ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)20 三首領(スリートップ)

 

 

 

 

 

 

 

 次の日。遠征が始まる前日。

 

「これで終わりだね……」

 

「今までありがとうございました。アイズさん」

 

 今日は修行の最終日。今日でアイズとの修行は終了する。ベルは今まで稽古をつけてくれたアイズに深々と頭を下げた。

 

「結局、一度も勝てなかったけどいつか勝つから……」

 

「ハハハ……」

 

 最終日までアイズはツナに勝つどころか攻撃を当てることすらできなかった。アイズの負けず嫌いな性格にツナは苦笑いすることしかできなかった。

 

「それじゃあ頑張ってね」

 

「はい!!」

 

「ツナはまた後でね」

 

「うん」

 

 アイズはベルとツナにそう言うと、先に市壁から戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 特訓が終わって本拠(ホーム)である教会に戻ったツナとベル。今日はツナはダンジョンに行かず、昼から【ロキ・ファミリア】の本拠(ホーム)に行く予定になっていた。遠征に行く追加メンバーとして紹介する為である。

 時刻は昼過ぎ。フィンが教会にやって来る。ツナはフィンの案内の元、【ロキ・ファミリア】の本拠である【黄昏の館】へと向かう。

 

「着いたよ」

 

(デカっ!?)

 

 【ロキ・ファミリア】の本拠(ホーム)である【黄昏の館】へと着いたツナ。都市最強の【ファミリア】の一角ということもあって、本拠(ホーム)は周囲の建物と比べて圧倒的な高さを誇っており、高層の塔がいくつも重なっている邸宅であった。本拠(ホーム)の頂点には【ファミリア】の道化師の紋章(エンブレム)が描かれた旗が立っていた。

 

(なんか【シモンファミリー】の城に似てる……)

 

 ツナは【シモンファミリー】との戦いで【シモンファミリー】の住んでいた無人島の地下に存在した城と【黄昏の館】が似ていること感じていた。

 

「門を開けてくれ。彼は僕の客人だ」

 

「「はい」」

 

 門番である2人の団員にフィン指示すると、団員たちは門を開ける。門を開けるとツナはフィンと共に中へ入って行く。

 中に入ると団員たちがツナのことを誰だあいつ?という目で見ていた。ツナは団員たちと視線を合わせないように歩いていた。

 

「悪いね。今日は大事な話があるということは団員に伝えているが、君がメンバーに加わることはまだ言っていないんだ」

 

「う、うん……」

 

「まずは君には僕の同期の2人に会ってもらう。その2人に事情を話した後、団員全員の前で君のことを話させてもらう。とはいえ僕が言ったとしても団員たちは納得しないだろう。多分、君には僕と戦ってもらうことになる。君なら大丈夫だと思うが、そこで実力が疑われるようなら遠征に連れては行けない。悪いがそこは了承してくれ」

 

 フィンがこれからの流れと予想を説明すると、執務室の前に着いた。

 フィンが扉を開けるとそこにはあらかじめ呼んでおいたガレスとリヴェリアが待っていた。

 

「待たせたね。ガレス。リヴェリア」

 

「フィン。なんじゃそいつは? お主の知り合いか?」

 

「もしや話とはその男と関係があるのか?」

 

「まぁね。紹介するよ。この2人がさっき言ったこの【ファミリア】の最古参のメンバーのリヴェリアとガレスだ」

 

「ど、どうも……」

 

 フィンがリヴェリアとガレスを紹介するも、ツナは威厳ある2人に気圧されたのか遠慮がちに頭を下げる。

 

「立ち話もなんだから座ってくれ」

 

 そう言うとツナは若干、挙動不審になりながらソファーに座る。フィンもいつも事務作業で使っている椅子に座る。

 

「団員は集まっているかい?」

 

「ああ。ただロキは神ディオニュソスの所にいる」

 

「わかった」

 

「それで? 一体、話とは何なんじゃ?」

 

「我々だけを呼んでまで話すことなのか?」

 

「いや。この後、みんなに話すことだよ。ただ君たちには先に話しておきたくってね。それに君たちなら話しても問題ないと思ったからね」

 

「どういうことだ?」

 

「結論から言おう。明日の遠征に彼を連れて行こうと考えている」

 

「「っ!?」」

 

 フィンの言葉を聞いてリヴェリアとガレスは目を見開いて驚く。だがすぐに落ち着きを取り戻す。

 

「お前のことだ。何か企んでいるのだろう」

 

「そうじゃな。お前が何の意味もなくそんなこと言うはずがないからな」

 

「話が早くて助かるよ」

 

 フィンとは長い付き合いなのかリヴェリアとガレスはフィンに何かしらの意図があるのだと理解していた。この反応を予想できていたのか、フィンは何も動揺していなかった。

 

「彼の名は沢田綱吉。【ヘスティア・ファミリア】に所属する冒険者だなんだが……」

 

 ツナのことを紹介した後、フィンはツナと出会った経緯を話す。そしてアイズが秘密裏に他の【ファミリア】特訓していたこと。そしてその理由を。

 

「ベートの奴め……」

 

「あやつめ……」

 

 アイズが他の【ファミリア】と特訓をしていたことに対して言いたいことがあったが、理由が理由であった為、リヴェリアとガレスは頭を悩ませると同時に申し訳なさでいっぱいになっていた。

 

「すまんかったのう……色々と迷惑をかけてしもうて……」

 

「私からも謝罪する。我々が迷惑をかけてしまって申し訳なかった」

 

「あ、いや……俺は最近、オラリオに来たのでそれが何のことかよくわからないっていうか……」

 

 ガレスとリヴェリアは前のフィンと同じく頭を下げて謝罪した。ツナは謝らなくてもいいと遠回しに伝えるも2人は頭を下げたままであった。

 2人が頭を下げ終わると話の続きに戻る。

 

「それで話の続きだ。彼はアイズとの特訓に居合わせたんだ。自分たちの特訓について黙ってくれる代わりにアイズも彼に特訓をつけることにしたそうだ。ところがアイズは彼を特訓するどころか、逆にアイズが特訓してもらう側になっていたんだ」

 

「まさか……!?」

 

「ああ。彼はアイズより強い。アイズの様子がおかしくなったのは彼が原因だ」

 

「「っ!?」」

 

 フィンがツナがアイズよりも強いと断言したことにリヴェリアとガレスは驚きを隠せないでいた。

 

「昨日、アイズとの戦いを見せてもらったが文句の言いようもない強さだった。アイズの強さをものともしない程のね」

 

「「っ!?」」

 

 ツナの強さを話すフィン。リヴェリアとガレスは信じられないという様子であったが、同時にフィンが嘘を言うような人物ではない為、戸惑いを隠せないでいた。

 

「あ、あのアイズの様子がおかしいって……?」

 

「君に負けたのが相当、悔しくて常日頃から君へ勝ちたいという思いが溢れ出ていたみたいでね。まぁ団員が話しかけないレベルの執念だったんだが……」

 

(どんだけ俺に勝ちたかったの!?)

 

 アイズへの執念の自分の想像を遥かに超えていた為、ツナはドン引きしてしまっていた。

 

「俺のせいでそんなことになってたなんて……」

 

「気にしなくていいよ。大方アイズと1回だけ戦って終わるはずが、アイズの執念に押し負けて戦わざる得ない状況になったってところじゃないか」

 

(文句の言いようがない100点満点の推理!!)

 

(やっぱりか……)

 

 フィンの完璧な推理にツナは驚き、ツナの反応を見てフィンは自分の予想が当たって溜め息をついていた。

 

「あ。そういえばアイズのことなんだけど……」

 

「何かあったのかい?」

 

「実は……」

 

 ツナはアイズが襲われた時のことを話す。特訓のことがバレる可能性がある為、ツナはアイズは言っていないだろうと思って伝えることにした。

 

「襲撃……その襲撃してきた人物の特徴は?」

 

「顔を隠してから顔はわかんないけど……1人は槍を持った凄い速さの猫人(キャットピープル)?で後は同じような身長の4人で……多分、小人(パルゥム)だと思うけど……後は近くにはいなかったけど、遠くに誰かいた気がするんだけど……」

 

「奴らか……」

 

「じゃろうな……」

 

「ああ。特徴と一致してる上にアイズに襲撃できる人物など彼らしかいない」

 

 ツナが襲撃した人物の特徴を伝える。リヴェリア、ガレス、フィンは心当たりがあるようであった。

 

「君たちを襲ったのはおそらく【フレイヤ・ファミリア】の幹部」

 

「【フレイヤ・ファミリア】……?」

 

「【フレイヤ・ファミリア】。このオラリオに存在するファミリアの中でもトップクラスの実力を持つファミリアさ。団員、全員が主神である女神フレイヤへの忠誠心が強く、女神フレイヤの為ならば何でもやると言っても過言でもない過激な【ファミリア】さ」

 

「何でもやる……」

 

「ああ。君たちを襲撃したのは都市最速の冒険者アレンと兄弟による連携を得意とするガリバー兄弟。遠くに感じた気配というのはおそらく参謀のヘディンだろう。しかしなぜアイズを狙ったんだ?」

 

 ツナの言葉からフィンは襲ってきた者を推測することができたが、襲ってきた理由までは推測できなかった。

 

「アイズに警告しに来たって言ってた。何に対して警告しに来たかまではわからないけど」

 

「警告……一体、何のことだ……?」

 

 ツナはアレンが警告しにきたということを伝えるが、フィンは意味がわからずますます悩んでしまう。

 

「奴らの目的は不明だがとにかく君たちが無事でよかったよ。何よりアイズ1人だったら厳しかっただろう。君がいて助かったよ」

 

「アイズは幹部の人たちとは戦ってないよ。俺との修行で疲れてて俺が代わりに戦ったから」

 

「「「は……!?」」」

 

 ツナの発言を聞いた途端、フィン、リヴェリア、ガレスは衝撃を隠せないでいた。

 

「お、おいフィン……今とんでもない発言が聞こえた気がするんじゃが気のせいか……?」

 

「気のせいじゃないね……まぁ僕も彼の強さの底を知ってる訳じゃないが、それくらいのことをやってのけてもおかしくないと思ってしまう自分がいるよ……」

 

「それで本当に大丈夫なのか……? むしろ我々の方が足手まといになるのではないか……?」

 

「可能性は大いにあるね……」

 

「?」

 

 集まって小声で話し合う3人。ツナは自分がとんでもないことを言ったという自覚がなく、疑問符を浮かべるだけであった。

 

 

 

 

 

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