ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
フィンの依頼を了承したツナ。
「君が了承してくれたのはありがたいが、君たちの神にもこのことを伝えないとね。流石に隠し通すことができないしね。君たちの神は今どこにいるか教えてもらえるかい?」
「えっと……神様はバイトなので夜までは帰って来ないですよ」
「そうか。それでは仕方ないな」
仕事中にこんな重要な話をする訳には行かない為、フィンは今からヘスティアの元に訪れるのは無理だと判断した。
「なら夜に君たちの
「いいですけど、神様がなんて言うか……」
「君たちの神には僕から今日行くことを話しておこう。仕事先はどこかわかるかい? それと
「は、はい……」
ベルはフィンにヘスティアのバイト先と
「了解した。それではまた会おう」
時刻は夜。【ヘスティア・ファミリア】の
「初めまして。【ロキ・ファミリア】の団長、フィン・ディムナです。この度は突然の訪問に関わらず、お時間いただきありがとうございます」
「こちらはつまらないものですが」
フィンはソファーに置いていた菓子折りを手に持つと机に菓子折りをそっと置いた。
「君……本当にあの意地汚いロキの眷属なのかい? いくら何でも性格が良すぎやしないかい……?」
「か、神様!!」
(ヘスティアがここまで言うロキってどんな人……じゃなくて神なんだろう?)
ヘスティアはフィンがあまりにも良い人過ぎた為、フィンが本当にロキの眷属なのか疑っていた。ヘスティアの発言にベルは慌て、ツナはロキがどのような神なのか気になってしまっていた。
フィンは自分の【ファミリア】の主神を悪く言われて怒ってはおらず、苦笑いしていた。
「それで? 【
「今日は重要な話がありまして」
「重要な話?」
「ええ。実はそこにいる彼の力をお借りしたいんです」
「綱吉君の力を? 生憎だが彼はオラリオに来たばかりで、最近僕の眷属になったばかりだぞ。頼る相手を間違えているんじゃないのかい?」
フィンの発言からフィンがツナに力を持っていることを知っていることを知ったヘスティアは、敢えて嘘をついた。
「隠さなくても結構ですよ。彼が強い力を持っていることは知っています。そしてウチのアイズよりも強いということも」
「っ!?」
フィンにアイズと秘密裏に特訓しているということを知られていたとわかってヘスティアは顔色を変える。
「ご安心を神ヘスティア。そのことについて責めるつもりもなければ、ましてやこのことを盾にして彼に無理やり協力させようとは考えていません。むしろ謝罪させていただきたい」
「謝罪? どういうことだい?」
「端的に言わせてもらうとそこに彼にいるベル・クラネルに我々は多大なる迷惑をかけてしまっておりまして。アイズはそのお詫びに秘密裏に彼を特訓をつけていたのです。なので僕は今回のこの件を黙認することにしました」
「い、いいのかい? 最大派閥たる【ロキ・ファミリア】の団長がこんなことをして。バレたら大変なことになるぜ」
「構いません。ルール以前に人に迷惑をかけることをしておいて何もしないことの方が問題です。ですから神ヘスティア。この度は本当に申し訳ございませんでした」
フィンはソファーから立ち上がると、ヘスティアに向かって深々と頭を下げた。
「頭を上げてくれ【
フィンの謝罪が偽りではなく本心だということを知ってヘスティアはフィンに頭を上げるよう告げた。ヘスティアの言葉を聞いてフィンは頭を上げた。
「それで綱吉君の力を借りたいというのはどういうことなんだい?」
「はい。実は我々【ロキ・ファミリア】は2日後に遠征に行く予定でありまして。そこで彼の力を借りたいのです」
「遠征って……まさか!!」
「はい。行き先はダンジョンの深層。目標は我々の辿り着いたことのない59階層に到達すること」
「59階層だって!?」
目標が59階層であると知ってヘスティアは驚くと同時にソファーから立ち上がる。
「本気で綱吉君を連れていくつもりかい!?」
「彼の力は僕としては喉から手が出る程欲しい逸材。どうか彼の力を貸してもらう許可を頂きたい。勿論嫌なら断ってくれて構いません。だが彼は我々の遠征に行くことを許可しました」
「何だって!? 本当なのかい綱吉君!?」
「う、うん……」
「何を考えているんだい!? 君には帰るべき場所が帰り待っている人がいるはずだろ!! わかっているのかい!?」
「勿論、わかってる。でも行くって決めたんだ」
「っ!?」
ツナの覚悟が本当だということを知ってヘスティアは何も言えなくなってしまう。
「神ヘスティア。あなたが断るのなら僕は彼を連れて行くつもりはありません。神にとって自分の【ファミリア】の眷属が大切な子供だということは重々承知しています。ただ許可が頂けるのなら遠征の成果に関係なく報酬を支払わせてもらいます」
「……」
「それと彼は自分が戦力にならないようなら、引き返えさせるよう、遠征に協力する為の条件を出しました。そして僕はこの条件を呑むことを誓いました。なので彼を無茶をさせることはさせません。いきなり来ておいて何ですが返答をいただきたい」
「……」
重大な選択を迫られてヘスティアはどうすればいいのかわからず黙ってしまう。
「決めたよ」
沈黙すること数分。ヘスティアはフィンの申し出に対して返答することを決める。
「綱吉君が決めた以上、僕は綱吉君の意思に従う。これが僕の答えだ」
「本当にそれでいいんですか? あなたの感情を優先してもらっても別にいいんですよ」
「勿論、行って欲しくないというのは本音だよ。綱吉君は僕の大切な眷属だからね。だけど綱吉君の覚悟を無下にしたいとまでは思わない。だから許可するよ」
「そうですか……」
「ただ約束してくれ。綱吉君、そして君たちもちゃんと生きて帰って来ること。同じ【ファミリア】でなくとも君たち下界の子供たちは僕ら神にとって大切な存在であるということに変わりはないんだから」
「【
ヘスティアの言葉を聞いてフィンは右手を胸に置き、上半身を前方に少しだけ傾けた状態で返答した。
「綱吉君も絶対に帰って来ること。いいね?」
「うん」