ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)2 超越存在(デウスデア)

 

 

 

 

 

 

 

 ベルは自分の家の前にて倒れていたツナを抱えて運んでいく。

 

「やぁベル君!! お帰り……ってどうしたんだい!?」

 

 家の中に入ると童顔の黒髪ツインテールの女性がベルを迎える。しかしベルが抱えている少年を見て驚きを隠せずにいた。

 この女性の名はヘスティア。ベルと一緒に暮らしている()物である。

 

「こ、これはどういう状況だいベル君!?」

 

「家の前で倒れてたんです!! 命に別状はないみたいなんですけど気絶しちゃってて!!」

 

「わ、わかった!! とにかくソファーに!!」

 

「は、はい!!」

 

 状況を聞いたヘスティアは慌ててベルに指示をする。ベルはヘスティアの指示通りツナをソファーに寝かせる。

 

「確かミアハからもらったポーションが……あった!!」

 

 ヘスティアは引き出しから青い液体の入った試験管を取り出した。

 

「これを傷口をにかければ……」

 

 ヘスティアは試験管の蓋を外すと傷ついている箇所に少しずつ垂らしていく。液体がツナの体が付着すると傷がみるみる塞がっていく。

 

「ふぅ……これで一段落……」

 

「ですね……しかしどうして家の前で倒れていたんでしょう……?」

 

「さぁ……それよりもまずは彼がどこの誰なのか特定しないと……」

 

 そう言うとヘスティアはツナの身元を調べる為にツナの持っていた鞄に手に取った。

 

「か、神様(・・)!! 勝手に覗くのは不味いですって!!」

 

「この子は倒れてたんだぜ。もしかしたら今頃、彼の家族や【ファミリア】の子たちが心配してるかもしれないんだぜ」

 

「そ、それは……そうですけど……」

 

 本人の許可なしに人の物を勝手に覗こうとするヘスティアを制止するベルであったが、ヘスティアの言い分も間違っていない為、ヘスティアの行動を止めることができなかった。

 ヘスティアは鞄を開けると鞄の中にあった物を次々に机に出していく。

 

「何だいこれは?」

 

「さぁ?」

 

 ヘスティアが鞄から取り出したのはスマホとヘッドフォンだった。しかしヘスティアとベルはこれらが何なのかわからず疑問符を浮かべていた。

 ヘスティアはヘッドフォンを机に置くと、さらに鞄の中身の物を出していく。

 

「本?」

 

 次にヘスティアが取り出したのは教科書だった。教科書を何冊か取り出すと、その中で国語の教科書を手に取ってペラペラとページをめくっていく。

 

共通語(コイネー)でも【神聖文字(ヒエログリフ)】でもない……何なんだこの文字は?」

 

「神様でも読めないんですか!?」

 

「全く読めない……ベル君はどうだい?」

 

 ベルなら読めるかもしれないと考えたヘスティアは教科書を両手で広げてベルに見せる。

 

「わかりません……というか見たことがないです……」

 

 教科書に書かれている文字を凝視するベルであったが1文字も読むことは叶わなかった。

 ベルでも読めないとわかったヘスティアは他の教科書を手に取る。

 

「これは……!?」

 

 ヘスティアが次に取ったのは地理の教科書であった。ヘスティアは地理の教科書をペラペラとめくりながら驚きを隠せないでいた。

 

「どうしたんですか神様?」

 

「これを見てくれベル君!?」

 

「こ、これって……!?」

 

 再びヘスティアはベルに教科書を広げて見せた。教科書を見たベルは驚くと同時にヘスティアが驚いていた理由を理解する。

 なぜならそこには自分たちの知らない建物、景色などの写真が映っていたのだから。

 

「な、何ですかこれ……!? 見たことない物ばかりです……」

 

「ああ。だが驚くのはそこだけじゃない。この絵も驚きだ」

 

「どういうことですか?」

 

「この建物とかが映っている絵だよ。絵というにはあまりにも精巧過ぎる。まるで景色を切り取ったかのようにも見えないかい?」

 

「確かに……」

 

 写真という技術を知らないのか、ヘスティアとベルは教科書に写っている画像に違和感を覚えていた。そこからさらに2人は地理の教科書を見ていった。

 その時だった、

 

「う、う~ん……?」

 

「神様!」

 

「どうやら目覚めたようだね」

 

 今まで気絶していたツナがついに目覚める。ツナが目覚めたとわかってベルとヘスティアは安堵の表情を浮かべる。

 

「大丈夫ですか?」

 

「え、えっと……ここは……?」

 

「ここは僕の家だよ。君は家の前で倒れていたんだよ」

 

「倒れてた? 俺が?」

 

「うん。それよりも起きれそうかい?」

 

「は、はい……」

 

 自分がどういう状況にあるのかわからなかったツナであったが、ゆっくりと体を起こす。

 

「これ。よかったら飲んで下さい」

 

「ありがとうございます」

 

 ベルはあらかじめ用意していた水をツナに渡す。ツナはベルからコップに入って水を受け取るとゆっくりと水を飲み干した。

 

「さてと。起きたばかりで悪いんだが、君のことを聞かせてもらいたんがいいかな?」

 

「あ、はい」

 

「まず。君の名前は?」

 

「沢田綱吉です」

 

「沢田綱吉君か……おっと。自己紹介がまだだったね。僕の名前はヘスティア。この【ファミリア】の主だよ。そしてこっちの子はベル・クラネル。僕の【ファミリア】の唯一の団員だ」

 

(【ファミリア】?)

 

 【ファミリー】ではなく【ファミリア】とヘスティアが言ったことにツナは違和感を覚える。

 

「もしかしてリボーンの知り合いですか?」

 

 【ファミリー】と【ファミリア】という単語の違いは気になったが、ベルとヘスティアがマフィア関係者なのではないかと考える。

 

「「リボーン?」」

 

(リボーンの知り合いじゃない?)

 

 リボーンという聞いたことのない人物の名を聞いてベルとヘスティアは疑問符を浮かべる。

 一方でツナは2人の反応から、2人がリボーンの知り合いではないということを知ってキョトンとしてしまう。

 

「そのリボーンっていうのは君の知り合いかい?」

 

「まぁ……俺の先生っていうか……あいつ色んな知り合いがいるからもしかしたらと思って……」

 

「悪いが知らない名だね。その子は特徴は?」

 

「えっと……黒い帽子を被ってて、黄色いおしゃぶりをつけた赤ん坊で……」

 

「「あ、赤ん坊!?」」

 

 ツナからリボーンの特徴を聞いたベルとヘスティアであったが、返答があまりにも予想外だった為に驚きの声を上げてしまう。

 

(嘘は……ついてない……)

 

 あまりに嘘みたいな話であったが、ヘスティアはツナが嘘をついていないということを理解する。

 

「神様……やっぱり気絶したせいで記憶が混濁してるんじゃないですか……?」

 

「それが……嘘はついてないんだ……」

 

「ええ!? 本当なんですか!?」

 

「ああ……僕も嘘だと思ったんだが……どうやら本当みたいなんだ」

 

 ベルもツナの話が信じられないかった為、小声でヘスティアにツナの記憶に異常があるのではないかと疑う。しかしヘスティアがツナが言っていることが本当なのだと知って驚きを隠せずにいた。

 

「あ、あのー……」

 

「ああ。すまない。悪いがそのリボーンという人物に関して心当たりはないね」

 

「そうですか……」

 

「そう落胆しないでくれたまえ。僕の知り合いにも話を聞いてみよう」

 

「え……でも……」

 

「問題ない。迷える子供たちに手を差し伸べるのは()として当然のことさ」

 

「か、神……?」

 

 自分の胸に右手を当てながら誇らしげな表情で言うヘスティア。一方でツナは自身のことを恥ずかしげもなく神と自称するヘスティアに若干、引いてしまっていた。

 

(大丈夫かなこの人……?)

 

 自分を助けてくれた人にこんなことを思うのは失礼だとは思っていたが、それでもツナはヘスティアのことを不審者を見るような目で見ていた。

 

「何だぁ……? いきなり神なんて言って、こいつ頭おかしいんじゃね?っていう目は?」

 

「そ、そんなことは……」

 

「目を反らすんじゃない!!」

 

 ヘスティア自分の考えていることを言い当てられてシラを切るツナであったが、ヘスティアに通じなかった。

 

「そりゃベル君以外に誰もいない貧乏【ファミリア】だしそう思うかもしれないさ!! それでも僕は正真正銘、神なんだぞ!!」

 

「は、はぁ……」

 

「だからその目を止めろー!! 僕は本当に神なんだー!! 信じてくれよー!!」

 

「ちょっ!?」

 

「お、落ち着いて下さい!! 目覚めたばかりなんですよ!!」

 

 ヘスティアは涙目にながらツナの胸ぐらを掴み、ツナの体をグラグラと揺らしていく。ヘスティアの行動を見て慌ててベルは止めに入る。

 

(ほ、本当に何なのこの人ー!?)

 

 ここまで必死に自分のことを神だと言い張るヘスティアにツナはおかしくなりそうであった。

 ベルが仲介に入ったことでなんとかヘスティアは落ち着きを取り戻す。

 

「あの……綱吉さん。この()は本当に神様なんですよ」

 

(え!? この人まで何言ってんの!?)

 

 ヘスティアの名誉の為にベルはヘスティアが神だということが本当に神なのだということを伝える。しかしまともそうなベルまでヘスティアが神だということを言い始めた為、ツナは驚きを隠せずにいた。

 

「無駄だよベル君~。何を言ったってその子は僕が神だって信じないみたいだしぃ~」

 

 ツナに自分が神だと信じてもらえないとわかったヘスティアは子供のように拗ねていた。

 

「いや!! 信じられる訳ないじゃないですか!! 神なんてこの世にいる訳ないんですから!!」

 

「「っ!?」」

 

 ツナがそう主張した途端、ベルとヘスティアは驚きの表情を見せる。

 

「綱吉君!! 君は今、神はこの世にいる訳がないって言ったね!? それは本心かい!?」

 

「ど、どうしたんですか……急に……!?」

 

「いいから答えたまえ!!」

 

「ほ、本心ですよ……本当に神なんていたら大騒ぎですよ……」

 

(嘘はついてない……!? この子は神の存在を知らないということなのかい!?)

 

 ヘスティアの言いたいことがわからなかったツナであったが、ヘスティアに圧力に気圧されてツナは正直に答える。ツナの返答を聞いてヘスティアはツナが本心で神がいないという言っているのだと知って、驚きを隠せないでいた。

 

(一体どういうことなんだ? ここはオラリオだぞ。神を知らないなんてありえない……記憶喪失? いやだったらあの子が言っていたリボーンという人物のことも忘れているはず……)

 

 ツナが神を知らない理由を考えるヘスティアであったが、考えても答えは出なかった。

 するとヘスティアはツナの所持品の中にあった教科書が視界に入る。

 

(ま、まさか!?)

 

 ヘスティアは先程、ベルと一緒に地理の教科書を見た時のこと思い出すと同時に全ての謎が解ける。

 

「確かに……それだったら綱吉君の話に説明がつく……」

 

「神様? どうかしたんですか?」

 

 ヘスティアの言っている意味がわからずベルは疑問符を浮かべる。

 

「綱吉君。君は異世界から来た可能性がある」

 

「はい……!?」

 

 




4/6 加筆しました。

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