ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)21 会議(ミーティング)

 

 

 

 

 

 

 

 

 【フレイヤ・ファミリア】に襲撃された時のことを聞いて衝撃を受けた3人。

 ついに全ての団員の前で紹介することになる。

 

 

 

 【黄昏の館】内の大食堂。現在、【ロキ・ファミリア】に所属する団員たちほぼ全員が集められていた。

 

「大事な話があるって何ですかねアイズさん?」

 

 腰の下にまで届く山吹色の長髪をポニーテールに纏めている、エルフの少女がアイズに話しかける。

 彼女の名はレフィーヤ・ウィリディス。【千の妖精(サウザンド・エルフ)】の二つ名を持つ、Lv.3の冒険者である。冒険者としてのポジションは後衛魔導士。Lv.3の時点で攻撃魔法による火力だけならばLv.5以上と評されている。

 アイズへ憧れを抱いている。しかし憧れが強すぎる為に周囲から引かれることもある。

 ちなみにベルとアイズが特訓していたことを知っている。だが他派閥のファミリアでありながら、アイズに特訓してもらっているベルに対して激しい嫉妬心を抱いている。

 

「さぁ。何だろうね」

 

 アイズはこれから何が起きるか知っていたが、今言うのは違うので敢えてとぼけることにしていた。

 

「もしかしてフィンに彼女ができてその発表だったりして!!」

 

「あぁ!?」

 

 黒髪ショートヘアの褐色肌の少女が今回の召集の理由を推測する。その発言を聞いて褐色肌のロングヘアーの少女がドスの効いた声で顔を歪ませる。

 ショートヘアの少女の名はティオナ・ヒリュテ。【大切断(アマゾン)】の二つ名を持つLv.5の冒険者である。天真爛漫な性格であり誰にでも優しくすることができるものの、【ファミリア】内で最もおバカキャラでもある。

 ロングヘアーの少女の名はティオネ・ヒリュテ。【怒蛇(ヨルムガンド)】の二つ名を持つLv.5の冒険者である。普段は温厚な女性を演じているも、本性は短気な狂戦士であり、一度切れたら仲間達にも手をつけれない程の凶暴性を見せる。

 ティオネはフィンに惚れており、フィンを自分のものにする為であれば手段は選ばない傾向がある。またフィンに言い寄る女性がいようものなら、本性を露にしフィンに言い寄る女性を力で排除しようとする。

 ティオナとティオネは双子であり、ティオネが姉でティオナが妹である。2人はアマゾネスという種族でもある。アマゾネスは褐色の肌の女性のみの種族であり、体術による高い戦闘技術と強い闘争心を持ち、強い男に惹かれる習性がある。

 

「そうだったら絶対にそいつを殺してやる……!!」

 

「んな訳ねぇだろ。くっだらねぇ……」

 

 狼の耳と尻尾、灰色の毛並みをし、左頬には牙を思わせるような刺青を入れている男がティオネの言葉を聞いて興味なさそうな表情で呟いた。

 この男の名はベート・ローガ。【凶狼(ヴァナルガンド)】という二つ名を持つLv.5の冒険者であり、その名に相応しく短気で好戦的な性格である。実力主義の男であり、自分よりも弱い人間を見下したり暴言を吐いたりする一面がある。ただそれはベートなりの優しさなのだということは一部の者にしか知られていない。

 すると大食堂の扉が開き、フィン、リヴェリア、ガレスが入ってくる。

 

「急に召集してすまない。実は君たちに言っておかなければならないことができてね。実は明日の遠征に急遽追加メンバーが加わることになった」

 

 フィンが団員を集めた理由を説明する。団員たち特に困惑することなく黙って話を聞いていた。

 

「紹介する前に注意事項がある。今から追加するメンバーは僕から遠征に協力してくれるようにお願いした。そして今回の遠征に協力する条件として2つの条件を出した。1つは彼自身が戦力にならない場合、引き返させてもらうこと。2つ目の条件は彼に関する全てのことを詮索しないことだ。僕はこの条件を呑んだ。だから君たちにもこの条件を守ってもらう」

 

 フィンはツナが遠征に協力する為の条件を伝える。条件を聞いてざわつき始める。1つ目の条件はまだわかるが、2つ目の条件の自分を詮索するなというのが団員たちの不安を駆り立てた。

 

「会ったことのない人物に対して大丈夫だと言っても不安しかないだろうが、別にその人物は悪人でもなければちゃんと【ファミリア】に所属している団員だ。僕が見る限り、悪人ではない。にも関わらずわざわざそう言ったのは本人には知られたくないことがあるのだろう。彼だけじゃなくても知られたくない秘密は誰にだってあることだ。違うかい?」

 

 団員たちの反応を見てフィンはツナが大丈夫だということを説明する。フィンの説明で団員たちの不安が少しだけ和らぐ。

 

「とりあえず彼と対面してもらう。入って来てくれ」

 

 フィンがそう言うと大食堂の扉が開く。すると大勢の人の前に出るのが緊張し、身を萎縮したツナが恐る恐る入って来る。

 ツナを見て団員たちは困惑していた。てっきり威厳がある人物や、いかにも危なそうな見た目をした人物が現れるかと思えば、いかにも普通の少年が現れたからである。

 

「紹介しよう。彼の名は沢田綱吉。最近、オラリオに来た冒険者だ」

 

「何を考えているんですか団長!?」

 

「本気ですか!?」

 

「みすみす自殺させに行くだけじゃないですか!?」

 

 フィンがツナのことを紹介した途端、ざわつき始める。最近、オラリオに来た冒険者をダンジョンの中でも特に危険な地帯へと連れて行こうというのだから無理もないだろう。

 

「団長。1つよろしいでしょうか?」

 

「何だいアキ?」

 

 団員が騒ぐ中フィンにアキと呼ばれた人物が静かに手を上げた。

 彼女はアナキティ・オータム。【貴猫(アルシャー)】の二つ名を持つ、猫人(キャットピープル)のLv.4の冒険者である。第一軍を支えるLv.4の第二軍の中核メンバーの一人で、心身共に二軍メンバートップクラスの実力者。仲間達からはアキと愛称で呼ばれている。

 

「団長が意味がないことをする人物ではないということは重々承知しています。とはいえオラリオに来たばかりの冒険者を遠征に連れて行くのは無謀としか思えません。それでもなお彼を遠征に連れて行くというのは、彼にそれだけの理由があるんですよね?」

 

 アキはみんなが思っている疑問を代表して質問する。アキはフィンのことを尊敬しているし忠誠心もある。だがいくら信頼できる人物であっても、相手が自分よりも上の人物であってもちゃんと疑問を覚えればその真意を尋ねる。その返答に納得できなければ意見もするし。最悪の場合、切り捨てることも厭わない人物である。

 

「勿論。正直に言えば僕は彼が喉から手が出る程の逸材だと思っている。本人にその気はないが、もしウチの【ファミリア】に入りたいというのであれば僕は迷うことなく歓迎する」

 

 フィンが自分の気持ちを素直に伝える。ツナがフィンにここまで言わせる人物と知って、団員たちのどよめきが止まらなかった。

 

(なんかめちゃくちゃハードルが上がってるんですけど!?)

 

 フィンは正直な気持ちを伝えただけなのだが、ツナからすれば勘弁してくれという気持ちであった。

 

「とはいえそう簡単に納得できる者はいないだろう。だから今から彼と僕で1対1の勝負を行う。そこで彼の実力を見て判断してくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フィンの予想通りツナとフィンの一騎討ちとなる。団員は全員、庭へと移動する。

 

「まさか団長と一騎討ちするなんて……」

 

「しかも団長から言い出した……それも団長がわざわざ戦うということは相当な実力者なんだということなんでしょうけど……」

 

 対面で立ち尽くすツナとフィンを見て黒髪の優男ヒューマンの男と金髪ロングヘアーのエルフ呟いた。

 ヒューマンの男の名はラウル・ノールド。【超凡夫(ハイ・ノービス)】の二つ名を持つ、Lv.4の冒険者である。主力メンバーを支える二軍メンバーの一人でありその中でも中核的存在。主力メンバーだけでなく下位団員達の指示や意見などを聞き入れるなど、苦労の絶えない中間管理職的な立ち位置。Lv.4の実力を持ちながらも腰が低く、どこか頼りないがファミリア内では器用有能と呼ばれるなど一目置かれている。

 エルフの女性の名はアリシア・フォレストライト。【純潔の園(エルリーフ)】の二つ名を持つLv.4の冒険者にして、第二軍の中核メンバーの一人。包容力が高く、みんなの姉的存在である。王族であるリヴェリアを崇拝しており、彼女に仕える為にオラリオにやって来たという。

 

「なんやこの騒ぎ?」

 

 すると赤いショートヘアーで糸目の関西弁の口調の女性が現れる。

 彼女の名はロキ。【ロキ・ファミリア】の主神である。普段は飄々とした物腰であるが、不審な物事や策動、陰謀や暗闘などのキナ臭い話にも目鼻が鋭く利く等、切れ者である。

 その反面、無類の女好きであり、よくセクハラ行為をしようとして逆に返り討ちにされることもよくある。

 

「今度の遠征に追加で加わるメンバーなんだが、オラリオに来たばかりの冒険者でな。フィンが頼んで遠征に協力してもらうことになってな」

 

「はぁ!? 何考えてんねんフィンの奴!?」

 

「さぁな。ただフィンは彼のことを喉から手が出る程欲しい程の逸材と評していた。とはいえ口で言っても皆、信じないだろうから一騎討ちで彼の力を証明することになったんだ」

 

「一騎討ちって……そんなん結果が見えてるやろ……どう考えたってフィンに勝てる訳ないやん……」

 

 リヴェリアから現在の状況を聞いたロキ。しかしロキからすれば結果の見えていることであり、フィンが何を考えているのかわからないでいた。

 

「さて。前にも言ったがここで君の実力が認められなければ遠征に参加させられない」

 

「わかってる」

 

 フィンは自身の武器である金色の槍を構え、ツナは27と書かれた手袋を装着していた。

 

「それと君も遠慮なく攻撃してくれ。その方が君の強さが伝わる」

 

「うん。わかった」

 

 アイズとの修行の際、ツナは手を出していなかった。今回それをすればツナの実力が周囲に伝わらない為、フィンは攻撃するよう指示をした。

 

「それから僕は君のことを過小評価していない。悪いが本気で行かせてもらうよ」

 

「うん」

 

「さぁ話はここまでだ。ここからは拳で語り合おう。準備はいいかい?」

 

 そう言うとフィンは槍を構え、先程まで笑顔だった表情が真剣な眼差しへと変貌する。

 

「ああ。勿論だ」

 

 ツナも(ハイパー)死ぬ気モードとなり戦闘態勢を取る。

 

「死ぬ気でこい」

 

「言われなくても」

 

 

 

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