 

「⋯⋯」

 

 今の話が信じられず本人に直接、確認するリド。だがツナは肯定も否定もせず、視線を逸らすだけであった。

 

「どうして⋯⋯どうしてだよツナっち!!」

 

「よせリド!!」

 

 リドはツナの胸ぐらを掴むも、ツナは敢えて抵抗しなかった。フェルズが止めようとするも、ツナはフェルズの方に右手を向けて制止した。

 

「俺にはベル達やお前達みたいな夢はない。それに帰る場所もある。だから俺がやるしかなかった」

 

「オレっち達はそんなこと望んでねぇよ!!」

 

 この人物迷宮(クノッソス)に入る前。リド達の前にヘルメスによって用意されたダイダロスの手記は偽物であり、偽の入り口に誘き寄せられたフェルズとリド達は、ヘルメスから交渉を持ち出された。ベルを助ける為に、数体の|異端児(ゼノス)の犠牲に引き換えにしろと。

 ヘルメスの交渉にフェルズは勿論、反対した。しかし自分達を護る為に都市中から非難された事実を知るリド達は、ヘルメスの言葉を無視することなどできなかった。

 そんな中でグロスと数人の異端児(ゼノス)がベルの為に犠牲になることを選んだ。ベル達の為とはいえ、リド達はそれでもなおグロス達を犠牲にし、ダンジョンへの帰還を優先した。

 そんな自分達のことを棚に上げ、ツナの取ろうとした行動に対して怒る権利などない。頭では分かっているものの、それでも感情を抑えることはできなかった。

 

「第一、ベルっち達だってツナっちが悪役になって喜ぶ訳ねぇだろ!!」

 

「だろうな」

 

「知ってたんなら何で⋯⋯!!」

 

「俺はベル(英雄)じゃない」

 

「っ!?」

 

「目の前にいた仲間すら救えなかった⋯⋯ただの弱い人間だ」

 

 ツナは知っていた。どれだけ強くなろうとも自分はベルのような英雄にはなれないことを。目の前にいたユニとγを救うことのできなかった弱い人間であるということを。

 悲しい瞳で告げるツナを見て、リドは我に返り、ツナを離した。

 

「それで⋯⋯一体、何があったんだ?」

 

「それは⋯⋯」

 

 なぜ【ロキ・ファミリア】と闇派閥(イヴィルス)と戦うことになっていたのを尋ねるツナ。ツナの問いにフェルズが答える。

 ヘルメスの取り引きに応じたこと。そしてヘルメスから教わった別ルートからダンジョンに帰還途中、リヴェリア達と遭遇し、フェルズが交渉を持ちかけるも交渉は決裂。そしてその隙に闇派閥(イヴィルス)が現れ、三つ巴の混戦になったと。

 眼晶(オクルス)で助けを呼ぼうとしたが、戦いの中で破壊されてしまい助けを呼べなかったことを。

 

「⋯⋯」

 

 フェルズからの話を聞いて、ツナは何も言葉を発せず、何かを考えていた。少しするとツナは眼晶(オクルス)を取り出した。

 

「ウラノス。聞こえているか?」

 

『ああ。聞こえている』

 

 眼晶(オクルス)越しから聞こえるウラノスの声。離れた場所と連絡できる魔道具(マジックアイテム)の存在にも驚いたが、一番驚いたのはまさかその相手が創設神であるウラノスだったことである。

 

「地上(そっち)の状況は?」

 

『事態は落ち着いている。ベル・クラネルも重傷ではあるようだが、命に別状はない。【ヘスティア・ファミリア】への非難も払拭されるだろう』

 

「そうか。なら俺をまたオラリオに滞在させてくれないか?」

 

『どういうことだ?』

 

「やりたいことができた」

 

『何だ?』

 

「闇派閥(イヴィルス)を潰す」

 

『っ!?』

 

 オクルス越しではあるがウラノスの動揺が伝わる。同時にツナが闇派閥(イヴィルス)をに対して、確固たる意志を持って敵意を露にした為、他の者達の背筋が凍る。

 

「闇派閥(イヴィルス)がここにいたということは、【イケロス・ファミリア】だけじゃなくて奴らの隠れ家(アジト)だってこともわかった。少なくともこの人造迷宮(クノッソス)をなんとかしない限り、また【イケロス・ファミリア】のような奴らが現れて、リド達が狙われる」

 

 人造迷宮(クノッソス)に【イケロス・ファミリア】だけでなく、闇派閥(イヴィルス)までもがいた。両者共に表沙汰にできないようなことをしている者同士であれば、協力関係にあっても何も不思議ではない。むしろ【イケロス・ファミリア】の異端児(ゼノス)の売買に協力していた可能性も十二分にありえる。故に人造迷宮(クノッソス)を根城にしている闇派閥(イヴィルス)をなんとかしない限り、異端児(ゼノス)達を安寧の日々は訪れないことをツナは理解させられた。

 

「それにあのレヴィスという怪人(クリーチャー)。あいつは絶対に倒さなければならない相手だとわかった」

 

 ツナはレヴィスを一番の危険人物であることを身を持って知った。正直、フィン達があそこまでの危険人物と戦っていたのはツナに想定外だった。

 リド達とフィン達を死なせない為には、レヴィスは避けては通れない相手だということも。

 

「俺っちも協力するぜツナっち」

 

「リド⋯⋯」

 

「オレっちもツナっちと同じだ。オレっち達を苦しめたこの空間は許せねぇ」

 

 今回、同胞達がこの人造迷宮(クノッソス)に捕らえられ、監禁された。人造迷宮(クノッソス)がある限り、また仲間達が捕らえられるかもしれない、まだ見ぬ同胞が捕らえられるかもしれない。リドからすれば戦う動機は充分だった。

 

「また仲間を失うかもしれない。何ならさっき俺が戦った奴を相手にするかもしれないんだぞ」

 

「オレっち達の為にツナっちが命を懸けてるのに、オレっち達が何もしねぇ訳だろ。第一、今回だってツナっち達はオレっち達の為に命を懸けてくれたんだ。今度はオレっち達も命を懸ける番だ」

 

「⋯⋯わかった」

 

 リド達を巻き込みたくはない思いがなかったと言えば嘘になる。だがリド達の動機も最もであり、何より覚悟を決めているリドの思いを無下にすることなどツナにはできなかった。

 

「その作戦。僕も協力させてもらっていいかな?」

 

「フィン⋯⋯」

 

 ツナとリドの会話を聞き、フィンが右手を挙手しながら協力を申し出た。

 

「【勇者(ブレイバー)】⋯⋯君の真意が分からない。我々は君だけは取り引きに応じないと考えていた。悪いが君の言葉を今も勘ぐっている⋯⋯」

 

 ツナだけならともかく、リド達が戦うことを知ってもなおフィンが協力を申し出たこと予想外過ぎて、何か裏があるようにしかフェルズには思えなかった。

 

「沢田綱吉と武装した怪物(モンスター)と僕達の利害が一致している。そして武装した怪物(モンスター)は人を襲わないと僕は判断してしまった。何より君達に剣を向けられない者が【ファミリア】にいる」

 

 フィンが視線を移すと、そこにはリヴェリアと共に一緒にいた女性エルフ達が複雑な表情を浮かべていた。

 

「もし我々との繋がりが露見した時、君の名声が地に堕ちることを理解しているのか? 一族の再興を望む、君の野望に潰えることになるぞ?」

 

「なら全てを失った後、また英雄に返り咲くさ。今度は人工じゃない⋯⋯そうだな、怪物(モンスター)と融和を結んだ前代未聞の第一人者としてね」

 

 右手の親指と人差し指を当て、満面の笑みを浮かべながらフィンは迷うことなくフェルズの問いに答えた。フィンの言葉にガレスとリヴェリアは笑みを浮かべ、他の団員達は驚きを隠せないでいた。

 

「オラリオの崩壊が迫っている今、僕は私情を⋯⋯怪物(モンスター)への悪感情を捨てる。勘違いしないでくれ。交渉するのはあくまで今回限りの共闘だ。以降は馴れ合うつもりはない。君達の知られざる目的に加担することもね」

 

 笑みを消し、真剣な眼差しをしながら告げるフィン。

 理想の為に邁進(まいしん)し、打算を捨てることは決意したが、それでも理想に酔うことはない。リド達が信頼のおける存在だと理解しているし、私情を捨て共闘することを決めた。だが何の意味もなく積極的に関わり、自身の名声が堕ちる可能性を高めるような迂闊な真似はしない。

 

「1つだけ聞かせてくれ。【勇者(ブレイバー)】、何が貴方を変えた?」

 

「なに。子供心を取り戻しただけさ。本当にそれだけ。答え1つしかない⋯⋯そんな風に決めつけるのは止めにした」

 

「⋯⋯わかった。君達と契約を結ぶ」

 

 フィンへの疑念が解消され、フェルズはフィンと協力することを決める。

 

「ウラノス」

 

『どうした?』

 

 契約が結ばれたのを見計らって、眼晶(オクルス)を越しで話を聞いていたウラノスに再び話しかけるツナ。

 

「俺のことを話しても構わないか? 今回ばかりは話しておきたい。勿論、俺の正体をバラさない人だけに限定する」

 

『⋯⋯お前がそれでいいのであれば私は何も言うつもりはない』

 

 異端児(ゼノス)救済の為に尽力してくれた為、ウラノスはツナの申し出を断ることなどできよう筈もなかった。

 

「それともう1つ聞きたい。一度(・・)【ファミリア(・・・・・)】を脱退した人間がまた元の(・・・・・・・・・・・・)【ファミリア(・・・・・)】の眷属になること(・・・・・・・・)は、ルール上は問題ないか?」

 

『⋯⋯そういった前例は今だかつてないが⋯⋯問題はないだろう。そもそもお前が【ファミリア(・・・・・)】を脱退した(・・・・・)事実は周知されていない。私としては問題はない』

 

「わかった」

 

「【ファミリア】を脱退したというのは、どういうことだ沢田綱吉⋯⋯!?」

 

「そのままの意味だ。俺はこの作戦が始まる前に【ヘスティア・ファミリア】を脱退した。つまり今の俺に神の恩恵《ファルナ》はない」

 

「──っ!?」

 

 動揺しながらツナの言葉の真意を尋ねるフェルズ。ツナは言い淀むことなく、冷静にフェルズの問いに答えた。

 一方でツナの正体を知らない者達は、しれっと、ツナがとんでもない発言をした為、衝撃のあまり思考が停止していた。

 闇派閥(イヴィルス)を名乗り、オラリオに宣戦布告することを思いついた時からツナは【ヘスティア・ファミリア】を脱退することを決めていた。

 開錠薬(ステイタス・シーフ)。フィンからステイタスを見ることができるアイテムの存在を聞いていたからである。

 闇派閥(イヴィルス)の残党を眷属にしていたと知られれば、ヘスティアは都市中から非難される。それを避ける為にツナはベルを人質にし脅迫し、【ヘスティア・ファミリア】の眷属だと思わせたという設定にした。しかし神の恩恵(ファルナ)がある状態で、自身が捕まり開錠薬(ステイタス・シーフ)を使われてステイタスがバレてしまえば、矛盾が発生してしまうからである。仮にオラリオ全土に宣戦布告した後にヘスティアと接触し、神の恩恵(ファルナ)を消しているところを目撃されればツナとヘスティアが共謀して、オラリオを恐怖に陥れたと誤解される。故にあらかじめ神の恩恵(ファルナ)を外した状態でこの戦いに挑まざる得なかったのである。

 

(神の恩恵(ファルナ)がない⋯⋯!?)

 

 神の恩恵(ファルナ)がある者とそうでない者とでは天と地程の差がある。オラリオにて冒険者として活動する上では絶対に必要なものであり、どれだけの強者であろうとも、神の恩恵(ファルナ)が無ければ何も成すことはできない。レフィーヤを始めとし団員達の思考は停止していた。

 

(考えられるのは精霊の加護⋯⋯だがもしそれなら穢れた精霊(デミ・スピリット)が反応を示す筈⋯⋯)

 

 王国を巣食うミノタウロスを倒し、次代に数多の英雄を生むきっかけを作った始まりの英雄アルゴノゥト。

 大穴から這い出た単眼の王、バロールを己の命と引き換えに討伐した、小人族(パルゥム)の英雄にして、フィアナ騎士団の団長であるフィアナ。

 黒竜の片目を奪いオラリオから遠ざけた、英雄史上最強と謳われるアルバート。

 神々が降臨する前に神々が地上に送った精霊の加護を受けたことで人知を超えた力を手に入れ、後世に名を残した者は少なからずいる。

 しかしツナが精霊の加護を受けているのであれば、遠征にて穢れた精霊(デミ・スピリット)がツナに反応を示す筈。それがなかったことから、フィンはツナに対する謎がさらに深まってしまうのであった。

 

 

 




という訳で異端児(ゼノス)編はこれにて終わりです。いやー⋯⋯守護者達を登場させるシーンまでが長くて本当に大変でした⋯⋯

後は守護者の戦いも大変でした。特に大変だったのは山本と獄寺です。

山本は時雨蒼燕流の技の解説を書くのが思ってより大変だったのと、どうすれば雨の守護者の使命を体現できるかを考えるのが大変で、獄寺は頭脳を生かした戦闘を書くのが大変でした。

正直、ツナが自分の名声と引き換えにベル達を救う展開は批判殺到だと思っていた為、この章は本当に読者からの反応が怖かったのです。


次回から新章、第一次人造迷宮(クノッソス)侵攻編に入ります。今回、登場させたリボーンキャラ以外のリボーンキャラも登場させますのでお楽しみに。


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